チェリーとオフホワイトで塗装した2つの素材で仕上げた食器棚

2017.02.10

20170210002201702100042017021000320170210005今日は、カナイ君とナカガワ君にSさんの食器棚の取付に行ってもらいました。
本当は私も伺う予定でしたのに、今日中に図面を作っておかないとこの先滞っちゃう部分が出てきそうでしたので、急きょ会社に残ることに。
Sさん、すみません。
今日のSさんの食器棚。なかなか面白いかたちなのです。
最近のマンションは真っ白い壁紙を使わないところも多く、Sさんのところも少しくすみのある落ち着いた色のオフホワイトだったのです。そこで、その色に近い感じで扉などを作ることにしました。
化粧板で作ってもきれいにまとまるのですが、もっと柔らかい印象を出したかったので、ここはひと手間加えて、塗装して仕上げることに。これで角の丸いやわらかい仕上げになりました。
(開けた引き出しは、真っ白な化粧板で仕上げているので、色の違いが分かりますでしょうか。)
そして、天板とオープン棚だけはSさんの気に入って入るチェリー材を使うことにして、とても優しい印象の食器棚になったのです。
さらに、ちょっと面白い工夫がありまして、実はこの食器棚は設置スペースの幅が1メートルちょっとしかなかったのです。そこからは洗面室しぇとつながるドアがあって、食器棚はその小さなスペースに置くはずだったのです。
でも、洗面室への出入りは廊下から行なえればよい、ということになり、この入り口をキッチン側から塞いでしまうことに。その代わりに食器棚の幅を広くしたのです。
そして、洗面室からはそのちょっとしたスペースが物入れになるようにしているのです。
面白い。

ウェブサイト更新

2017.02.10

格子扉のあるチェリーの食器棚色濃くなったチェリーとMさんの手作りのお料理やお気に入りの器がとてもバランスよくこの場所にあるのだな、とあらためて思ったMさんのチェリーの食器棚の記事と、

タモのダイニング収納
ものを作ることが好きだというTさんの優しい表情と同じく優しくきりっとした表情に仕上がったTさんのリビングボードと、

チェリーのオーディオテレビボード
自分の好きな形を細かくスケッチしてくださって、それが実はなかなか製作可能な形にすることが大変だったけれど、こうしてできあがってみるととても美しく仕上がったKさんのテレビボードの3つの記事を掲載しました。

よろしければご覧になってくださいね。

かたちづくられる

2017.02.10

「チェリーのテレビボードのオーダー」

横浜 K様

design:Kさん
planning:Kさん/daisuke imai
producer:yasukazu kanai
painting:yasukazu kanai

「はじめまして。オリジナルのテレビボードを作りたいと考えています。
こちらで書いた簡単な図面を見ていただき、詳細な構造や寸法など、実現の可能性についてお話できればと考えておりますので、一度お伺いして、お打合せいただくことはできないでしょうか。」
Kさんからシンプルなメールを頂きました。

チェリーのオーディオテレビボード

配線の穴が開いている部材は実は取り外しできて、配線しやすいようなフタになっているのです。

さっそく日時をお約束して、私たちがここでどんな形の家具を作っているのかを見に来て下さることになりました。
いらしてくださったKさんご家族は、温和な表情のご主人と、小さなお子さんを抱えた奥様。まだまだ私よりもお若くて、これからまさに新しい暮らしが始まるのだな、と思わせてくれるご夫婦でした。

チェリーのオーディオテレビボード

両端のデザイン。そして、天板の奥にぼんやり見えるのは、隠れるようにひっそりしている引き出し。

「こういう形のテレビボードを考えているのです。」
そうして、見せてくださったのは手描きで細かく掛かれたスケッチでした。
「ちょっと分かりづらいかもしれませんが・・。」と少し照れた表情でご主人がはにかみます。
「いやいや、全然。よく分かりますよ。こういうふうに描いてくださると、家具の様子が良く見えて大変助かります。」

チェリーのオーディオテレビボード

ウーファが入る部分はサランネットを張ったのですが、おちびさんにイタズラされないように、格子扉にネットを張っています。この扉が意外に手間が掛かるのです。

私たちのところには、さまざまな形で皆さんが相談にいらして下さいます。
その中でどのように形を実現していくか、できあがった形よりもその過程が大事であることが多いのです。
頂いたイメージをそのまま忠実に再現することももちろんできます。
でも、ここにいらして下さる方々は、まだ何かを見つけていないことが多かったりします。

チェリーのオーディオテレビボード

左右対称のデザインにしているので、ウーファ部分の対になるサランネットの扉は開けるとこのような感じ。引き出しが上部についていて、下には本をしまえるようなサイズで設計。

例えば、
「わたし、全然イメージがまとまらなくて、こんな状態で今井さんのところに来ていいのかしら。」と言いながらいらして下さる方もいらっしゃれば、
「ここにはこういうものをしまって、こういうふうに取り出せるようにしたいのです。そして、その隣はこれをしまえると毎日動きやすくできそうです。」としまうものひとつずつをきちんと考えてくださる方もいらっしゃいます。
どちらかというと、すべてきちんと考えられていたほうが、家具の費用は出しやすいのです。
だって、使う材も拾いやすいし、掛かる加工費もおおよそ検討がつきます。
かえって、漠然とした状態のものを、「おおよそこのくらいの費用でできますよ。」とは伝えにくくて。だって、しっかり津s刳り方を考えてみたら、こういう形にするにはこれが必要だった‥ってなることもありますので。

チェリーのオーディオテレビボード

こちらは、市販のテレビボードでよく見かけるデザイン。引き出しを開けると上部のAV機器収納部の扉がくっついているというもの。今回は濃色のアクリルを採用。

しかし、きちんと決められているほうが費用は出しやすくても、必ずしも使いやすい家具になるかどうかは分からなかったりします。
実際、そこにそれをしまえるようにしても、はたしてずっと同じ使い方をするのか、家族構成は変わるのか、しまわれるものがマイナーチェンジしたらどうなるのか、そのモノをしまうための家具にするとかえって縛られた形になってしまったりして・・。
突きつめて言えば、扉がついていて中に棚板さえ入って入れたば、あとは使う人が自由に物をしまったり、かごをしまって引き出しの代わりにしたりできるからそれでいいのではないかって思う時もあります。
そういういろいろなはざまで、使う人の好みを聞いたり、暮らしかたを聞いたり、その人の人となりを眺めたりして、そして、その人も私を見て、私と話して、私たちの家具を見て、そういう過程を経て、固まり過ぎていたイメージが、漠然としていたイメージがどこか一つの形に向かっていくのです。
そこに導くことが私たちの仕事、そして、その形を実現させるのが私たちの仕事です。

チェリーのオーディオテレビボード

全体の印象。

今回のKさんの形は、きちんと考えられていました。
AV機器類は、時代に左右されず、きちんとした規格のものがあって、それをうまくしまいながら、使い方の動線もできていて、「すてきな形ですね。」ということで、細かい調整をさせて頂いて、さらに私たちのテイストも加味させて頂いて、ほぼそのまま実際の製作図面にすることができたのでした。

チェリーのオーディオテレビボード

将来分けて使うことができるように、3分割に製作しております。

どこにも売られていない形は、そこにしかない気持ちとそこに至るまでの時間がつまった大きなかたちなのです。

アメリカンチェリーのテレビボード

価格:700,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は15,000円から)

もの作りが好きということ

2017.02.10

「タモ柾目のリビング壁面収納のオーダー」

練馬 T様

design:Tさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:masakane murakami
painting:iku nogami

「はじめまして、Tと申します。ホームページから職人魂を感じられる素晴らしい家具を作られていると思い、ご連絡させていただきました。注文建築で建てたいと長らく土地を探していましたが、なかなか見つからないので、建売を購入しました。2月末の引き渡しです。一部でもこだわりたいと思い、キッチンの背面収納から壁面のデスクまでを作りたいと考えています。まだ自分でもイメージが固まっていませんが、タモ材を柿渋で仕上げたいな、などと考えています。是非ともイマイさんと良い物を作りたいと考えていますのでご連絡よろしくお願いします。」
Tさんからご相談を頂きました。

イマイさんと良いものを作りたいか、うれしいなあ。

タモのダイニング収納

「写真を撮るのも好きなもので、ちょっと撮ってみましたのお送りしますね。」とTさんが送って切れた写真。

ちょうど仕事が立て込んでいる時期でしたので、「すみませんが、図面と御見積を作るのにしばらくお時間を頂けますか」と、まずはお伝えしました。
すると、
「早速のお返事ありがとうございます。特段急ぎませんのでご安心ください。どんな図面が上がってくるか楽しみです。
(人間は案外何かを心待ちにしている時がワクワクして一番楽しい時間だったりするものです) 納期も特に急ぎません。
また、実際に暮らしてみて、例えば引き出しの深さだったり、配置だったり色々な事が見えてくると思いますので、ゆっくりとご相談させていただきたいと思います。」

良いですね、心待ちにしている時のワクワクって。

タモのダイニング収納

キッチンから眺めた時の様子。

それから、頂いていたイメージに基づいて、それを製作可能なかたちへと図面に書き起こしてどのくらいの費用が掛かるかを考えていきます。
シンプルできれいな形にまとまりそうです。
さっそく、Tさんにそのプランと金額をお伝えしました。

するとまもなく、Tさんがお電話をくださいまして、その内容でご依頼を頂けることに。
ありがとうございます。
それでは、ということでまずは家具の設置場所を拝見させて頂くことになりました。
杉並区や練馬区は、ここからはそれなりに遠い場所なのですが、よくご相談を頂くことが多い地域でもあります。
ちょうどこの時期もキッチンを作らせて頂く方、食器棚を作らせて頂く方がすぐそばにいらっしゃって、このあたりをよく往復している日々でした。

タモのダイニング収納

KUMAさんのハンドル。槌目が良い表情です。

それでも新しい町を歩くのはすてきです。
いつもは車で通り過ぎてしまう場所にお寺があったり、おいしそうなお店があったり。
暮らしも町もいろんな匂いがする場所ほど魅力的だったりします。
井荻の駅を降りてから20分ほど歩いて、Tさんのお宅に辿り着きました。
もともと建てられていた大きな建物が解体されて、分譲されたというこの場所は、すぐ隣に環状8号線なのに、どこかのんびり静かで、この街区だけ広々としていたのでした。
そののんびりとした空気の中、せわしくされていたのがTさんご夫婦。
本格的なお引越しの前に細かい作業をしていたのでした。

タモのダイニング収納

机の下の引き出しは出っ張らないように手掛けにしています。

「こんにちは。」
「あっ、イマイさんですか。いらっしゃいませ。まだ何もないのですが、どうぞ上がってください。」
私よりも少し年上の優しい眼差しの男性が案内してくださいました。
間もなく奥様もいらっしゃって、この家具についていろいろと打ち合わせます。
ほぼ図面の通りで決まっていた部分ですが、やはり顔を合わせながらお話していくと、いろいろなものが見えてきます。
リビングからドンと目に入る部屋のメインになる家具。どう見せたいか、食器棚としてどう使いたいか、ご主人と奥様の意見をお伺いして、ようやく一つの形にまとまりました。
「楽しみにしております。」
はい、頑張ります。

タモのダイニング収納

今回は30cmの長さのハンドルも作ってもらったのです。

今回特長的になるのが、KUMA鍛鉄工房さんのハンドル。何度も使わせて頂いておりますが、毎回その打ち味によって微妙に表情が変わって美しいハンドル。
そういう手の跡が残るものを使いたいって、Tさんが言ってくださったのがとてもうれしいのです。
今回は、いつもの長さのハンドルだけではなく、いつもよりも長いものを作ってもらって、良い雰囲気になりそうです。

今回は、奥様の希望で静かな印象のタモの柾目(木目がまっすぐなもの)材を使って作ることになったので、ハンドルの表情が良く引き立ったのでした。
またこの柾目が玄関を入ってからすぐに目に入ってくるので、その木目の流れが自然とリビングへと導いてくれるのでした。
家具はTさんのお引越しが終わってしばらくした頃に取付に伺わせて頂きました。
家具の設置後にお茶を頂ながらTさんのお話を伺います。

タモのダイニング収納

玄関からリビングに入ってすぐに目に入る印象。

ものを作ることが好きだというTさん。お茶を頂いている時に目に留まったのが、キッチンの体面に置かれているシェルフでした。
「もしかして、これもお作りになったのですか。」
そう聞いてみると、
「プロの方に見て頂くのはお恥ずかしいですが、自分でホームセンターで材を用意して作ったのです。」
そう照れ笑いしながら教えてくださいました。
手作りというよりももっとしっかりとした作りで、とても日曜大工でできた簡易的なものには見えませんでした。
「いろいろと自分で手を動かすのが好きなのです。最初はね、このリビングの家具も自分で‥、なんて思ったのですが、やっぱり大きくて家の顔になるわけですから、きちんと作ってもらいたいなって思って、家具屋さんを探し始めたのです。」
なるほど、でもすばらしです。

そのあと、Tさんからお便りが届きました。
「昨日は家具の設置ありがとうございました。
おかげさまで最初に思い描いていた以上の家具と暮らしていけることになり、家族全員幸せな気持でいます。
イマイさんと出会う前、この家を購入してすぐこのような家具を作りたいと思い、業者さん探しと出来上がりのイメージ作りを始めました。
タモかナラにしたいと最後まで悩みましたが、我が家のシンプルなデザインの横長の家具にはナラのように虎斑が入らないタモの柾目がデザインと材木がお互いに引き立てあっている様な気がします。
もちろん、それにはイマイさんの技術とテイストと職人魂がこの家具に注がれているからこそですが。
家具職人さんには職人の一面と作家(芸術家)の一面が必要な気がするのですが、そのバランスが取れている時がユーザーからすると一番の家具屋さんだと思うのですが、どちらかの面に偏るとユーザーからは自分よがりな家具屋さんになってしまう気がするのです。
イマイさんは絶妙にバランスが取れている家具屋さんに思えるます。
これからも長くお付き合いさせていただきたいと思っています。
イマイさんの家具を見たいけど寒川までは行きにくい様なお客様が居たらご案内していただいても構いませんよ。イマイさんの家具に惚れた方なら歓迎します。
長文になりましたが、まずは感謝の思い伝えたくメールしています。
これからも素敵な家具屋さん職人さん作家さんでいてください。
ありがとうございました。」

うれしい言葉です。ありがとうございます。

とここで、家具納品までにお話は終わるのですが、後日、和たちが参加したクラフトマーケットにジャケットとハットを被った物静かな男性が一人いらっしゃった時は、Tさんとは気づかず失礼しました。
「こんにちは、良かったら手に取ってご覧になってくださいね。」と声を掛けたところで、ハットを取って「イマイさん。」と柔和な表情を見せてくれた時のことを今でもにこやかに思い出してしまいます。

タモ柾目のカップボードとリビングボード

価格:750,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は25,000円から、取付施工費は40,000円から)

すきになる

2017.02.10

「チェリーとアイアンの食器棚のオーダー」

世田谷 M様

design:Mさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:masakane murakami
painting:iku nogami

格子扉のあるチェリーの食器棚

リビングから見た食器棚の全景。

格子扉のあるチェリーの食器棚

勝手口側から見た食器棚の全景。

「こんにちは。初めてメールいたします。
ずっと前から、楽しくホームページを見ていました。
丁寧な仕事ぶりが感じられるあたたかみのある素敵な家具がたくさんあって、こちらで相談してみたいなと思いました。
食器棚の見積もりをお願いいたします。
イラストを描いてみましたので、FAXいたします。
家具蔵でチェリーのダイニングテーブルとチェアを注文したので、食器棚もチェリーがいいかなと思っておりますが、相談するうちにかわるかもしれません。
扉や引き出し、カウンターなど見えるところは無垢材を使って木のあたたかみを感じられる食器棚にしたいです。
内部は費用面、掃除のしやすさ、などを考え、ポリエステル化粧板にしてもいいなと思います。
カウンター下のスライドテーブルだけはステンレスにしたいです。
カウンターを広めにとるため炊飯器を上に、電子レンジを下に収納します。炊飯器は幅25センチのものです。
ガスレンジの下にコンベックを設置するので、電子レンジは小さめのものを購入する予定です。サイズもかいておきました。
幅があまりないところにたくさんの食器が収納できるよう考えました。家電は普段は見えないようにしたいです。
全面収納も考えたのですが、無垢の木のカウンターとその上にカフェのようにお気に入りのカップを並べるというプランが今のところ心ときめくので、これで見積もりをおねがいします。
またいい案がありましたら、教えていただいて決めていけたらなと思っております。
取っ手は、木にしようかステンレスにしようか決めかねているところです。ステンレスのほうが実用的かもと思ってみたり。
塗装もオイルか薄いウレタンか迷っています。
ダイニングテーブルとチェアはオイルにしたのですが、食器棚には大丈夫かしらと。
納品先は、世田谷区桜上水です。入居できるようになるのが少し先になります。
キッチンとパントリーの扉の色はかなり濃い茶色です。
お忙しい中お手数をおかけいたします。
楽しみにしております。
よろしくお願いいたします。」

格子扉のあるチェリーの食器棚

KUMAさんのハンドル。

楽しそうなメールを頂いたのです。
それでちょっとお時間を頂いて、今取り掛かっている皆さんの家具の形を考え終えましたら、さっそくMさんのスケッチを見ながら形を考えてみましてお送りしたのです。

格子扉のあるチェリーの食器棚

ステンレスを張ったスライドワークテーブル。

スケッチの通りにほぼできそうでしたので、Mさんの希望通りになったのですが、ちょっと金額が高くなってしまって。
そこで、どうしたらコストダウンできるかをMさんとメールのやり取りをしながらいろいろと悩むのでした。
そして、悩みながらも結末がメールでは出ないまま、こちらまで一度いらして頂けることになったのです。
百聞は一見に如かずですね。

格子扉のあるチェリーの食器棚

格子扉にしたのには理由があります。

格子扉のあるチェリーの食器棚

このように開けて収納できる扉になっているのですが、中には、炊飯器が入っていて、熱がこもらないように、ということと家具のデザインtのして格子を取り入れたかったのでこのようにしたのでした。

それで実際に見て頂くと、「やっぱり実際に木に触って、直接お話すると分かりやすくて良いね。」ということになって、コストダウンにむずびつかないこともあるのです。
メールでは、少し単価の安い材に変えるかどうか、内部の作りを簡素化するかどうかなど細かく検討していたのですが、お会いしてお話すると、「やっぱり良いものにしたいから、頑張ります。」と。「はい、私たちも頑張ります。」
そして、ショールームに何げなく置かれているKUMAさんの鉄のハンドルに一目ぼれしてしまって、うーん、コストダウンには全然ならなかったのですが、とても素敵な形になりそうなのでした。

格子扉のあるチェリーの食器棚

吊戸棚の下は、奥行きのあるオープンスペース。

最初にお問い合わせいただいてから、約1年後にご新居の内覧会があり、そして、納品はその半年後。その間に、打ち合わせに一度いらして頂いて、さらには年末のイベント「クレミル」にもお越しくださって、家具を作る過程を本当に楽しんでくださったMさん。
1年半かけて考えた形は、結局最初と変わらず、すてきな形のまま実現したのです。

格子扉のあるチェリーの食器棚

オープンスペースの下には、照明をつけましたので、ここにトグルスイッチ。

格子扉のあるチェリーの食器棚

アイアンの黒に合わせて、LEDダウンの縁も黒いものを選んでいます。実は炊飯器スペースの奥に着けたコンセントも黒いものにしています。(普段はほとんど見えないのですが、せっかくですので。)

「先日は食器棚を取り付けていただき、ありがとうございました。
早速ブログにも載せていただきありがとうございます。
本当に、素晴らしく美しい食器棚です。
もうずっと楽しみで心に出来上がりを思い描いておりましたが、想像以上の仕上がりでした。
あれからずっと感動しながら見つめて、なでて、開けて…と離れがたく結局夕方までそばにいて、家に帰りました。
そうすると次は食器を早くいれたくなり、次の日にもっていける食器をできるだけたくさん段ボールに詰め、持っていきました。
主人も一緒に行き、食器棚と初対面です。これはいいね~と主人も喜んでおりました。
アイアンの取っ手もやっぱりすごくかっこいいね~と二人ともお気に入りです。
食器もたくさん入ります。まだ買っても入りそう、とこれまた私はにっこり。
本当に細部まで丁寧な作りで、取り付けも細かいところまで綺麗にしてくださって素晴らしいお仕事ぶりに感謝いたします。
高い買い物ですし、主婦には贅沢すぎるかしらとも思ったりもしましたが、お願いして本当によかったです。お部屋がグレードアップしました。
毎日あの場所で過ごせるのがとても幸せです。大切に使います。おいしいものたくさんつくろうってやる気がわいてきます。
お名前を聞き忘れてしまいましたが、作ってくださった方にも、幸せをありがとうございましたとお伝えください。
3月末に引っ越し予定なので、5月ごろには落ち着くと思います。
またお会いできるのを楽しみにしております。
ありがとうございました。」

といううれしいお便りをいただきました。

格子扉のあるチェリーの食器棚

レンジの下のスペース。お盆やマット、天板を置くのにちょうど良いって、Mさんがうれしそうに言っていました。

そして、納品を無事に終えたあと、納品からさらに1年が経ってあらためて家具の様子を拝見させて頂きにお邪魔したのでした。

格子扉のあるチェリーの食器棚

格子扉の上は、奥行があるので、大きな食器がきちんとしまえます。

「イマイさん、やっぱりこの食器棚はとても使いやすくてすてきよ。」
「一番気に入って使いやすいのは、やっぱりこのテーブルです。ステンレスを張ってくれたから、なにも気にせず調理に使えるし、カウンターがそれほど広く採れなかったから、料理の時に大活躍しています。」
「レンジの下の棚もお盆や天板なんかの大きなうすいものが入るから、とても便利だし。」
そう、Mさんの食器棚はちょっと変わっていて、いつもなら食器棚は壁の出っ張りに合わせて奥行を考えることが多いのですが、このキッチンの間取りだと、奥行き450mmを越えると壁から出っ張っちゃう。
普通の食器棚なら奥行き450mmで良いかと思うのですが、Mさんももっと深い食器棚がほしかったのです。そこで壁から出っ張っても良いので、ということで奥行き550mmにして、レンジもきちんとしまえるし、お盆などもきちんとしまえる深さを確保したのです。
「前にイマイさんにお話したテーブルウェアフェスティバルに先日行ってきたのです。」
「あっ、あの調理器具などがずらりと並ぶという市ですね。(うろ覚えになっていて・・)」
「うん、調理道具だけじゃなくて、器もたくさん出されるんです。いろんな作家さんもいらっしゃって。」
「なるほど。それはすてきなクラフト市ですね。」
「そうなんです。私は今年だけで3回も通ってしまいました。」
「それはすごい。」
「いろんな作家さんとお話しできて、その人のものを使うことができるってとても楽しくてうれしいのです。」
そう言って、いろいろな器を見せてくださいました。
伝統的な柄のもの、古い産地でモダンな形に取り組んでいる作家さんのものなど・・。
その人を好きになったその人の作るものが好きになって。もしくはそのものが好きになったら、その人も好きになっていった。
好きになることって、もの作りをするうえでとても大切なこと。
どんなに大変なことでも好きだから続けていけるわけだし。そのことを分かってくれる人が使ってくださるってことがまた作り手には糧になる。
うれしい循環です。

格子扉のあるチェリーの食器棚

引き出しの様子、その1。何といっていたかメモを取り忘れてしまったのですが、サイズやジョイントの仕方、スライドする機能などとても良く考えられているケースにきちんとカトラリーがしまわれています。

格子扉のあるチェリーの食器棚

引き出しの様子、その2。

格子扉のあるチェリーの食器棚

引き出しの様子、その3。

格子扉のあるチェリーの食器棚

引き出しの様子、その4。

格子扉のあるチェリーの食器棚

引き出しの様子、その5。

そのようなお話をして、Mさん、ありがとうございました。
また機会がありましたらお邪魔させて頂きます。

これからも、楽しく食器棚を使っていってくださいね。

格子扉のあるチェリーの食器棚

価格:590,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は20,000円から、取付施工費は40,000円から)