木のキッチンでおうちパン教室を開きます。

2017.04.13

もうすぐ訪れる春、どこかお出かけしたくなる季節ですね。
その季節を迎えるにあたって「おうちパンシニアマスター」の藤沢真美さんが連休前の4月23日(日)におうちパンクラスを開いてくださることになりました。
このレシピは前の晩に仕込んで、翌朝焼いて楽しめるレシピなので、キャンプに行くときにも気軽に楽しめるレシピなのですよ。
焼きたてのパンをご馳走にお出かけしてみませんか?
小さいお子様連れの方も、パパも大歓迎です。(キッズルームあります)
また、「木のキッチン見てみたいけど、子連れでも良いのかな。」「今話題の「おうちパン」、気になってるけれどどこで習えるだろう。」というみなさん、、一石二鳥(笑)のこの機会にぜひ遊びに来てくださいね。

フライヤーご希望の方はこちらのPDFを保存してお使いください。
おうちパン4月23日のフライヤー

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「ミルクスティックパンを作ろう」
*当日は生地製作を体験して頂き、お持ち帰りいただきます。プチ試食会もあります。

日程: 4月23日(日)
時間: 午前の部:10:30スタート、定員8組(満員となりまして、すみませんが締め切りました。)
    午後の部:14:00スタート、定員8組
場所: フリーハンドイマイ2階ショールーム
持ち物: エプロン、髪の長い方はまとめられるもの
保冷バッグ(ランチバッグサイズ)と保冷剤
問合せ:TEL:0467-75-8719/mail:info@freehandimai.com

料金: 1組500円(当日現金払いとなります。)

*お申込の受付は定員に達し次第締め切らせていただきますので、ご了承ください。
*駐車場に限りがありますので、車でご来場の際は、ご連絡ください。

ouchi_003湘南☆寒川町の子連れで通える自宅パン教室-おうちパン-
http://ameblo.jp/panpan-smkw/

藤沢真美
10年間の料理教室の講師を勤め、子育てを機に、こどもの食を通して食の大切さを実感し、『家族が食べる美味しい手ごねパン作り』をテーマに、美味しく簡単にできる手ごねパン教室を開催。

手さぐり

2017.04.13

なやましい構造。
最初の部材は少し力を加えたらきれいに導管に沿って割れてしまったのでした。
では、木取りを変えてみようか。
二回目の部材はなかなか良い感じです。自分の手でグイッとやっても先ほどのようには割れたりしない。でもこれが脚に組み込まれて重たい天板が載るとどのくらいのストレスが掛かるのか。手探りですね。
「じゃあ、カナイ君。どのくらいで耐えられなくなるか試してみよう。」
と、片側をバイスで固定して、反対側は人の力以上にということでクランプで締めてみると最初の部材よりは強いのですが、ある程度力を加えたところでもげるように割れてしまいました。
うーむ。
3つ目に用意した部材は、クロスする根元の面積が広いもの。
こちらはきちんと割れませんでした。
やはりこの木取りでこの形になるのだね。
それでいて美しい形にしていくにはどうするかな。

我が子へ

2017.04.13

20170413001先々週、と先週の日曜日に子供達には内緒で(うすうす気づかれていたみたいですが)ここでひとつの形を作り上げたSさん。いよいよ本日お子さんに贈る日です。
「とても楽しかったです。まだこの経験を生かして、今度は息子のプラレールをしまうボックスを作ろうかなって思っているんです。」と、とても晴れ晴れした笑顔でそう言ってくれました。
自分の町で楽しいことができるって、すてきなことだ。

ウェブサイト更新

2017.04.13

クルミとアイアンを使ったキッチン背面収納と吊り戸棚クルミで食器棚を作らせて頂き、明るいキッチンになったSさんのお話と、

ステンレスうろこ仕上げを用いたアイランドキッチンクラシックカーのデザインをキッチンに取り入れる、というちょっと珍しい印象に仕上げたMさんのキッチンのお話と、

8年前に作った家具を移設して新居にリフォーム8年前に作らせて頂いた家具を新たな住まいにきれいに導入させて頂いたWさんのお話を3例を掲載させて頂きました。

もしよろしければご覧になってください。

ほほえむ、にぎわう、台所。

2017.04.13

「クルミの食器棚のオーダー」

杉並 S様

design:Sさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:hideaki kawakami
painting:yasukazu kanai

クルミとアイアンを使ったキッチン背面収納と吊り戸棚

キッチンつき当たりから振りかえって食器棚を見た様子。建売なので、内装を決めることができなくて、キッチンの背面がかなり濃い色なのですが、どちらかというと濃い色のシックな印象よりも木目の生き生きとした明るい印象にしていきたくて、と言っていたSさん。冷蔵庫も濃い色ですが、キッチン自体は、この食器棚がかなり明るい印象にしてくれたと思います。

クルミとアイアンを使ったキッチン背面収納と吊り戸棚

キッチン入り口から見た様子。その1。この長い天板をどう2階に揚げるかを取付当日まで悩んでいたのでした。

クルミとアイアンを使ったキッチン背面収納と吊り戸棚

こういうカウンターに置かれたものはその人をよく表してくれます。何より果物が木の鉢に置かれているところが私としてはとても好きなのです。

食器棚を作りたいというお電話を頂いたのです。
家具をご相談してくださる皆さんの連絡方法はいくつかあるのですが、一番多いのがメール。ウェブサイトに問い合わせフォームがあるからだと思うのですが、やはり一番多くみなさんから頂く連絡方法はメールです。

クルミとアイアンを使ったキッチン背面収納と吊り戸棚

奥様が一番好きな場所、と言ってくださったこのスペース。当初は家事をしながらパソコンができるようなデスクをイメージして作った場所なのですが、今は奥様の好きなものがギッシリ詰まったスペースに。「いつかは机として使おうと思っているのですが、今はこの状態が良いのです。」と。

次に電話。その次はFAXですが、FAXでお送り頂くのは昔に比べるとたいへん少なくなりました。今はスマートフォンが普及して、手書きのものでも簡単に写真に撮ってメールで送れる時代になったからでしょうか。
その2番目に多い問合せ方法の電話ですが、なかなかタイミングが合わないことがあるのです。
いつもは電話が掛かってきても手元の私の電話で受け取れるようにしているので、工房に居る時ももちろんあるのですが、移動中だったり、打ち合わせ中だったり、取付作業中だったりすることも多くそうなると電話に出られない・・。
折り返し電話すると、知らない携帯電話番号が空いて先に表示されるからか出てくれないことも多かったりします。
出会いはタイミングなのですね。
でも、うまくタイミングがあって電話でお話ができると、声でお話しできる分、お互いの気持ちが伝わりやすいのでいろんな話ができるのです。
でも、メールのようにうまく言葉を考えながらお伝えすることができない時があったり、今話していることの次に話すべきことを考えて、先ほど伝えたことが頭の中でうろ覚えになってしまったりすることもあるので、いろいろと考えるとやはりメールでご相談頂く方がゆっくり考えをまとめてお伝えできるなあ、と受話器を置くたびに少し思うのです。

クルミとアイアンを使ったキッチン背面収納と吊り戸棚

吊戸棚の下のオープン棚。このスペースとても気に入って入るってお客様は多いのです。皆さんとてもきれいにうまく使ってくださっていて、私はいつもこのスペースを見て、フンフンと勉強しているのです。

そして、Sさんから食器棚を作りたいというお電話。
大まかな内容は、そのお電話で分かりましたが、細かい部分についても教えて頂きたかったので、あらためてメールを送って頂くことにしました。

「今井大輔 様
早速のご回答ありがとうございます。
新居に伴い、インターネットなどで食器棚をいろいろと探していく中で今井様の食器棚に一目惚れし、一刻も早く問い合わせしなくては!!という思いでお電話させていただきました。
それゆえに、アバウトすぎる内容のメールを送ってしまい申し訳ありません。
現時点ではざっくりとした希望しかお伝えできないのですが、、、」

と、とてもうれしい言葉を頂きました。
Sさんのように大事な思いを持って来て下さる皆さんがいらっしゃるから私たちは頑張ることができるのです。
そのメールにいろいろと書かれたSさんのご要望を踏まえて、さっそくプランを一つ作成しました。

ステンレス製の根菜バスケット

下に見えるのが根菜バスケット。この食器棚の一部に根菜をしまうスペースを作る、という考え方も以前に比べると増えてきていますね。

「ご連絡ありがとうございます。
図面を見てさらにワクワクしてきました!!
いただいた図面をもとにいろいろと考えたいと思います。
また、来週18日17時から、現地でキッチン窓の高さなどを採寸させてもらうことになりました。
以前のメールで、5月初旬に現地確認をというお話がありましたので、もしご都合がよろしければ、今井様にも一緒に現地確認していただいたほうが話がスムーズに進むのではないかと思いまして。
急なお話で失礼かと思いましたが、一応ご相談させていただきました。
よろしくお願いします。」

というお申し出がありまして、幸いその日は予定が空いておりましたので現地を確認させて頂くためにお伺いしたいのです。

ロートアイアンのハンドル

KUMA鍛鉄工房さんのロートアイアンハンドル。最近よく使わせて頂く機会が増えてきました。蜜蝋を焼き付けて仕上げてあって独特の光沢と控えめな槌目の印象が熊田さんの優しい笑顔を思い出させるのです。

今回は一般的な食器棚の設置場所と違って、屋根の勾配が天井に現れているキッチンスペースです。しっかり確認しておかないと。
そして、2階への搬入をどのように行なうかを確認して頂いて現地での打ち合わせは終了。
そのあとにSさんのご自宅に伺わせて頂いて、キッチンや今使っている食器棚を拝見させて頂いて、イメージに近い形を打ち合わせていきました。

炊飯器収納スライドテーブル

炊飯器用のスライドテーブル。

そして、その中で興味深い話題になったのが、金額に対する捉え方でした。
家具をオーダーで作るということは、もちろん簡単なことではありませんので、量販店で販売されている家具に比べると高くなってしまうことが多いのです。
私たちは、私たちの作業費をその家具を作る為に掛かる時間(日数)に換算して加工費用を計算していきます。
そこに掛かる材料費を加えたものが家具を製作するうえで掛かる費用と考えております。
家具は製作するだけではなく、塗装が必要な素材であれば塗装のための費用、運搬するための費用、壁にきちんと固定して仕上げるための費用、そして、今こうして打ち合わせを行なって形を考えたりするための設計費用が掛かります。
そこには無駄がなく、私たちみんながきちんと気持ち良く仕事をして行き会社を運営してゆくための費用となっているのです。
家具に限らず、よく量販店ではある時期に限って価格を大幅に下げるような販売方法があったりします。
使う人にとって、必要なものが手に入れやすい金額になっていることはとても魅力的なことであります。
ただ、そこに私たちが示した金額は家具を販売しているお店が示している金額とは質が違うものです。
私たちは私たちがその家具を作るために掛かる費用を提示し、販売店は必ずしもではありませんがその家具をうまく販売するために調整できる金額を提示していると思っております。
Sさんとの話の中で、率直に、家具屋さんにおいては減額という対象のなかに値引きというものもあるのでしょうか、という疑問を頂いた時に、このようなお話をさせて頂いたことがありました。
ご主人も奥様も物を作ることの大変さや楽しさをとても良くご存じのお二人でしたので、「なるほど、価値というものは、いろんな示され方があるのですね。」と楽しそうに頷かれていたのを思い出します。

クルミとアイアンを使ったキッチン背面収納と吊り戸棚

吊戸棚の中は、半透明のケースできちんと分けられたお菓子や乾物などが。良い印象。

こうして、その家具の姿や価値を、そのままの姿を受け止めてくださったSさん、家具のできあがりを心待ちにしてくださって、そしてそのできあがりを大変喜んで頂けたのでした。
「いや、想像以上のできあがりです。この木目の表情や佇まいがね。私も母も家具が好きで、その影響を受けて私もいろんな家具を見ることが好きになったのですが、この形はやはり美しいです。」とにこやかにほほ笑みながら、楽しそうに話して下さるご主人。それを隣で見つめる奥様。
うれしい光景、うれしい場所で使ってもらえることになって良かった。

Sさんにはそのあともご相談を頂いて、スツールを作らせて頂いたり、家具のご意見を頂いたりと、とてもうれしいお付き合いが続いているのです。
ありがとうございました。

クルミとアイアンを使ったキッチン背面収納と吊り戸棚

引き出しの様子、その1。

クルミとアイアンを使ったキッチン背面収納と吊り戸棚

引き出しの様子、その2。ちなみに引き出しのスライドレールは底付けのソフトクローズレール。レールが見えないですっきりした印象。

クルミとアイアンを使ったキッチン背面収納と吊り戸棚

引き出しの様子、その3。

クルミとアイアンを使ったキッチン背面収納と吊り戸棚

引き出しの様子、その4。

クルミの食器棚

費用につきましては、お問い合わせくださいませ。

一緒に暮らそう

2017.04.13

「ナラ板目のリビング壁面収納デスクのオーダー」

荒川 W様

design:Wさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:hideaki kawakami
painting:yasukazu kanai

8年前に作った家具を移設して新居にリフォーム

テレビボード全体の様子。向かって右の扉が8年前に製作した格子扉。

今(2016年)から8年前にリビングや洗面室の家具を作らせて頂いたWさんから、大変久しぶりにお電話頂いたのです。
今まで住んでいたところからお引越しすることになって、その新しい住まいに今まで使っていた家具たちを持っていきたいのだということでした。
そしてその新しい住まいが、同じマンション内の別のお部屋なのだそうです。
なるほど、面白そうなお話ですね。
そして、しばらくしましてからあらためてメールを頂いたのです。

レコードプレイヤーを置くスライドテーブル

形状は変えましたが構造は一緒。レコードプレーヤーをスライドして引き出せるテーブルです。

「お久しぶりです。荒川区の若井です。お元気ですか?
この間御連絡してから、だいぶ経ってしまい申し訳ございません。
先日お話しした通り、今回マンションを6階から1階に移ることになりました。
そこで今までの家具を持っていきたいのですが、いくつか相談があります。
洗面所の収納は、転居先に梁があってサイズが合わず、残念ながら置いて行くことになりそうです。。
残念ですが、もし何か良いアイデアがあれば教えてください。」

8年前に作った家具を移設して新居にリフォーム

一番下は引き出しになっていて、CDが入るようになっています。

いろいろな事情があって、住まいを移られる皆さんには何度かご相談頂いたことがあります。
愛着があるし、せっかく自分たちのために作ってもらった家具だから一緒に連れてゆきたいのです、と。
たしかにその気持ち、分かります。
皆さんと一緒に家具を考えている時って、本当にみんなワクワクして、目をキラキラさせて考えてくれます。
そうしてできあがった家具はまるであたらしい家族のように迎えてくださるのです。
一緒に連れていきたいですよね。
でも、その時に2つの方法があることをみなさんにお伝えしています。

8年前に作った家具を移設して新居にリフォーム

こちらはリビング。なるべく元の家具を生かした形で、家具をリフォームしております。

ひとつは、思いのとおりに連れていく方法。ただ、新しい住まいにそのまま家具を持ち込んで納まることはなかなかないのです。
一度その家具を外したら私たちの工房まで持ち帰って、新しい住まいの設置場所を確認させて頂いてから、その寸法に合わせて、再設計し、部材を追加して設置します。
きちんと設置しますので、昔の面影を残した形で使い続けることができるのですが、現地を確認したり、引越し前に家具を取り外して、引っ越し後に取付に行くタイミングなどいろいろと限られてしまうことがあったり、費用が大きく掛かってしまうこともあるので、必ずしも持ってゆけないこともあります。

8年前に作った家具を移設して新居にリフォーム

8年前の「ずっと前から」と製作例の生地と見比べてみてくださいね。この部分はキッチンの手元を隠すような間仕切りの役割をしています。そして、L型のそれぞれの直線が交わる部分がなかなかシビアな作りにしていまして、壁のできあがり寸法がはっきりしない状態での採寸でしたので、施工が大変なのでした。

もう一つは、そのまま家具を残して新しい住まいに移る方法。
これは皆さんからお話を聞いてなるほど、と思ったのですが、せっかく使った家具だけれどその場所にあった形にしたのだからその場所に置いてゆく、ということで、家具がついたまま状態で、新しい住まい手の方を探すと、とても良い確率だったり、とても良い条件だったりした状態で、新しい住まいに移ることができることが多いのだそうです。
「イマイさんの家具がついていたおかげで、今度は要られる方はとても気に入ってくださって。」と、お客様から聞いて、なるほどこういう形があるのだなあと勉強になったのです。

8年前に作った家具を移設して新居にリフォーム

上のオープン棚が新たに作った部分で、下の引き戸収納が8年前の部分。

その2つのお話をWさんにさせて頂いてたうえで、Wさんは6階から1階というとても近距離でのお引越しになること、ずっと使い続けて深い愛着を持っていたこと、を考えて、ご新居に持っていく形にしたのです。
そうして、Wさんのリフォームが始まりました。

まずは、洗面室についていた吊戸棚は残念ですがそのまま残す形にして、リビングのL型の家具だけを新しいリビングに持っていくことにしました。
その前に1階に移るにあたって、リフォームの内容のご相談から始まりました。
でも、今回は私たちがリフォームに携わるのではなく、家具の製作のみです。
しかし、Wさんがそのリフォーム会社さんに不安な点を持っていたので、それでまずはそのあたりをイマイさんに聞いてみたい、ということになったのです。
このマンションの1階ですが、コンクリートの床に直張りのフローリングで、クッション性のある柔らかめのフローリングで、さらに床暖房が入っているそうなのです。
その影響なのか、床がものすごく波打ってしまっているのです。木の床がなんでこんなにフニャフニャしているの?

8年前に作った家具を移設して新居にリフォーム

この小さな開き扉の収納は新たに作った部分。まだ色が淡いのです。

湿気と床暖房が入っているため床を固定できない部分がある影響なのだろう、ということがリフォームの打ち合わせの進めるうえで分かったのですが、その改善する方法があいまいで、「大丈夫ですよ。問題なく施工しますので。」という明確な答えのないままお話を進められそうな感じがしたのだそうです。
そのほかの部分もWさんから話を進めないと、良い提案が出てこないそうで、「○○のようにしたいのですが。」というと、「ええ、できますよ。」というできるかできないかの答えがもらえるだけで、「○○するならばこうしたほうが良いです。」とか「代わりにこういう形にしてこう見せる方法もありますよ。」というようなキャッチボールがなくって、自分の提案が通るのはうれしいのだけれどそれで全体としてよい部屋になるのかだんだん分からなくなってきちゃって、イマイさんどうしましょう‥。

うーん、どうしましょう。

ということでさらに詳しくWさんの新居でしたいことをお聞きしながらお話をしていくのですが、やっぱりそのリフォーム業者さんはやめたほうが良さそうな印象。
その話の中で、もう1件の業者さんに訪ねたお話ががありました。
そちらの業者さんは、床材のお話だけ進めていた業者さんのようで、その方から良いリフォーム業者さんをちょっとだけ紹介してもらっていたのだそうです。それでも、もうどこにお願いすることが良いのか自分で判断しきれなくなっちゃって、どうしよう、ということになっていたのです。話を聞くとその2件目の業者さんは対応も丁寧で、返答に対してもきちんとした根拠をもって答えて頂いているようでした。それで、そこにお願いしたほうが良いのか、それとも今井さんのほうでお付き合いのある方がいらっしゃったら、その方のほうが良いのかも、と話をしていくうちにだんだんと迷ってしまって。
そこで、まずはお話だけでもしてみてはどうですかと、私のお付き合いのある設計士さんをご紹介したのです。
それは、いつもお世話になっているスタジオコンボさんです。
電話だけだと伝わりにくい部分もあるので、ここから茂呂さんのところまでが比較的近い距離だという意こともあったので、見に来て下さったりもしたのですが、やっぱり設計士さんに依頼する、ということがWさんにとっては大ごとのように感じてしまったようで、スタジオコンボの茂呂さんのような気さくな方でも、「イマイさん、私やっぱり建築家さんにお願いするほどのことじゃないのに申し訳なくて。ごめんなさい。」ということで、床の波打ちに対する良い工法についてなど茂呂さんから良い話が出たのですが、最終的には2件目のリフォーム業者さんが施工することに決まりました。
「いいんです、いいんです、イマイさん。また何かあればいつでも声掛けてもらえれば。」と茂呂さんにはそう言って頂けたので、このあと実は茂呂さんに活躍してくださるお仕事が幾たびも出てくるのですが、それはまた別のところでお話ししましょう。

こうして、リフォーム業者さんも決まって、間取りも決まって、工事が始まりました。
私たちも工事に合わせて家具の加工をしなければいけなかったので、まずは今お住まいのところから、家具を引き取りに伺います。
取り付けたのはもちろん自分たちなのですが、8年経っちゃうと、どこからビスを止めたか分からない部分もあったりして、少し苦労しながら解体完了。
その後しばらくして大工さんの作業がひと段落したところで、設置場所を採寸。
いよいよ、新しい場所に合うように、追加加工を始めます。
できるだけ今までと同じようなレイアウトで使いたいのですが、間取り自体が、現在のリビングと新しいリビングでは反転してしまっていて。その場所に合わせて、さらにWさんのご要望に合わせて、リビングの家具をうまくリビングボードとテレビボードの切り分けます。

またオーダーキッチンとの納まりもあって(当初キッチンのお話も出ていたのですが、今回は他社様のキッチンになってしまいました。残念!)、どうリビングボードを納めるかが今回の工事の要になります。
床の波打ちは取れても、不陸は残るでしょうし、L型になるとその床の歪みが大きく影響してくるかもしれなくて、うまくいくかが心配だったのです。

そして、無事に内装工事が終わった頃に、家具の設置工事に入らせて頂きます。テレビボードは比較的すんなりと納まったのですが、リビングボードは壁が躯体壁ということもあってやはり歪みが出ていて苦労しましたが、どうにかきれいに設置できました。
新しい部分はまだ色が淡いままで、今までの家具の部分は色濃く日焼けしています。
これが、しばらくするとうまく馴染んで、そうなった時が本当のWさんの家具になった時なのではないかな、と楽しみにしているのです。

ナラ板目のテレビボードの新規製作

価格:530,000円(制作費・塗装費)

ナラ板目のリビングボードの追加加工

価格:500,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は30,000円から、取付施工費は80,000円から)

インストルメントパネル

2017.04.13

「ナラ板目材とステンレスバイブレーションのオーダーキッチン」

二宮 M様

design:Houseゼロさん
planning:Houseゼロさん/daisuke imai
producer:hideaki kawakami
painting:yasukazu kanai

ステンレスうろこ仕上げを用いたアイランドキッチン

キッチンのイメージスケッチ、その1。


ステンレスうろこ仕上げを用いたアイランドキッチン

キッチンのイメージスケッチ、その2。

鵠沼のMさんのキッチンを作らせて頂いた時にお世話になった「Houseゼロ」さん。その大浦さんから、あらためてご連絡がありました。

「イマイさん、今度私の友人が二宮に新築するのだけれど、そこのキッチンをイマイさんにお願いしたいって思っているんですよ。一度お話を聞いて頂けますか。」とうれしいご相談。
大浦さんは、設計士さんというよりは、大工の親方のような温かな印象の人。そういう方からお声掛け頂けるのはとてもうれしいことです。
さっそく、海のそばの事務所にお伺いします。
見せて頂いた図面は、アイランドキッチンで長さ3600mmほどの大きさ。昨日的、というよりは印象を大事にしたイメージ。
「この形を元にイマイさん、細かい部分まで考えてくれますか。」

ステンレスうろこ仕上げを用いたアイランドキッチン

リビングから見た様子。前回のMさんのキッチンの時もそうですが、広々とした空間にキッチンが静かに座っているのが、大浦さんの間取りの特長に思えます。


ステンレスうろこ仕上げを用いたアイランドキッチン

キッチンのイメージスケッチ、その2。だから、階段を上がってすぐ視界に入ってくるこのキッチンがとても印象的に映るのです。

さっそくその図面を受け取って、プランを考えて費用を考えてみます。
おおよそ細かい部分までまとまったところで、大浦さんにお送りします。
「ほぼこの内容で良いと思いますので、お客様との打ち合わせに同席して頂けますか。その時に墨出しも行ないますので。」
おっと・・。ゆったりと考えていたのですが、もう現場は動いているようでした。
慌てて、いまみんなが作っている家具のスケジュールを照らし合わせて、予定を立てます。

ステンレスうろこ仕上げを用いたアイランドキッチン

キッチン側に立つとこのような印象。うろこ仕上げという独特の模様をこのカウンタートップに用いたかったのですが、サイズの関係で断念。代わりに鈍色に仕上がるバイブレーション仕上げにしています。

そして、現場にお邪魔させて頂きました。
二宮の駅からしばらく歩くと開けた場所に立つ大きめの現場がMさんのご新居でした。
「ああ、イマイさん、お世話になります。来てくれてありがとう。」
と、2階のリビングまで案内してくださって、しばらくするとMさんの奥様が現場に到着。奥様からおおよその細かなイメージを頂きまして、そしてしばらくするとご主人もいらっしゃいました。
大浦さんのご友人ということで、大浦さんと少し雑談をした後は、キッチンの打ち合わせにはあまり細かく口を差し挟まず、そのまま階下へと降りてゆかれました。
どんな方かな、気難しい方かな・・。
家具の形を考えていくにあたっては、その使う人といろいろなお話をしながら形を決めてゆく、という方法が一番と思っております。
あまり細かくお話ができないと、その人とイメージを合わせることができなくて残念なことになってしまったらいけないな、という思いを抱きながら、いつも家具を丁寧に考えているつもりです。
でも、今回のようにあっさりとお話が終わってしまうと、これで大丈夫かなって少し心配になるのです。

ステンレスうろこ仕上げを用いたアイランドキッチン

今回の表面の仕上げは、オーク板目の突板を木目を横に流してダークブラウン色にして仕上げています。

「それでは、これで打ち合わせが終わりましたので、先に失礼させて頂きますね。」と、奥様と大浦さんで打ち合わせしているところを先に階下へと下がらせて頂いたのでした。

そうして、さて、帰ろうかな、と思って居ましたら、この新築現場の隣にすっかりきれいにできあがっているガレージがありまして、そこにご主人がいらっしゃいました。
お話しづらいな‥、なんて思っていたのですが、帰りの挨拶をさせて頂こうと思いまして、「それでは、これで先に失礼させて頂きます。」とガレージに入らせて頂きましたら、ほのかにオイルとガソリンの入り混じった部屋のなかに緑のクラシックカーがとてもきれいに置かれていたのでした。
こちらのブログがその時の様子です。
この数日は

ステンレスうろこ仕上げを用いたアイランドキッチン

数少ない収納部のひとつである調味料用の引き出しは、ハーフェレ社の製品を採用しています。

「これはね、外装が木製なのですよ。」そう切り出してクラシックカーの良さをいろいろとお話してくださいました。今まで知らなかったことを教えてもらえるのはとても楽しいものです。そして、家具と同じようにきちんと手づくりされている車が美しいことにあらためて気づかされたのでした。
構造、機能、仕上がり、蝶番一つの動き方や、車のそのカーブの由縁、タイヤとスポークの関係など見ていると本当に美しい。

ステンレスうろこ仕上げを用いたアイランドキッチン

数少ない収納のもう一つの部分がこの引き出し。白いポリエステル化粧板で製作し、右隣の調味料用のユニットと同じくソフトクローズするタイプのレールを使っています。

昔から私は自転車が好きで、特にロードバイクと呼ばれる自転車が好きなのです。
子供の時分に載っていた通称「ママチャリ」とは違う、軽さ、姿勢、作り。ほんの少し違うだけで自分で漕ぐスピードがぐんぐん変わっていく。
その魅力に取りつかれた時は、毎月お小遣いを貯めては、小さなパーツを交換したものでした。
ここを変えるとどのくらい乗りやすくなるんだろう、この雑誌を見ればここの調整の仕方が分かる、なんて憑りつかれたように仕事が終わっては油だらけの手で自転車を触っておりました。
今の車は、本当によくできすぎていて、何でここでギアが変わるのかも自分で理解できないから、ただ乗っている、って感覚から抜け出せなくて、好きになりにくいのです。
でも、この車を見ていると、前に向かって早くしっかり走るためにすべてがきちんと成されている。
あの自転車を触っていた時のワクワクした気持ちが思い出されるのでした。
自分で自分のものを作りだすことができるあの感覚は、とても素晴らしいものなのでした。

デッキ付きシンク、洗剤ポケットアリ

シンクは、水栓器具がつく部分を1段下げるデッキ付きシンクにして、さらに洗剤ポケットを付けています。デッキを設けることで、水あかなどがつきやすい水栓まわりに水を掛けながら洗いやすくなりますし、デッキに濡れたものをおけるので、カウンターの使い方にメリハリをつけることができました。

「イマイさん、もしできたらこの車の印象をキッチンに取り入れることはできませんか。たとえばこのパネルとか。」

そういってMさんが指し示したのは、運転席の計器類が埋め込まれているインパネ部分でした。
そのマシンのパネルは、アルミの板でできていて、クルット丸く円を描くような模様が描かれているのです。魚のうろこのような。
アルミにうすく入ったうろこ模様が上品に見えて計器類が引き締まって見えます。
「この模様をキッチンのカウンターに入れられますか。」

ステンレスうろこ仕上げを用いたアイランドキッチン

キッチンからつながるダイニング部分。ここにMさんがイメージしていた意匠が施されています。

うーん、どうでしょうか・・。でもご主人から直接頂いたご相談ですから、ぜひ叶えたいところです。
「ちょっと板金屋さんと相談してみますね。」
「ぜひ、よろしくお願いします。」

で、さっそく会社に戻ってキッチンおプランをまとめながら、いつもステンレスカウンターでお世話になっている高橋製作所さんに相談。
「ああ、それはうろこ仕上げっている仕上げだね、イマイさん。そういう仕上げが施された板はあるので、それを使って作ることはできるよ。でも溶接する部分は模様が消えちゃうけれどね。あとはどのくらいの長さまで対応できるかなんだけれど、3600mmかぁ。ちょっと調べてみる。」
「イマイさん、ゴメン。やっぱり長さが足りないや。できても2000mmが良いとこかな。だからつなぐことになっちゃう。」
そうですか・・。それを大浦さんに伝えてMさんにお話して頂くと、やっぱりつなぎ目が入っちゃうのは残念なのですが、どこかに使いたい、ということになり、みんなでいろいろいろいろ考えて、キッチンの一部にその模様を組み込むことにしたのです。

ステンレスうろこ仕上げを用いたアイランドキッチン

ダイニングカウンターを支える脚部にうろこ仕上げのパネルを導入したのです。

こうして、独創的な形がまた1台できあがりました。

「いやあ、この部屋の空間も良いけれどキッチンもすてきですね。」
Mさんがお招きしたご友人様とカウンター越しにお話する様子が耳に届きます。
「良いでしょ。ほらここもこういうデザインにしてもらったのですよ。」と、うれしそうにうろこ仕上げの説明をしていたり。

私もうれしいです。
ありがとうございました。

キッチン仕上
天板 ステンレスバイブレーション
扉・前板 ナラ板目突板練り付け
本体外側 ナラ板目突板練り付け
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
塗装 ワトコオイル「ダークウォールナット」

ナラ板目材とステンレスバイブレーションのオーダーキッチン

費用につきましては、お問い合わせくださいませ。