さりげなく

2017.10.05

すごくさりげないことなのかもしれないのですが、Eさんから「食器棚の横の冷蔵庫の上にやっぱり戸棚を作りたいのです。」とお話を頂いた時にはもうわたくしは形の迷路に迷い込んでおりました。
当時の食器棚の様子
お待ちしておりました。

ただシンプルに吊戸棚をつければそれで良いのかもしれませんが、それだと寂しい気持ちがしたのは私だけなのかもしれません。それでもその思いはぬぐい切れずにEさんにお勧めしたのは、隣り合う引き戸と連続するような形の提案でございました。小口を見せたいけれど見せすぎるのも嫌ですし、壁の立ち方が多少良くない部分をどうにか吸収したいところでもありますし・・。
ですので、扉が閉まっている分には本当に分かりづらいことなのですが、壁にぴったり合わせるために見えない部分で汗をかいた形になったのでした。
とても小さな家具ですが、そこにつまった思いにカイ君はとても勉強になってくれたと思っております。
自分で言って良いのかどうか、こういうところの良さってなかなかひと目では分かりにくい美しさがあって、フッと視線が通り過ぎたあとに、オヤッと思ってくれたら幸いです。
今日は、この吊戸棚のほかに元からその場所にくっついていたかのように、その隙間にはまり込んでしまったコルクが貼られた扉がある細長い収納棚も一緒に設置させて頂きました。
Eさんとは、いろいろ考えると奥様が結婚される前にそのお母様からご依頼を頂いたことがきっかけで始まったご縁ですが、もう二人のお子さんがはしゃぎまわる賑やかで明るい家庭になっているのを見ると、私もだんだんと小さな字が見えにくくなってきたのかなあと思うこの頃であるのです。

大きなタモの額縁

2017.10.05

野球部の優勝旗を飾る額縁を中学校に搬入してきました。
有志の野球部の保護者の方達に集まっていただいて、旗の回りのフリンジの止め方と位置を決めて穴あけをして、
針と糸で固定する作業をお願いして、私達は先に帰らせていただきました。
旗の固定が終わったら、また額にはめて飾る場所に置きに来ますね。
「元々、優勝旗はなかったんですよ。でも、数年前かな、頑張ったんだから、みんなで旗をもらえたら子供たちもうれしいんじゃないかって。
市内の野球部顧問がお金出し合って用意したんですよ。優勝の帯の学校名もちゃんと刺繍なんですよ。」
「来年、返したくないですね~、この旗。」
にこやかにお話しされる先生とお母さん達がうれしそう。
応援のあるなしで結果は変わらないのかもしれないけど、その結果に納得いくかいかないかは、それまでの取り組み方で違うと思います。
本人と仲間と先生と家族と。
関わった人たちの話している様子が、楽しそうなのはいい時間を共有できているからなのですね。
そのお手伝いができてよかったです。ありがとうございます。
教頭先生から、「いや~立派な額ですね~。野球のバットと同じタモの木を使うなんて、さすがだな~。」と言っていただきましたが、
実は偶然なのでした(笑)。