北の魔女に会いに行く

2018.08.31

2018083100220180831003魔女なんて言うと、Aさんに怒られちゃいそうですが、私にとってはキッチンのおもしろさをあらためて教えてくれた美しい魔法使いような女性です。
先日、無事に引き渡しが終わって、タオル掛けをつけたい、というお話を頂いて、またKUMAさんに17センチのハンドルを鍛えてもらって、それを今日取り付けてきたのです。
よいね、格子扉の向こう側の使い方が格好良くって、こういう格好の良い姿はその人しか出せない。
そして、魔女さんから次のご相談。今度の魔法でキッチンがきれいに整うのでしょう。
魔法がかかるのは、年が明ける頃かな。

homifyの特集記事に取り上げていただきました

2018.08.30

住まいの総合ポータルサイト「homify」の「オープンキッチンの魅力のまとめ」という特集記事にとり上げていただきました。
私達が一番初めに作らせていただいたKさんのキッチン。キッチンカタログの表紙にも使わせていただいております。
取り上げていただいてうれしいです。他にもたくさん魅力的なキッチンが特集されています。ぜひご覧になってみたくださいね。

チェリーの書棚

2018.08.28

Kさんのチェリーの書棚はワタナベ君が製作を担当したもの。
1人が1台を作る、というスタンスで取り組む私たちの家具作り。
彼もみんなに見守られながら、一人の大きな力になってきました。

ノガミ君と二人、作業を終えて頼もしく帰ってきたんだよね。

ステンレストップのナラのカップボード

2018.08.28

お久しぶりです、Sさん。
1年ちょっと前に食器棚を作らせて頂いたNさんから久しぶりにメールを頂きました。
今度はリビングの家具のことを考えているということで、久しぶりにお邪魔させて頂きました。
あの時の生まれたての赤ちゃんは、もうすっかり赤ちゃんで、Sさんたちもすっかりお父さん、お母さんになっていました。

よいね。
線路は続くよどこまでも。
ぼくらはその停車駅だ。
いつでも停車場で待ってます。

まほうのようなことば

2018.08.28

「・・そうそう。娘たちにも、ものづくりを身近に感じてもらえる経験をたくさん用意してあげたいなと常々思っています。
イマイさんのイベントの常連になりそうです^^
12月の件は早速手帳に書きました!
我が家の食器棚と棚、どんどん家に馴染んで来て、良い味出てます・・・!
仕事から帰って来てヘトヘトでも、この景色を見るとほっと安心して、幸せーって思います。
ではまた^_^」

家具にもいろんな道があるんです、ってことをNさんにお伝えできていたらそれが私たちの幸せですし、生きかたにもいろんな道があるんだよってお子さんに伝えられたら、それはNさんの一番の幸せですよね。
また、冬にお会いできるのを楽しみにしています。

夏のクレミル 木工教室1日目が無事に終了しました。

2018.08.26

_dsc1557_dsc1570_dsc1601_dsc1644_dsc1555_dsc1616_dsc1634
夏休み最後の日曜日(違う学区もあるようですが…。)夏のクレミル木工教室1日目が無事に終了いたしました。
本日は2組のみの参加となりました。思っていたよりも少ない応募者数でしたが(笑)、いつも大人数になってバタバタとしてしまい、せっかくお会いできたのに、お話もできなくて、皆様に申し訳ない気持ちが出てきてしまうこともありましたので、今日は1組に1スタッフがずっとついていられる状態でしたので、いつもより満足していただけたのではないかと思います。
ご家族4人でご参加くださったKさんは姉妹お揃いの卓上本棚を製作。
お子さんをパパに預けて、お母さん1人でご参加のNさんはお子様用のハンガーラックを作られました。
「こんな大きな板から切るんですか!?」
「こんなにちゃんと作らせてもらえるなんて思っていませんでした。」
そうですよね、驚かれたと思いますが、せっかくのオーダー家具屋で行う木工教室です。
今日いらしていただいたお二方も、以前家具を作らせていただいたお客様。
最初の状態から加工していくことを体験していただいて、自分たちの家にある家具もこういう過程を経てできたものなのだと改めて気づいていただけたら、うれしいのです。ご参加いただいたKさん、Nさんありがとうございました。お疲れさまでした!
来週は2回目の木工教室です。ご予約いただいた皆様、お待ちしております。

今週末は「夏のクレミル 木工教室」です。

2018.08.22

お知らせが間近になってしまいましたが、今週末8月26日と9月2日は「夏のクレミル 木工教室」です。
お盆明けに申し込みを締め切らせていただきましたが、参加のお申し込みをいただいたお客様、ありがとうございました。
ご要望の形に作り上げられるように、スタッフと一緒に木工を楽しみましょう!当日お待ちしております。

クルミ材を使ったキャビネットとセラミックトップのアイランドキッチン

2018.08.21

_DSC0592Dさんのお引き渡しが本日ということで、細かい作業が残っていたのを今朝お邪魔させて頂いたのでした。
まるで夜のような写真ですが、朝早くから引き渡しが終わっていないのに、シャッターを開けるのもためらわれましたので、むーでぃな雰囲気の写真でございます。
今回のDさんのキッチンのカウンタートップには、私たちも初めて使ったデクトンのセラミック。結構ガリガリとやっても傷にならなかったのはすごいなあ。そこにクルミ材を組み合わせたとてもシックなキッチンになりました。
また明るく開け放した時の様子は違った表情に見えるので、その時に拝見させて頂くのが楽しみなのです。

作業を終えたら、Dさんと同じく町田市内で工事中のHさんの現場に。
キッチンの設置工事なのです。
みんなとは現地で落ち合って、先に作業されていた左官屋さんと搬入の段取りをさせて頂いて、それから製作を担当したノガミ君と打ち合わせて、さあ取付です。
今回偶然にもDさんもHさんも、この同じ時期に同じ施工会社さんが家を建ててくださっています。
お二方とも面識はないのに、おもしろいご縁です。
こういう巡り会わせに出会うと、私たちはいろいろな人やいろいろな空気に生かされているのだなあ、といつも思うのです。
でも、こういうのって偶然ではなくて、以前にも書いたのですが、ある地域で家具のご相談を頂くと、その近辺にお住いの片からご相談を頂くことが増えるのです。最近だと、青葉区や港北区が多かったですね。
ちょっと前は川口や浦和、荒川区だったり。
きっと誰かが呼んでくれるのです。
きっとそういう巡り会わせなんです。

会社に戻るとピザの良い香りが漂っておりました。

第3回夏休みおうちパン教室が開催されました!

2018.08.21

_dsc1522_dsc1533
そろそろだれか来る頃かなと思いながら準備をしていると、トントントントンッと軽快に階段を上がってくる音がして「パン作るのここでいいんですか?」と坊主頭の日焼けした男の子が2人ショールームの入り口に来ました。聞くと小学4年生だそうで、2人で自転車で待ち合わせてパン作りを習いに来たなんて、すごいよ。挨拶もきちんとできていたし、もうこれだけで夏休みの宿題がもし終わっていなくても全然いいよ、とおばさんは思ってしまいました(笑)。寒川町以外にも、茅ヶ崎市・藤沢市・横浜市から集まってくださったお子様11名。賑やかだけど、高学年の子が多い為か、聞く時はちゃんと聞く、スムーズな会となりましたね、藤沢さん。お疲れさまでした。今日も楽しかったですね。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。作ったタネでピザを作って、家族で美味しく食べてくださいね。

ウェブサイト更新

2018.08.16

節のあるナラ材と白い化粧板とステンレスのペニンシュラキッチン懐かしいかたを通じて、また新しくそして懐かしいかたちのキッチンを作らせて頂きことができたKさんの話と、

ナラの食器棚イメージしていることと実際に使うことの距離を近づけて思い描いた形を生み出すことができたOさんのお話と、

タモ柾目の食器棚長い時間を掛けて生まれた思いや気持ちがうんと詰めてできあがったうれしい場所に作らせて頂いたKさんのお話の3つの製作例を掲載いたしました。
もし、よろしければご覧になってくださいね。

思われていたこと

2018.08.16

「タモ柾目のセパレートタイプの食器棚のオーダー」

海老名 K様

design:Fさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:iku nogami
painting:iku nogami

タモ柾目の食器棚

食器棚全体の様子。

そもそもKさんは、うれしいことに私たちのことを知っていたようです。

それはこのようなご相談のメールを頂いたからです。
「はじめまして。
私は御社のカップボードを、三つ拝見致しました。以前、お隣にお住まいだったKa様、横浜に引っ越しされたF様です。
その時から、オーダー家具の素晴らしさ、木の暖かみに憧れていました。
こちらのマンションに引っ越してきた際に、食器棚としての既存の吊り戸棚は撤去してしまいました。
今は、市販の食器棚を使っておりますが、物も多くなら、狭いマンションですので、デッドスペースを最大限活用したいと思っています。
我が家は明るい木目の家具が多いです。」

タモ柾目の食器棚

天板はタモ柾目の無垢材で、扉や引き出しは突板を使って作っております。タモらしい静かな印象の柄でまとまりました。

おおみなさん、懐かしいです。
新しいおようふくでとてもうれしい」海老名のFさん
すぐそばに居ること」希望ヶ丘のFさん

Kさん、みなさんとお友達だったのですね。
最初にKaさんに食器棚を作らせて頂いたのが、あの時のきっかけでした。Kaさんのお父さんと私たちがお仕事のつながりがあって、それで生まれたご縁なのですが、それが15年近く経っても良縁を頂くことができるというのは本当に素晴らしいことです。KaさんもFさんももうこのマンションを出て、戸建に移られたので、なかなか会う機会がなくなってしまったのですが、こうしてここで懐かしいお話が効けるとは思ってもいませんでした。

タモ柾目の食器棚

食器棚部分は、今回はほとんど引き出し式の収納にしています。 引き出しの幅も幅の広い引き出しの列と、狭い列とで効率よく物がしまえるようにとKさんの工夫がされています。


タモ柾目の食器棚

炊飯器用スライドテーブル。奥にコンセントを取り付けています。

さっそく、今回の食器棚のご要望をKさんにお伺いして、プランを考えていきます。
KaさんもFさんも入居当時に依頼した食器棚がもともとキッチン背面についていたのですが、今回のKさんのスペースは据え置き型の食器棚が置かれているのみでしたので、全く新しく作ることができそうです。
間取りとしてはKaさんと同じ感じで、プランの大まかな様子はFさんのイメージをもとに考えて一つの形がまとまりました。
でも、どうしても難しい部分がありました。
予算でした。

タモ柾目の食器棚

今回は引き出しはハンドルをつけないで、手掛けにしています。

「主人とも話し合った結果、予算を超えてしまうので、もう少し余裕が出るようになってから、出直す方がいいのではないかという結論に達しました。
迅速に対応して頂いたのに、大変申し訳ありません。
いつの日か、今井様のカップボードを迎えられるよう、頑張ります。
その時は、何卒宜しくお願い致します。」

タモ柾目の食器棚

狭いほうの引き出しの様子。その1。


タモ柾目の食器棚

狭いほうの引き出しの様子。その2。


タモ柾目の食器棚

狭いほうの引き出しの様子。その3。


タモ柾目の食器棚

狭いほうの引き出しの様子。その4。この深い引き出しはスライドテーブルの下の部分とつなげて、大きなものがしまえるようにしています。Kさんは死闘を多くお持ちでしたので、ひとまず水筒の収納場所に。

とても的確な判断だと思います。自分が思う食器棚のイメージは形だけではなく、そこに掛かるコストも大切な要素。自分の思い描いた形が自分の思っている以上のコストが掛かるようでは、そもそも良くないことです。
そういうことを知って頂くためにも、家具を依頼して頂ける、頂けないにかかわらず、見積金額を知ってもらうということは良いことだと思っています。
そして、私たちが作るとこのくらいの金額になる、ということを知ってもらう良い機会でもあります。
相見積という言葉があります。複数社から金額を聞いて決める方法です。その会社さんそれぞれの特色があって、それを汲み取って、金額を重視して選ぶのも良いですし、提案を重視して選ぶのも良いですし、お手入れを重視して選ぶのも良いです。コストを見積もってもらったり、相見積を出してもらったりすることは、このような選択肢がある、ということを知って頂くための良い機会なのです。
そのようなわけで、形はまとまりましたら、お話は一旦ストップしてしまいました。
「いつの日か」はいつかなあ、なんて思ってその年の冬を迎えたのでした。

タモ柾目の食器棚

広いほうの引き出しの様子。その1。


タモ柾目の食器棚

広いほうの引き出しの様子。その2。


タモ柾目の食器棚

広いほうの引き出しの様子。その3。


タモ柾目の食器棚

広いほうの引き出しの様子。その4。

私たちは、毎冬「クレミル」という名前の小さなイベントを工房で開催しております。今年も例年のように知り合いの作家さんにワークショップを開いてもらったり、お店を出してもらったり、木工教室を開いてもらったりとにぎやかな9日間を過ごしたのでした。
その中で、あるご夫婦がいらしてくださいました。
特にその時工房内はがらんとしておりましたので、お話しようかなと思ったのですが、スゥスゥと軽やかにショールームで開かれているマーケットをご覧くださって、ほんの僅かでしたがお話しできただけで「ありがとうございました。」と軽やかに帰られてしまったのでした。

で、それがKさんでして私はてっきり「いつの日か」はまだまだ遠い未来のお話だと思っていたのですが、そうでもなかったようです。
「こんにちは。
先日は、クレミルお疲れ様でした。
突然お邪魔したにもかかわらず、ご夫婦で笑顔でお出迎えして頂き、ありがとうございました。
作り上げられた世界で暮らしていると、作ることの大切さを忘れてしまいがちですが、素敵なスタジオで手作りの温かさと尊さをあらためて実感致しました!
また、お子様がかわいいエプロン姿で台所仕事をお手伝いしている様子は、ほっこり致しました(^-^)
先日、お見積もり頂いた、カップボードですが、お支払いの用意ができましたので、話を進めたいと願っております。
スタジオへ伺うことも、我が家へお越し頂く事も可能ですので、是非、ご連絡下さい。〔特に急ぎではありませんので、お手隙の時で構いません〕」

タモ柾目の食器棚

冷蔵庫の上にも吊り戸棚と奥行を合わせた吊り戸棚を作りました。右側には躯体の梁型が出ていたので、その形状に合わせて設置しています。

おお、うれしいご連絡です。
さっそく連絡を取らせて頂き、今度はご家族皆さんでいらしてくださいました。とても行儀のよいお嬢さんお二人と、筋が通ったお話をされるKさんご夫妻。お話しているだけで気分が良くなるご家族でした。
「KaさんとFさんの食器棚を見せてもらってから、いつか絶対イマイさんに頼むんだって思って、自分のお小遣いを貯めてきたのです。それがようやくかなうので、やっぱりとてもうれしいです。」
そう言ってくださって、私も思わず笑顔が大きくなります。
こういうふうに思ってくださる人がいる限りは、私たちはもっともっと精進しなくてはいけません。

こうしてプランはまとまって、できあがった形はタモ柾を使ったとても静かな印象のかたちになりました。

「無事、食器達も収まりました。
まだ、こっちかな?あっちかな?と試行錯誤しながらですが、おいおい居場所を決めてあげます。
子供達も、木の匂いや新品の匂いを味わい、先程から何度も「きれいだね、きれいだね。」と話しています。
触り心地が良いようで(きれいな手なのか気になりますが・・)さすってすべすべを満喫しています。
そして、スペースを無駄なく使用できる幸せを堪能しています。
ストレスが無いって大事ですね!
主人は「我が家に来たどの業者さんより丁寧な職人さんだった。」と感心しておりました。
トイレの棚を見ては、ちゃっちく見える、と、ボヤいています。
立派な棚がきたものだから、家中の棚がちゃっちく見えるそうです〔笑〕」

打ち合わせやご挨拶の帰りの都度にお嬢さんたちも玄関まで出てきてくれて、ご家族皆さんでご挨拶してくれたのがとても印象的でうれしかったのです。
そして、今度はその皆さんで夏の木工教室に参加してくださることになりました。
いろいろなご縁で、こうして気持ちがつながっていって、いつかお嬢さんたちが大きくなった時に背がでかくて声が低いおじさんたちが家具を作ってくれたっていうことをどこかで思い出してくれたらうれしいなあ。
物や道具を作ることができるのが、私たちに与えられた恩恵ですから。

タモ柾目の食器棚

価格:590,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は10,000円から、取付施工費は30,000円から)

つくる喜び、暮らす喜び

2018.08.16

「ナラのセパレートタイプの食器棚のオーダー」

府中 O様

design:Fさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:masakane murakami
painting:masakane murakami

fuo020

Oさんから頂いたスケッチ。


真鍮ハンドルのあるナラの食器棚

食器棚全体の様子。

「建売新築を購入しました。
カウンターキッチンの背面に食器棚を付けたいのです。
図面でいうと、キッチン背面の壁には45センチ幅で梁があると聞いています。オーク材を使った「こころがスイスイおよぐ」茅ヶ崎 Tさんのようなイメージの食器棚か、ただ、鍋やケメックスなど飾りながら見せる棚、ゴミ箱を入れるスペースのあって食器棚、キッチンボードとしても使えそうな棚を付ける どちらかを希望しています。
スケッチは得意ではないのですが、何となくいろんなモデルを見て見て自分なりのイメージをスケッチしてみました。
吊り戸棚に食器をメインに収納、冷蔵庫上にも棚をつけたいと思ってます。
キッチンカウンター下にはゴミ箱と戸棚と炊飯器起きと米びつ置き、カラトリーをしまう引き出しをつけて、布巾などをしまう引き出し、ストウブの鍋、タジン鍋など、重みや多少高さのある鍋をしまう棚にしたいと思います。
このようなお伝えの仕方で大丈夫なのでしょうか。今一度ご確認いただけたらと思います。」

ナラの吊戸棚

食器棚は天井まで作らず、上を開けてあります。最近は、このような形にされるかたが増えております。キッチン自体がペニンシュラタイプでリビングから食器棚が良く見える間取りであること、吊戸棚の最上部はデッドスペースになりがちなこと、吊戸棚自体の印象を軽快に美しく見せたいこと、そういう理由でこのような形に落ち着くかたが多いのです。


カップボードの框扉にはお料理本を入れます

私がガラス扉を作る時はこのような形にすることが多いのです。そして透明なガラス。そして中には大好きなお料理の本。


ステンレスのワイングラスホルダー

今回は吊戸棚の下の一部にワイングラスホルダーをつけました。このホルダーもいろいろあるのですが、私たちが良く使うのは、ハーフェレから出ているもの。別のメーカーからももう少し手ごろな値段で出ているのですが、溶接のひずみが目立つので、(使用には全く問題ないのですが)予算を見させて頂ける場合はこちらのものを採用しております。

最初にOさんから頂いていた形は、カウンターだけの食器棚とそのカウンターの上に壁から飛び出ているように見せる棚板をつけたい、ということだったのです。
鍋や食器などをきれいに飾るように並べる棚をつけたかったのでした。

吊戸棚の耐震ラッチ

吊戸棚には自動解除式の耐震ラッチをつけています。

よく雑誌で見かける形は、皆さんとてもきれいに食器たちを並べて使われていますので、とても美しいのですね。
また、きれいに並べられていなくても使いこまれてすり減った棚板に、同じく使い込んだ食器たちが並べられている姿も美しかったりします。
閉じた収納ではない分、取り出しやすいですし。

ナラの吊戸棚

吊戸棚内部の様子。今回はお掃除しやすいように内部はポリエステル化粧板を使っています。

でも、今までこういう棚が最初から壁についている間取りお客様のお話を伺うと、どちらかというとマイナスなイメージのお話のことが多かったのです。
最初のうちはきれいに並べていても、いつの間にかきれいに並べておくことがたいへんになったり、物が増えて雑然としてしまったり、油煙がうっすらとついてべたつくようになったり。
そうなると、最初から扉をつけておけばよかったなあ、と思ってしまうのだそうです。

吊戸棚下のオープン棚

ワイングラスホルダーの隣は、オープン棚。このオープンの棚も皆さんに好評でカップやコーヒーミルやティーポット、キャニスターなどその人の印象が良く伝わる部分です。

この棚板だけがついている形って、あとから取り付けるのは難しくて、新築工事の中で棚板を壁に埋め込んでもらって作る形がほとんどです。(あとからつける場合は、ブラケットのような金物をつけないと荷重に耐えられないことが多くて。)
金物をつけると、板だけがついているというすっきりとした印象から少し離れてしまうし、棚を壁に埋め込んでしまうとやっぱり、棚を止めて箱(吊戸棚)にしたい、となった時に変えづらかったりします。
そのあたりは、そこで暮らす人それぞれの考え方なのですが、今まで聞いたお話ではそう言うマイナスな面も多く聞かれました。
ですので、「棚をつけたいのです。」というお話が出る時は、必ずこの思いを持った方もいらっしゃったとお伝えしているのです。
同じように吊戸棚下の照明もこのようなお話がありました。
それはまた今度。

かなぐやさんの真鍮取って

今回ハンドルには、「かなぐや」さんの真鍮取って六角コの字を使わせて頂きました。このハンドルの美しい印象は実物を見ないと伝わらないのです。このエッジがきちんと出た形が食器棚全体の印象を引き締めます。

そうして、Oさんに自分の暮らし方をあらためて見つめ直してもらったのです。
そうしてできたのが最初のスケッチです。
この形をもとにお話を進めることになりました。

かなぐやさんの真鍮取って

食器棚のカウンター下部の収納の様子。ゴミ箱はキッチンの一番奥側、その上に棚板を細かく、中央は食器棚となる引き出し、手前は家電収納となっています。


お盆やランチョンマットをしまう場所

ゴミ箱上の棚板には、薄いものをしまいます。オーブンレンジの天板や、ランチョンマット、お盆などです。

Oさん、こちらにいらしてくださった時は奥様お一人でいらしてくださったのですが、変な言い方ですが小柄でとてもきれいな格好をされていて、すごく繊細に暮らしていらっしゃるのだろうという印象でした。(なんだか変な言い方ですみません。)
でも、いろいろとOさんご夫婦の暮らし方、好み、キッチンでの過ごし方などを聞いていくと、とてもパワフルな人なのだということが分かりました。

ナラの食器棚

引き出しの様子、その1。


ナラの食器棚

引き出しの様子、その2。


ナラの食器棚

引き出しの様子、その3。


ナラの食器棚

引き出しの様子、その4。

お二人の趣味がキャンプで、時間があれば野外に出掛けていくそうで、このキッチンで使う食器や道具類も見た目よりも使い心地良いものを、きれいに飾るというよりはガシガシと使っていきたい、という感じが分かったのです。
そういうその人となりが分かるといろんなイメージが固まり始めます。
そうしてできあがったのがこの形でした。
食器棚ってその人それぞれの思いがとてもよく現れます。

ナラの食器棚

家電用のスライドレールのトップには、水気がついても掃除しやすいように、ステンレスを貼っています。そしてその下の引き出しは布巾でいっぱい。


根菜用バスケット

その下は根菜をしまうステンレス製のバスケット。


根菜類バスケット

バスケットの下は泥が落ちても掃除しやすいようにステンレスを貼っています。

設置した日から、あらためてご挨拶に伺った時、Oさんがどれだけ楽しんでキッチンを使ってくださっているのかがよく分かりました。
私たちはやっぱり家具そのものではなく、そこから始まる暮らしを作っていきたいのだって、こういう姿を見るとあらためて思うのです。

ナラ板目の食器棚

価格:680,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は20,000円から、取付施工費は40,000円から)

夏休み

2018.08.15

IMG_8159IMG_8182IMG_8191IMG_8204
お盆休み中、家族といかに沢山遊ぶかだけを考えた3日間を過ごさせていただきました。
ご協力していただいた皆様、ありがとうございました。また明日からよろしくお願い致します。

思い出すこと

2018.08.12

時々思い出すことがあります。
私の両親は岩手県出身で、小学生の頃までは夏休みに親と帰省して遊びに行っていました。
成長と共になかなか帰る機会がなり、社会人になった時に、「岩手に帰るけど一緒に行く?」と両親に声をかけられ行く機会がありました。それが祖母に会う最後の機会になってしまいました。
当時祖母は認知症を患っていたので、施設に入所していました。 その施設は山の上の方にあって、施設に着いた頃はもう夕方になっていました。
「食堂にいらっしゃいますので。」
と施設の方に案内され、見渡すと、ピンクや水色のエプロンをかけていて、正直、おじいちゃんかおばあちゃんか性別の区別もつかない位の、みんな白髪頭でしわくちゃな顔になりながら、お食事をしていました。
「こんなに大勢の人の中から探し出せるのかな…、おばあちゃん。」
そう思ったところまでは覚えているのです。
その後、ひとりでに足が進みました。
しばらくして、テーブルに座る1人のおばあちゃんの前に着き、顔をみると、名前がすぐに浮かんできて
「トキワおばあちゃん」
としゃがみながら呼ぶと、
無表情のまま、こちらを向いて、むしゃむしゃと食べ続けながら、目が合いました。
畑で落ちてしまった桃を大きいアルミ鍋で煮て食べさせてくれて、それがとても美味しかったこと。
「冠婚葬祭の時のお煮しめにはブツブツしていない白いこんにゃくを使うのだよ、物事が濁らずに納まるように。」と教えてくれたこと。
マカロニサラダやポテトサラダにリンゴや缶みかんが入ってて、「なんで入れちゃうんだろう?」て思いながらも食べていたこと、などが一気に思い出されたのです。
導いてくれたんだとしか思えない、あの時の感覚。今でも思い出します。
その時もう言葉を交わすことはできなかったけれど、あの瞬間はおばあちゃんと心を通わせることができていたのではないかと思っています。
そして、この経験が、今でも私の心の支えの1つになっているのです。

夏季休業のお知らせ

2018.08.12

明日からお盆休みに入りますね、お休みの方もそうでない方もいらっしゃると思います。お疲れ様です。
私達は8月11日(土)~8月15日(水)の間、お休みをいただきます。家具についてのご相談・お問い合わせ、カタログの請求、木製雑貨のご注文についてのメール・お電話等のお返事に関しましても、全て8月16日(木)から順次対応とさせていただきますので、どうぞご了承ください。
それでは、みなさまよろしくお願い致します。

根岸あたりを

2018.08.10

201808100032018081000420180810005私は馬の博物館さんから相談がありましたので、朝から根岸のほうまで出掛けておりました。
忙しくなりそうです。
この場所はいつ来ても気持ちが良いですが、今日は暑くて、木陰ばかり探して歩いてしまう陽気です。
こうして車を走らせていると、いつも混雑しているところが空いていて、休日じゃないと混まないところが混んでいて、どうやら夏休みは始まっているようですね。
午後からは、根岸から少し走ったあたりのYさんのところに伺ってきました。
納品の時に伺えなかったのでどんな風に家具を使ってくださっているかを拝見させて頂きました。
いろいろ迷って、最初はインテリアにはほとんど興味がなかったというご主人も関心を持ってしまうほど、悩みながら決めた食器棚とテーブル。あれほど悩んだウィンドウトリートメントもとても涼やかに仕上がっていました。リネンのような質感は良いですよね、というお話をしたことをふと思い出し、またこれから一つずつ暮らしを整えていく楽しみをYさんから聞かせて頂きました。
当面の目標は、現在天井に電球が直接ついているダイニングにあう気持ちの良いダイニングペンダントは何だろうか、と。
お仕事と子育てのなかで気持ちの良い居場所つくりは時間が掛かるかもしれませんが、ご夫婦で楽しんでくださっているようで、お話を聞いていてうれしくなりました。
帰りにお兄ちゃんたちにおせんべいを頂いて、「また遊ぼうね。」と言ってもらって帰ってきたのでした。

ナラの食器棚たち

2018.08.10

いよいよお盆休みが始まります。一足先に休んでいたカナイ君は工房で椅子を組み上げはじめ、カイ君は本日からお休み。コバヤシ君とノガミ君とワタナベ君には横浜のSさんの取付に向かってもらいました。
なかなか慌ただしいのですが、どうやら年末までバタバタしそうな勢いになってまいりました。
Sさんのキッチンはちょっと珍しく、マンションをリノベーションして、本来冷蔵庫を置くスペースだったところに食器棚が来て、食器棚を置くところに調理作業ができるカウンターを作らせて頂きました。
少しお待たせしてしまいましたが、どうにかお盆を迎える前に納品できましてひと安心です。

Sさん、またあらためてご挨拶にお伺いしたいと思います。
その時にどんな感じで使ってくださっているのかを拝見するのが楽しみです。

平成建設さんの暮らしの情報誌「NOIYE」に掲載していただきました。

2018.08.10

_dsc1505
この度、平成建設さんで発行されている暮らしの情報誌「NOYIE」vol.22号にフリーハンドイマイのことを掲載していただきました。
Iさんのご協力もいただいて、撮影の様子を拝見させていただいていたのですが、同じキッチンの撮影しているはずなのに、やはり撮影するポイントが違いますね。写真の美しさも、とても勉強になりました。ありがとうございました。
お家づくりをお考えの方をはじめ、興味のある方は、平成建設さん(事業所一覧です)で配布されているそうです。
是非お手に取ってご覧いただけたらうれしいです。

「食の安全を考える講座」が開かれました

2018.08.07

_dsc1464_dsc1476
何だか涼しいなと感じていたら、立秋でしたね。本日は食育についていろいろ学ばれている大塚りりさんを招いて、親子で学ぶ食育の講座をショールームで開いて頂きました。午前の部大人7名・こども15名、午後の部大人4名・こども6名が参加され、とても賑やかで熱気を感じる時間となりました。
あらためて知る食品添加物がどういうものか、私たちの暮らしにどのように必要とされてきて関わってきたのか、またその見えにくい側面などを実演を交えながらいろいろと教えてくださいました。
本来添加することで、食べ物をより良いものにするためにあったものが、かえって体にとって好ましくないこともあったりと、自分の知らない側面を教えて頂き、とても良い時間だったのでした。
昔の人たちは食べ物を保存するために、酸味を聞かせたり、塩分を含ませたりとさまざまな工夫がありました。
また、その味覚を工夫するために発酵させたり、熱を加えたり。
そういう工夫を手軽にできるようになった良い面とそれが及ぼす良くない面を知ることができたのはとても良い機会でした。
参加してくれたこども達にも、何か食べ物について考えるきっかけになってくれていたらうれしいです。

大塚りりさん
シュガーレディマネージャー。
寒川町を中心に食育の講座を開かれています。
本日もお嬢さんと一緒に来てくださいました。

コーリアンとオークを使った食器棚

2018.08.05

取付にはいささか暑い日でございました。
今日は、二俣川のWさんのところまで食器棚の取付に伺ったのです。
2階のキッチンに家具を運ぶにはバルコニーから揚げないといけないということで、製作を担当したカイ君とコバヤシ君と3人で伺ったのでした。
重量的にはそれほどではなかったのですが、せっかく冷やしてくださったお部屋があっという間に温室になってしまって。
まだ赤ちゃんを抱っこしている奥様は一時避難して頂いて、タオルが絞れるくらいの汗をかきながら、どうにかすべての部材を上げることができました。
この分譲地はどうやら同じ時期にお引き渡しされたようでして、斜向かいさんも、引っ越し屋さんがロープを使って、1階から2階、2階から3階へと顔を真っ赤にしながら荷物を揚げておりました。
毎年この時期が溶けてしまいそうです。

入れて頂いたお茶を飲みながらお部屋が涼しくなってきたところで作業を開始です。
主に二人で作業をしてもらって、私は続いてWさんが考えている家具のお話を伺います。
こういうふうに分担できるようになったことが当たり前のようになってきましたが、数年前まではなかなか自分の仕事を切り分けることができていなくて、今の状況にみんなに本当に助けてもらっていてありがたいのです。
続いて作るものはどうやら夏の木工教室に引き継がれそうで、自分で使うものw自分で作ることにチャレンジして頂きましょう、ということになったのでした。
楽しみですね、Wさん!

そこでお話がいったん区切りがついたところで、あとは私が居ても作業が手狭になるだろうから、20代の若い二人に任せて先に会社へと戻ってきたのでした。
そして、先ほど無事二人が戻ってきて、本日のお仕事完了。
たくさん汗をかきました。今日もおいしいご飯を食べましょう。

景品

2018.08.05

今週末はお祭りがあるところが多いのではないでしょうか?工房のある倉見でも昨晩自治会盆踊り大会があるということで、今年はチェリー材の折敷を景品として出品しました。
「この黒い点が気になっちゃうのですが…。」と言われることがあるチェリー材ですが、これは蜜の溜りや、その蜜を吸おうとした虫が傷をつけた部分を木が治そうとした跡だといわれています。生命力が溢れる木の証としてその黒い斑点をみると、また違う印象になるのではないかと思います。

「食の安全を考える講座」を開きます!

2018.08.03

ご縁がつながって、来週8月7日火曜日に2Fショールームで、大塚さんによる「食品添加物を使った実験を通して食の安全について考える講座」が開かれることとなりました。参加費は無料です。夏休みの機会を使って、ぜひお子様と一緒にご参加ください。
イベントを通してショールームを一度見学してみたいという方も大歓迎ですよ。8月11日~15日はお盆休みで、工房・ショールーム共に休業となりますので、興味のある方は、この機会にぜひ遊びにいらしてください。
詳細とお申し込み方法はこちらからよろしくお願いいたします。

姉妹で作る家

2018.08.16

「マットホワイト化粧板とナラ材とステンレスヘアラインのオーダーキッチン」

大磯 K様

design:プラスマイズミアーキテクト/Kさん
planning:プラスマイズミアーキテクト/daisuke imai
producer:iku nogami
painting:iku nogami

節のあるナラ材と白い化粧板とステンレスのペニンシュラキッチン

リビングダイニングからキッチンを見た様子。


節のあるナラ材と白い化粧板とステンレスのペニンシュラキッチン

キッチン入り口から入るとこのような感じ。ナラ節アリ材とタイルの印象と白い化粧板の印象が、「懐かしい」感じをきちんと表現しております。


節のあるナラ材と白い化粧板とステンレスのペニンシュラキッチン

キッチン側。白い部分とナラの部分をどう見せていくかが悩んだ部分。これって、図面やお話では伝えにくいところですから。


節のあるナラ材と白い化粧板とステンレスのペニンシュラキッチン

洗面室からキッチンを見たところ。手前にあるのがパントリーとなっている収納。今回おもしろいのが、少しだけつやのあるペンキを使っていろんな部分を塗装しているのです。艶消しよりもつやがあるほうが汚れが落ちやすいメリットがあるわけですが、やはり昔懐かしい学校や団地をイメージさせてくれるツヤなのです。

葉山のNさんにはいろいろお世話になっておりました。キッチンの相談にいらしてくださるお客様の中から、何度もお話が出ておりましたので。
「実はNさんのお店に行った時にキッチンを見せて頂いて。」
お店っ?
Nさんのうちはお店だったっけ・・。
いろいろお話を聞くと、Nさんは自宅のあの広い土間をつかって自身で気に入ったものを少しずつ集めたお店を開いているのだそうです。
こうして、いろいろなところから風の便りが届くのはうれしいです。
その度にNさんの飾らない笑顔と何でも作ったちゃう頼もしいご主人の姿が浮かぶのでした。
今回キッチンを作らせて頂いたKさんもそのNさんのキッチンを見てご相談くださったのでした。
ありがとうございます。

節のあるナラ材と白い化粧板とステンレスのペニンシュラキッチン

カウンターは約27センチの幅を取っています。きちんと料理が置けて、ときにはここで軽く食事もとれるくらいの広さ。

すでにNさんの様子をご覧頂いているので、私たちのキッチンがどんな形か分かってくださっているのはお話が早いです。
さっそくKさんにいらして頂いて、詳しいお話をお聞きすることに。
「こんにちは。」
そういう明るい声とともに大人数でいらしてくださいました。
実は今回Kさんの新居を設計するのは、Kさんの妹さん。妹さん夫婦が設計士さんで、プラスマイズミアーキテクトという事務所を構えているのです。
家族で家を作るなんて、楽しそうな響きではないですか。

ガスコンロ周り

ガスコンロはリンナイのデリシア。そしてその下はスライドワイヤーシェルフ。

打ち合わせの最中も「お姉ちゃんは・・。」なんて会話を聞いていると、気持ちが温かくなります。
おおよそのキッチンの形はマイズミさんの方でまとまっておりましたので、あとはそこにKさんのイメージを重ねていきます。
どんな印象にしていきたいかを伺うと、「少し懐かしい印象」という言葉が帰ってきました。
その言葉にピンときて、この方の家具の印象はどうだろうと写真をお見せしたのが、横浜のAさんの「pastral kitchen」の食器棚。

スライドワイヤーシェルフ

上段は浅くしてフライパンなどのうすいパン類が置けるような高さ。「これ以上高くしてもう1段つけることもできますか?」と聞かれることもあるのですが、ガスの元栓が干渉してしまうので、大体このくらいの高さが限度ですね。


スライドワイヤーシェルフ

下段は少し深めのお鍋が置けるように。皆さん結構重い中華鍋や土鍋を置くのですが、それでも滑らかに動くところが良いところ。


スライドワイヤーシェルフの下には根菜

一番下はちょっと空いたスペースがあるので、籠が置かれておりました。根菜を置いているのですね。

「そう!こういう感じです。」
白いところと木の色をしたところ。昔よく自分が見ていたのは、白くつややかにペンキを塗られたマツの木にラワンの組み合わせだったり。自分が昔団地に住んでいたこともあって、そういう色使いの懐かしさってあるんです。
それが皆さんにも共通しているイメージだったりして、いいよね、こういう感覚。
そのイメージの取り掛かり部分が分かるとお話が早いです。あとはKさんがこのキッチンで何をしたいか、どんなものをどんなふうに使いたいか、その動きやものが流れる様をまとめていくだけです。
こうして形がまとまっていったのでした。

調味料の引き出しは内引き出し

今回の調味料入れは、内引き出しにして、白い化粧板とナラの縁取りの印象をすっきりと見せています。

さて、その施工はNさんの時と同じく福友産業さんで監督さんも同じOさん。これなら仕事がやりやすいのでした。
上棟後に現地で、マイズミさん、Kさん、福友さん、私とで、細かい部分を確認していきます。
今回は天井の高さに制限もあるので、レンジフードの取付位置が少し低くなりそう。キッチンの給排水やガス、電気の位置を確認して、レンジフードのダクトの抜ける道の確認(ダクトの通り道は外壁沿いにフードを取り付けられる場合は良いのですが、今回のKさんのように部屋の中心となる場合は、そこから外に抜けるダクトの道を考えないといけないのです。それが天井上の梁に干渉することないように監督さんと打ち合わせていきます。)や、建築で作るパントリーとなる収納と私たちが作る食器棚の納まりを確認して、それからいよいよ製作の開始です。

クリンスイの浄水一体型水栓

シンク周り。混合水栓は三菱ケミカルのクリンスイ。手前のレバーがお湯とお水が出て、奥の短いレバーで浄水が出てきます。

通常キッチンの製作には、1か月間の時間を頂いております。特に無垢材を使う場合はもう少し時間を取らないと難しかったりするのです。今回はタイル屋さんの施工も関わってくるので、この打ち合わせから賞味2か月を使ってキッチンと食器棚を作り上げていきます。

水切りネットは巻いて収納できるタイプ

「これ、良いですよ。」と言ってくださったのが、巻いて収納できる折りたためる水切りです。 なるほど。これだと水切りプレートとしても調理用のプレートとしても使えるし、たためばシンクを広く使うこともできますよね。

今回使うのは、ナラ節アリ材。表情が良く見える部分に節アリのランダムな表情を持ってきて、カウンターには節があるとかえって使いにくいので、節のない材を使っています。それをオイルで焦げ茶色に着色して仕上げていきます。
今回大変なのは、このナラ材を使う部分と白い化粧板を使う部分の見切り方でした。どう見せるときれいに見えるかという部分でひとつ悩み、また製作のほうでは、ナラの部分だけ着色していくのですが、白い部分に色が入ってしまうとなかなか落ちなかったりするので、塗装をするのもいつもよりも慎重な面持ちで担当したノガミ君は作業を進めるのでした。

洗剤ポケット

そう、今回Kさんは食洗機で主に食器を洗う前提で、シンクを小さめにしたのです。幅は60センチ。だから、水切りはコンパクトに、そして洗剤もきちんとしまえるようにポケットをつけています。

ノガミ君の良いところにこの慎重さがあります。
何か疑問点があるとすぐに尋ねてきてくれるのですが、「・・・がこうだったのですけれど、・・・で良いでしょうか。」
「ですけれど」って否定される言い回しを聞くと、えっ何かうまくない進み方になっちゃったかな・・。って心配するのですが、大抵、うまく進んでいたり、うまく進める方法がもう見つかっていたりすることが多いのです。
それなら、自身で判断しても良いと思うよ、とそのたびに思うのですが、そう確認してくれる慎重さが頼もしいところでもあるのです。

シンク前のタオル掛け

こちらはシンク手前の様子。


シンク下のフック

このシンクわきの情報にフックをつけて、ハンガーが下げられるようにしているのが、Kさん独特の工夫。

そうして、製作は完了。
2階のキッチンへの荷揚げも問題なくできて、設置も滞りなく終わりました。
あとは、ここにタイル屋さんがタイルを貼って、設備屋さん、ガス屋さん、電気屋さんがキッチンの機器類の配管を接続してくれたら完成。
いつも思いますが、キッチンは私たちだけで作れるものではなく工務店さんの協力があって完成するかたちです。
こうして、今までお付き合いがあったわけでもないのに突然現場に入り込んできても丁寧に対応してくださる工務店さんには大変感謝しております。
こうして、また一つ魅力的なかたちができあがったのです。

食器洗い乾燥機の面材もキッチンに合わせる

今回の食洗機はパナソニックの操作パネルが隠れるタイプ。

「お世話になっております。取り付け早かったですね!
すごく素敵に仕上げていただきありがとうございます。縁取りの引き出しもカウンターの節ありのナラの色味も、我が家の建物や床材のデザインにとても合っていて感激です!
キッチンの塗装や引き出しの木の縁取りのバランスなど、設計者のマイズミ氏も絶賛しておりました!
本当に素敵に仕上げていただきありがとうございます。」

うれしいメールをいただいたのでした。

ナラ材で木口を縁取りした面材を使った引き出し

キッチンの引き出しの様子、その1。


ナラ材で木口を縁取りした面材を使った引き出し

キッチンの引き出しの様子、その2。

そうして、お引き渡しが終わってしばらくしました頃。

「あけましておめでとうございます。
昨年中に無事新居に引越しが出来、清々しい気持ちで新年を迎えることができました。
キッチンも広く、たくさんの引き出しがあるので、何をするにもとても快適に過ごしています。
先日、Nさんご家族がやってきました。
うちと似てるキッチンだね!と早速お兄ちゃんがイマイさんのお仕事に気づいてましたよ!
今度、そのNさんご家族ともう一組の友人ご家族とで我が家で新年会を開催予定です。
もし、ご都合つきましたらイマイさんにもぜひいらしていただけないかと思っております。
日曜日なので打ち合わせなどお忙しいと思いますが、ご検討くださいませ。
よろしくお願いいたします。」

オーブンレンジスペース

食器棚の下にはオーブンレンジをしまっています。放熱用に開けた上部のスペースにオーブンの天板を置く形にしました。

うれしいお誘いを頂き、喜んで伺わせて頂きました。
ちょうどまだみんなが揃う前の時間、Kさんが楽しそうに料理の支度をしております。
その合間にキッチンを使っている様子をいろいろ見させて頂いて、ご主人もそろったところでキッチンのお手入れの方法をご説明。
オイル塗装だと塗膜がうすいので、水場では比較的早い時期にざらつきが出たりします。
そういう時にペーパーを当ててオイルを塗ることで、表面が滑らかになってまた撥水するようになります。
それほど難しいことではなく、女性がお肌の手入れに化粧水を肌に染み込ませるような感じです。
それだけで木が潤います。

ナラ材で木口を縁取りした面材を使った引き出し

食器棚の引き出しの様子、その1。


ナラ材で木口を縁取りした面材を使った引き出し

食器棚の引き出しの様子、その2。


ナラ材で木口を縁取りした面材を使った引き出し

食器棚の引き出しの様子、その3。


ナラ材で木口を縁取りした面材を使った引き出し

食器棚の引き出しの様子、その4。


ナラ材で木口を縁取りした面材を使った引き出し

食器棚の引き出しの様子、その5。


ナラ材で木口を縁取りした面材を使った引き出し

食器棚の引き出しの様子、その6。

そのお手入れの方法をお伝えしたころにご友人がたもいらしてくださって。久しぶりにNさんご家族にもお会いすることができたのでした。
うれしいつながりがこうして続いていることに本当に感謝しております。

キッチン仕上
天板 ステンレスヘアライン
扉・前板 アイカ「カラーフィットポリ」/ナラ節アリ材
本体外側 アイカ「カラーフィットポリ」/ナラ節アリ材
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
塗装 オイル塗装仕上げ

白いマットな化粧板とナラ節アリ材のキッチン

価格:880,000円(制作費・塗装費、設備機器は別途)

白いマットな化粧板とナラ節アリ材の食器棚

価格:380,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は40,000円から、取付施工費は110,000円から)