Tさんのアイランドカウンター:スタッフ ノガミ君の制作日記

2019.06.30

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Tさんの家具はアイランドカウンターということで、キッチン側は作業性を、リビング側は収納力を、側面はコンセントと折りたたんで収納できるサイドテーブルと、四面にそれぞれお客様の生活にあった機能が備わっています。
機能だけではなく見た目もよくなるように、木目の割り付けにも気を使いました。
どのお客様の時もそうですが、自分が格好良いと思う木目の見せ方とお部屋の雰囲気とマッチするか、また、お客様の好みに合うかどうかというのは、工房では想像しながら製作しても、実際に取り付けに行かないとわからない部分なので、難しさと緊張が伴います。
Tさんお宅は自然光が良く入り、風通しが気持ちいい平屋だったのですが、タモの木目と色合いが良く合っていて、お部屋に馴染んでくれたと思います。

オーダーキッチン「オークとステンレスバイブレーションのセパレートキッチンの設置工事に入りました。」

2019.06.29

2019062900220190629003ヒンメリ作家であるMさんのキッチン。Mさんのきっかけは「アフタヌーンソング」のNさん。
葉山のご自宅でお料理教室やワークショップを開かれていて、玄関入ったところではNさんが集めたステキなものたちも販売されている隠れ家のようなお店です。ご存知の方も多いのではないでしょうかね。
そのNさんをきっかけにキッチンを作らせて頂いた「家をつくり続ける」のOさんや「姉妹で作る家」のKさん、そして、そのKさんつながりで先日納品した靴屋さんの家具
とてもありがたいのであります。
そして、今回のMさんは横浜の緑に囲まれた古いマンションをリノベーションして家族4人で住む家を作っています。
キッチンのレイアウトを大きく変えることでとても気持ちの良い空間が現れましたが、構造上どうしても難しい配管も出てきたりして、リズムのあるキッチンができあがりつつあります。
ひとまず今日でキッチンの設置は完了。
あとは、みんなで塗装をする時にその方法をお伝えしに伺います。
頑張りましょう。

キッチンカウンターのオーダー「タモ板目のキッチンアイランドカウンター」

2019.06.27

2019062700220190627003夜、Tさんが帰宅される時間に合わせて、ご挨拶にお伺いしてきました。
「イマイさん、実はね引き出しが閉まらなくなっちゃって・・。」
使っている様子の写真も撮らせて頂きたかったので、さっそくお伺いすることに。
念のため、スライドレールの不良も考えられるので交換用のレールも持って。

こんばんは、Tさん。
さっそく上がらせて頂くのですが、納品の時は私はお伺いできなかったので、どのような家なのか楽しみにしておりました。
だって、「打ち合わせの時も両親の家があった場所を立て替えて、私一人の小さな平屋のお家の建てるのよ。」っておっしゃっていたので、もうただただ広い場所の真ん中にポツンと可愛らしい家が建っていると思っていたからです。
今は夜で、こんばんは雨風が少し強くなってきていたので、広い原っぱのようなファンタジックな印象を感じることはできなかったのですが、カラカラと玄関の引き戸を開けると、向こうにアイランドカウンターがどっしり構えている姿が映りました。
「一人暮らしだから、風通しの良い家にしようと思って。」
仕切りもドアもなく、どこまでも風が気持ちよく吹き抜ける広間のような場所にカウンターがポンと置かれていました。
「あの家具がこの家の顔よ。跳ね上げテーブルの表情もとても気に入っているのよ。」
私の両親に近いくらいのご年配のTさんですが、とてもちゃきちゃきと快活にそうお話ししてくださいます。
「このカウンターの上はね、いつも何も置かないようにしているの。置くのはあのポットだけ。ここが広々していると気持ち良いのよ。家具っていうよりは、作業台と意感じでとても気に入っているのよ。」とうれしそうにお話ししてくださいます。

それでは引き出しの不具合を見てみましょう、と引き出しを全開にしてのぞき込んでみると、なあんだ、その下の引き出しにしまってあるものが傾いて上の引き出しのつっかえになっていただけでした。
私たちの家具の作り方は、引き出しと引き出しの間に板を設けないので、下の引き出しに物を詰め込みすぎたり、何かの拍子にしまっているものが傾いたりすると、上の引き出しのつっかえになっちゃうのです。
でも、大きな故障というわけでなくてよかった。

それでは、Tさん、また何かありましたら遠慮せずにいつでも呼んでくださいね。
お邪魔しました。

食器棚のオーダー「ナラ節アリ材とアイアンの取っ手とステンレスカウンターのあるキッチンバックカウンター」

2019.06.27

本日納品した綾瀬のSさんの食器カウンター。
最初はね、キッチンの柄が赤茶色く色をつけたクルミっぽい化粧板でしたので、Sさんは色みを揃えてチェリーにしようかと工房にいらしてくださった時はそう考えていたのですが、引き渡されたばかりで室内を飛び跳ねまわるお子さんたちが遊ぶご新居にお邪魔させて頂きましていろんな木を見ていると、やっぱりだんだんとね、自分の好きな感じが分かってくるのです。
「うーん、チェリーじゃないかな、クルミかな・・。」
「ねぇ、どの木が良いと思う?」
と、打ち合わせの様子をのぞきに来たお姉ちゃんに相談。
「あたしはこの木がいいな。」とクルミを差す。
「ふーん。」
キッチンの柄は、赤茶色のクルミにさらに節があるように見せた仕上がりで、「こういう素材も最近家具で使うようになりましたよ。」と節があるナラ材をお見せすると、「ああ、これ良いですね。」と。
そして、今回はKUMAさんのハンドルのほかに扉はツマミにしようと提案させて頂きました。
引き足はぐっと握って開けるほうが使いやすいですが、扉はそれほど力を必要としません。それなら小ぶりなものがついていても良いのではないかなと思いまして、表面がうすい円盤状で、そこに槌目をつけてもらったオリジナルのつまみをKUMAさんに作ってもらったのです。
おかげさまでとても気持ちの良い家具になりました。

刃物研ぎ

2019.06.27

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シャリシャリと刃物を研ぐ音が聞こえます。ハラダ君が外で鑿を研いでいました。
刃物を研ぐ人の姿を見ると父を思い出します。
船乗りで料理をする父なので、台所で包丁を研ぐ姿を幼少期から見ていました。
父が研いでいる包丁は、段々先が尖ってきていて、油断してるとすぐ爪先も切れちゃうほど切れ味抜群なので、気を付けないと怖いのです。
区域外通学の間、一家で実家で居候させてもらっている時、久しぶりにその包丁を使うことができました。
ハルもお手伝いをしている時に、「ばあばの家の包丁全部怖いよ~、刺さりそうだよ~。」と言っていました。
娘は怖がっていましたが、その言葉を聞くことができて、私はうれしかったのです。

ありがとうのきもち

2019.06.26

20190626001この人たちがいなければ今がなかったと、大きな声で言ってしまうほど私たちの中でとても大切な茅ケ崎のKさん。
海の近く、ソラの近く」のKさんです。
昨年のクレミルで、とてもとても久しぶりに私たちのところにいらしてくださったのです。
Kさん、あのステキなお家で暮らしてしばらくのちにお仕事で海外に行ってしまわれて、もうしばらく会えないなあと思っていたのですが、大変久しぶりにまたこちらに戻られたのだそうです。
それから、いろんなお話がありました。
Kさんのおかげで私たちのキッチンは生まれましたからね。
「あのね、あのね・・。」子供が親に話すように14年間の出来事をお伝えして、このタイミングでここにいらしてくださったのはやはりそういうご縁なのでしょう。
私たちがあの時作ったかたちをKさんはとても愛してくださっていたのですが、今の私たちのかたちをぜひ見て頂きたい、という思いから使いやすくまた表情豊かなキッチンにさせて頂くことになりました。
当時は突板で表現していた部分を無垢材で表現できるようにしたり、Kさんの美しいと今思う形を実現するために、ありがとうの気持ちをたくさん込めて仕事をさせていただけることになりました。
うれしいなあ、うれしいなあ。
美しさと懐かしさが入り混じった形に仕上げられるように頑張ります。
また来週、仕上げに伺いますね。

オーダーキッチン「ステンレスバイブレーションとクルミのセパレートキッチンの設置工事」

2019.06.24

この日は大きく雨降り。
みんなで雨具を羽織って荷下ろしをはじめました。
今回のキッチンはクルミ材で製作したのですが、塗装をFさんご自身で行なうということなので、塗れないように養生しながら3人で手早く搬入。
大工さんがとてもよくしてくださって、搬入はとてもスムーズに完了しましたが、この湿気で木に動きが出ていてその調整などをしながらの設置でしたので、だいぶ時間が掛かってしまいました。
ひとまず今日の作業は完了。
あとは電気屋さんが作業をしてくれた後に再び細かい作業をしに来ます。
よく見るとこの現場のはす向かいはいつもお世話になっている平成建設さん。
なかなかご挨拶にお伺いできずすみません。
今回は、やはりご近所にすてきなお仕事をされているエコモさんの現場です。
こういうすてきなお仕事をしてくださる方々がいらっしゃる町はすてきです。

オーダー家具「黒皮残しのスチールとチェリーの赤茶色の無垢を用いたワークデスク・ストック棚などの店舗バックヤードの家具を納品」

2019.06.24

カナイ君とワタナベ君とで残りの作業台と皮切り台を納品に。
ここがサロンの裏側のワークスペースです。
所狭しとミシンが並び、この2台のデスクが入ってようやく完成。
次回細かい作業が終われば、全てが完了する予定。
このとても趣のある空間で作られるのは、私もとても楽しみにしている靴。
どんなふうに作られていくのかそれはとても興味深いのです。

オーダーメイド食器棚「ナラの食器棚の写真を送ってくださいました」

2019.06.22

そして、土曜日は川越のSさんのところまで、カナイ君とワタナベ君に向かってもらいました。
私が文蔵から来てくださったSさんと打ち合わせをしているところで、「順調に作業が終わりました。」とカナイ君から報告が入りました。
と、彼らの帰りを待たずして、Sさんから写真付きのメールが届きました。

「今日は取り付けありがとうございました。
今日取り付けていただいたのに、前からそこにあったかのように部屋に馴染んでいます。
さっそく食器などを入れて妻がウキウキで写真を撮っていたので添付してみました。
作業に来ていただいた方も、取り付け以外の質問にも丁寧に答えてくださってとても助かりました。
本当にフリーハンドイマイさんにお願いしてよかったです!ありがとうございました。」

うれしい気持ちで胸をなでおろしました。
また、8月頃お邪魔させて頂きますね。

やまびこのようにみんなからの声を大きくして返していかなければいけないよね。
来週は立て続けに方々で取付工事です。
気を引き締めて頑張ります。

荒川のMさんのところへ

2019.06.21

2019062100220190621003住みながら居心地を整えましょう」のMさんに壁面収納を納品する前から相談を受けていた家具たち。
ちょっと残念なことに工務店さんがあまり足を運んでくださらなくなってしまったそうで。
家って住み始めてからいろいろなことが見えてくると思うのです。ここをこう使いたい、あそこはああいうふうにしよう、などなど。
そうなった時に誰もがトントンカンカンとすぐに何かをこしらえることができるわけでもないので、そうなった時に頼りになるのが家を建ててくれた工務店さんであってほしいのですが、70キロほど離れた私たちにあらためて声を掛けてくださることはうれしくもありますが淋しくもあります。
と、思いにふけっていないで、家具を作らせて頂きました。
今回は、リビングの飾り棚とトイレの吊戸棚の押し入れのスノコでした。
トイレの吊戸棚ですが、1階のトイレは階段の下のちょっと小さなスペースに設けられていてトイレットペーパーをしまう場所さえなくって、2階のトイレは使いやすい位置に戸棚を頼んでいたのにMさんが背伸びしても届かない位置に戸棚がついていたりして。
その暮らしづらさを改善するための家具をいくつかつけてきたのでした。
距離は遠くても声は近くに届きますので、いつでもご連絡ください、Mさん。

オーダーキッチン「埼玉寄り」

2019.06.20

20190620002寒川から埼玉県はなかなか遠いのですが、このところお声掛け頂く皆さんのなかに埼玉にお住いの方々が多いのです。今日設置してきたラバロックとクルミを使ったキッチンを作らせて頂いたOさんは蕨市、明後日食器棚をお持ちするSさんは川越市、同日打ち合わせにいらしてくださるSさんは文蔵から。
先日、大泉学園で打ち合わせさせて頂いたFさんのお母さんのお住まいは練馬ですが、そのFさんは所沢にお住まいです。
風って吹いているんですよね、いつも。
どこかで誰かがフゥって吹いてくれると、その風を受けた誰かさんがフゥって吹いてくれる。
それって昔から感じていて、ひと通り風が吹き抜けると、次の町から風が吹いてくる。
お天気を読む人のようにどこから吹いてくるかは分からないのですが、風が吹いているってことだけは知っています。
それを知っているだけでもうれしいし、安心できるのです。

自宅での初打ち合わせ

2019.06.20

先週日曜日に、初めて自宅での打ち合わせがありました。引っ越して丸一か月目。外構工事をまだ終えていないタイミングでしたが、福原さんの設計でお家を建てることになったKさんご家族!ということで来ていただきました。
こういう素材を用いてこういう間取りにこういう家具を置くとこういう空間になるよというのを少しでも実際に目にして伝えられたらいいなと思っています。
ただ、「新築のお家」と聞くとお客様は気を遣いますよね。小さいお子様連れだと尚更のことだと思います。
少し歩くと大きい公園はありますが、連れていくご両親のどちらかがお話しできなくなってしまいますし、うちの子達はもう小学5年生と中学3年生なのでおもちゃはありません。お話の間、ずーっと抱っこになってしまって、おかあさんとお子様が大変そうでした、すみません。
キッチンや家具の打ち合わせの場所は、お客様のご自宅・私達のショールーム・自邸の3か所から、(インテリアショップやファミリーレストランという場合もありますが。)色々それぞれ考慮する点をお伝えさせていただいて、お客様にお選びいただく形をとろうかと思います。(自邸の場合、家族の予定で対応不可な日時もありますので、ご了承ください。)
これからお家づくり、キッチン・家具作りをお考えで、私達の所にご注文を考えてくださっている方はお問い合わせくださいね。
(福原さんの設計したお家を見てみたいという方も大歓迎ですよ。→ MA設計室 )
写真は、お客様が帰られた後の打ち合わせの様子。福原さんとイマイダイスケです。
食器棚の引き戸が開けっ放しで失礼しました。(笑)

靴の工房へ

2019.06.19

20190621001ちょうど1年前ですね、最初にお話を頂きましてから。もう少しですべての家具を届けられます。
今までにない素材の使い方で今までにない形でしたので、今回この空間を設計されたマイズミさんの監修のもと、どうにか形にすることができました。来週に最終の納品をして完了の予定です。

Mさんのキッチン・アイランドカウンター・手洗いカウンター・洗面カウンター・玄関収納:スタッフカナイ君の制作日記

2019.06.19

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今年の1月から3月にかけて製作させていただいたMさんのキッチンと家具たちです。(ニット帽を被っているのが、カナイ君です。)

<キッチン>
今回のキッチンのサイズはとても大きく、シンク側とコンロ側がL型に一体になったデザインで、シンク側の上には吊戸棚、コンロ側の横には家電収納が配置されたとてもボリュームのある家具です。その大きさにより全てを同時に製作するのは難しく、また一部ウレタン塗装もあったりしたので、部分ごとに製作するにあたっての段取りや製作手順を考えることにとても苦労しました。
また、今回初めて使うキッチンパーツや初めて行なう納め方など工夫がたいへん必要な構造になっています。
吊戸棚は扉を閉めてしまうとシンプルな形ですが、真ん中にステンレスパイプをたくさん渡して水切り棚にしていたり、その上その奥に照明を付けたりと、見えない部分で大変手間のかかった細工を施しています。
また、今回はフィオレストーンという初めて使うクォーツでして、いつものように天板を薄く見せる仕上がりでしたので、工房での仮組から現地の設置までの運送など取り扱いに大変苦労しました。
家電収納は扉が収納されたり、電気オーブンを組み込んだり、さらにその上で家具のラインが揃うようなデザインになっていたので、組み立て方も試行錯誤しながら決めていく部分がありました。

<アイランドカウンター>
L型キッチンの構成に合うようにレイアウトされ、クォーツの上にタモの無垢材が載るという特徴的なアイランドカウンターで、足元灯やコンセント各所のための配線経路の確保や、冷蔵庫をぴったりと囲う格子の製作など気を使う部分がところどころあり大変でした。天板の無垢の固定は、その下の石に楕円形の穴をあけ、無垢の伸縮にも対応できるように工夫して取り付けてあります。

<1階手洗いカウンター・2階洗面カウンター>
製作は通常の作業でできましたが、現場の仕上がっている壁から壁にぴったりと納めるために現場で一度解体しながら寸法を調整して納めたりと、とても気を使いました。

<玄関収納>
この家具は、ノガミ君に製作してもらいました。箱の三方(両側と天板)の木目がつながるように突板の木取りをしています。また、箱上部の角は4ミリの角材を接着して仕上げてあります。これは突板で留め加工をすると、どうしても素材の強度が弱い部分があり、特に水平面では物を置いたり、ぶつけやすかったりするので、このように角の部分に無垢を入れる仕上げをすることがあります。通常「紐」と呼ばれるこの部材が入ることで、強度は増しますし、意匠的にもひと工夫のある美しい形になります。
また、扉の手掛けは45度に加工してあります。この手掛けの形は私達は普段取り入れない方法なので新鮮な気持ちで取り組めたそうです。

実際に製作に入る2~3年前から私達に問い合わせをしてくださっていたMさん、製作の機会を与えてくださりありがとうございました!

ちょっとした木工教室

2019.06.17

20190617005今年の夏休みに2校の小学校5,6年生を対象に教室を開こうと思っているのです。
せっかく頂いた機会ですから、ものを作るのって楽しいし、不思議だよねっていうことをずっと大人になっても覚えていてほしいのです。

先日ね、教育長が声を掛けて頂いていたのです。
「イマイさん、小学校の朝会に一緒に出てくれませんか。子供たちの周りで活躍しているお父さんたちを紹介したくてね。」
そして今朝。
「町にはね、こういう形でみんなのことを思ってくれているお父さんをはじめたくさんの人が居るんだよ。」って、子供たちに話してくれていました。
チィが喜んでいるのかどうかは、いつもながら分かりづらかったけれど、いいじゃない。
頑張っているおじさんはこんなに近くにたくさん居るぜ。

食器棚のオーダー「ステンレストップでタモ板目突板を使った食器棚」

2019.06.17

20190617002土曜日は、川崎のHさんのところにカナイ君とカイ君とで食器棚の取付に向かってもらっておりました。
L型のキッチンのある空間で、冷蔵庫の位置がちょっと変わった位置にあるのです。
奥様としては、あまり狭く感じないように吊戸棚をコンパクトにして。カップなどを取りやすいようにオープンスペースを多く設けようかと考えていたのですが、実際にお部屋を見ながら奥様、ご主人、私とであれこれ思いめぐらせていていたのです。
火元に立った時に吊戸棚に頭をぶつけちゃうんじゃないか、コンロの下の引き出しを開けた時に物の出し入れがしづらくなっちゃうんじゃないか、そもそも食器棚をつけるとキッチンが狭くなっちゃうんじゃないか、いろいろ心配になったりするのです。
特に変わったレイアウトの場合は、イメージがしづらかったりして。
そうして思い悩んだのですが、しまいたいものや動作を突き詰めていくと、シンプルな形にまとまっていったのです。
結果として見えてくるかたちは、こういうふうにシンプルな形なのかもしれないのですが、ここに至るまでの思いは家具を作るという過程がないと得られない思いなのです。
だから、例えば同じように見える形があったとしても、私たちの作る家具は全く違うっていつもそう思っています。
だから、今回もHさんの食器棚を作ったんだよって誇らしく思えるし、Hさんに喜んでもらえることが、自分たちに一番のうれしさだったりするのです。

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それから、Hさん、打ち合わせにいらしてくださった時に、「mocha」を気に入ってくださって、使って頂いているのです。
打ち合わせの時は空色のものを、食器棚納品の時にはオリジナルの黒色のものを購入くださいました。
ウェブサイトではまだ空色と金糸雀色まで載せられていないのですが、佐久間陶子さんと相談してこの三色を作っているのです。
ですので、工房にいらしてくださる皆さんにはご覧頂くことができますので、良かったら見に来てくださいね。
とても発色が良く、口触りも良く、軽いカップですので。

そのようなわけで、次回Hさんのお会いするときにコーヒーをこのカップで出して頂けるのかどうかドキドキしながら楽しみにしているのです。

オーダー家具「黒皮残しのスチールとチェリーの家具を製作中」

2019.06.14

黒皮がついたままの鋼材で仕上げた補強材とアメリカンチェリーを組み合わせたワークデスク。
靴を作るための皮をカットするのです。
その隣に皮をストックしておく棚。
背面は皮に傷がつかないような衝立がついて。
今はまだチェリーの淡い色が若々しいですが、一年も経つとスチールの印象とだいぶ馴染んできます。

食器棚のオーダー「クルミを使った格子扉のある吊戸棚」

2019.06.13

20190613002この印象的な食器棚を作らせて頂いたのはもう4年前ですね。
食器棚を作りたい場所にちょうど窓があるけれど、それでも吊戸棚を作りたい、ということでなかなか苦労しましたが、とても気持ちの良い形になったのでしたね。
光と風が抜ける吊戸棚なのです。
扉からも地板からも風が抜けるのです。
思うだけで心地良い。

あれからご挨拶にも行けていなかったのに、Fさんがまた新たにお声掛けくださいました。(だから、写真は当時の写真です。)
今度はお母さまの家具のご相談だとか。
さっそく本日大泉学園のほうまで出掛けてまいりました。
今は座卓と背の低いソファを使って食事を採っているのだそうですが、やはり膝も疲れてきちゃうし、ダイニングテーブルと椅子をしっかりしたもので考えたいと思っていたのだそうです。
それなら、イマイさんに!と長女であるFさんが声を掛けてくださいまして、今回テーブルと椅子とそれとその部屋に合わせてコンパクトなテレビ台も作らせて頂くことになりそうです。
テーブルは円卓。その印象に合わせた椅子とテレビ台、いずれもクリで作ります。
そして、その家具たちの納品の時に、食器棚の写真も撮らせて頂けることに。
うれしく、楽しい時間でした。
ありがとうございました。

Keiwaさんへ

2019.06.11

20190611002ぼくらを育ててくれる人」の目白のTさんからご相談を頂きました。
「作ってくださったキッチンにようやくオーブンを付けようと思います。」
キッチン計画当初から、いずれはオーブンを組み込みたいのですが今はまだこのままで大丈夫です、と言われていたそのいずれがようやくやってきました。
キッチンを製作したコバヤシ君はこの前ここを出て独立してしまったし(小田原で頑張ってます。)、組み込む際の注意点は、事前に把握しておきたい、ということで、排熱、耐熱、導入の際の必要な部材などについて確認してきました。
二人目のお子様がもう少しで生まれるこのタイミングで、家に居られる時間も多くなってお料理の時間も増えてきたことを考えていたら、よしオーブンを入れよう!と思い立ったのだそうです。
設置予定場所の背板も外せるし、不燃材も貼れるし、電源も問題ない、ということを確認して、あとはその各部材を用意して設置に臨むだけ、という確認ができたところで、そういえば近くにIさんのお店があったよね、と思い出して訪ねてみたのです。
アトリエで暮らすような」のIさんのお店は大塚にあって、Tさんの目白からはまもなく到着。
工房からはるか遠いこの地域ですが、意外に家具を作らせて頂いたみなさんがいらっしゃって、なじみのある街でもあります。
tanned oakのKさん、「ふた変化」の悠雅さん、なんてすぐそばで、「その意味」のSさんもさっきのTさんのお近くです。
地図なんか見なくても分かっちゃうね。

そのようなわけで、作業の補助についてきてもらったアキコと二人でKeiwaさんでお昼ご飯を頂いてきました。
5年経った今でも相変わらずおきれいでしかもたくましい、というか客席越しに見る姿は頼もしい。
キッチンの打ち合わせの時も確かそう思っていたなあ。頼もしくかっこよい人だなあと。
「イマイさん、ありがとうございます。いろいろあってね、中華料理を始めちゃいましたよ。」とはにかむ姿はすてきです。
私はレタスチャーハン、アキコはすごくクリーミーなお粥、そして、しっかり味の浸みた水餃子。
おなかも気持ちもいっぱいになりました。
ありがとうございました、また来ますね!

食器棚オーダー「Kさんのホワイト塗装とクルミの食器棚に久しぶりに対面」

2019.06.09

4年前に食器棚を作らせて頂いた門前仲町のKさんから久しぶりにお声掛け頂きましてお邪魔してきました。
あの時お話ししていたテレビボードをようやく作る機会がやってきました、といううれしいお声掛けでした。
テレビボードも4年も経つと形の考え方が大きく変わってきます。
世代も同じKさんとは普段の暮らし方がどこか似ていて、この家具をどういう使いたかたをしたいのかイメージが要領よくまとまっていきます。
少し前までは、DVDやCDをしまうスペースやAV機器を数台しまうスペースを作ることが多かったのですが、最近はデータで映画を直接見られるようになってきたので、機器やソフトがなくても映画や音楽が鑑賞できるようになってきました。
テレビ自体もサイズは大きくなっても形状はコンパクトになってきて「テレビ台」と呼ばれていた家具の在り様が変わってきました。
そこで、4年前に比べてどういうふうに使い方を変えていったら良いかを相談しながら形をまとめていったのです。
懐かしいかたとお会いできるのはとてもうれしく楽しくて心地よいのです。

オーダーキッチン「クルミをランダムに」

2019.06.09

草加のOさんのキッチンカウンターがもうすぐ完成です。
豊かな色」のGさんの提案で始まった「木目をランダムに配列してください。」という見せかたって、自分たちにとってはちょっと驚きだったのです。
今までは木目はきれいに端から端まで1枚の板が成長が分かるようにつなげようって教わってきたのに、「バラバラがいいのです。」だなんて。
Gさん自身家具メーカーの支社長さんでもあり、ドイツで育まれた感性もあって、あの時はいろんなことを新鮮に学ばせて頂きました。
その感覚ってやっぱり皆さんが良いと思えるのですね。
いろいろな皆さんからこの配列の印象が良いです、っていうお話を頂いて、今回のOさんも同じくこの仕上げに。
でもね、バラバラな分、どういうふうに見せるかがかえって難しかったりするので、今回もいろいろと頭を悩ませました。
よい印象にまとまったと思っております。

いよいよです。:家具屋の家づくり

2019.06.08

私が家作りを思い立ったきっかけは庭です。
アキコに「家を作りたい。」とは相談せずに、「庭でご飯が食べたい。」って相談したのがきっかけ。(フクハラさん、ごめんなさい。でもとても好きな家ですよ。)
アキコも最初は「庭ですか。」という感じでしたけどね。
そうしてはじまった家作りですが、ようやく昨日から庭の工事が始まりました。

洗面室からハサミをもって、庭で髪の毛を切るのです。
リビングからお箸と御茶碗をもって、庭でご飯を侍るのです。
向かいのお父さんや裏手のお父さんや向こうのお父さんやちょっと向こうのお父さんと庭でお酒を飲むのです。

今朝工房に向かう朝、家の前で大きなちゃとら(猫です。ご近所の人のようです。)が、おはようと言ってくれました。
彼もきっと気に入ってくれるかな。

音をつくる人

2019.06.08

昨日は2月(のたしかとても寒い雨ふりだったような)に設置させて頂いたNさんがお声掛けくださいまして、ご友人のタグチクラフテックの中嶋さんと一緒にこの小さな工房まで遊びにいらしてくださいました。
Nさんのところにお邪魔させて頂いた時に聴かせてもらったのですよね。
LITTLE BEL」の音を。
楽曲を流すと良い音がするのはもちろんなのですが、水の音や鳥のさえずりがふんわりと耳に入っているというのが新鮮だったのです。
「疲れない音になるようにしているのですよ。」と中嶋さんが教えてくださって、Nさんと一緒にいろいろな音を聴かせてくださいました。
いろんなところで素晴らしいものを作っている方々と出会えるなんてね、20数年前の私は思ってもおりませんでした。
「どうしてみんなこうして集ってくれるのだろう。」ってアキコに聞いたことがありました。
「それはあなたが今まで行なってきたことの答えなんでしょう、きっと。」
そうなのかなあ、そうなのかもしれないなあ。
楽しいのです、いろんな発見が。

テレビボードのオーダー「格子扉のあるシナ無垢材のテレビボード」

2019.06.06

20190606003テレビボードがようやくできあがりました。素材はシナノキです。シナと言うと合板ばかりが思い出されがちですが、その基になっている無垢材は少し柔らかいですが、とてもおとなしく扱いやすくて表情も静かでよい印象です。キッチンや洗面台はシナノキとバスウッドを併用して作っていますが、バスウッドよりも優しい印象のシナノキだけで今回は作っております。
そのあたりの次回もいつか皆さんにお見せできるようにしたいと思っております。

だんだん家具が多くなってきたこの空間ですので、なるべくシンプルにしたいと思いまして、いつもながらの格子扉にしたのですが、格子の縦框をなるべく隠したいと思いまして、扉はいつもよりも厚く採って横格子のラインが良く表れるようにしています。

以前はテレビボードというと、「いろんなものをしまうための収納」という形を作ることが多かったのですが、今はテレビもコンパクトになり、映像や音楽もデータで格納できるようになった時代です。デッキ類も数が少なくなり、サイズもダウンしてスペースも皆さんそれほど多く採らなくなってきました。そして、CDやDVDといったソフトももちろん少なくなってきてリビングに大きな家具が置かれることも以前に比べると少なくなってきたように思えます。
でも、こうして1台の表情がその場所に置かれると、その場所の印象って全く変わります。
使い方から導く美しさはもちろんありますが、そのかたち自体の美しさが心地よくさせてくれる家具もあって、まだまだいろいろ勉強です。
もう少ししたら、ここで皆さんのお話を伺うことができるようになるかな。