Sさんのダイニングテーブル:スタッフ カナイ君の制作日記

2019.02.09

_dsc2213_dsc2246_dsc2228
今回製作させて頂いたテーブルの一番の特長は、脚がテーパーがついていて上から下にかけて先細りになっている形状です。
製作に取り掛かる前にその意図を聞いたのですが、いつもはテーパーを付ける形の場合は、脚と幕板を面一(ツライチ=平らにすること)にすることが多いのですが、今回はお客様のイメージもあって、脚だけがすっきり見えるような形にしたい、のだそうです。
そこで、今回は幕板を脚よりも少し内側に入れることで脚だけが強調するような形にして、さらにはそのテーパーの加工を脚の上端まで、すなわち天板にくっつく部分まで傾斜させたいということでした。
面一にする場合は、脚と幕板をくっつける導突部分は90度の加工でよいのですが、今回の形の場合は幕板の導突部もその傾斜角度に合わせています。
その加工が、通常道突部分は一つの寸法が決まっていればぐるっと加工ができるのですが、傾斜がある場合は、1面ずつ鋸を入れる角度が違ってくるので、ひと手間があり気を使う部分でした。
脚部と幕板をつなぐ四隅は、いつものように隅木で固定してテーブル全体の歪みを防止をして安定性を確保しております。
また、幕板の内側各所に、天板を木駒で固定するための差込用穴の加工をして、その穴に用意した木駒を差し込んで天板を固定する仕組みにしています。これは、天板の伸縮に対応しやすくするための細工で、差込穴と木駒とのクリアランスをとることで季節によって動く天板にストレスを与えないようにしています。
また、細かいディテールとしては、天板は角を10アールで丸くして、天板、脚部共に45度で面寸法3ミリの面取り加工をしています。
なんとなく、少し前のiPhoneのディーテールに近いという感じでしょうか。