お勝手

「タモ板目無垢材とステンレスヘアラインのオーダーキッチン」

国分寺 N様

design:Nさん
planning:daisuke imai
producer:tsuyoshi kawaguchi
painting:tsuyoshi kawaguchi
「現在東京の国分寺市の方に新築予定で、3月末完成予定です。
オーダーでキッチンを作りたいと思っています。イメージは、
お台所
楽しんで、楽しんで
のイメージです。
必要なことは、シンクの下がごみ入れになっていること。できればガスコンロの下が棚になっていて、鍋やフライパンを置ける棚になっているシンプルな感じをイメージしています。
よろしくお願い致します。」

と、FAXと一緒にメールが届きました。Nさんからです。

タモ板目無垢材を使った和風なオーダーキッチン

こじんまりとした空間は、懐かしい台所、お勝手のイメージです。 タモ材を使うことでその印象がより強く映ります。

最近はキッチンをオーダーで作りたいというお問い合わせがとても増えてきました。自分の使いやすいキッチンをオーダーして作ると言うことが、だんだんと当たり前になってきているのかな、とうれしく思うわけです。道具や物って、本来はそういうものです。自分が使いやすいように工夫をしていって、はじめて自分に馴染むものができる。有名でそのものを手にすることがひとつのステータス、と言う考え方も楽しいのですが、自分の体に合った道具を使うことができると言うのは、一番うれしいことだと思います。私たちは、名が通ればそれはそれでうれしいですが、その人を下から支える力になれればそれだけでうれしいわけです。

タモ板目無垢材を使った和風なオーダーキッチン

吊戸棚の下はちょっと変わった作りになっています。


タモ板目無垢材を使った和風なオーダーキッチン

洗ったものを軽く拭いて乾かしておけるようにということで、棚をステンレスのパイプの棚にして、扉も格子の扉にして風通し良くしています。 さらに、その奥には、棚下灯を組み込んで、この水切り棚の中も明るくなるように工夫しているのです。

まずは、Nさんがどのようなキッチンを考えているかを知りたかったので、メールを検討してみて、一番イメージに近いと思うナラの無垢材を使った茅ヶ崎のKさんのキッチンプランをアレンジして考えてみました。
Nさんがイメージされている形は、ほぼそのまま表現できていたようで、そこに、茅ヶ崎のKさんにはなかった吊戸棚が追加されて、そこからは大きな変更がないまま今の形となりました。
さて、特殊なプランではないので、現場が進んで採寸ができた頃から製作は順調に進みました。
製作は順調だったのですが、今回の一番大きな課題は施工でした。
今まで、キッチンの取付作業と言うと、「家具屋なので・・・。」と言うことで、設備機器についてはあまり触れていませんでした。機器の手配やその取り付け作業等は、ほとんどがビルダーさんの好意に甘えて施工をお任せしていたのです。だけれども、今までの施工の中でいろいろ勉強をさせて頂く機会があり、キッチンを施工する業者さんは、このキッチン周りの作業をほぼ一手に引き受けるのだと言うことを知りました。
私たちもキッチンを作って、それをセットするだけでは、物足りない状況になってくるのだろうと思っていたのです。そこで、徐々にいろいろな機器の設置までできるようになってきたのですが、レンジフードは今回が初めてでした。
今回、設計事務所さんとNさんの了解を頂いて私たちで施工することに。もちろん、初めてだからって自信がないと言うことはありません。説明書にはきちんと書かれているし、難しいことはありません。ただ、ひとつはいろいろな墨出しをいつも現場サイドにお任せしていたと言うことが問題でした。
ガスコンロの設置は良し、水栓も取り付けた、今回は食器洗浄機がないので、後はレンジフードだけ。と言うところで、排気ダクトの位置が予定よりも少し右側にあることに気付きました。どうしたものかと困りましたが、私たちに任せてくれた以上は、私たちできちんと解決することに。
急きょ穴の位置をずらして、ダクトの位置に合うようにして、設置できました。
ふぅ、良い勉強になりました。
Nさん、そして、ビルダーのキューブワンハウジングさん、大変お世話になりました。
あと学ぶべきは、墨出しとキッチンパネルの施工だね。
でも、おかげで、良いキッチンができました。
Nさんのお宅は昔の日本家屋の作りで、若い大工さんが4人くらいで、杉板張りの壁に作り付けのパントリーもすべてこの場で大工さんがひとつずつ組んでいったもの。もう家具屋さんが要らないくらい、素晴らしい造作で、その中にこのタモ無垢材のキッチンがうまく溶け込んでくれたでしょうか。床が良い色になってくる頃には、ここはお勝手と呼べるような懐かしい場所になっているのだと思います。そのときが楽しみです。

「このたびはお世話になりました。昨日キッチンの方を見させて頂きました。思った以上にすばらしいできあがりに本当に感謝しています。
あとは私の料理の腕が上がれば・・・。(笑)本当にありがとうございました。」

タモ板目無垢材を使った和風なオーダーキッチン

コンロの隣は、いつもの調味料とボトル収納の引き出し。


タモ板目無垢材を使った和風なオーダーキッチン

アリアフィーナから出しているアリエッタシリーズの「ベッタ」と言うレンジフードを採用。


タモ板目無垢材を使った和風なオーダーキッチン

ちょっと面白いのは、調味料・ボトル引き出しの上にコンセントをつけていること。 棚下灯のスイッチも兼ねています。


タモ板目無垢材を使った和風なオーダーキッチン

コンロの下は、スライドワイヤーシェルフ。


タモ板目無垢材を使った和風なオーダーキッチン

引き出しの印象。

キッチン仕上
天板 ステンレスヘアライン
扉・前板 タモ板目突板練り付け/タモ板目無垢材
本体外側 タモ板目突板練り付け/タモ板目無垢材
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
塗装 ワトコオイル塗装「ナチュラル」

タモ板目無垢材とステンレスヘアラインのオーダーキッチン

価格:1,010,000円(制作費、塗装費、設備機器は別途)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は40,000円から、取付施工費は120,000円から)

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