オーダー製作例

ブナとアルダーの収納付ベッド

ベッドについて考える

中央林間 T様

design:Tさん
planning:daisuke imai
producer:tsuyoshi kawaguchi

以前にダイニングに家具を作らせて頂いたTさんよりとても久しぶりにメールを頂きました。
「お久しぶりです。中央林間のTです。
リビングボードの件では、お世話になりました。
折にふれ、ホームページを拝見させていただいております。皆さんの思いのこもった家具を拝見し、素敵だなぁと感嘆しています。自分の家じゃないのに、この棚にはこれを置こう、なんて想像して楽しんでいます。
もちろん、我が家のボードもなくてはならない生活の一部です。これがないなんて考えられません。
毎日見てると分かりませんが、あれから5年経ち色も濃く変わってきたのかなぁと思っています。
前置きが長くなりましたが、収納ベッドの購入を考えています。
あれから我が家も子供二人授かり(上はこの春に年少さん、下は首が据わったばかりの4ヶ月)、物が増えましたが如何せん、収納の少ないマンションゆえベッド下のスペースを考えました。
ところが通販のガス圧式ベッドは、いつか壊れそう?で気が進みません。それより高さが不満なのです。7畳にシングルを2つ置くと非常に狭いので、出来るだけ圧迫感のない高さがよいと考えています。
自分が納得したものが、長く大切に使っていけると考えております。
以前、イルムスで生活アート工房という会社のベッドを見ました。なんでも高さ30cmが寝起きするのにちょうどの高さだそうで、では高さ30cmがよいのか、と思いますが、それで収納がどれほど出来るのか疑問ですし、相談に乗っていただけたらと思っております。
幅や奥行きは今使っているベッドと同じです。この大きさが限界かなぁと思っています。
ヘッドボードはなしで、外側の目に見える部分はブナがいいなぁと思っています。寝る面はスノコで、例えばスノコを4分割にしたら、持ち上げても軽くて?カパッと取り除いて荷物を出せるかなぁと想像してます。大まかなイメージですみません。長々と書いて申し訳ありませんが御見積よろしくお願い致します。」
ベッドフレームの製作ならシンプルにできて良いなと考えていましたが、実際なかなか大変だったのでした。そう、はじめて行うことは何事も勉強です。
今まで製作してきたフレームは、ある程度ここで組んだ状態で現地まで運んでいたので、強度がしっかりと得られる構造にすることは容易でした。
今回、Tさんのお宅にあらためてお邪魔させて頂いて状況を確認してみますと、設置する部屋までの道のりがクランク状になっていることや、廊下の天井高がお部屋よりも少し低いこともあって、組み立てた状態での搬入が難しいことが分かりました。どうしようかな。
通常、市販品のベッドフレームは組立式のものが多いので、組立式で作ることに全く問題はないのですが、今までフレームなど掛かる荷重が変わるような家具を作る場合は、ホゾ組みするなどして強度を十分に考えて、事前にここで組み立ててチェックしていたので、それがちょっと心配でした。
さらに、心配なものも見せていただきました。だいぶ前にTさんが通販で購入したと言うベッドフレームがその部屋に置かれていたのですが、見せてもらうとフレームの上に乗せる板がたわんでいて人が乗ることもできないくらい。人が寝ることができるのかな、と言う感じでした。安かったから仕方ないのかな、と思うしかなかったそうなのですが、本当に組立式のベッドと言うのは有効なのだろうかとちょっと疑問に思ったりして・・。
そこでいろいろと考えてみて、ベッドの外側のフレームには荷重が掛からないような作りして、人が乗っても、お子さんたちが飛び跳ねても、スノコの荷重が直に床に伝わるような作りにしました。よし、これで大丈夫。組み立て方も問題なく、部材が仕上がった状態で仮にショールームで組み立てて見ましたが、かなりガッチリとできて、接合部は玄翁を使って打ち込まないと組めないくらいの強度にすることができました。よし、これなら大丈夫。
そして、納品。現地で組み立てるので少し時間は掛かりましたが、無事完了。
いかがでしょうか、とTさんに見て頂きました。
今回のベッドはスノコの下を簡易的な収納にしたわけですが、ものの出し入れを行うには、スノコを一度取り外す必要があります。奥さんがヨイショと持ち上げようとしても、そのスノコが持ち上がらない・・・。しまったり出したりと片づけをするのは、ふだんは奥さんが行うことでしたので、私たち男性が動かせても、女性が簡単に動かせるようでなければいけません。私は、頑丈な作りにとばかり考えてスノコの材を厚めに考えて、さらにフレームとスノコのクリアランスをなるべく中途半端に隙間を空けないようにしたのが、かえって良くなかったのでした。重いうえに、スノコがフレームと擦ると摩擦で動かなくなっちゃう。
そこで、スノコを預かることにして、後日あらためて伺ったのでした。
ものの出し入れを行う部分のスノコを小さくして、さらにフレームとスノコにもっと遊びができるようにし、さらに摩擦が起きないようにフレームに蝋を塗って、滑りを良くしたのでした。
奥さんでも簡単に動かせるようになったし、滑りが良くなったので軽く動くようになりました。
ホッと。
これで、ひと段落です。
いろいろなことが勉強なのだと、また考えさせられたのでした。

ブナで作るベッドフレーム
まわりの側板はブナの突板を使い、スノコはアルダーを使っています。スノコを取り外した時の様子。

ブナで作るベッドフレーム
がっしりとした印象。その、がっしりと作りすぎたのがかえってうまくいかず、時には遊びが必要なのでした。

ブナで作るベッドフレーム
上から見た時の様子。結構な収納量になりそうです。

ベッド
価格:315,000(製作費,塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は10,000円から
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