午睡

「出窓を生かしたオーダーソファの制作」

茅ヶ崎 Y様

design:daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:daisuke imai
painting:daisuke imai

以前タンスの修理を頼まれたYさんが私たちの仕事を気に入ってくださって、次に依頼されたのがこのベンチです。
もともとここは出窓のような作り付けの収納とそして10年近く前からYさんの家族の一員となったインコの鳥かご置き場、つまり彼の住まいにもなっていた場所なのです。
最初にYさんからこの話を伺ったときに、「大工さんじゃないのにうまくいくのだろうか?」と不安でした。
どういう話かといいますと、もともとここには白いメラミンとポリエステル化粧板でできた作り付けの棚があったのですが、やはり20年近くも使っていると化粧材は痛んで傷になっているところが多く、また昔は今のように使い勝手の良い蝶番などがなかったので扉は傾いて天板や床に擦っているような状態でした。
「これを壊してここに椅子を作りたいなと思っているのよ。」そう言われた時は、「なるほど、そういう形もあるのだな。」と楽しい気持ちになったのですが、「うまく解体できるのだろうか?」と言う不安がありました。
今までそういった経験はあまりなかっただけに図面を描いていても見積もりをしていてもいざ解体してみたら全然違う形にしなければならないことになるのではないかと不安ばかりが頭で先行しておりました。
プランニングとしてはこうでした。
まず今まで収納していたものが全て外に出てしまうのは良くないのでアルバムなど大切なものはしまっておけるような収納が椅子の下に必要、ご主人が疲れているときに横になれるくらいの奥行と長さを確保してほしい、とこれが最低必要条件でした。
私はまずシンプルな形を考えました。肘掛が太くて背もたれがあまり高くなくてクッションをおいてソファのように使ってもらえるものを作るろうかと考えていました。イメージとしては以前製作した「横浜 S邸」のL字型のベンチを想定していました。これらのことをYさんに提案しましたら、「やはり背もたれが高いほうがいい。」と言われまして「さてどんな形にしようか」と思案しておりました。
そうするうちに工事の日に。
いろいろと迷いながらも最終的には横と縦のラインがきれいに強調されたいわゆるベンチというベーシックな形に決まりました。

出窓を改装してベンチにリフォーム

改装前の様子。ここには扉がついていて、地袋のような大きな収納になっていたのです。


出窓を改装してベンチにリフォーム

一度その収納を撤去すると、一般的なマンションの作りのように床材が張られていなかったので、下地の床から組んでいきます。


出窓を改装してベンチにリフォーム

続いて、仕上げ材であるナラの突板を貼ります。ボンドを下地に塗って、仕上げ材を押し付けながら、仮釘で固まるまで固定します。


出窓を改装してベンチにリフォーム

左右の側板と背板も躯体に接着。これがベンチの肘掛や背もたれ的な役割になります。


出窓を改装してベンチにリフォーム

地袋部分の改装完了。あとはベンチを組み込むだけですね。


出窓を改装してベンチにリフォーム

このように下が収納になっているベンチです。


出窓を改装してベンチにリフォーム

ベンチはこのスペースに置くだけ。必要であれば引っ張り出せるようにしています。

出窓を改装した造り付けベンチ

価格:480,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は20,000円から、取付施工費は80,000円から)

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