オーダー製作例

積層合板と、ホワイトマット化粧板で作る玄関吊戸棚

楽しく家具を作りましょう

池尻 O様

design:Tさん
design:Tさん
planning:Tさん/daisuke imai
producer:daisuke imai

「現在下駄箱があるのですが、その上に取り付けるイメージです。現下駄箱は下記のサイズの1/3ほどで、片側がのるような感じで残りが玄関扉になります。 簡単な図面を追ってメールにて送らせて頂きます。」と言うお問い合わせを頂きました。5月の暮れのことです。
依頼主は恵比寿にある「naughty」と言う可愛い名前の雑貨屋さんのオーナーさんである遠矢さんからでした。その後、こちらで届いたCADの図面を見て見積をお送りしますと早速こちらまでいらっしゃってくれるとのこと。
「うーん、話のしかたも適確だし、行動が早い。良いね良いね、どんな方だろう。」
トントンと階段を上がって来て下さったのは、とても若い方でした。でも、顔や手に痛々しい傷の跡が・・・。
「何があったのでしょう。」
お話を伺うと、お子さんを幼稚園まで迎えに行った時に事故に遭ってしまって、今までとても悪い状態が続いていたのだそうです。でもいま目の前にいる姿はとても快活で元気な姿。「これでも2,3日は意識が戻らなかったんです。」
「それは・・、良かったですね、本当に。」聞くと「クモ膜下出血」だったとか。本当に生きて元気でいられるのがすごいくらいです。
そして、そのようなことがあって今まで自分で行ってきた作業が中断してしまったのだそうです。
遠矢さん、雑貨屋さんのオーナーでありながら、お店に来てくれる方に頼まれるいろいろなことをこなすうちにエクステリアや家具の製作までできることなら何でも行っていたのだそうです。それが、今回の事故でストップしてしまって・・。そこで家具屋さんをいろいろと探していたのだそうです。そこで私たちを探してくださって、今回ちょっと変わった家具を作ることになったんです。
遠矢さんの経歴も変わっていて、美容師から転身し、家具デザインの勉強をするために有名なインテリアショップで製図と現場を学んだ後に独立し、スタイリストの奥さんとお若いスタッフの皆さんでこのお店を切り盛りしているのだそうです。だから、と言うか何というか、遠矢さんには一つ面白い見せ方を望んでいたのです。
それは、家具の木口を積層に見せたいということでした。
「もともとそういう合板を使って家具を自作することを考えていて形をデザインしていたのでその積層はどうしても実現させたいのです。」と遠矢さん。
「そしてその木口にはメラミン化粧板の木口も見せたいのです。」と。
「?」どういうことでしょうか。
通常こういう化粧板を使った作り付け家具は、家具を壁や天井に取付ても見える部分を化粧します。この戸棚で言うと、下面と正面の扉が仕上げ面になります。ですのでメラミン化粧板を使うのは下面と正面の扉だけで、内部などは通常は同じ素材感でコストのもう少し安いポリエステル化粧板を使います。
「だけれど、その見えない部分もメラミン化粧板が貼ってあるようにメラミンの厚み1.0mmの木口を出したいのです。」なるほどそれは面白い。そのラインはあまり目立たないけれど家具がシャープになりますから。
こういう試みは楽しいですね。
と言うわけで見えなくなる天井面と両側面にもメラミンを貼りました。ただ、前面に張ると材料ばかりたくさん使ってしまうので、あくまで木口が見えるように仕上げます。さらに積層にはシナ合板を使います。本当は無垢材を使うのがベストなのですが、単板(薄くした無垢材)を作るのは手間が掛かってしまうということからシナベニアを使います。シナ合板はラワン合板に比べて木口のコントラストがきれいなのです。ただ、家具の基材を全て薄いベニアを積層して作ると、板の強度が極端に弱くなります。強度が必要なところはランバーコアを使い、正面の見える部分だけシナベニア積層して作ります。こうすることで強くきれいに仕上がりになります。そして家具の完成後はその積層の見える部分にオイルを刷り込みます。こうすることでコントラストがはっきりとしてとてもきれいになります。で、納品。
この家具を使ってくださるのはまだ私よりも若いOさんという女性。白くて軽い印象や積層された柔らかい感じは可愛らしく見えます。Oさんも遠矢さんと一緒に取付作業を見守りながら「可愛い。」って喜んでくださっていました。お二人に良い評価を頂けてうれしいです。
家具を作ってみんなのうれしい感想が聞ける。これはとても楽しいことです。
本当にうれしいなあ。

積層合板と、ホワイトマット化粧板で作る玄関吊戸棚
全体の印象。

積層合板と、ホワイトマット化粧板で作る玄関吊戸棚
扉を開けた時の様子。

積層合板と、ホワイトマット化粧板で作る玄関吊戸棚
手掛けの部分はこのような感じ。

費用については、お問い合わせくださいませ。
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