梅雨明け

「センの食器棚とペンキ仕上げのオープン棚のオーダー」

鎌倉 M様

design:Mさん
planing:daisuke imai
producer:tsuyoshi kawaguchi
painting:haraki tosou

センの食器収納と、白く塗装した飾り棚

食器棚の全体の印象。

この食器棚の奥に屋根裏に上がる階段があります。
「イマイさん、この上から見る景色は良いからぜひ一度見ていってください。」と勧められて階段を上ると天井の勾配に頭がついてしまうくらいの小さなスペースが・・。隠れ家ですね。丸い窓が海に向かって開いていてそこから遙かな海原が見渡せます。そこから江ノ島がちょうど映るのだそうです。今日が雨じゃなければ・・。
父が設計士さんから問い合わせを頂いたようです。私も詳しい話は聞いておりませんでしたが、父が言うには、以前、システムキッチンを作らせて頂いた「海の近く、ソラの近く」の茅ヶ崎のKさんのお知りあいだと言うことでした。
でも設計士さんからの電話だったし、どういうことなのだろうかな・・。
その設計士さんから頂いたラフスケッチを見て概算金額をお伝えしたところ、オーナーさんと話し合ったうえで「製作を依頼したい。」と言うことになりましたので、ひとまずお話や採寸をするために私がオーナーのMさん宅を伺ったのです。
江ノ電の駅の鎌倉高校前・・。よくテレビにも映画にも映る有名なところです。眼下は七里ガ浜、(残念ですが、近年、浜ではなくなりつつあるそうです・・。)後ろは鎌倉山という素敵な海と山のあいだの素敵な場所です。
採寸当日は、あいにくの雨でした。
Mさんご夫妻は、私の両親と同じくらいの年の方々で、ちょうど今、設計士さんに自宅の増築とリフォームをお願いしてまもなく終わるのだというところでした。Mさん曰く、今までにはない明るさと開放感が得られたと言う、ペンキと漆喰の壁面に構造を顕にした天井など、無骨だけれどシンプルで爽快なお部屋に変わったのだそうです。そして、キッチンに置く食器棚は是非イマイさんにお願いしたいのだと、かねてからの希望だったそうです。他の部屋の家具は、リフォームを受け持った大工さんがとても器用な方で(家具まで作っちゃう人だそうです。)作り付けの収納は全てその方の手で作られていました。本当に良くできています。でも、食器棚のような細かい用途が出てくる家具はやはり大工さんにお願いするのはどうしようかと考えていたそうです。そんなときにうちの話を耳にして・・。
つながりはKさん。
Mさんのお嬢さんとKさんご夫婦は昔からのお友達で、KさんのキッチンをMさんご家族も見てくれていたのだそうです。
そこでお願いするなら、イマイさんに・・・と言うことになったのだそうです。
その時打ち合わせに使わせてもらったMさんのダイニングテーブルは実はKさんが作ったものだそうです。(写真を撮り忘れてしまいました・・。)すごいのですよ、もう。お店に置かれていても何の問題がないくらいしっかりとした作りのウォールナットの食卓でした。趣味とは思えませんね、感心です。
まもなく設計士さんも到着してあれこれとプランを練ります。設計士の若松さんは、私とあまり年の離れていないとても実直そうな方でした。
今回のような顔合わせのようなちょっとの打ち合わせでも、千葉からこちらまで足を運びます。大変ですね。
「でも、どんな空間になるかを見たいし、そのあたりを打ち合わせたかったのでいいんですよ。」と若松さん。
この打ち合わせで結構イメージしていた部分に変更が出てきました。そこでもう一度、今度は家具に使う予定の板のサンプルや天板に使う予定の石のサンプルなどを持って再度打ち合わせです。
当初予定していたナラからもっと明るい色味にすると言うことでセンを使うことに。黒い天然石かステンレスで考えていた天板をまったく反対の白くて明るい石に・・。そうしてようやく完成です。
納品当日は、Kさんご夫婦も参上。久しぶりにフリーハンドイマイの仕事を見てみたいとのこと。もっともっといろんなことができるようになりたいのだとか・・。十分いろいろできています。
Mさん家族やお孫さんも集合していて大賑わいです。皆に見守られて無事納品することができて良かった、良かった。
でも40kg近い天然石を2階のキッチンに上げるのは一苦労でした。この取付日はちょうどこの時間に小雨が上がって日が照りだしてきて、汗かきの私も河口君も滑らせないように天板を握っていたらそれだけで疲れきってしまいました・・。

センの食器収納と、白く塗装した飾り棚

グラス類などを置く収納棚です。普段よく使う物を置いておくので取り出しやすいように扉はつけないで、代わりにコボレ止めになるようにステンレスのパイプを渡しています。パイプは、片側を持ち上げると取り外せるようにしています。

センの食器収納と、白く塗装した飾り棚

下部カウンターの様子。白い大理石と線の明るい色と繊細な木目がこの場所をとても明るくしてくれます。

センの食器収納と、白く塗装した飾り棚

奥にものをしまうと取り出しにくくなってしまうのでキッチンと反対側にも扉をつけてこちらからもものが出し入れできるようにしています。

センの食器収納と、白く塗装した飾り棚

システムキッチンと向かいあう左側はお箸などがしまえる引き出しと下は棚になっています。この部分はカウンターに合わせて奥行きが深い(600mmほどあります)のです。

センの食器収納と、白く塗装した飾り棚

上部の戸棚は右側面しか壁に接していないので左側は丸い脚を立てています。 この脚も上部の戸棚も壁に作りつけてある棚に合わせてアイボリーっぽいウレタンのホワイトで塗りつぶしてもらっています。天板に使ったのは、「クレママーフィル」と言う石。 柔らかい石なので裏に鉄板を裏打ちしています。明るい色なのですごく雰囲気のある天板になりました。

センの食器収納と、白く塗装した飾り棚

システムキッチンと向かいあう右側はトースターをしまっています。配線は上のコンセントに抜けて。

センの食器収納と、白く塗装した飾り棚

その下は棚です。手前に背の高いものが置けるように棚板を少し引っ込めました。

センの食器収納と、白く塗装した飾り棚

規定の放熱スペースを確保してさらに側面を開口しています。

センの食器棚とペンキ仕上げのオープン棚

費用については、お問い合わせくださいませ。

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