静かに流れる時間

「タモのテレビボードのオーダー」

南林間 O様

design:Oさん
planning:Oさん/daisuke imai
producer:tsuyoshi kawaguchi
painting:tsuyoshi kawaguchi

タモ柾目の格子引き戸のある和風なテレビボード

全体の印象。

ある日、突然、久しぶりに、建築設計の仕事をしている友人の福原氏に「イマイ君にお願いしたいことがようだから、連絡を取ってみてくださいね。」と連絡を受けました。
お話を聞くと、福原氏の奥さんのご実家でテレビを新しく購入すると言うお話が出たようなのです。その奥さんのお父さんであるOさんのお宅は、ここから近い南林間にあります。頻繁にメールをされる方ではないのでご挨拶を兼ねてお話を聞きに伺います。もう、今から(2007年)から6,7年前だったでしょうか。福原氏の奥さんはテキスタイルに関わるお仕事をされていてご自身で大きな機織を持っていました。その重くて無骨な機織をお二人が結婚するに当たってその時の住まいからこのご実家に運んだことがあります。それ以来だから、Oさんとお会いするのはとても久しぶりです。Oさんも、もう引退されましたが建築設計のお仕事をされていましたので、ご自宅はいろいろな空気を感じることができます。玄関に垣根のようになるほおずきと、それを摘んで乾燥させたものが麻布に広げられて玄関に飾られています。何だか落ち着く佇まいです。穏やかな気分で居間へと案内されて、さっそくOさんが描いた図面を見せて頂きます。このうちのように静かで落ち着いた絵でした。(これならこのうちに良く似合うだろう。)そう思える形でした。
会社に戻りさっそく図面にしてみて、と言っても、ほとんどOさんから頂いた形のままです。唯一考えたのは、取っ手の形くらいですね。(笑)それから製作。
今回は河口君に担当してもらいました。いつもけっこう細かい作業ばかり頼んでいるけれど、今回もまた細かいです。引き戸の目隠しになるハネをOさんの希望でなるべくうすくしたので、かなりの枚数です。これのホゾ穴を突くだけでもけっこうな仕事ですね。でも、集中力を切らさずにきれいに作ってくれましたよ。良い感じです。
素材はOさんの部屋に張られているタモの壁材に合わせて、タモを使いました。私も河口君も個人的にはナラの柔らかい木目よりも、タモのピシッとした感じの木目が好きです。今回もそのピシッとした印象が良く表れています。
厚み45mmの無骨な天板に、細いラインがきれいに横切るこの感じ。全体を見回すととても引き締まった印象に出来上がりました。

タモ柾目の格子引き戸のある和風なテレビボード

取っ手の印象その1。


タモ柾目の格子引き戸のある和風なテレビボード

背板には配線穴を開けていて、さらに背板と壁の間に隙間を設けていて、そこにケーブルを溜めておけるようにしています。


タモ柾目の格子引き戸のある和風なテレビボード

天板と地板に溝を突いて、そこを戸が滑る昔ながらの引き戸。


タモ柾目の格子引き戸のある和風なテレビボード

天板のタモ柾目の印象。時々見られる黒いスジがタモ柾目の特長です。


タモ柾目の格子引き戸のある和風なテレビボード

引き戸の格子は、とても細いので、補強となるように、縦桟を細く入れています。


タモ柾目の格子引き戸のある和風なテレビボード

手前の引き戸と奥の引き戸の取っ手の出っ張り具合が、ちぐはぐにならないように、出具合を調整しているのです。

タモ柾目の引き戸のあるテレビボード

価格:350,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は13,000円から)

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