Cake Studio

「リビングボードのオーダー」

横浜 T様

design:Tさん/dasiuke imai
planning:daisuke imai
producer:tatsuya suzuki
painting:daisuke imai

オーク材を使ったアンティーク仕上げの壁面収納デスク

全体の印象。最初にTさんが自分で描いたスケッチとイメージに近い写真を送ってきてくれました。長い棚板が2段とところどころポイントのようにある扉と家具の全体の柔らかい印象、「フレンチカントリー」と言うかそんな感じです。そこから少しずつ変化はしましたが、ほぼ最初のイメージに近い形でできあがっているのではないかと思います。

Tさん、実はケーキ教室を開いている方です。

はじめは気がつかなかったのですが、しばらくメールのやり取りをしているうちに「おっ。」と思ったのです。Tさんのホームページを見てみると、すごくしっかりとした大きな教室のようで、私のところのような小さな会社でいいのかな、なんて思ったりしていたのです。
何度かやり取りをして予算を上回ってしまいましたが、製作することに決まり、採寸に伺いました。もちろん、私は今までケーキ教室なんて行ったことがないから、とても楽しみでした。そして、着いたところはTさんのご自宅。そうです、自宅に生徒さんを招いて毎日ケーキ作りを教えているのだそうです。「素敵な環境だなぁ。」って居間に通されていろいろと眺めていたら、Tさんが焼いたケーキを出してくださいました。やはり、いろいろな人に教えているだけあってとてもきれいでおいしいケーキでした。
「すごいなぁ。」
家具について打合せを始めると、Tさんは大きな声で笑う素敵な方で、家具についてもどういう風に使ってゆきたいかをいろいろと話してくださいました。

オーク材を使ったアンティーク仕上げの壁面収納デスク?いろいろとお話をすると、実はTさんは私と同い年だそうで、「私と同じ歳で、ケーキ作りを教えているなんてすごいな。」って思ったのですが、良く考えると、私たちはじゅうぶん人に物事を教えることができる年齢になっているのだとあらためて気付かされて、いつの間にか歳を重ねていたんだなって何だかしみじみしてしまったのを覚えています。その後採寸内容に基づいて、細かい部分をメールで再びやり取りをして、こちらにも1度家具作りの様子を見に来て頂いて(その時も、焼き菓子を作って持ってきて下さいました。)、ようやく形が決定しました。
右の写真は、以前からTさんが使っている家具です。私たちが作る家具もこの家具の扉にデザインを合わせましょうということになり、「框の幅」、「面の取り方」、「飾りのつけ方」などの扉のデザインを参考にしました。
2005年の1月から始めて、丸4ヶ月掛けてようやく素敵な家具が完成しました。
Tさんは打合せの時に、「これからここに来る生徒さんにもぜひ見てもらえるような家具にしたいんです。」って言ってました。
納品した時も、ご主人と一緒に、「ここには教室のパンフレットを置いて・・・。」なんて話されていました。
そういう夢ってとてもいいなって思います。いつかそのうち、飾りつけが完了した頃の家具の様子が見れるのを楽しみにしています。

オーク材を使ったアンティーク仕上げの壁面収納デスク

柔らかい家具のイメージなのでビデオなどのAV機器はけっこう目立ってしまいます。だから、この扉は少しでも印象を柔らかくするように「カスミガラス」(表面がボコボコした昔ながらのガラス)を使っています。光が拡散するので、中のものがかなりぼやけて見えます。

オーク材を使ったアンティーク仕上げの壁面収納デスク

ガラス扉の隣にある引き出しの奥に、AV機器とつなぐ配線が通ります。この配線がどのように通るかはあとでご説明します。なかなか面白いですよ

オーク材を使ったアンティーク仕上げの壁面収納デスク

今まではプラスチック製の硬い配線キャップを主に使ってきましたが、既製品に良く見かけるゴム製のキャップがあったので、ここではそれを使っています。うまく茶色のキャップがあったのでそれを要所要所につけていますが、そんなに目立たなく良い感じです。

オーク材を使ったアンティーク仕上げの壁面収納デスク

ガラス扉にしまわれるAV機器とそれにつなぐテレビの配線は引き出しのスペースを経由して、この右下に設けられている配線ボックスの中にきます。この中に各配線をうまく束ねておきます。ちょっともったいないスペースのような気もしますが、配線がホコリだらけになるのは、もったいないことよりも厄介なのです、とTさん。

オーク材を使ったアンティーク仕上げの壁面収納デスク

ふだんTさんはケーキ作りを教える以外にホームページを作ったり、ケーキ教室のプログラムを作ったりと仕事でパソコンなどの電化製品を活用することが多いため、こういうアイデアができたのです。 ふたを開けるとこんな感じです。かなりゆったりとしたスペースをとっているので配線がたくさんあっても問題なさそうです。

オーク材を使ったアンティーク仕上げの壁面収納デスク

変わった形をして上の出っ張っているのはプリンタを置くベースです。プリンタの方が棚よりも奥行があるのでこのような形にしています。将来的には外して飾り棚として使うことを前提としているのでこのベースはネジで簡単にとりはすしができます。また、その下の用紙置きの棚ものちのち外せるように「ジョイントボルト」というネジで簡単に止まっています。

オーク材を使ったアンティーク仕上げの壁面収納デスク

この穴はプリンタを置くベースの上の棚にあいている穴です。ファイルをプリントアウトする時に用紙が曲がらないようにとの工夫でA3サイズの用紙を使う時にこの穴から差すようにするそうです。

オーク材を使ったアンティーク仕上げの壁面収納デスク

材料はナラ材を使っています。家具本体はナラ板目の突き板を使って、扉はナラの無垢材で作っています。ツマミもナラ材のツマミを取り寄せて色を合わせて使うことにしました。扉の中の鏡板もナラの無垢材8mmの厚みにして本ざねの加工をしてはめ込んでいます。

費用につきましては、お問い合わせくださいませ。

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