オーダー製作例

タモを使った純和風テイストのリビング収納

灯りをともして

大森 A様

design:Aさん
planning:daisuke imai
producer:tsuyoshi kawaguchi/gaku suzuki
painting:tsuyoshi kawaguchi/gaku suzuki

タモを使った純和風テイストのリビング収納
ダイニングテーブルは、内装の造作材と合わせてタモの集成材を使っています。 そこに四角い脚だけをつけたシンプルなテーブルに仕上げています。 椅子は、フレームにはタモの無垢材を使い、ウェービングベルト張りの座面と背もたれに、少し柔らかめのレザーを張ってとても優しくて上品な仕上がりにしています。

「はじめまして。Aと申します。
以前より貴HPを楽しく拝見させていただいております。
この度、住宅の新築工事をすることになり、現在その造作家具の製作を検討しております。
HPをお見かけする所、どれも素敵なものばかりで私には敷居が高いかと思っておりましたが、一生にほぼ一度しかないことだと思い、見積をお願いすべくご連絡差し上げました。
検討している家具は下記の通りです。

①ダイニングの壁面収納
②キッチンカウンター及びカウンター下収納
③家電タワー
④食品庫
⑤ダイニングテーブル

色々ありますので、メールでご説明するのが素人としては難しいので、できればお会いしてご相談させていただきたく存じますので、ご都合のよい日時をご連絡くださいますようお願い申し上げます(できれば土日でお願いしたいと考えております)。
ちなみに現場は東京都大田区大森です。3月末に着工済みで竣工予定は9月末を予定しております。」

タモを使った純和風テイストのリビング収納
エアコンのルーバーは、部屋のイメージに合わせて、縦格子で。通風を確保するために、細い格子を立てて格子の間隔を広くしています、って逆光でほとんど見えませんね・・。
2010年の6月の終わりにいらしてくださったAさん。
さっそくご挨拶のあと、お話をお聞きいたしました。
「まずは見てください。」と工務店さんが参考に描いてくださった図面を広げて見せてくださいました。
「おぉ、これは大変だ。」そんなふうに思える形でした。結構複雑だし、基本的に竣工後の工事を行っているので、あとから施工するにはどう納めたらよいか悩みどころ満載のプランでした。さらにご主人は仕掛けが好きで(男の人はだいたい仕掛け好きです。)、ポイントポイントが難しい。
でも、ご主人とのお話はとても楽しく、構造的に難しい部分は、難しいからときちんと理解してくださって、そこから良い方向へとお話を進めていって・・。そのような感じで、基本のプランを少しアレンジして大まかな形が決まり、その1ヵ月後に現地に打ち合わせに行くことに。
そろそろ大工さんの仕事が終わる頃だからと言うことで伺ったのですが、現場は結構進んでいるようで、焦ってしまうのでした。
間に合うかな・・。
工務店さんも交えて、うちが竣工後工事でどう納めたいか、コンセントの位置はどうしておけば良いか、いろいろとお話をします。
これでようやくお話がまとまりました。9月末まであまり時間がないから、頑張らなくては。

タモを使った純和風テイストのリビング収納
キッチンとダイニングの間仕切りとなる収納。ここからリビングのデスクへとカウンターが続くことで、部屋が整って見えるのです。

それから、再度図面を作成し、もう一度現地で打ち合わせることがあり、プランを修正して、気がつくと8月に入ってしまって・・。
ちょうどその頃、Aさんから建築工事が思ったよりも進んでいないと言うお知らせを受けました。ふぅ、少し余裕ができました。
と思ったら、この年の異常な酷暑にやられてしまって、1週間ほど完全にダウン・・。
あぁ、遅くなる・・。

タモを使った純和風テイストのリビング収納
ダイニングの間仕切りの奥に見える大きな3枚扉があとでご紹介する大変なことになった食器棚。全ての家電が扉の中に収納できるようにしてあり、使う時は、扉を開けて、その扉も収納できるようになっています。

立ち直った8月の下旬に、ようやく大工さんの工事が9月には全て完了すると言うことで、最終確認のためにまた現場へ。そこでAさんと再度細かい部分を打ち合わせて、9月末にようやく形がまとまりました。
ここまでで、とりあえずひと段落。

タモを使った純和風テイストのリビング収納
こちらがリビングデスク側。 ご主人はパソコンスペースとしてですが、奥様はドレッシングスペースとして使うのです。いろいろなところがご主人の好みになってしまいまして、ここだけは奥様が使いやすく、を主体にご主人が考えてくれました。

ここから、製作に入るわけですが、ちょうど忙しい時期と重なってしまって、Aさんも何度も私たちのところに足を運んでくださっていて、Aさんのお仕事の関係でこちらによることもあったりして、私たちの状況を理解して下さっていて、全ての家具を一時期に納品するのではなく、必要な家具から順に作らせていただくことになりました。
まずは一番必要で、一番大変なリビングダイニングの家具です。
パズルのように、どこをどう作ってゆけば、現場できれいに納まるか、図面で分らなかった部分も出てきます。作りながら納め方を検討し、必要な時はAさんと相談してようやく完成の目処がつき、最初の取付工事は12月12日に決定。
ここまで約半年で、この形がまとまっただけでも良くできたなあと思います。
ここでふた段落。

タモを使った純和風テイストのリビング収納
ご主人が考えましたので、やはりここでもカラクリがありました。 右の洋服タンスの背中からするすると鏡が出てきたではありませんか。取付は一苦労でした。(笑)

続いては取付なのですが、この大森と言う町は、古い町がそのまま残っていて、道がとても狭く、土地もコンパクトです。Aさんのお宅も敷地が狭いため、3階建てでした。
そうなると、一番問題になるのは搬入です。下町のような路地がまだたくさん残っている土地だから、家も土地いっぱい使って精一杯立っているのです。Aさんのお部屋の中で話していると、隣のうちのお母さんが子供たちを呼ぶ声がきちんと聞こえてしまうくらい。だから、なるべくコンパクトに分割して階段から入れられるサイズにして製作し、どうしても難しい長物だけはバルコニーからの搬入。当日はお天気に恵まれて、搬入も無事に済んで、取り付けもいろいろと細工をする必要が出てきましたが、作業時間をたくさん頂いて、その日の夜には大まかな部分が完了。

タモを使った純和風テイストのリビング収納
吊戸棚やエアコンをつけている部分には、棚下灯も組み込んでいるのです。そのスイッチをここにつけているのです。もちろん、取付は大変でした。(笑)

そして、5日後の2回目の取付で、リビングダイニングがようやく完了。ホゥッと胸を撫で下ろしました。
が、大変なことを忘れていたのでした・・・。と、そのことはひとまず置いておきます。
そうして、年明け早々に洗面室の小さな戸棚などを取り付けさせて頂き、春が始まる頃に寝室の壁面収納と、ダイニングテーブルとダイニングチェアを納品させて頂き、これでようやく完了したのでした。

タモを使った純和風テイストのリビング収納
エアコンはメーカーの人に相談して、排気について検討したり、今まで考えなかったことも知ることができて、Aさんの家具作りを通して、いろいろと勉強になったのでした。

年末に完了したと思っていたリビングダイニングの収納ですが、実はダイニングの収納にオーブンレンジが入りきらないことが分かりました。私もAさんも細かく打ち合わせしていたのに、見落としてしまったのでした。すみませんでした、Aさん。

タモを使った純和風テイストのリビング収納
こちらが取付が大変だった食器棚の家電収納部。

問題は奥行で、レンジの奥行を見落として、設置場所の壁の奥行を優先して考えてしまっていたのです。レンジを置けても、収納扉が閉まらなくなってしまったので、Aさんといろいろと検討して、時間を頂いて、あらためて食器棚部分を手前に少し引っぱり出すことに。
かなり大掛かりな工事になってしまうと思いましたが、意外にスムーズにきれいに修復完了。

タモを使った純和風テイストのリビング収納
こちらはパントリー部。

全てが終わったのが、最初にご相談のメールを頂いたちょうど1年後だったのでした。
この1年の間に、Aさんには待望の赤ちゃんが生まれて、つい先日までお二人で緩やかに暮らしていらしたのが、すっかり父親、母親モードに。ほんのりとした暗さを大事にするお二人の空間に新たな灯りがともったのでした。

蒸気排出ユニットのある食器棚
炊飯器の蒸気を吸い上げて前方から排出するという、蒸気排出ユニット。このようなものがあるなんて、とても勉強になります。

タモを使った純和風テイストのリビング収納
こちらは、洗面室の吊戸棚。お手入れが楽なように、扉は木目古材調のメラミン化粧板を使っています。

タモを使った純和風テイストのリビング収納
なかは、シンプルな棚、と言うわけではなく、一番下の棚は板ではなく、パイプを渡して、水が垂れても大丈夫なようにしているのです。

シナの収納付きベッドヘッドボード
そして、最上階に設置した寝室のベッドヘッドボード。シナ合板で作っています。ここにもカラクリアリ。

シナの収納付きベッドヘッドボード
まずヘッドボード部分がパタンと手前に倒れてきます。傾斜がついているので、就寝中にパタンと開いてくることはありません。

シナの収納付きベッドヘッドボード
左右端は、このように引き出しになっているのですが・・。

シナの収納付きベッドヘッドボード
引き出しを開けた状態で上の板を開くと、なんとテーブルに早変わり!

シナの収納付きベッドヘッドボード
照明のスイッチはホテルのような印象にしたいと言うことで、収納部にスイッチパネルを埋め込む形にしています。

タモで作ったリビングの造作一式
価格:2,230,000(製作費,塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は30,000円から取付施工費は70,000円から
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