イエ作り

「ナラ板目材とステンレスヘアラインのオーダーキッチン」

横浜 O様

design: Oさん/daisuke imai
planning: daisuke imai
producer: tsuyoshi kawaguchi
painting: Oさん

ちょっとうろ覚えなのですが、一番古いメールの日付は2007年の6月とあります。今から9ヶ月ほど前のことですね。でも、確かそれ以前にも、数回うちに来て下さっていて父と相談をしていたような気がします。そうなると、Oさんとのお付き合いはもう約1年くらい経つのでしょうかね。
それだけ長い時間が掛かりましたが、この度ようやく全て完了することができました。

ナラ無垢材とステンレスのオーダーキッチン

階段から眺める。 Oさんのキッチンのレイアウトは少し面白くて、キッチンの奥に陽射しがきちんと入っているちょっと狭いスペースがあってそこが気持ち良いのです。

私が初めてお会いしたのは、父と打合せを重ねていた中ごろからでした。お話を聞くと、今度家を新築されると言うことでその新居にオリジナルのオーダーキッチンを作ってみたいということでした。

ナラ無垢材とステンレスのオーダーキッチン

キッチン収納部分の全体の姿。

「私、「海の近く、ソラの近く」の茅ヶ崎のKさんのキッチンをとても気に入っていて、ああいう無垢材をたくさん使ったキッチンにしたいのです。」とOさんの奥さん。自分の中で漠然としているイメージがモワッとあって、そういう暮らし、道具にあこがれている様子をたくさん伝えてくださいました。何だか聞いているだけでワクワクしたのを覚えております。その隣でご主人が静かにお話を聞いています。
何だか、よいリズムだなあ。

ナラ無垢材とステンレスのオーダーキッチン

リビングから眺める。

基本はKさんのキッチンなのでプランはほぼ決まっています。
変わるのは、「私は、昔っぽいのか食器洗浄機を使わないんですよ。手洗いが良くて。」と言うことで食器洗浄機は省いたくらいで、かえってさらにシンプルになりました。またデザインをちょっと変えてみて、Kさんはダイニング側から見えるバックパネルに貼った板を横に流したのですが、Oさんは縦にしました。これだけでも結構印象が変わります。
ひとまず、プランは落ち着いたので現場が始まるまで一休みですね・・・。

ナラ無垢材とステンレスのオーダーキッチン

背中の表情。今回Oさんのバックパネルは縦目。どこか懐かしい印象に思えるのは私だけでしょうか。

9月の終わり頃にOさんのお宅を建てる設計事務所さんからメールが入りました。
どんなところだろう・・・。
数回メールでキッチンコーディネーターのUさんと打合せをして、その後Oさんを交えて打合せをすることになりました。

ナラ無垢材とステンレスのオーダーキッチン

さあ、Oさんの塗装が始まりました。ご主人がメインで奥様がサポート。 思っている以上に段取り良く進んでいきます。

Oさんのお宅を設計・工事を担当されるのは、ピーズサプライホームズさん。事務所に伺ってみると、社長さん以外は、皆さんほぼ女性スタッフばかりのとても温かな会社でした。キッチンコーディネーターさんがいるくらいだから、何だかキッチン製作の経験が浅い私なんか軽く見られてしまうかなあなんてちょっと心配していましたが、そんなことはまるでなく、皆さん温かく楽しく家作りやキッチン作りについてお話してくださいました。
しばらくお話をしていると、Oさんが見えて、Oさんもお話の輪に入ると、もう女性の会話は止まりませんね。何だか女子高生の輪のなかのような賑やかさで打ち合わせが始まります。と言っても、おおかたメールのやりとりで済んでいたので、細かい部分を現場監督さんと打ち合わせて、(監督のMさんも女性です。頼もしい方々です。)打ち合わせが終わると、何だかOさんもピーズさんの皆さん(社長さんまで)ショールームの外まで見送ってくださいました。私、自転車だったもので何だか恥ずかしいやら、うれしいやら、照れくさいやら。
キッチンの取付予定は2008年の1月の中頃。と言うことで、製作はしばらく時間が空いた12月からスタートです。

ナラ無垢材とステンレスのオーダーキッチン

お子さんが包丁の刃に不用意に触らないようにガードをつけた包丁差し。 この写真では、うまくいったと思ったのですが、取付位置が安易だったため、包丁の柄がぶつかってしまうことに・・・。後日、位置を下げに行きました。

最近の多機能なシステムキッチンと違って、オリジナルなキッチンを作りたいとおっしゃる皆さんの目指すキッチンは、必要なものだけを取り込んだシンプルな形になることが多いのです。ですので、リビングに作る大きな家具などに比べると、設備屋さんや電気屋さんのうまく納まるように段取りをしておけば、家具を作ること自体は比較的簡単なほうに入ります。さらに今回は、食器洗浄機がないことから、もっと作りがシンプルになります。その分引き出しが増えるのですが、水道管や電気配線の取り回しを考えるよりは加工が見えているぶん、安心です。そのようなわけで、製作、取付もすんなり完了し、設備屋さんや電機屋さんが機器をセットしてくれたあとに、数回残りの作業をしにお邪魔をして、完成です。
今回の塗装は、茅ヶ崎のKさんと同じくOさんがご自身で塗装されました。塗料は、ピーズさんが薦めてくれたオスモオイルです。うちで使用しているワトコよりも粘度が少し高いものなので、床とキッチンを合わせるとかなりの塗布面積。Oさん大変だったのではないでしょうか。

ナラ無垢材とステンレスのオーダーキッチン

キッチンを作っていて今までなかったのが、浄水器がつくタイプ。そういった意味で今回のOさんのキッチン作りは参考になりました。


ナラ無垢材とステンレスのオーダーキッチン

シンク下には棚板をつけています。いろんな出っ張り引っ込みがあるから、棚板一枚でも加工が大変。


ナラ無垢材とステンレスのオーダーキッチン

IHヒーターの下は大型の引き出し。


ナラ無垢材とステンレスのオーダーキッチン

食器洗浄機を組み込まなかったので、引き出しがたくさん。


ナラ無垢材とステンレスのオーダーキッチン

一番右端のIHヒーターの隣はスパイス用の引き出しとワイヤーラックタイプの引き出し。

そのあとのメールに、
「・・・あの後頑張って塗装しました。
途中で銀行の最終の手続きがあったので途中で抜けたりしたので、結局2度塗り終わって拭き取りまで終わったのが22時頃でした。
感想・・疲れた・・・・二人とも抜け殻に・・・ただ、これくらい(!?)は自分でやろう!!と決めたので、やり遂げた感は有りました。
今日仕事帰りに出来具合を確認しに行きました。しっかり乾いていて、そんなにはムラにはなっていない様に思いました(プロの仕上がりは見たことありませんが!!)。
しかもプロの目で見たらしっかりと素人っぽさが出ていると思いますが、、、、。
特に良く見ると足跡が薄く残っている所なんか特に(笑)・・・」
と、大変そうだけれど、楽しそうな様子が伝わってくるお便りを戴きました。こういうイエ作りは楽しいものです。

キッチン仕上
天板 ステンレスヘアライン
扉・前板 ナラ板目突板練り付け
本体外側 ナラ板目突板練り付け/ナラ板目無垢材
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
塗装 ワトコオイル塗装「ナチュラル」(Oさんが施工)

ナラ板目材とステンレスヘアラインのオーダーキッチン

価格:830,000円(制作費、塗装は施主様施工、設備機器は別途)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は30,000円から、取付施工費は100,000円から)

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