ふるくてあたらしいもの

「ナラアンティークオイル仕上げの食器棚のオーダー」

流山 O様

design:Oさん
planning:daisuke imai
producer:hiroshi ito
painting:kouhei kobayashi

ステンレストップの食器棚とステンドグラスのある吊戸棚

食器棚のスケッチ。

ステンレストップの食器棚とステンドグラスのある吊戸棚

全体の様子。

「御社の製作例の 「我が家の顔」相模大野 I邸 のようなイメージが希望です。 ちなみにオープンスペース(飾り棚)はいらないです。とっての金具もない方がいいかなと思っています。
下のカウンターには炊飯器とオーブントースターが収納出来る可動式の棚を横並びに二つ付けたいです。
下のカウンター部分は全て引き出しです。上の吊り戸棚は引き戸です。
木のかんじと天板のステンレスは「我が家の顔」さんみたいなかんじがいいかなと思っています。
まだまだ入居は先なのでお見積はいつでも大丈夫です。
よろしくお願いします。」
と、Oさんからご相談のメールを頂きました。
一緒にお送り頂いたスケッチを拝見させて頂き、さっそく図面を描いて見積を出してお送りしました。

「先日は図面と見積もりをいただき、ありがとうございました。色々と検討してみてみました。
やはり、出来るだけコスト低くしたいなと思ってまして。まずは・・」
といろいろと変更されたい内容をお知らせ頂き、その最後にこう書かれていました。
「私のイメージでは昭和な雰囲気が漂う感じにしたいもので、やはりガラスの4枚とも引き戸がいいなと思っています。ちなみに中には食器は入れないつもりです。
そのガラスも透明ではなく波打ってるようなガラスか磨りガラスみたいなのがいいかなと…
本当、わかりづらくてすみません。
以上のようなかんじで大変お手数ですが、またお見積をお願いします。」

ステンレストップの食器棚とステンドグラスのある吊戸棚

今回はこの戸棚が、この食器棚全体の印象を決めていますね。どこか懐かしい印象に。

なるほど。面白いです。
こういう感覚的な部分ってメールのやり取りだとなかなか伝わりにくくて、何となく、Oさんのイメージは伝わって私の頭の中に思い描けているのですが、やはりお会いしてお話することが一番。
そうして、流山からこの小さな町寒川まで遠路はるばるお越しくださったのでした。
できあがる形はシンプルに見えても、ここに至るまでのその人のお話がその人自身のものです。
お会いしてお話して初めて見えてくるいろいろなことがあります。
おかげでひとつの形がまとまりました。

ステンレストップの食器棚とステンドグラスのある吊戸棚

手掛け部分とガラスの押縁の様子。

「先日はお忙しい中、お時間を作っていただきありがとうございました。
やはり、直接お会いして打ち合わせをしたら、自分の考えもまとまってとてもスッキリしました。
見積りと図面を早速メール下さりありがとうございます。大体はこのようなかんじでいきたいと思います。細かいところは、また何かありましたら連絡させていただきます。
では、内覧会の日にちが決まりましたらまた連絡いたします。
よろしくお願いします。」

ステンレストップの食器棚とステンドグラスのある吊戸棚

天板はステンレスヘアライン仕上げで、天板の木口はナラの挽板を貼っています。

そうして、いよいよ内覧会。
私は、Oさんの内覧が終わるころにお邪魔させて頂き、設置場所を見ながらいろいろとお話しさせて頂きます。
素材は最初の予定通りにナラで良いか、色の感じもダークブラウンで良いか、サイズは大丈夫か・・、内覧会だと時間が限られてしまうことが多いので、段取り良くお話を進めていきます。
そして、全てが決まっていよいよ製作です。
木地のままだと白くてさわやかなナラ材もダークブラウンのオイルをすり込んでいくと徐々に少し懐かしい印象へと変わっていきました。
板の木口を見せたり、ガラスの止め方も工夫して作ったので、「どこか懐かしい」印象がよく表れました。

ステンレストップの食器棚とステンドグラスのある吊戸棚

引き出しや扉の正面に使った材はナラ柾目材。その木目の印象も良い雰囲気が出せた一つの要因ですね。そして、手掛けの様子。

製作が終わり、取付も終えて、使い始めた頃に再びお邪魔させて頂きました。
うん、もうそこにはOさんらしくどこか懐かしい食器戸棚になっていたのです。

ステンレストップの食器棚とステンドグラスのある吊戸棚

引き出しの様子。

ステンレストップの食器棚とステンドグラスのある吊戸棚

炊飯器のスライドテーブルもトップはステンレス。また、ソフトクローズレールを使っているので、スライドレールが露出していないのですっきり見えます。

ステンレストップの食器棚とステンドグラスのある吊戸棚

ステンレスに傷がついて鈍い輝きになる頃はもっともっとどこか懐かしい印象になっているはず。

ダークブラウン色のナラの食器棚

価格:530,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は20,000円から、取付施工費は30,000円から)

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