城ヶ崎海岸まで

2020.10.31

伊東市の城ヶ崎海岸までやってきたのでした。
城ヶ崎海岸というと、昔まだアキコと結婚する前の頃でしたかね、来たことがありましたね。
大室山に登ったり、つり橋を渡ったり、生まれて初めてプリクラというものも体験しましたね。
あの頃には、こうして二人の娘を持つ父親となって再びこの町に来るなんて思ってもいなかったでしょう。
細かい字が見えづらくなったり、ズボンのサイズが大きくなるわけです・・。

Tさんからキッチンを作ってほしいという熱烈な歓迎を受けまして、ちょっと遠いですがキッチンを作らせて頂けることになったので、現状の様子をを見るために下見にやってきたのです。
もう私たちのほうが2月近くまで予定がぎっしりになってしまって、Tさんのキッチンも納品できるのはやはり2月になってからになるので、まだリノベーションの工事自体も先になるのですが、どういうレイアウトが良いか、どういうタイルが良いかなど現地を見ながらいろいろとお話をさせて頂きました。

学生時代はたくさんチョコレートなんてもらえたことがなかったものですから、こうして熱い思いを聞かせて頂けるとのぼせ上ってしまうのでございます。
すてきな町、すてきな空気、すてきなキッチン。
良い形が作れるように頑張ります。

30分後に次の電車が来たら会社に戻ります。

みんなすてきにやっている

2020.10.30

コバヤシ君がこの工房を出たのが昨年の春ですから、もう1年半は経つのですね。
「いろいろなものを作れる人間になりたいんです。」って入社して間もない頃に言っていました。
うちに来る前は電気溶接(だったかな)の仕事をしていて、うちに来たのも「フリーハンドイマイの形が、というよりはまずは家具が作りたくて。」という感じでやってきてくれたのでした。(うれしいような、うれしいような‥)
彼は何というかニュータイプな感じ(アムロみたいな感じです)で、自分のセンスで持って間違いなく進んでいくので仕事が早いのでした。
「彼はいいですよ。」と当時ここで主任をしていたムラカミ君(彼も独立しちゃったね)がそう言っていましたが、なるほど、こうして外からの彼を見ているとよりよく分かります。

このところ、皆さんのご相談に「はい、良いですよ。」と気軽にお返事してしまっていたら、この時期に作らなければいけないものが集中してしまいまして、慌てふためいておりまして、この工房出身で独立して頑張っているみんなやお世話になっている方々に声掛けして、どうにか皆さんの仕事が順調に進むようにやりくりしていて、コバヤシ君にも今回このベンチの制作を手伝ってもらったのでした。

久しぶりに会うとより頼もしい印象。
今は木工と大工を合わせていろいろなことに対応できるようなスタイルで仕事をしているのだそうで、もうしばらくしたら自分の工房も持てる予定ということで、私たちも楽しみなのです。

そして、このベンチ、ちょっと変わった依頼です。
私たちがいつもルーター作業をする時に敷いている合板を見て、「ああ、これいいですねぇ。」と言ってくださったマイズミさん。
(以前、ここにいらしてくださった蔦谷さん以来、これが良いと聞いたのは2度目です。いまだに自分にはその良さが見いだせないところが凡人なのでしょう・・。)
その合板とチェリーの板目材を使って作ったベンチです。
お待たせしました。もうすぐ納品です。

Kさんのナラ節アリ材を使ったキッチンに会いに

2020.10.28

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無事に搬入できたことを見届けて、私は逗子まで。
1年半前に作ったKさんからご連絡を頂いたのでした。
「キッチンのサイドパネルに水切り棚が売れていたのかもしれなくて、ちょっとパネルが黒ずんでしまって。」
ということで、お伺いしたのです。
たしかにパネルとステンレスカウンターの角の部分がずっと湿気ていたようにパネルに黒い筋がいくつも入ってしまっています。
おそらく表面にカビがついてしまったのでしょう。
木に水が跳ねてもなるべく早めに拭きとって通気良くしておけば、あまり黒ずむことはないのですが、気づかずたまった水が乾くまでずっとそのままで自然に乾いた、となるとだんだんとその部分が黒くなってしまうことが多いのです。これはオイル塗装だからなる、というわけではなく、ウレタン塗装でもなることがあります。
(特に私たちのウレタン塗装だと厚塗りしないで導管の手触りを残すので、以前ウレタン塗装でも黒ずみが出てしまったことがありました。余り厚塗りしてしてしまうと表面は平滑になって汚れなどは付きづらくなりますが、手触りが樹脂を触っている感覚しかなくなるので、それはそれで淋しいのです。)

そこでなるべく表面をきれいにするために粗めのサンドペーパーから極細目の
ペーパーまであてて表面の手触りを良くし、黒ずみをなるべく除去したうえで、蜜蝋を擦り込みます。
ステンレスカウンターとのコーキングが切れてしまった部分は再度充填し直して、メンテナンスは完了。
まっさらなきれいに印象に戻るわけではないですが、黒みも少なくなって、汚れた印象は無くなり、使い込んだ良い色になりました。

良い感じです。
Kさんの住むこの家は、古い集合住宅。築50年近いのかな。
スケルトンにして、間取りを考えたこともあって、一般的なマンションのようなステレオタイプの印象にはならず、Kさんらしい独特の室内になっていて。
特に細長く取った玄関が心地よくて、さらにはこのリビングダイニングに入ってくる手前の前室のような広い空間がとても心地よいのです。
お兄ちゃんが遊ぶのでしょうか、小さなティピが置かれていて、白い壁は落書きがいっぱいあって、気持ち良い場所でした。
そういうのびのびした場所ののびのびしたキッチン。
「とても使いやすくて助かっています。」と仕事から帰宅した奥様がそううれしそうにおっしゃってくださいました。
ありがとうございます。
ひと通りメンテナンスのご説明をあらためてさせて頂きまして、「それではまた何かありましたら、いつでもお声掛けくださいね。」

タモ板目のペニンシュラキッチン

2020.10.28

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無事搬入できた、ああ、よかったよかった。
工務店さんから頂いた階段の勾配の図面や2階の平面図を見ながら、「ああ、うまく2階に上がるだろうか、どうだろうか・・。」となかば夢にまで出かけていたIさんのキッチンは無事に2階のその場所までたどり着けたのでした。
何度かお話しているかもしれませんが、キッチン自体はね、工房で仮り組みするので、現場に着いたら同じように組んでゆけば問題なく納まるという確信があるのです。
でもそこに運び入れるって言うのは見えない部分があって・・。
以前、もうだいぶ昔のまだ父も現役で現場作業に取り組んでいた頃、渋谷にあるメガネ屋さんの大きな陳列棚を搬入していた時です。
これ以上分割できない、というデザインで、それでもどうにか入るだろうというイメージはあったのですが、うーん、これが入らない。
どうにも階段でつっかえてしまう・・。
これはダメかな・・。持って帰って一度ばらさないといけないのかな・・。
なんていうことがありました。
(結局、搬入経路上にある照明を取り外して、みんなでエイヤッと取っ組んだらどうにか入ったのですが。)
それ以前にもまだ内装屋さんから数多く仕事を頂いていた頃、(この頃は採寸も内装屋さん任せでしたね。)入らなかったことが何度かあったのです。そうなると工房に持ち帰って、少し淋しくなりながら一つで作った家具を分割し直して・・。
そういう時に思いや苦い味の感覚はいつまでも覚えていて、こういうシビアな現場になると苦みが思い出されるのです。

ああ、よかった。無事に納まってとても魅力的なIさんらしいキッチンができあがりました。

キッチンリノベーション

2020.10.26

もともと水場がダイニングに向いていて、火元が壁に向く形だった二列型のレイアウトだったキッチンをあえてコンパクトにI型にして、作業台とキッチン、そして食器棚という3つのゾーンに分ける形にしたキッチン。
またもともとあった垂れ壁がキッチンへの採光を遮っていたこともあって、他の部屋よりも暗く感じる部分があったのですが、そこを切り取って明るくコンパクトな空間にすることに。
土曜日と本日とでKさんのところに作業に入らせて頂いて、今日はちょっと写真が撮れませんでしたが、懐かしいコバヤシ君にも取付作業を手伝ってもらって、本日ひとまず作業が終了。
次回棚板など細かい部分の作業を終えれば完了する予定。
少しね、懐かしい感じにしたかったのです。Kさんもそういう空気を持つ人で、この家もそういう空気が流れていましたので。
できあがりが楽しみですよ。

秋の火ごはん

2020.10.25

先日、千葉の四街道のSさんのキッチンを作らせていただいたあとに、その設計事務所さんから良い評判を頂いて、新たなキッチンのお話を頂いていたのですが、お客様の都合が悪くなってしまいまして、ぽっかりと時間が空いてしまいました。
アキコが日美(日曜美術館)をよく見ているのですね。
「じゃあ、行きたかった横須賀美術館に行こうよ。」
そのなかで上田薫さんの作品が見られるというので3人で出掛けることに。(ハルはもう部活です。)
今まで来たことなかったのですが、すてきな美術館。
ふわりと回遊する感覚や壁と天井がつながる柔らかい印象と海に緩やかに続くような鮮やかな芝の前庭などとても心地よい場所でした。
上田さんの時間を止めたその見せかたの美しさに驚いて、もう一つうれしかったのが谷内六郎さんの気持ちの蝋燭が灯るような作品に触れられて、心地よく帰ってきたのでした。
夜はみんなで約束していた庭ご飯。(オグさん煙かったですかね、すみません!)
お野菜からお肉へと移ると日がパチパチとはぜて、よい香りも漂って。こうして陽が落ちると少し肌寒く感じますが、アキコが用意した野菜をごった煮した汁物で体を温めながら、火が通ったお野菜とお肉を頂いて、最後はハルカが作る濃い味の焼きおにぎりを頂いて、最後はチィが楽しみにしていた夏の残りの線香花火でおしまい。
おいしい一日でした。

小学校最後の運動会

2020.10.24

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今日は次女チイの運動会に変わるイベント「スポーツフェスタ」の日でした。
2・4・5学年は前半、1・3・6学年は後半に1時間半ずつ各学年2種目ずつで午前中には終了するイベントとなりました。
声を出しての応援は控えて、応援団も手作りのマラカスのような道具をシャカシャカして旗をたくさん振って、放送も最小限。その代わりにたくさんの拍手をと言う事でしたが、皆さん少しのお子さんの出番を撮り逃すまいと撮影に集中しているので、拍手は少なめで本当に静かなイベントでした。
縮小されたイベントで名前は変わっても「最後の小学校の運動会」であることには変わりないので、通常通り行われていたら、やっておきたかったことはしておきたいなということで、おとうさんは朝早くに家を出てパパボランティアに参加して校庭の水たまりを埋めたり来校者の誘導を、私はチイのお弁当リクエストのおいなりさんとから揚げをたくさんということで1キロ分揚げました(笑)。帰宅後縁側に座って3人で食べました。(ハルは部活でしたので。)
チイ「クラス対抗リレーはもう少し早く走れたのかな…。ソーラン節はうまくできたと思う。」
よかったね。うん、かっこよかったよ。
チイ「先生が、今日このイベントが開催できるのは皆さんが普段感染に気をつけて頑張って生活してきたからなのですよ。来年運動会が普通に開催されても今年のことは特別な思い出になりますし、もし今年と同じ形になったとしても初めての開催年として思い出になります。だから6年生みんなで伝説を作りましょう!ってお話ししてくれたの。」と教えてくれました。
すてきですね。先生から生徒へしか伝えるができない言葉なので、彼女の心には大切に残ることと思います。
今日はK様の納品があったのですが、スタッフのみんなに任せてお休みをさせて頂きました。快く引き受けてくれてありがとう。
K様、後日伺わせていただきます。よろしくお願い致します。

頭をまわせ

2020.10.20

今週から始まっている茅ケ崎のKさんのキッチンリノベーション。解体がほぼ終わった今朝、現状確認にお邪魔してきました。
「イマイさん、今さらなんですが・・。」とKさん。
聞くとお母様がダイニングについていたカウンターをすべて取り払ってしまうのは気持ちが淋しいとのこと。
「でもね、お任せするわ。」とお母様はおっしゃるのですが、Kさん(は娘さん)とお話して、うまく残せる方向に。
あとは内装の施工を担当してくれているkotiの伊藤さんと週末スムーズにキッチンを取り付けられるように段取りにして現場を後にします。
すみません、週末はチアキの小学校最後の運動会があるので、私はお休みさせて頂くのです・・。

一度会社に戻って製作を担当するノガミ君に伝言したら、今度は石神井まで。
Uさんのキッチンはどうにも忙しすぎて木工事完了まもなく施工に伺えないので、監督さんとUさんとで細かい部分を打ち合わせて。
石神井、遠いのですが、実はいろいろとお客様がいらっしゃって懐かしい町だったりします。
私の好きな上井草から石神井までの通りを抜けると、少しずつ町の様子が変わったことに気がついたり。
このUさんのご新居が建つ場所から歩いて10分くらいの距離に以前家具を作らせて頂いたYさんの家があったり。
どうにか仕上げ工事の最中にキッチンを設置させて頂く形で順調に進みそうです。

そのあとは、会社に戻る途中に一番心配している登戸のIさんの現場に。
2階にあるキッチンまでたどり着くのに階段しか搬入経路がなくて、はたして、あのニッチがあるステンレスカウンターが入るのかどうか、ハラハラドキドキしていたのでした。
階段を上がりきったスペースの寸法を測ると、どうにか対角でも問題なく高さを確保できそうな感じでほっと一息。

会社に戻るとまもなく日が暮れそうな感じ。
うまく頭を回していかないと。緊張感と共に10月が終わりそうです。

記念撮影

2020.10.18

「卒業式に袴を着たい。」とチイが言い出したのは夏休み頃のことでした。
驚きました。姉のハルは式用の洋服を購入して参加しましたし、「袴を着て参加すると大変そう。」と言いそうだなと思っていたからです。
コロナの影響で卒業式もどうなるかわからないしどうなのだろうとも思ったのですが、もうこの先どうなるのかを考えてもわからないのであってもなくても関係ないのかも、本人が着たいという望みを叶えるだけでも十分なのかもと思えたのでした。
今日はその事前撮影の日でおとうさんに現場の取付の予定が入っていたのですが、現場帰りにノガミ君に自宅で先に降ろしてもらったので間に合い家族揃った写真を撮ることもできました。わがまま言ってすみません。協力してくれてありがとう。
ハルの入学式にも参加できなかったので「みんなで正装した写真を撮れていなかったよね。」と言う話にもなりとても良い機会になりました。スタジオの方々も感染に気をつけながらも楽しい雰囲気づくりをしてくださりいい時間を過ごすことができました。
ありがとうございました。

クルミのキッチンバックカウンター

2020.10.18

今日はノガミ君と二人で青梅のTさんのところにクルミのバックカウンターを取付に行ってきました。
晴れ間も顔をのぞかせてくれましてよい時間です。
最近、バックカウンターの奥行は深い方が使いやすい、というお話でまとまることが多くて、奥行60センチ近くにすることが多くなってきました。
今回のKさんも奥行55センチで作らせて頂きました。そして、引き出しの底付のソフトクローズレールです。
そうなると重いのです。
この大きさになると箱そのものが重いですし、ソフトクローズレールは通常のスライドレールの倍近い重さがありまして、引き出しの数が増えるとね、キッチンスペースで食器棚をひっくり返すのも躊躇するくらいになってきます。
今回はそこにバイブレーションに仕上げた厚み5ミリのステンレス板をカウンターにします。
この板がまた重いのです。(60キロくらい)
だから、お天気が大切になってきて、雨だと余分な作業が増えるので、この重量がさらに重く感じてしまうわけで、こういう晴れた日は心強いのです。
おかげ様ですんなりと納まりまして、Tさんにもとても喜んで頂けました。

そういえば、来年に厚み4ミリで長さが4メートルを超えるキッチンカウンターをクレーンで2階のキッチンに搬入させて頂く予定がありました。
この大きさでこの苦労だと、きちんとうまくいくのかどうか心配になるのでした。
頑張ります。

ナラのキッチン

2020.10.15

今日は稲城のMさんのところまで。
9時から雨になるって言われていたので、心配しておりましたがどうにか雨には降られずに住みました。
今回のキッチンはバックパネルとサイドパネルが特長なのですが、突板で仕上げているため、ちょうど角になる部分は「ヒモ」を回しているのです。
(なんで「ヒモ」って呼ぶのかは知らずに父からそのまま教わったまま使っていますね。)
突板だとどうしてもコーナー部分の強度に不安があったりするので、ぶつかりやすい角には無垢を練り付けるのです。
ですので、パネルをバラバラにして運べなくて。
そうなると玄関からは運べないから当然外から裏のリビングに面した掃き出し窓までもっていかなくちゃならないので、雨降りは困るなあと思っていたのです。
まずはその心配もなく無事に搬入できて、現場は思っていた以上に作業が進んでいて、もうクロスも張られていたので、他の職人さんはいらっしゃらず、私たちだけで快適に作業させて頂きました。
ありがとうございました。
玄関に小さな戸棚、キッチンに食器棚とペニンシュラキッチンを設置させて頂いて作業は完了。

次回は、この白っぽく見えるナラ材にオイルを塗るためのその塗り方をお伝えしにお邪魔致します。
Mさん、引き続きよろしくお願い致します。

タムキュー

2020.10.14

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先日、山梨のOさんのキッチンの取付に行き、作業が終わった後にカメラに詳しいOさんに教えてもらったレンズ。
「アキコとも最近よく話しているのが、もっと近づいて写真を撮りたい時があるよねって。マクロレンズというのですか、あのレンズを使ってみたくて。」
「ああ、いいですね、マクロ。おもしろいですよ。タムキューなんか使いやすくて良いですよ。」
「タムキュー?」
「タムロンの90ミリの中望遠のマクロレンズです。ボケがとてもふんわりとして柔らかい写真が撮れるのです。それと、90ミリですから、普段使いできますし金額も決して高くないので、とても使いやすいと思いますよ。」
と教えて頂いて、さっそく使ってみたのでした。
写真にとても詳しいわけではないので、何がどう違うかはよく分からないのですが、純粋に楽しい。
自分の目で見えていないところまで存在感が分かるってすごいなあ。

蜜蝋が入っているブリキ缶がこんなに生き生きとしていて。
クリのダイニングチェアの張地は前後が丸張り、左右が角がきちんと出るようにマチを取った張り方。
かなぐやさんに特注で作ってもらったタオル掛けのくすんできた感じ。
フェザーのクッションがグニュってなってる感じ。

良いことも良くないことも、もっとリアルに暮らしの様子を伝えられたら楽しそうだなあ。

Nさんのキッチン:スタッフ カイ君の制作日記

2020.10.14

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今回のこのキッチンはステンレスカウンターとその奥につくニッチスペースが一体になった大きなカウンターになっています。
そして、それを木部がぐるりと取り囲むデザインになっています。
その木部ですが、バックパネルが無垢の幅接ぎ板でカウンターも無垢ですので、外面と内面ではどうしても調湿の差で木の動きが大きく出てしまいます。
以前に、その動きが読みくれなくて大きく家具に狂いが出てお客様にご迷惑をおかけしてしまったこともあるので、このあたりの作りは大変緊張します。
そのため、どのように組み立てると良いのか、その順序を何度も考えました。
最終的には、カウンターの天板(40ミリ厚の無垢材)と、その下の大きなバックパネル、そして側面にかぶさっている突板のサイドパネルを一度逆さまで合体させてから、またひっくり返してキッチンの構造部分にはめ込むというような少し大掛かりな方法に行き着きました。
巨大なパーツをお客様のお宅でひっくり返すときには緊張が走りましたが無事に予定通りに組み上げることができて良かったです。
工房と現場では同じ動作でも、少しのニュアンスの違いでうまく進まないこともあったりしますので。

また、もう一つ苦労した点は、大きくC面を取る(角を取る)デザインが随所に用いられている点があります。面取り加工自体は難しいものではないのですが、カウンターの天板とサイドパネルとが交わる部分があって、その接する部分は面を取ってしまっては変に隙間が開いてしますので、面をその場所で切り替え、再び露出する部分で面を細工し直して、と図面では読み取りづらい部分もあって大変作り甲斐のある形になりました。

また、食器棚の天板は奥行を広く取る方が使いやすい、というメリットを生かすために、勝手口のドアと干渉する部分だけを奥行を小さくして、あとは広く採るという変形したデザインになっています。
その変形に合わせて面取り加工も施していますので、とてもエッジのくっきりとした印象に仕上がりました。
そこに(ここも少し苦労しましたが)ダークブラウンの着色塗装(ウレタン塗装で着色する部分とオイル塗装で着色する部分とでの色合わせがなかなかシビアだったのです。)が合わさることでオリジナリティのある家具になりました。

ヤマザクラのキッチンバックボード

2020.10.13

本当は先週の10日に納品させて頂く予定だったUさんのサクラのバックボード。
あの日は台風が来るかもしれないし、来なくても雨風強いからということで、Uさんと相談して本日に延期させて頂いたのでした。
Uさんご主人は本日お仕事でお会いできず残念でしたが、やはり無理して土曜日にしなくてよかったな。
2階のキッチンまでうまく運べるように小分けにして作ったのですが、それでも奥行を大きく取った今回のこのサイズだと階段を回るのがギリギリで、あの雨風強い中で手間取っていたら、家具が汚れてしまったかもしれない。
家具は物でも、それを作るのはひと、使うのもひと。
みんなでいろいろ相談して作り、運び、納めるわけです。
届けているのはただのものではなく、使う人も作る人もその者に思いを込めて待ち、届けるわけです。
雨でも何でも濡れてもいいから届ける、というのではなく、その人やその家具があってそういう思いがあるわけですから、今日ここにこの家具が届けられたことはとても当たり前なことなのだと思うのです。
(うーん、分かりづらい文章・・。)

しかし、この奥行きにしてよかった。広い作業面ってとても使いやすいですからね。
Uさんのキッチンがかなり広かったので実現できたサイズですね。
とても使いやすいサイズになったと思います。奥様も「わーい。」と喜んでくださってキッチンが温かくなりました。
そして、サクラ。いつもよく使っているブラックチェリーとはまた違って、表面の手触りはブラックチェリーと同じくピシッとした感じですが色合いが柔らかい。どんなふうに色が変化していくのか楽しみです。
Uさん、ありがとうございました。

工房に戻ると

2020.10.12

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みんなでリズムよく作業を続けてくれています。
もう忙しいのでございます。
Nさんの背もたれの低いダイニングチェアももうすぐ組みあがるところです。
細かいデザインを揃えて、背もたれのデザインだけを変えた椅子はとても美しいのでした。

笛吹川アゲイン

2020.10.12

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先日、カイ君と四苦八苦しながら搬入したキッチンはすでに機器類のつなぎも終わっていて完成しておりました。
お引渡の日ですからね。
そのようなおめでたい日なのですが、あの時に採寸した背面収納の前板の制作が立て込んでいて、本日しよいよ取付となったのです。
コストを抑えるためにカウンターや収納本体、引き出し内箱は大工さん、建具屋さんが建築工事の中で作ってくださって、表面の前板と扉だけはキッチンと揃えるために私たちが作らせて頂くことになったのでした。
リビングで皆さんがお引渡のやり取りをされているなか、ドリルギリギリ、掃除機ガーガー、お騒がせしました。
でもこれで無事に完了です。
こうしてひと揃えになるとやはり気持ちが良いですね。
Oさんにも「最高です。」と言ってもらえてうれしかったなあ。
工務店さんにもとても良く段取りして頂けて、スムーズに工事をさせてもらえたので大変助かりました。
本日も無理言って作業をさせて頂くことができまして。
ありがとうございました。

カメラに詳しいOさんからうれしいお話も聞かせてもらえて、これからもっと私たちの家具の見せ方が増やせるかも。
ありがとうございます、Oさん。
またお引越しされて落ち着いた頃にお邪魔させて頂けたらうれしいです。

jardimさんにご挨拶

2020.10.11

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「jardimさんのポップアップストアが今日から始まるよ。」とアキコが声を掛けてくれて、2人で新宿まで。
ハルはテスト勉強があるし、チィはやっと修学旅行に行けることになって朝早くから出かけてしまったので、二人でお出掛けです。(若いころのように手はつなぎませんけどね。)
jardimさんお久しぶりです!
あいかわらずイシイさんの声を聴くと元気になりますし、そのクラフトマンシップに驚かされます。
私が好きなイシイさんの魅力は、女性らしい美しいジュエリーの仕上がりよりも丹念に施された細部の仕上げです。
この写真に写っている仕上がりは一目見るだけでは分からなくて(老眼だからか・・)、光が当たると石のまわりがつぶつぶ光って、その周囲のこんもりした三角のヘアラインの鈍さとは対照的によりつぶつぶと光るその様が美しいのです。
2色で構成された紫色の四角くカットされたサファイアはその周囲がやはりこちらはキラキラしています。
なんだろう、とよくよく見ると光に当たって細いストライプ状のきらめきが映り込んできます。
聞くと、細いタガネで縁の金にラインを施すのだそうで。
ここに至るまでのその感性と技術に圧倒されてしまうのです。
ご本人はあっけらかんとした様子なのですが、それもまた彼女の魅力なのでしょう。
jardimさん、すてきな仕事を見せて頂きました。
ありがとうございました。

jardim by Marina Ishii
website:https://jardim-jewelry.com/
instagram:https://www.instagram.com/jardim.by.marinaishii/

Sさんのステンレスバイブレーションとナラのセパレートキッチン

2020.10.09

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Sさんのところに真鍮のブラケットを使った棚板をつけて、これで全て作業は完了。
内田雄介さん設計のまた素敵な空間がひとつできあがりました。
マンションのリノベーションなのですが、こういうキッチンも作れるのだなあという良いお手本になりました。
(今さらながらこの大きさを見ると、どうにか搬入できてほっとしております。)
いよいよお引渡が明日だったかな。
私は予定があって立ち会えないのですが、またキッチンを使い始めて少し経った頃にSさんに様子を伺いに訪ねてみよう。
このところいろいろなキッチンを立て続けに制作し、納品させて頂いており、目まぐるしくうれしい毎日です。
これから年末にかけてたいへん慌ただしくなってくるので、体調だけは崩さないように気を引き締めてみんなで頑張ります。
そういえば、今日でひとつ年を取って46歳になったんだなあ・・。

台風

2020.10.09

「明日休み希望を出していたのですが、娘の運動会が延期になったので明日は出勤します。」とスタッフから朝報告がありました。
明日は取り付け予定も入っていて様子を見て日程を変更させてもらうことも考えてお客様に連絡させていただきました。地元の中学校は明日から修学旅行の予定、チイを含む小学生も日曜日出発の予定ですが、どうなるのでしょうか。台風の影響が心配ですね。
お庭を見ると第五幼虫が前蛹の姿に変わっていました。
「え~、台風来てるのに、このタイミングで!?」と思いましたが、きっと私の心配なんて及ばないはず、無事を信じて見守ろうと思います。

Kさんオイル塗装

2020.10.08

今日は、Kさんのキッチンの塗装指導です。
ご主人がちょっとだけ体調不良ということで奥様だけで作業開始。
今回、背面収納は私たちが塗装して、キッチンだけをチャレンジしてみる、という試みなのですが、それでも1人だとなかなか大変だと思うのですが。
「不安ですー。」
とおっしゃっていましたが、私が背面収納設置の残りの作業をしている間に黙々と進んでいく奥様の手際を見ると、心配ないかしら。
今日はあいにくの空模様で、お天気に左右されるオイル塗装の乾きは良くなさそうなので、数日乾かす必要がありそうですが、奥様の手さばきを見ているとうまく終わりそうです。
では、私は先に失礼しますので頑張ってくださいね。

かわいくて美味しい和菓子:倉見駅前 吉祥庵さん

2020.10.08

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セキセイインコ青と緑。かわいいですね。
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かわいいけど食べちゃいます。中はこし餡です。
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セキセイインコの緑だけが柚子餡だそうです。いい香りでとてもおいしかったです。

商店会繋がりでお世話になっているJR倉見駅近くの和菓子屋さん吉祥庵さん。ここの和菓子が大好きで、季節の生菓子も美味しくてすてきなので時々足を運んでいたのですが、ご主人がInstagramをされていることを知り、そこでふぐちゃんやインコちゃんの生菓子を載せたところ全国から注文殺到で今大忙しだということで、それは見逃せないと買いに行ってみました。
10時過ぎでしたのでまだインコちゃん全種類ありました。午前中で売り切れてしまう日もあるようです。
どうしてこのアイデアが浮かんだのかとご主人に色々お話を聞きたかったのですが、お忙しそうでしたので無理でした。味もおいしく、普段あまり上生菓子は食べる機会のないハルチイもそのキュートな見た目と味に大満足していました。
(ダイスケさんはオカメインコ、ハルは文鳥を食べました。すぐ食べちゃったので写真はありません。ハルは)インスタに載せてましたけど。)
地元のお店が忙しいと聞くとなんだかうれしいですね。
ただ、「今頃みんな何言ってるの。私はずっと前から知っていました。」なんてちょっとやきもちのような気持ちもあるのですが(笑)。
機会があったら是非足を運んでみてくださいね。どら焼きもカステラも羊羹もおいしいです。
最新の情報は吉祥庵のご主人のinstagram で確認してみてくださいね。

物への思い

2020.10.08

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スタッフみんなの作業台の様子です。使い込まれた道具が置いてある様子が好きです。でもそれはスタッフのみんながきれいに家具を作ることができるとわかっているから好きなのだと思います。
使い込まれている物のかっこよさに気づいたのは小学生の時でした。
2歳上の兄がいて、兄と一緒に絵画教室に通っていました。兄は絵や造形が上手でいつも褒められていたけど絵の具セットの中は散らかっていました。私は絵の具の蓋のウラ通りにいつもきれいに並べてました。兄の道具を使えば上手になるのかなと思って借りたりしていましたが効果はありませんでした。その兄の絵の具セットを見ているたびにきれいじゃないけどかっこいいなぁと思っていたのです。
お客様のNさんからメールをいただいたのです。「完成が楽しみで、実はちょこちょことInstagramを見ていました。
テーブルも椅子も、クルミの木肌の感じや色がとてもやさしい雰囲気で、完成がすごく楽しみです。また、テーブルを組み上げた後に倉庫でしばらく保管してからの微調整という工程、すごく丁寧な作業に、本当に嬉しく思います。あと一か月、とても楽しみに待っております。」と。うれしいお言葉をありがとうございます。担当しているスタッフにも伝えうれしそうにしていました。
お客様にとってオーダー家具に制作を依頼する機会は人生において何度もない機会だと思うのです。ですので制作している様子をなるべくお伝えできたらと思いSNSで工房の様子を発信しております。
全ての家具やキッチンの制作過程をお伝えするのは難しいのですが、出来る限りお伝えして、家具やキッチンを使い始める前のお話を知ってから使うのとそうでないのは違うのだなということにいつか繋がっていくことができたらすてきだなぁと思っています。

クルミのダイニングテーブル

2020.10.05

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Nさんのテーブルは幕板をラウンドさせたデザインが特長。
チェアのほうも2種類で2脚ずつ作っていて脚部のデザインを統一させているので、ボリュームが変わっても印象は整って見えるという感じで制作を進めております。
今月末頃には座面も張り上がる予定であります。
Nさん、今しばらくお待ちくださいませ。

ウェブサイト更新

2020.10.04

クルミとステンレスバイブレーションのセパレートキッチン
クルミとステンレスバイブレーションのカウンターの組み合わせで二列に配したFさんのキッチンの制作例を掲載しました。
なかなか時間がなくて今回はこの1つの記事のみですが、ご覧頂けたらうれしく思います。