Sound Field

「テレビボードのオーダー」

宿河原 Y様

design:Yさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:hidenori terai
painting:hidenori terai

宿河原のYさんから、本当に久しぶりに連絡を頂いたのが、5月のゴールデンウィークが明けた頃でした。
前回、壁面収納のご注文を頂いてからもう3年が経つのです。あのときの家具をとても気に入ってくださったYさんは、今回も大きなテレビボードをお願いして下さることになりました。
「手ごろな価格で、自分の思い通りの形の家具が作れるのってやはり良いですよ。」
お話を聞きに行くと、Yさんはそうおっしゃってくださいました。
一度家具を作らせて頂くとお話が早いもので、Yさんが考えていることと私が考えていることがなんと言うか、合ってくるのです。なんと言うか、お互いのテイストが似通ってくるというのでしょうか。
ようするに、Yさんの考えている家具の形が私も好きなのです。
そんなわけでそのイメージを図面にして打合せに来たのでした。
「毎日見ているとそんなに気づかないものですね。」とYさんはおっしゃっていましたが、以前に作ったシナの壁面収納は、本当に良い具合に日焼けしていました。
こうやって、時間が立った家具を見ることができるのは貴重です。それを見ることで家具がどう変わって行くのかを知ることができますから。
そんなふうに家具を眺めていたら、「今回は、テレビボードのほかにこちらの家具にも、棚板を追加したりと少し手を加えたい部分があるのです。」とYさん。
棚板の追加とパソコンのキーボード用のスライドテーブルの高さの変更の依頼を頂きました。棚板は分かるけれど、テーブルの高さって何かなって思っていたら、Yさんが今使っているデスクチェアはパソコン用に特化したものでかなり仰向けになって低い姿勢で作業をすることができるチェアなのだそうです。それに合わせて少しテーブルを下げたいということでした。
なるほど、いろいろあるのですね。
こういうふうに使っていく中で、その暮らし方に合わせてカタチを変えることができるのがオーダー家具のメリットなのです。
さっそく本題のテレビボードの詳しいお話を聞きます。
お話を聞くことで、Yさんのイメージが私の中で膨らんでいきます。「防音」「モダン」「引き戸」「スライド収納」「スクリーン」そんなキーワードを取り込んでひとつの形になりました。
それと、一緒にリビングの家具に合わせてカウンター下収納もご注文頂くこととなりました。(写真忘れました・・・。)
さあ、さっそく製作です。
でも、今回の家具は大変。いろんな要素が詰まっていますから。
製作を担当した寺井君は複雑さにかなり苦労をしていました。
でも出来上がってみると、その存在感は圧倒的。苦労した甲斐があるものです。
でき上がっていく家具を喜んで見つめていたYさんもこの家具の存在感をとても喜んでくださって、取付がひと段落してもうまもなく終わりそうだと目処がついてきた頃に完成を待ちきれずに、「ちょっとしまってみていいですか。」と少しずつ収納してみるという具合でした。見ていた奥さんも、「もう、子供みたいですみません。」と。こんなに喜んでもらえるなんてうれしいことです。そして、苦労しながらも基本的な部分の取付工事は完了。後日細かい部分の残工事を済ませてようやく完成です。無事納まってよかった。大きいし、出っ張った梁や機器の配線の絡みなんかがたくさんあったから取付は心配な部分が多いなあと予想していましたが、比較的スムーズに出来たのが幸いでした。
後日、Yさんからお便りを頂きました。
「18日はありがとうございました。
あらためて出来の良さに満足して、毎日棚をながめてニンマリしています。
期待したとおりスピーカー周りにしっかりした壁ができたため音に疎い(50万円のアンプにしてもあまり音の違いが分からないと言っていた)妻が聞いてもすぐに音が良くなったことを実感できるほど良くなりました。
いつもすばらしいお仕事をして頂きましてありがとうございます。
と、うちのリビングも今井さんの家具でいっぱいとなりもうこれ以上お願いできる物はないかなーと思っていましたが、AVボードの前がすっきりして小さいテーブルがほしくなりました。そこでこれまであまり使っていなかった白いスツールがあるのでこれにAVボードと同じ木材、塗装の幅30-40cmほどの小さいテーブルを作って頂きかぶせるように載せようかと考えております。」
フフフン、また何かを作らせて頂くことになりそうですね。楽しみがひとつ増えました。

チークのAV機器壁面収納

AV機器収納部分。背面の壁が共振してしまって、音がぶれるのです、ということで背面壁側面壁にも補強を入れた作りにしています。

チークのAV機器壁面収納

このAV機器収納部分は、先ほどの共振のこともあり、また機器の重量がそれぞれかなりの重さのものばかりなので、板の厚みを40~50mmと通常の2倍近い厚みの板を使い、中空構造(フラッシュ構造)では音が割れてしまうので、全て中身の詰まった板を使っています。

オーク柾目のテレビボードとテーブルトップ

かなりの熱が出る機器が置かれるということで、ちょっと手の込んだ放熱口。配線を通す穴の役割も担っています。

チークのAV機器壁面収納

手が込んでいるでしょ。作業している寺井君は疲れていました。

チークのAV機器壁面収納

上からは、このようにプロジェクター用のスクリーンが降りてくるのです。

チークのAV機器壁面収納

スクリーンは最上部収納の扉の奥に隠されるような構造担っています。

チークのAV機器壁面収納

その下は引き戸になっています。こういうデザインの扉を作ってみたかったのです。

チークのAV機器壁面収納

上吊引き戸だから、下面にはレールがなくてスッキリ。物の出し入れもしやすいのです。

チークのAV機器壁面収納

スクリーン収納の下の引き戸の中は、たくさんあるCDやDVDを収納するスライド式の棚が入っています。

チークのAV機器壁面収納

全部で3列のスライドCD収納なので、Yさんがお持ちのCDがかなり入ります。(全部は入らないらしいのですが・・。)

費用につきましては、お問い合わせくださいませ。

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