sea side kitchen

「マットホワイト化粧板と人工大理石コーリアンのオーダーキッチン」

鎌倉 U様

design:daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:tsuyoshi kawaguchi

白い人工大理石を使ったオーダーキッチン

こちらが背面収納。大きな食器棚です。

Uさんから頂いたお電話のあと、FAXが届きました。古いマンションに越すことになり、使い勝手の良くないキッチンを作り替えたいと言う依頼でした。そう、キッチンだけのリフォームの予定なのでした。
ああ、こういうこともあるんだなあ、と私はあらためて思ったのです。今までは、新築工事の中のキッチンの製作が主でしたが、新しい家にするのは何も新築だけに限らないわけです。これからは今あるところを快適にして暮らす、と言うスタイルが増えてくるのでしょう。そうすると、今回のUさんのような依頼も増えてくるわけで、そうなった時に私たちは、どのようにその人の暮らしに関わることができるか、これからいろいろ模索しなければいけないのです。
今回はキッチンのリフォームをメインにその他に変えなくてはいけない部分は最低限のみ変えたいと言うことでして、家具製作以外の部分もありました。こうなると私たちだけで工事をするのは難しいので、いつも一緒に仕事をさせてもらっているアールイーコントロールさんに相談をして内装工事を担当して頂こうと思っていたのです。結局のところ、Uさんのお知り合いの工務店さんが内装を担当されることになりましたが、今後はできればこう言う仕事の流れがスムーズに出来るように全て自分たちや、もしくはフリーハンドイマイに近いみんなでやっていけたら楽しいだろうな、なんて思っているのです。

白い人工大理石を使ったオーダーキッチン

今回少し変わっているのが、吊戸棚の下についている水切り棚。

今回、Uさんのお宅に作らせて頂いたのは、キッチンとその反対面の食器棚です。築30年は経つと言うマンションに備え付けられていたキッチンは、古いシステムキッチンでお菓子作りを趣味とするUさんにとっては少し物足りない。そして、お菓子作りのアドバイスの中に、「もし、ビルトインのオーブンを考えているなら、ガゲナウの電気オーブンがとても良い。」と言われていたそうで、今回のキッチンのメインはこのオーブンと言っても良いくらいです。通常このオーブンは食器棚の中に組み込んでもう少し高い位置で使うことが一般的のようですが、今回はキッチンのカウンターの下に組み込むことに。その隣のシンクには、混合水栓と浄水器をつけて、シンクの下は棚板を設置しています。隣には食器洗浄機を設置して、コンロの下は引き出しに。一番右はスライド式のボトル・スパイスラックとなっています。そして、吊戸棚の一部は濡れた食器や洗った食材などをそのままちょっと置いておけるようにパイプを渡した棚板にしています。

白い人工大理石を使ったオーダーキッチン

扉を開けると中にステンレスのパイプが並んでいて、ちょっと濡れた状態でも置くことができるようにしています。気になる時はパタンと扉を閉めて。

そして、半対面の食器棚は、当初は間取りの関係で使いにくい食器棚にするしかなかったのですが、この間仕切壁を撤去して、家具の背面にクロスを張ってそのまま間仕切壁とするようなプランにしたのです。そのおかげで、壁の厚みをなくすことができて奥行のある食器棚にすることができました。
スライドテーブル部分には家電機器を収納し、そのほかの部分は何でも自由にしまえるように可動棚が入った収納にしています。
今回使った素材は、ポリエステル化粧板やメラミン化粧板といったコストをできる限り抑えた素材を使ったのですが、通常のものですと、ツルッとした表情そのままで味気ない。そこで今回は表面に細かい凹凸のあるエンボス加工がされた化粧板を使ったのです。こちらの方がツヤもほど良くなく、このエンボス感が良い仕上がりになります。素材を安価なものにしても良い表情のものはいろいろあります。そういったものをうまく使うことで、気持ちの良い家具にすることができるのではないかと思っています。今回もいろいろと勉強になることが多く、これからもそれがいかせるように頑張って行きたいと思います。オーダーキッチンは、まだまだいろいろな方法や仕上げや機能があると思います。私たちはそれを学び的確に提案していくことで、もっと広がりのある「台所」が作れるのではないかといろいろ考えているのです。

白い人工大理石を使ったオーダーキッチン

こちらがキッチン下部の印象。

ところで、Uさんと工事のあとにいろいろとお話をさせて頂いている時に、私たちをどこで知ったのかというおはなしになりました。すると、Uさん、今までは都内のスクールに通って、いろいろな(本当にいろいろな)種類のお菓子を教わり、作ってきたのですが、その過程でKona Salonの熊崎先生を知り、そこに描かれていた私たちのことを知ったのだそうです。

白い人工大理石を使ったオーダーキッチン

とても憧れていたというガゲナウの電気オーブン。

なるほど、縁とは面白い。
それで、熊崎先生のもとでお菓子作り・パン作りを学びたいと思ったわけですが、新たに生徒さんが入れるのが1年待ちの状態で、泣く泣くあきらめたのだそうです。すごいです、大人気なのですね。
そんな中、ご自宅をこの由比ガ浜に移られることが決まり、それなら、先生のキッチンを作ったイマイさんにお願いしよう、と言うことになったのだそうです。
この湘南に移ったUさんは心機一転、ただ教わるだけのお菓子ではなく、ここで自分の独自のお菓子作りを続けて、ゆくゆくは皆さんに食べていただけるようにどこかのお店に置かせて頂いたり、教室を開いたりしたいのだそうです。
その時は、ぜひお知らせくださいね。

白い人工大理石を使ったオーダーキッチン

シンクの下の棚板は排水トラップに合わせてカット。


白い人工大理石を使ったオーダーキッチン

調味料とボトルを入れる引き出しの印象。


白い人工大理石を使ったオーダーキッチン

引き出しの手掛け部分は、白い化粧板に合わせてウレタン塗装で仕上げています。


白い人工大理石を使ったオーダーキッチン

背面収納は扉を開けると大容量の食器棚。


白い人工大理石を使ったオーダーキッチン

家電用のスライドテーブル


白い人工大理石を使ったオーダーキッチン

下の方の収納部分はこのような感じ。

キッチン仕上
天板 人工大理石 デュポンコーリアンとステンレスシンク
扉・前板 カラーフィットポリエステル化粧板「ホワイト」
本体外側 カラーフィットポリエステル化粧板「ホワイト」
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」

マットホワイト化粧板と人工大理石コーリアンのオーダーキッチン

価格:710,000円(制作費、設備機器は別途)

マットホワイト化粧板のバックカウンター

価格:540,000円(制作費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は40,000円から、取付施工費は150,000円から)

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