食器棚・カウンター下収納のオーダー「Sさんのタモの食器棚とL型カウンター下収納の使っている様子を拝見」

2019.09.20

201909200052019092000620190920007201909200082019092001020190920011Sさんのところにご挨拶に伺ってきたのです。
無事に工事が完了して、新しい生活が始まっていました。

いいでしょう、この感じ。扉を開けると、引き出しを開けると、淡いグレーが現れるのです。その木口はタモを練り付けていてとっても良い印象。

「次男が生まれて間もなく、当時夫の仕事の都合で母子家庭状態となり、2歳差の育児はもうてんやわんやのお祭り並みで、また1日、また1日と繰り返しながら、楽しさと体力の限界の狭間で、細かい片付けには目を瞑り、あっちの部屋やこっちの部屋に押し込んでいたものの整理を入学とリフォームを機に少しずつ始めております。
イマイさんがどこかに書かれていましたが、自分たちのつくる家具が、その人の新たな生活の愉しみや気力に繋がることや、そのきっかけであればうれしいと。
いま、私はそれを実践しているというか、このタイミングでのご縁に感謝しながら、自然とその方向に導かれています。」

Sさんとは、この半年で家具を通じていろいろなお話ができたのです。

「私はこの仕事に入る前にデザインを教えてもらえる学校に通っていたのですが、デザインという言葉が嫌いでした。
学校ではいろんな知識や感性を与えてくれ、授業はとても豊かで楽しく、気の置けない友人もできた魅力的な日々でしたが、デザインってどこか独りよがりなものというイメージを自分の中でぬぐい切れなかったからなのだと思います。
そこに正解というものがなく不安定なところがあったからですね。
そういう気持ちのままこの仕事を続けていたのですが、(いけませんね。)ある時、たまたま見ていたテレビで別所哲也さんが言っていた言葉がしっくりきました。
別所さんは役者さんで短編映画の造詣が深い方くらいでしか知らなかったのですが、デザイン寄りの番組で、「デザインって整えることだと思うのです。」って言っていたのを聞いたのです。
ホゥ、と思えて、それからその言葉が自分の仕事の取り組み方にとてもしっくりくるって思えているのです。
家具を作る、考えるのではなく、家具を作ることで、その人の気持ちや暮らしが健やかに整っていく。それってとても気持ちの良いことだって思うのです。
昔はただ作るその家具の形が好きでしたが、今はどちらかというと、その家具がその場に入ることで、そこに住む方々の暮らし方や気持ちの在り様がどのように心地良くなっていくのかを知ることが楽しいなあと思えます。
ですので、納品後も時々お邪魔させて頂いたりして、今までのクライアントさんも家具屋っていうよりはイマイさん、と思ってくださっているところがうれしいところです。
私も長々と余談でした。(笑)」

とても心地よい空間になりましたね。
Sさん、ありがとうございました。
ノガミ君もとてもとてもうれしそうでしたよ。

食器棚のオーダー「エアコン用ルーバーのあるナラ板目のキッチン背面収納の設置工事」

2019.09.20

2019092000320190920002内田雄介さん設計の藤沢のSさんのご新居に背面収納を取り付けてきました。
この家具のモデルとなったのは、内田さんのご自宅「木漏れ日の家」の背面収納。今回は吊戸棚もナラ材で統一して、エアコンのカバー部分も内田さん、Sさんと悩みながら見え方と機能が合致したサイズで制作。
また、エアコンメンテナンス時には格子扉も、上部カバーも外せるような構造に。階段上から見える上部カバーは写真のような感じ。
美しい形にまとまりました。
後日、内覧会が開かれる予定だそうで、私もぜひ伺いたいなあと思っております。

内田さんには、今回いろいろとお声掛け頂いていて、明日も稲城のKさんのところに玄関収納の設置に伺います。
そして、調布のOさんのところには特長のあるL型のキッチンを作らせて頂きます。
良いかたちをお届けできるように頑張ります。