日記「自由な手たち」

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タモ板目の表情が良いアイランドキッチン

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こういう大きな柄の突板を使うと、とても色や表情の豊かな仕上がりになりますね。
細かいメンテナンス作業をするために日暮里のFさんのところにお伺いしました。
このあたりは、どこか懐かしい町並みで、祖父母の住んでいた文京区あたりを思い起こさせるのです。
Fさんのご新居は築年数の古い小さなエレベーターのある集合住宅で、そこをFさんらしい古く良いものを取り入れて暮らしているすてきな空間でした。
そこに食洗機の調整に伺ったのですが、床にはいつくばって作業をしていると、どことなく祖父母の家のような香りが漂ってきました。
具体的に言うと、祖父母の家は大きなお仏壇があって毎日お線香を欠かしていなかったので、お線香に匂いと、祖父が吸う煙草のにおいと、祖母が漬けるぬか漬けの匂いがほどよく混ざり合って、特にあのお香の香りがするとふっと懐かしい、祖父母の家の丸いちゃぶ台が思い起こされるのです。
当然Fさんのうちには煙草もないし、お香も焚いていらっしゃらなかった。
なんだろう。
町の空気かな。この集合住宅のエントランスで準備をしている時もご年配の方々と若い方々が入り混じって和やかに往来を行きかっていました。
怪しまれないように、「こんにちは。」と通りがかる人にお声掛けすると、皆さん快く挨拶してくれて。
町の空気が和んでいるのですね。

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くるみの部屋

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Iさんから追加で頼まれていた扉の取付と、前回残念ながら取付できなかった洗面台の化粧板をつけにお邪魔してきました。
前回、クルミ材を使った食器棚を作らせて頂いて、それに合わせてリビングから見た印象も整えられたら良いなということで、クロスで仕上がっているキッチンの側面と背面にクルミの板を取り付けて、私たちの作るペニンシュラキッチンのような印象を作ったのでした。
食器棚は食器棚で細かい加工があったり扉に反り止めの金物をつけたりと、作るのは大変ではあるのですが、工房で加工ができるので、私たちのリズムで家具作りを行なうことができます。
今回のように壁にクルミを取り付けるような造作になると、現場ので作業量がとても多くなり、また、作業を始めてみないと読めない部分もあったりして、工房で作るのとは大きく違う緊張感があるのです。
特に今回はバックパネルとサイドパネルを留で納めるということ、キッチン側も少しクルミを張り込むので、その部分をどう仕上げるのか、私も事前に現地を見ながらあれこれイメージしていたし、制作を担当したノガミ君もあれこれイメージしながら現場で作業しやすいように製作を進めていってくれます。
それでもどうにも読めない部分はあったりするのですが、そういうことがあってもとてもきれいに納めることができました。
特に留め加工部はとてもきれいに納まりました。
昨日伺った時点でこの湿気の多さでも問題なく納まっていましたし、食器棚の扉が見た感じ大きく伸びたりもしていませんでした。
(多少伸びているのでしょうけれど、ヨコ目なので使い勝手に支障が出るような動きにはなっていなかったので良かったです。)
私の自宅の洗面台の扉は拝み部分もうこすり始めているし、トイレの戸も少し錠のストライク部分に擦り始めているのに、Iさんのところではそういうことが出ていないのが幸いでした。
でも、そのうち木の動きは出てくると思いますので、使いづらい部分などが出てきたらおっしゃってくださいね。
そして、もう1点がこうしてキッチンの周りに木製パネルを取り付けると、そのしまい方で気になってくるのが巾木です。
今回のIさんのところの巾木は白いものでしたので、クルミ材で囲われるとかえって目立ってしまう。
そこで巾木もクルミで覆うことにしたのですが、最近のシステムキッチンは一番下まで引き出しになっているフロアコンテナタイプが多いので、その被せた巾木の厚みでコンテナが開かなくなってしまう可能性があったのでした。私はそこまで想定できていなくて、現場でノガミ君たちがきれいに納めてくれたおかげで、コンテナがクルミの巾木にあたることなく使えるようにできたのでした。

そして、こうしてキッチンにパネルがついて、食器棚が設置されると、システムキッチンの吊戸棚の表情が気になってくる。
私もそこまではイメージできていなくて、その小さな吊戸棚の扉も今回クルミ材に交換したのでした。

そして、ちょっと大変だったのが、洗面台の造作。
前回、引き出しの前板をクルミ材に交換して、水ハネで汚れやすい鏡部分もクルミを貼りたい、と言われていたのですが、いざ付けようとしたら水栓器具にあたって入らなかったのでした。
ギリギリ入るかなあ、ともくろんでいたのですが、全然入らないようでした。
そこで、今日あらためて道具を持ち込んで、洗面台を一部解体して、洗面台の下に潜り込んで、水栓器具を外して、無事クルミ材を鏡部分に張ることができたのでした。

これで、Iさんの必要なものがひと通りに揃いましたね。
またいつでもお声掛けくださいね、Iさん。

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真鍮のハンドルを磨く。

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今のお家に暮らし始めて1年2ヶ月が経ちました。ドアに使ったHORIさんの真鍮のハンドルがいい感じにくすんだ色になってきました。
先日見学に来てくださった設計士さんも「いい色になっていますね。」と言ってくださいましたが、
親世代の人には、「こんなにくすんじゃって。ピカールで磨かないと。」と言われてしまう真鍮、面白いですね。
コロナウィルスの感染防止対策でアルコールを吹き付けて拭き取っとたりしているので普通の経年変化よりくすんでしまっているのかもしれませんが、こんな色見になります。
経年変化が楽しめるということで選んだ真鍮でしたが、銅を含むため、ステンレスと比べると殺菌作用があるようです。
家のすべてのハンドルがくすんでしまうと、どういう具合にいい色に変わっているのかがわからなくなってしまったので、一か所トイレのドアのハンドルだけ磨いてみることにしました。
ピカールをつけてペーパーが真っ黒になりながら磨く作業は見た目にもわかりやすくて楽しいです。
ピカピカのハンドルも可愛いですね。
いつの日か緑青が出ているハンドルとピカピカのハンドルを一緒に見られる日が楽しみなのです。

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チェリーのリビングボードたち

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草加のKさんのところを出たあとは、先日取り付けさせて頂いた調布のKさんから本棚の棚板の追加を頼まれていたので、ちょっと寄らせて頂きました。
おぉ、スケッチと同じ納まりだ。
あらためて感動。

棚板を測らせて頂いて、写真を撮らせて頂いた後にお茶を入れてくださいました。
「イマイさんに決める前にも数件家具屋さんに御見積をお願いしたのです。ある程度細かい提案をしてくださる家具屋さんもいらっしゃったのですが、どこか違って・・。なんだろうなあ。」と奥様。
「それって一体感なのだと思います。」とご主人。
なるほど。
「うん、他の家具屋さんもこういう子の字のレイアウトを提示してくれたのですが、ある程度決まった形が置かれているだけの印象がして、こうしたまとまりが伝わってこなかったのです。」
なるほどー。
「だから、私たちがイメージできない部分もきちんと見せてくれたイマイさんの提案や、他のお客様とのやり取りの様子がウェブで見られたことで、もうイマイさんにお願いしようって二人で決めたのです。」
ああ、これはうれしいお茶の時間でした。
また、何かあればいつでも呼んでくださいね、Kさん。
ありがとうございました。

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スパイスニッチのあるペニンシュラキッチン

写真は先日作業を終えた時の様子。

先日、雨風強まる朝に草加のKさんのキッチンの取付を行なっていたのでした。
あの時は、階段からのかなり困難な搬入を想定していたので、雨はイヤだなあと考えていたのですが、私たちの普段の行いが良いからか搬入の時だけ雨がやんで、(風は髪の毛逆立っちゃうくらい強かったのですが)無事に搬入できて設置も終えることができたのでした。
そして、今日はそのKさんの施主検査ということで、そのタイミングに合わせてオイル塗装の方法をお伝えするために朝からお邪魔させて頂きました。
「イマイさん、今日は朝から職人さんが作業されているので、塗装はやり方だけご説明頂ければ大丈夫です。」とKさん。
奥を見ると食器棚の設置をされている職人さんが黙々と作業されていました。
「おはようございます。」と挨拶だけしまして、さっそくKさんに塗装の方法を伝えて、施主検査までにはここを出なくちゃと思っておりましたら、「イマイさん、こんにちは。坪原です。」と職人さん。
??
「あっ、坪原木工です。」
「えっ、ツボさん?」
お、おぉ、まさかお互い工房から遠く離れたこの場所で、お会いできるとは思わなかった。しかも初対面。
45歳のおじさんは43歳のおじさんに会えてそれはもうドキドキしておりました。
ツボさんというと、もう20年以上前でしょうか。
父が陣頭指揮を執っていた頃にマンションのリフォームの仕事がありまして、そこの建具を作ってもらうのに坪原木工さんにお願いしたのでした。
その頃はツボさんの親父さんと私の父とでいろいろやり取りしていただけなので、私自身はお付き合いがなく、工事の時に建具の吊り込みを素晴らしい精度とスピードで仕上げていったという思い出だけが残っていて。
そのあともツボさんは厚木、私は寒川ということで、いろいろな話は入ってくるのですが、会う機会はなく一度電話でお話したきり。
話ばかりいろいろ耳にするので、私の中では何だかあこがれのような感じになっていて、いつかお会いしたいなあと思いながらあっという間に20年が過ぎていたのでした。
まさかKさんのご自宅でばったり会うとは・・。
何だか文通相手に初めて会うような新鮮な気持ちだったのです。(文通したことはないのですが)
いやあ、朝からうれしい。
と、そのようなやり取りで少し話し込んでしまって、「すごい偶然ですねぇ。」なんて話を合わせてくださったKさんをちょっとばかりお待たせしてしまいましてすみません・・。
そのあとは無事に塗装方法をお伝えして、今度お引渡が終わった時に実際に作業されるということで頑張ってください。
次はお引越しの後にその塗装の仕上がりの確認と写真を撮らせて頂きにお邪魔しますね。
こじんまりしたプライベートがほどよく保たれた集合住宅はKさんが時間をかけて見つけたすてきな住まいですので、仕上がりが楽しみなのです。

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紫蘇ジュース

出来上がったばかりの梅ジュースがもうなくなりそうなので、スーパーの野菜売り場で売っていた紫蘇を見つけジュースを作ってみることにしました。
「しそジュースって、アリエッティみたいだね。」と言う長女ハルに手伝ってもらいました。
(私はそのシーンを覚えていませんでしたが…。)
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茎から葉を取り熱湯に入れて茹で、
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葉が緑になったら取り出し、
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砂糖を入れて煮詰め、レモン汁を入れて冷やすというレシピで初挑戦です。
茹でると葉が紫から緑色に変わり、お湯は透明から濃い紫色になり、レモン汁で鮮やかな紫になる、色の変化が実験をしているようで、「なんか魔女っぽ~い。」とハルも楽しめたようです。簡単ですし、もっと小さい時から作ってあげていればよかったなと思いました。
保存容器は、ワインや日本酒などできれいな瓶を取っておき、それに入れてみました。
色も形もバラバラですが、この季節、ガラス瓶の涼しげな見た目は爽やかな印象になるのでいいですね。
味は、紫蘇というとふりかけのゆかりみたいな酸っぱい味を思い出してしまいますが、酸味はなくて、すっとした甘さの和菓子のような味です。炭酸水で割って飲んでいます。

本当のことを言うと、今年の梅ジュースを失敗したのです。
作って2週間くらいしたら泡立ち始めてしまい、「ええええ!」と困っていたら、失敗した時の対処法を掲載してくださっている方がいて助かりました。実を取り出し静かに煮詰めて保存容器に入れました。DSC_6425
緑色の瓶が梅シロップ、青色とKoushaさんのドレッシング瓶が紫蘇シロップです。
そんなことがあったので、娘たちが梅ジュースを飲んでいる姿を見ていても「失敗したんだよね。」と気になっていたのです。
味は美味しいのですけどね。(笑)
そんな不純な動機でしたが、良い経験になりました。
我が家の夏越しメニューがひとつ増えたお話でした

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小さな家具たち

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その頃、ノガミ君、カイ君、ヒロセ君の3人は杉並のGさんの現場に残りの家具の設置工事に。
(今日はワタナベ君だけが工房で作業をしております。)
先日はキッチンの設置がメインで今日は食器棚や洗面台の設置工事。
ずいぶんともの言いたげな洗面台たちの写真を撮ってきたのはカイ君でしょうか。

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森のなか

ご縁があって軽井沢まで出掛けておりました。
いつもは遠方のお客様へは何かあった時にすぐに対応できなかったりとメンテナンスが行き届かない部分も出てきそうなので、なるべく地元のメーカーさんにご依頼頂ければと思っているのですが、最初にセラミックカウンターのデクトンの意匠についてのご相談を頂いてそのお話にお応えしているうちに、お話の流れでありがたいことにキッチンを作らせて頂けることになりまして、今日はその設置場所の確認と、リノベーションを担当される地元の工務店さんにご挨拶をしてきたのでした。
このあたりは夏の時期は工事を控えなければいけないこともあって、まず前期で家の傷んだ部分を改築し、後期でキッチンを設置するということで、私たちは今度は9月に真っ黒なキッチンを持ってお伺いする予定です。
デクトン、運んでいる途中に割れないといいのだけれど、少し心配でございます。
軽井沢と言えば、「au soleil」のFさん、「山の春」のOさんがいらっしゃいましたね。
懐かしいです。
あの頃は圏央道がなかったのですが、本日こうして出掛けてみると、だいぶ車で行き来しやすくなって、2時間半くらいで到着するのですね。これからはこのあたりにお住いの皆さんにも家具作りをしていける距離になるそうだな、なんて考えておりました。

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5ミリのステンレスカウンターとナラ板目ランダム張りキッチン

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Oさんの現場に残りの作業を終えるために伺ってきました。
もうすぐで天板の養生も外れますが、もう美しいです。
内田さんとあれこれ悩みながら決めた形をOさんにこうして気に入ってもらえて実現したキッチン。
きっとね、掃除はしづらいです。いや、掃除はしやすいかもしれませんが、隅にゴミが少しだけたまりやすいかもしれません、Oさん。
でもこの形は美しいなあ。
もうすぐでお引渡です。
素材を変えたダイニングテーブルと、私たちの展示室で長年時間を一緒にしてきたテレビボードも梅雨が明ける頃にはここに置かれます。
またその時を楽しみにしているのです。

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スライドワイヤーシェルフ 収納とその掃除の仕方

オーダーキッチンでスライドワイヤーシェルフの収納を選ばれる方は「キッチンに風通しが良い収納場所が欲しい。」という要望がある方が多いです。
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一番多い理由がまな板をキッチンの見えないところに置きたいという方と、ザルや鉄鍋・フライパンをすぐ出せるオープンな場所に置きたいという方、他には、システムキッチンにはないかっこいい見た目だからという方もいらっしゃいました。
まな板を洗って、ふきんで拭いて、まだ表面が湿っていてもここに置けば自然乾燥してくれるのは、大きい木のまな板を使っていてもスペースもとられず助かります。
写真は我が家のキッチンなのですが、HAFELE社の幅60cmのものを使っています。ワイヤー収納というと色々なメーカーさんからも出てバスケットの形になっているもの等もありますが、形があるということは掃除の仕方も工夫が必要になりますので、メンテナンスの仕方も考えて一番シンプルなものを自宅には選びました。お客様が選ばれるのもこの形の場合が多いです。
フレームが太く曲がりも大きく接合部位に段差がないので、なべ底の油がフレームについたりしていても拭き取りやすいです。
丸洗いもできます。(大きめのシンクでないと洗いづらいと思いますが…。)
ただ、鉄鍋やル・クルーゼなどの鋳物鍋が置ける分、耐荷重がありフレーム自体が重いので、写真のように鍋が上に乗ったまま外してキッチンの天板上にのせる作業は力が必要ですので女性はやり辛い方がいらっしゃると思います。
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スライドワイヤーシェルフの下を床のままにするか、板を敷いて隠すか、悩まれる方がいらっしゃいます。
皆さん、まずキッチンの高さが決まり、ここに収納したいものを考えて何段にするか、バスケット型にするかなど決まります。
床を隠すとなると、その分収納スペースの高さが無くなりますので、収納を優先させる方の方が多く、床を隠す方は少ないです。
床が見えるということは、ここの奥に埃がたまります。
普段から掃除機のヘッドが入ることを想定した高さにしてしまうと、やはり収納の高さがなくなりますので、ワイヤーフレームを外した時に一緒に掃除機をかけましょう。
オープン収納の欠点は埃などがいつの間にかたまることだと思いますが、メンテナンスの方法がわかれば気持ちよく使っていくことができますね。