日記「自由な手たち」

20191017003

今年もどこにもないワークショップをやりましょう。

2019101700220191017004美しい金属のほかにヴィンテージタイルの魅力をとても丁寧に引き出した作品作りをされているjardimさん。今年もね、クレミルに楽しいワークショップを考えてくださっていますよ。
「今までは身に着けるものでしたから、今年はね真鍮でクリスマスのオーナメントを作ってみようかなって。」1枚の真鍮板と1本の真鍮棒が星や光の跡に生まれ変わります。
すごいよね、ものを作り出す力って。

今年のクレミルはね、短いんです。
でも、その中でいろんなことが体験できるような2日間にしようと思っています。
お楽しみに。

20191017001

ソファの張地を決めましょう。

フジタケワークスの藤武さんは私たちの知らなかったことをいろいろ教えてくださるので、打合せが楽しいのです。
今回のソファにはフジエテキスタイルさんのウールが多く使われている生地にしようと思っております。
その他ウールやリネンが多く使われる素材についていろいろとすてきな張地を見せて頂いたり、座面の布地を解体して、それから型を取るのだという作業中の皮やパイプの素材を見せて頂いたり、コンパクトな工房には魅力的なものたちであふれています。
少し柔らかめで左右だけマチを取った座面に、型崩れしづらいフェザーの背もたれという組み合わせが今回のソファに良く合うことにお話がまとまりました。
帰りにあきる野の中村酒造さんですてきなお酒を手に入れてささやかなうれしさとともに戻ってまいりました。

20191014002

11歳

20191014003チアキが11歳になったのでした。嵐の日が彼女の誕生日であの日はみんな気持ちが大変でしたので、昨日ハルカがチアキのために小さなケーキをたくさん焼いてくれたのでした。
そして、2日遅れになりましたがささやかにお祝いです。
おめでとう。

20191014001

福原さんとの次のお仕事

自宅を考えてくださった福原さんは今度は、寒川でまたすてきな形を考えてくださっています。
本日はその現地での打ち合わせでした。
クライアントのKさんや福原さん、そして施工はまた加賀妻工務店さんの近藤さんとも、土曜日の困難を乗り切れたことを感謝しあいました。
こうして近くで声を掛けあえる、気持ちを分かち合える方々がいることに感謝しております。
いよいよKさんの大きな家具の制作が始まろうとしております。
気持ちを引き締めて頑張ります。

20191013002

食器棚のオーダー「エアコン隠しの格子扉があるナラの食器棚」

嵐が去った翌日、予定通りにSさんのお引渡しが行なわれました。
「昨日は大変でしたね。」内田さんや施工を担当された市丸さんやSさんご家族とそういう言葉を交わしました。
2日前まで、無事ここに来られるのかっていう心配が大きかったので、こうしてこの日を迎えることができて本当に安心したのです。
皆さん、ありがとうございました。

IMG_1560

命を守る行動

台風19号。数十年に一度の災害といわれる大きな台風でした。皆様の住む場所は大丈夫でしたか。無事にお過ごしだとよいのですが。
私たちは、自宅がある海老名市、会社がある寒川町、どちらも相模川が氾濫すると浸水地域に在るので、前日から準備が必要でした。前日の夜中には雨の中相模川の水位が上がるサイレンが数回鳴り響いていました。
上陸する当日は、おとうさんは食料と寝袋を持って会社で見守り番をしに、私と娘2人は自宅で過ごす予定にしていました。
午前中から携帯に緊急速報のアラームが幾度となく鳴り響き、次第に強まる雨風に家にいて大丈夫なのだろうか?と不安が募ってきました。
もし水が来ても2階で過ごせばいいと、必要なものを2階に運びました。お昼ご飯を食べて「上陸は17時~21時」そこを乗り切れば大丈夫と思っていましたが、ハルの同級生の男の子が川の様子を見に行った時の写真を見せてもらうと、河畔のいつもサッカーや野球の練習をしているグランドが全く見えなくなるくらい水没していました。その後、17時から城山ダムを放流するというニュースが流れてくると、もう家で過ごす気持ちはなくなってしまいました。始めは「まだ5ヶ月しか住んでいない新居。早々に離れてなるものか!守り通してやる!」と思っていたのですが、ダムの放流で水位は2~3メートルは上がるという話を聞いたら、「もうここから逃げよう。」という判断しかできませんでした。近所の友人とも「どうする?避難する?どこに行く?」と避難場所の水位も確認しながら、連絡を取り合いました。おとうさんとも話し合い、車もあるし今の雨風の状況なら相模原の実家まで行けるだろうということで、1階が浸水しても被害が少ないように、急いで家具や書類などを2階へ運べるだけ運び、私たちは相模原の実家に避難しました。放流時間は21時半に変わりましたが、寒川の会社にひとりでいるおとうさんが心配なので連絡を取り合いながら過ごしました。
台風が通過しダムの放流後の水位も確認し、会社の無事を確認したおとうさんが夜中に帰宅し家に何も被害がないことを知りました。(私は寝落ちしてしまったので正確には朝知りました。ごめんね、おとうさん。)
実家で朝ご飯を食べた後、家に戻り川の様子を見に行きました。
いつもは鮎釣りをしている人がいる穏やかな川。水位はだいぶ下がりましたがまだいつもよりは高く、濁った水が速く流れていました。グランドには流されたサッカーゴールや木が点在していました。こんなに青かったっけというくらい空は青く。はっきり見える丹沢の山々。この景色が好きで海老名市のこの場所に住むことを決めました。土地を購入するときにハザードマップも確認していましたが、川の近くに住むということはこういうことなのだと身に染みて良く分かりました。家族全員が無事で過ごせている今があることに感謝して、これからも暮らしていきたいと思います。

20191013001

朝が来ました。

結局自分では何もできないって少し諦めながら、日が沈んでから強くなった雨風が次第に弱まるなか、展示室のガラス越しに外の様子を眺めていたのです。

15時から始まって21時頃まで頑張れば大丈夫って言い聞かせて、一人工房におりました。
心の拠りどころって、家族だったり、家だったりするのでしょうけれど、私の中には長年通い続けたこの工房も拠りどころのひとつで、アイも居るし心配なのでした。
アキコや子供たちには心配をかけるけれど、「工房を見てくるね。」と言って、まだ降り方の弱いうちから家を出たのでした。
その時間になるまでは、「ちょっと雨風が強いなあ。」と思える程度で、時間を迎えても前回の台風を見ていたからか、それほど危なさを感じては居りませんでした。
アイもさすがに外に出ようとは思わないらしく、ただ風の音が怖かったようで、いつも怖い時に逃げ込んでしまうスピーカーの下で居眠りをしていたのでした。
危ぶんでいた倉庫の屋根もしっかりしていて、飛ぶ気配もなかったし、倉庫の雨漏りも大きなものになっていなくて、人も車のも通らない裏通りを眺めては工房の周りを見回しながら、ただただ時間が過ぎていくのを待っておりました。
その少し前にアキコたちは「念のためにここを出るね。」と女子3人で相模原のバアバの家に向かっていたので、何となく私とアイと男子2人きりの世界でポツンとした気持ちだったのです。
夜21時ごろの雨風が一番強い時にふとアイが居ないことに気がついて、ぐるりと展示室を見て回っていたら、玄関で足を組んで座り込んでいました。
「ねえねえ、ここから水が入ってきているよ。」と不思議そうにこちらを見ます。
展示室の玄関はちょうど外が吹きさらしになっているので、強い南風が雨粒を連れてサッシの隙間から入り込んでくるのでした。
ビュウビュウ風が戸を叩くたびにサッシの隙間の水がピシャピシャと踊るように水滴が跳ねあがってはレッドシダーの玄関の床に水たまりを作っていきます。
「ああ、いけないね。」と言いながら、バケツと水を持ってきて、吹いては入り込んでくる雨粒と格闘しているうちにふと風がやみました。
本当にふと思ったらピタッと風がやんでいたのでした。
雨は小降りでもうそこに怖さはなくって、アイも水たまりを見飽きたのか、嵐が過ぎていったのが分かったのか、おなかが減ったようでニャアと鳴きました。
ああ、良かったと思った先に、放流を行なうという通知が携帯電話に流れたのでした。
屋根が飛ぶのが心配だったわけですが、川の水位も心配だった私は、見回りする間にパソコンに移る水位をずっと見つめていました。
嵐が過ぎたら家に帰ろうと思っていたのですが、この放流の知らせが来て、ああ、もうダメかなって気持になってしまったのでした。
予想水位を見ると、自宅の北では堤防をあっという間に越えてしまい、自宅の南でも堤防ギリギリというところでした。
予想では真夜中に水がやってくるという。
水が来ちゃったらどうしようもないのですが、すでに家具は作業台の上にみんなで載せておいたので、床上40センチくらいまでなら大丈夫。でも、材料全てを上に上げるのは困難だったから、使えなくなっちゃうかな・・。
自宅は来月みんなに見てもらおうと思っていたのだけれど、ちょっと無理かな・・。
でも、きっと川は持ってくれるはず。
なんて気持ちがオロオロしながら、その時間を迎えたのでした。
そして大変ありがたいことに、川は持ってくれて、日付が変わる少し前から少しずつ予想水位が下がっていったのでした。
良かった。
夜中に無事帰宅し、女子3人とは会えないまま、朝を迎えてまたこうしてここに居るわけですが、アイがここに無事座っていられることに大変感謝しております。

20191011001

ソファの座面

大きな台風がやってくるということで、午前中にいろいろと外の片づけをします。
10時頃母から電話が掛かってきて、「電線に掛かりそうな枝葉を切りたいのだけれど届かないから手伝ってもらえるかしら。」ということでちょっと実家に。
歩いて、この工房から歩いて3分のところが私の実家であります。
そんなに近いから、以前は、こうして私がこの工房を切り盛りするようになっても、しょっちゅう両親が顔を出す。
「ダイスケ、仕事はうまくいってるのか。」
「ほら、腹減ってると思ってパン買ってきたぞ。」
もう40を過ぎているのだから放っておいてください。(わたくし先日45歳になりました。)
そんな感じでいつもけんかになっておりました。
そんなわけで久しぶりに実家に行くと、母はだんだんとおばあちゃんで父もそろそろお爺ちゃんな感じだよね。

脚立に乗って、隣の電線に掛かっている枝葉を切っていると、おぉ、ハチの巣じゃないか。
脅かさないようにそろりそろりと切りはじめたわけですが、のこぎりでギリギリやるもんだから、ハチたちの羽がブンブンうなりだして、だんだんと怒り出してちゃって。
「やい、枝を揺らすのは止めやがれ。」って感じで。
幸い、飛び跳ねるくらい怒らせることはなく終わりましたが、この先枝葉を揺らされるよりももっと強い風がやってくるんだぜ。君たちも気を付けたほうがよいぜ。
すっかり片付けて、缶コーヒーをたくさんもらって、(やっぱりなんか用意してあった)会社の外の荷物たちが飛ばされないように縛り付けたりしてひと段落。
無事に何事もなく通り過ぎてくださいませ。

午後からは図面を描きながら、来週座面と背もたれをフジタケさんに頼みに行くために高さの検討。
心地よい高さ、そして硬さってなかなか表現が難しく、自分で感じてみないと分からないものだなあと改めて気づかされます。
良いかたちになるように頑張ります。
明日と明後日は、お休みになります。
無事に通り過ぎるように祈りながら過ごしましょう。

20191010008

食器棚のオーダー「格子扉のあるクルミの食器棚に会いにゆく」

2019101000720191010009201910100104年ほど前のことですね、Fさんのクルミの食器棚の納品をさせて頂いたのは。
こういう食器棚を作るのは初めてだったので、そのうち写真を撮りに来たいなって思っていたら4年も経ってしまいました。
今回お母様のテーブルのお話がいろいろ広がって、チェアとテレビボードも一緒にクリ材で作らせて頂くことになった時に、お母さまが使われていたまだとてもきれいなソファ(森のことばシリーズの表情豊かなソファです。)をFさんがもらい受けることになって、「それならぜひ私たちが運びますので写真を撮らせてくださいね。」ということでようやくFさんの食器棚の使っている様子を拝見することができました。
食器棚を置くスペースの上部が窓になってしまっていて、吊戸棚をつけたくても普通の形だと付けられない。思い切って窓を塞いでしまおうとも思ったそうですが、いろいろ工夫してね、最高と通気がうまくできるような吊戸棚を実現したのでした。
今日はとてもお天気が良かったので、良い具合に光が入り込んで、中に置かれたものたちがコロコロと浮かび上がって見えます。
「夜になると真っ暗になるからまた違った表情ですてきなんですよ。それと、この季節なら夕焼けの頃は赤い色が入り込んでまたきれいなの。」とうれしそうにFさん。
「それに全く不具合なく使えていてとてもうれしいんです。」と言って頂けて、こちらの気持ちもホクホクします。
扉がちょっとだけ傾いていたので、「じゃあ、きちんと使えているとのことですので調整だけしますね。」と調整したら、ネジの山が1本馬鹿になってしまっていてがたつきが出てしまっておりました。
あらあら、不具合アリですね。
急きょホームセンターに行きましたら、運よくスガツネの蝶番が販売されていて、無事に交換できてひと安心。
「それほど不便はないので、いつでもいいですよ。年明けだってよいくらい。」とFさん。
でも、いつでもってなるとなかなか都合がつかなかったりするので、そのまま年越しちゃったりしたらあまり良い気分ではありませんので、直せてひと安心。
次回作りたいと考えている家具の相談を戴いたので、かえって宿題として頑張ります。
所沢となると距離は遠いですが気持ちは近いですので、またお伺い致しますね。

20191010001

テーブルと椅子のオーダー「クリの円卓とチェアとテレビボードをお持ちしました。」

2019101000220191010003201910100042019101000520191010006今日は気持ちの良い日でしたね。練馬のSさん(Fさんのお母さん)は到着すると心地良い笑顔で迎えてくださって、荷下ろしをしていると間もなくFさんも到着。母娘が揃うとやはりアキコとバアバのように声が大きい。向かいで行なわれている解体工事の音よりも頼もしいくらい元気な声が響き渡ります。
制作を担当したのはカイ君。喜んでもらうことができてカイ君も照れくさそうにうれしそう。

クリの表情はとても美しく、今はまだ明るい色をしておりますがまもなく色が濃くなって導管に深みがよく分かってくると思います。今回初めての納品tのなった新しいかたちのダイニングチェアは、ほどよく可愛らしく、そして美しいかたちになりました。座張りはフジタケさんにお願いして、丸みを帯びた柔らかな印象で整えてもらいました。
座の厚みも薄めに作ったのですが、底つき感がなく、疲れない座り心地で、背の丸みもいつもながら座る人を軽く包んでくれる感じになりました。
椅子で工夫した部分の写真を撮り忘れてしまったのが残念。この加工を施せたからこの美しいかたちにまとまったのに、次回展示室用に製作する時にはそのあたりを皆さんに見て頂けるようにしたいと思っております。
円卓は今回はどうしても丸脚にしたくてね。
そして椅子もバランスを合わせるための面取りは、テーブルとの相性がよく仕上がりました。
テレビボードは私の自邸のものと同じデザインで、部屋の隅に合わせて五角形で制作。木口の丸みと格子の連続した表情は相変わらず美しく仕上がりました。
この格天井と真壁の古い作りのままの空間にはよく合うだろうなと期待していた通りの印象でした。
Sさん、ありがとうございました。
お預かりした椅子は良いかたちになるように考えてみますので、しばらくお待ちくださいね。

さて、Fさんのところへ行きましょう。