ひかり呼び込まれる

「コーリアンとタモ柾目のL型キッチン」

横浜 Y様

design:一級建築士事務所すずき/daisuke imai
planning:一級建築士事務所すずき/daisuke imai
producer:daisuke hirose
painting:daisuke hirose

タモ柾目とコーリアンのアール扉のあるL型キッチン
リビングダイニングから見た印象。図面では分かっていましたが、このようにふんわりと曲面が部屋に出っぱってくる印象にあるとはイメージできていなくて、この形がキッチンの優しい導入部分になっているのです。リノベーション前はこの曲面のあたりは壁だったので、とても開放感のある間取りに変わりました。
タモ柾目とコーリアンのアール扉のあるL型キッチン
タモ柾目の印象がまたとてもよく、とても静かなラインの連続が曲面でとても柔らかく整いました。
タモ柾目とコーリアンのアール扉のあるL型キッチン
キッチンカウンターはコーリアンの「ウィッチヘーゼルⅡ」。もちろん、1枚では搬入できませんので、2分割して制作して現場でシームレス加工を施して、継ぎ目なくつないでいます。
タモ柾目とコーリアンのアール扉のあるL型キッチン
キッチンの中の様子。突きあたり左のオープン棚があったところにはもともと洗面室に抜けるための扉があったのですが、以前の暮らしでもその扉が活用されておらず、冷蔵庫が置かれてしまっていたので、「きっともう使うことはないでしょう。」ということで塞いでしまってオープン棚を据え付けたのです。

最初にご相談を頂いていたのは2019年のことでしたね。
一級建築士事務所すずき」さんというめずらしいお名前だと思っていました。
その時はリノベーションにおける家具のご相談だったのですが、ご予算が合わなくて実現できなかったのですが、それからしばらくして再びお会いできる機会があったのでした。
ちょうどそのお話の翌年に湘南料理道具市というイベントに参加させて頂いた時にすずきさんを主宰する鈴木さんと山村さんが遊びにいらしてくださったのでした。
「あの時は実現に結び付けることができなくて残念でしたが、この先にはぜひイマイさんと一緒にお仕事させて頂ける機会を作りたいと思っております。」といううれしい言葉を頂いたのを覚えております。
いつかそういう機会が訪れたらうれしいなあ、なんて漠然と思っていたのですが、その2年半後に大変お久しぶりにメールをくださったのでした。

ハンスグローエのタリスM54
水栓器具は、ハンスグローエの「タリスM54」。シンクは洗剤ポケットを使たタイプを制作。
卓上型の食洗機
食洗機は下に組み込まないで、以前から使っていたものと同じように卓上で使えるタイプにしています。

「フリーハンドイマイ 今井様
以前、案件のご相談をさせていただき、湘南T-siteでのイベントにてご挨拶させていただきました、一級建築士事務所すずきの山村と鈴木と申します。
ご無沙汰しております。
お忙しいところ、再び、突然すみません。
現在、キッチン改修の設計依頼を受けていることもあり、もしよろしければ御社のショールームに一度お伺いさせていただけないかと思っており、ご連絡させていただきました。
急なご連絡にて、恐縮です。
お忙しいところ、恐れ入ります。
ご確認の程、よろしくお願い致します。」

コーリアンとタモのL型キッチンの引き出しの様子
食洗機下の引き出しの様子、1段目。
コーリアンとタモのL型キッチンの引き出しの様子
食洗機下の引き出しの様子、2段目。
コーリアンとタモのL型キッチンの引き出しの様子
食洗機下の引き出しの様子、3段目。

うれしいご連絡でした。

「私たちのことを思ってくださる方々がこうしていつもどこかにいらっしゃるのだなあ・・。」と、うれしくなります。
TーSITEのイベント時はいろいろな方々がいらして頂いていたこともあって、あまり具体的なお話ができなかったのですが、こうしてショールームにいらして頂いてお話を聞かせて頂けて、すずきのお二人の人となりがよく分かりました。

そして、本題です。
今回は、山村さんのご実家のキッチンをリフォームされるということで、その相談にいらしてくださったのでした。
その形はすでにまとまっておりまして、さっそく図面を拝見させて頂きますと、アールの扉がありますね・・。

コーリアンとタモのL型キッチンの引き出しの様子
シンク下の引き出しの様子、1段目。
コーリアンとタモのL型キッチンの引き出しの様子
シンク下の引き出しの様子、2段目。
コーリアンとタモのL型キッチンの引き出しの様子
シンク右横の引き出しの様子、1段目。
コーリアンとタモのL型キッチンの引き出しの様子
シンク右横の引き出しの様子、2段目。
コーリアンとタモのL型キッチンの引き出しの様子
シンク右横の引き出しの様子、3段目。

私が父からこの工房を任されるようになって、こうしてお客様から直接家具やキッチンの制作依頼を頂けるようになるまでは、内装会社さんや工務店さんから図面が届いてそれを形にする、という仕事が多かったのですが、あの頃って、住宅の家具よりも圧倒的に店舗什器の制作の仕事が多かったのです。
それで、什器となると必ずと言ってよいほど曲線の家具があるのです。
さらにあの頃にはNCルーターなんて大型の機械を使える機会がなかったものですので、曲線の径はすべて手作りでした。
1800ミリのベニヤを細長く裂いて、それをつなげて、先端にハンドトリマーを固定して、その刃先から3メートルののポイントに穴を開けてそれをねじで床に固定して電源ケーブルがベニヤに挟まらないように軽く首に巻き付けながら、トリマーを持つ手首を固定したまま中腰て円弧を描いて動きながら板をカットしていく作業を何度やったことでしょう。
ケーブルがベニヤにかんだりしちゃうとアールがへこんじゃってやり直しになったりして・・。
そういう作業を何度も繰り返してそこらじゅう木屑まみれになっていると、事務所から降りてきた父が、「何だか木工所らしくなってきたじゃないか。」なんて御気に入っていましたっけ。
仕事に山あり谷ありのせわしない時代でしたが、なんだか今考えるとどこか気持ちがのんびりした時代だったのかなあ。
そこから曲面に仕上げ材を張って言って仕上げるのですが、奇抜な色のメラミン化粧板や赤い石目調の派手な化粧板を張ったりして、いったいどういうお店に使われるのか分からないまま作り続ける日々でしたね。

ハーフェレのレマンⅡ
コーナー部分はハーフェレのレマンⅡを採用。
ハーフェレのレマンⅡ
レマンⅡの上段の様子。
ハーフェレのレマンⅡ
レマンⅡの下段の様子。

そういうこともあって、曲面の家具ってよいイメージを持っていなくて、こうして私自身が家具を設計するようになってからはほとんどそういう形状の少ない形が多かったものですから、曲面を見るとホゥと思ってしまうのです。
また、ここ最近インスタグラムなどで海外のインテリアを見ていると、大きなアールの壁だったり、円錐形の台座だったりと曲面で光が柔らかく表現されている空間をよく見かけます。
曲面も良いものだなあと最近ようやく思えるようになってきました。

さらには、私の工房にはないのですが、NCルーターが気軽に使用できるようになったことも曲面のハードルが下がった要因かもしれません。
そのNCルーターは、この工房からほど近い海老名の駅のそばにある神奈川県産業技術総合研究所さんで利用させて頂くのですが、今のところまだ大きな曲面の家具で使わせてもらう機会はなくて、iPhoneスタンドの制作で何度も使わせてもらったり、しばらく前に納品したあの特徴的なテーブルを制作した時にも使わせてもらいました。

今回のアールの扉はそれほど大きなものではないのですが、このキッチンの特徴的な顔になる部分のようです。
自作しようかどうしようかと悩んだのですが、そういえば以前に成型合板の会社さんがあいさつにいらしてくださったのをふと思い出したのです。
自作する場合はなかなかぴったりのアールにすることが難しく、今回のような両開きの扉になる場合は、召し合わせ部分の目違いが出る可能性がありましたので、専門業者さんに依頼する方が精度良くできますので。

コーリアンとタモのL型キッチンの引き出しの様子
コーナー収納隣の引き出しの様子、1段目。
コーリアンとタモのL型キッチンの引き出しの様子
コーナー収納隣の引き出しの様子、2段目。
コーリアンとタモのL型キッチンの引き出しの様子
コーナー収納隣の引き出しの様子、3段目。

そのあたりの作りを検討しながら、鈴木さん、山村さん、山村さんご家族にもあらためてこちらにいらして頂いて私たちの作る家具を見て頂いたりしながら、そのデザインと制作方法がまとまったところで、現地確認にお伺いしました。
今回はキッチン周りだけのリノベーションということで、内装工事はいつものようにkotiさんにお願いすることにしまして、一緒に現地確認に伺ったのです。

コーリアンとタモのL型キッチン
ガスコンロはリンナイの魚焼きグリル無しの4口ガスコンロ「RD641STS」。
ハーフェレのスライドワイヤーシェルフ
ガスコンロ下はスライドワイヤーシェルフ。
ハーフェレのスライドワイヤーシェルフ
スライドワイヤーシェルフの1段目。
ハーフェレのスライドワイヤーシェルフ
スライドワイヤーシェルフの2段目。
ハーフェレのスライドワイヤーシェルフ
スライドワイヤーシェルフの3段目。
コーリアンとタモのL型キッチンの引き出しの様子
ガスコンロ右横の引き出しの様子、1段目。
コーリアンとタモのL型キッチンの引き出しの様子
ガスコンロ右横の引き出しの様子、2段目。
コーリアンとタモのL型キッチンの引き出しの様子
ガスコンロ右横の引き出しの様子、3段目。

今回はこの曲線部分のほかに、キッチンをL型で作ること、さらに梁を囲むように吊戸棚を作り込む部分があって、その部分がきれいに納まるかどうかが心配だったのです。
築年数がかなり経っている木造住宅ということで、心配なのは壁の立ち具合に床の不陸です。
その具合を確認したいのですが、現在のキッチンがついている状態ですのであくまで推測の採寸になります。
実測をするためにレーザー距離計とコンベックスを併用して採寸をするのですが、いろんなポイントで測っても整合性のない数字が出てきます。
部屋が平行四辺形になってしまっているのだろうか・・。
天井から床までの高さもやはりポイントごとに違う数字になってしまって、どこを基準にしたらよいかを即断できず、工房で図面を書きながら検討していくことにしました。

タモ柾目の曲面の扉
コーナー部分の扉の様子。つまみはWESTというメーカーさんの不思議な丸みのあるツマミ。とてもよく合っております。
タモ柾目の曲面の扉の中の様子
扉を開けるとこのような感じ。中は固定棚になっているのですが、背板に棚板を固定するだけでは強度に不安がありましたので、手前に白くウレタン塗装で仕上げた柄を立てています。

壁と床の水平と垂直を出し直すところからの工事にすると、かなり大掛かりな工事になってしまうので、家具でそのあたりをうまく吸収できるようにしたいところです。
したいところです、などと言葉でいうのは簡単なのですが、L型の矩が出ていないとなると採寸した以上に家具と壁の間に隙間が開いてしまうかもしれず、さてどう吸収しようか・・。
これがキッチンなど物が入っていない空間でしたらきちんとした採寸が行なえるのですが、キッチンを解体してから採寸して制作という工程では、かなりの長期間の工事になってしまいますので、このあたりは予測しながら先行してキッチンの制作を行なわないといけないのが、リノベーションの難しいところなのです。
読めない部分があるから、隙間はフィラーやコーキングで納めるという方法が一般的ですが、どうしてもそれだと見栄えが悪くなってしまう部分ってあるのです。
特に今回はリビングから見える曲線の扉がつく方に隙間ができそうだったので、なるべくその隙間を見せないように納めたいのでした。

そのようなわけで、制作を担当するヒロセ君とどうすれば作りやすく、現場での調整がしやすいかをいろいろと検討しながら制作を進めていったのでした。
今回はヒロセ君の制作日誌があるので、詳しくはそちらを読んで頂けると彼の苦労がよく分かると思います。

コーリアンとタモ柾目のL型キッチン
壁に取り付けた棚板が何枚かありますが、ここも苦労した部分の一つです。
キッチンの壁付けの棚板
いつも壁付けの棚板をつける場合は、その工務店さんにお願いしていて、今回もkotiさんに取付をお願いしようと思っておりましたが、今回の壁がキッチンパネルになるということで、そうなると、あらかじめ棚板を壁に埋め込んでおいて、そこに合わせてキッチンパネルをくりぬいて納めるというのは、けっこう困難で、仕上がりもきれいにならないかもしれないという話になりまして、今回はスガツネの「隠し棚受」というものを使っています。私はこのタイプの金物をあまり信用していなくて、構造上、上からの力にとても弱いように思えて上から強い力が掛かると金物が壁からもげてしまうのではないかと思っているのです。今回は、あまり重いものを置かないということと、接着剤を併用して固定したので、どうにか固定することができましたが、できれば一般的なL型の棚受けを使いたいなあと思ってしまいます。

「今回は一級建築士すずきの鈴木さんと山村さんからのご依頼で、ご実家をリノベーションされてそこにキッチンと食器棚を設置すると言うご依頼でした。
キッチン、吊り戸棚共にL字型をしていて、タモの柾目突板、天板はコーリアンという人工大理石を使用しています。吊り戸棚とキッチンパネルの境目には照明が埋め込まれています。
そしてリビング側に、はみ出すな様な状態で半円状の収納があるのが特徴的なキッチンです。
社長と打ち合わせをしたところ、今回はリノベーションという事でY様のお宅は築年数が立っているので多少歪みが出てきていたそうです。
通常通り製作しますと壁と家具に隙間が出来てしまい、吊り戸棚のキワに仕込む照明と壁に8ミリ程の隙間が出来てしまう可能性があり、うまく取り付けする事が難しい上、見た目も悪くなってしまうことから、隙間として見えてきてしまうところは10ミリ程大きく製作し、Y様のお宅の壁にフィットする様、現場にて削り合せる事になりました。
製作する際は10ミリ大きく作れば良いだけの事なので難しい事はないのですが、取り付け時の事を考えると予定通りうまく取り付けられるかがとても不安になる点となりました。
そして、今回のキッチンの特徴的な部分である半円状の収納です。
扉がアールになると言うことはキャビネットは勿論の事ですが、中に入る棚板や、キャビネットと床の間にある台輪、天井との境にある隙間埋めの支輪(しりん)も同じ様に半円状になります。
形としてはただ丸いだけなのですが、真っ直ぐなラインで四角い形状の物を製作するのとは異なる点が非常に多く大変な作業になりました。
箱の天板や地板、中に入っている棚に関しましては、コンパスで円を書くのと同じ様に切ります。コンパス状の物の先に機械を取り付け半径を計り治具のベニヤを段取り、その後切りたい物にその治具のベニヤを取り付け、機械のガイドを当てなぞるように機械で切っていくと言う作業になります。
Rの形状の物は全て同じ工程かと言うとそういう訳でもなく、台輪に関しましては同じ作りをしてしまうと重くなってしまうため、骨組みを作り、強度を増すため一度ベニヤを捨て張りし、その後突板ベニヤを接着しています。
そして今回のキッチンで1番苦戦したのはRの扉でした。私達の工房でアールの扉を製作しますと大変多くの時間とコストがかかってしまう為、アール加工は専門の業者さんにお願いしました。しかし、1/4円までしか製作することはできないようで、吊り戸棚の扉は半円状に接着する事になりました。
ただ接着するだけですと、開閉するたびにジョイント部に僅かですが負担がかかりますので、扉の上下に同じアールの櫛型の厚ベニヤを切りボンドを塗りビスどめする事により開閉時の衝撃の負担を接着面のボンドだけで吸収するのではなく、ネジと厚ベニヤに逃す様に加工しました。
そして欲しい寸法に切り回していくのですが今回は一方通行のキャスターを使い、専用治具を作り扉を慎重に切り回していきました。
切り回しが終わると1番不安に感じていた、扉に薄い突板シートを貼る作業です。
速乾性のボンドで貼り付ける事にしたので一度貼ったら容易には剥がせません。
貼り合わせる時はみんなに手を借りシワの出ないように貼り付けていきます。不安を抱えていた割りに、すんなりとうまく貼れたな、と思っていたのですが翌朝見てみると所々にシワが。ボンドの水分で突板が伸びた状態で貼り、一晩かけて水分が飛んだからでしょうか。そのシワに熱を加えてローラーで押し付け再接着したり、シワが大きいところは重ね切りをしたりと、アクシデントは有りましたが、どうにか完成させることができたのでした。
そして取り付けになるのですが、やはり現場での削り合わせの作業も多く、大変難易度の高い取り付けになりました。時間も多くかかってしまいましたが、うまく取り付けする事ができ一安心致しました。
タモの柾目がシャープでスッキリした印象なのですが、リビング側に飛び出している収納が半円状で角のラインが出ていない為か、とても柔らかな雰囲気に感じます。
またリビング側に飛び出させる事によりアールの収納がキッチンとリビングとの一体感を生んでいるようにも見えました。
今回のリノベーションでは難しい点が多々有りましたが、無事取り付けまで終わり、ようやくほっと一安心することができました。
Y様、すずきさんお二人様、ありがとうございました。」

L型キッチンの全体像
矩の調整が大変だった吊戸棚です。左の壁と奥の壁が直角ではなかったことと、奥の壁が少し傾いていたので、その隙間調整がかなり大変だったのでした。
L型吊戸棚のコーナー部分
コーナー部分はこのようなシンプルな開き扉。
吊戸棚とレンジフードの様子
レンジフードはアリアフィーナのアンジェリーナ。もともとの換気扇の位置からずらしているので、ダクトの通り道を作るために吊戸棚内部を加工しております。
タモの曲面の吊戸棚の扉
吊戸棚の張り部分のおさまりとアール部分の納まり。ここもなかなか大変な納まりで取付に時間が掛かった部分でもあります。
吊戸棚下のLEDテープライト
LEDテープライト。このライトのおさまりもなかなか難しいところでした。レンジフードの後ろにもライトを回しているので、こうして吊戸棚がついてしまうと見えなくなってしまうのですが、かなり複雑に下地を作っています。
LEDテープライトのスイッチ
LEDテープライトのスイッチはシンク下のこの部分に設けています。

ということで、現場でも実際に取付し始めてみると、思った以上にある部分だけ壁が膨らんでいたり、天井が下がっている部分があったりして、想定通りに進めることが難しく、かろうじて余裕のある部分があったので、そこを調整することで納めることができたり、といろいろと乗り越えなくてはいけない難関がありましたが、どうにか無事に完了したのでした。

冷蔵庫上の戸棚とパントリー
冷蔵庫まわりの収納はこのような感じです。
タモ柾目の冷蔵庫上の戸棚
冷蔵庫上の吊戸棚の様子。
タモ柾目の冷蔵庫上の戸棚
その吊戸棚の内部の様子。今まであまり写真で説明したことがなかったのですが、天井付近についている白いプラスチック製の部品が耐震ラッチになります。
パントリー家具の納まり
収納出隅部分の納まり。突板同士を留めで突き付けて仕上げることもできるのですが、突板だけだとぶつけると大きく凹みやすいので、この部分だけ無垢材をつけています。このような納め方を通称「ヒモを回す」と読んでいます。
タモ柾目のパントリー
この収納の奥に洗面室の扉があります。扉や建具枠を解体して壁を作り直す、という作業を行なうと、コストが掛かってしまうということで、扉はそのままで洗面室から見えると、今でも開けることができない扉がそこにある状態なのです。

そして、鈴木様、山村様からもうれしいお便りを頂きました。

「フリーハンドイマイ様
お世話になっております。
昨日は、工事完了となり、出来上がったキッチンに両親も大変満足で喜んでおりました。
製作もさることながら、設置には大変ご苦労があり、本当にご苦労様でございました。ありがとうございました!
担当してくださった方(お名前を忘れてしまい・・・すみません。。)からこだわりポイントも教えていただき、丁寧に作っていただいたことが伝わってきたことも尚更、喜びにつながっている様子です。
綺麗な家具をつくっていただき、私たちも、今井さんに家具をお願いできて本当に良かったと思っております!
ありがとうございました。
また、機会がございましたら、ぜひ、お声がけさせていただきたく思っております!
そして、対応いただいたご担当の方にも、ぜひ、よろしくお伝えいただきたく。
それでは今後ともよろしくお願い致します。」

その後に、あらためてご挨拶に伺わせて頂き、写真を撮らせて頂きました。
こうしてみると、リノベーション前(写真を撮り忘れてしまったのですが)はキッチンが独立したひと部屋だったのが、リビングダイニングとつながったことで、より明るく優しい空間に変化したように見えます。 ひかりが柔らかく表現されているのはもちろんですが、まるで光がキッチンに集まってきているように思えたのです。

天板 コーリアン「ウィッチヘーゼルⅡ」
前板・扉 タモ柾目突板
本体外側 タモ柾目突板
本体内側 ポリエステル化粧板
塗装 オイル塗装仕上げ
キッチン仕上げ

コーリアンとタモ柾目のL型キッチン

費用につきましては、お問い合わせくださいませ。

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