porch blue

「ペンキ仕上げのライティングデスクとチェアのオーダー」

稲毛 B様

design:Bさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:hidenori terai/daisuke imai
painting:daisuke imai

スカイブルーのペンキ塗装のライティングデスクとチェア

こちらが全体の印象。


スカイブルーのペンキ塗装のライティングデスクとチェア

天板を開くとこのような感じ。天板を開いただけでは強度不足なので、下の引き出しを開けることで、補強しています。


スカイブルーのペンキ塗装のライティングデスクとチェア

こちらはシンプルな印象に仕上がった椅子。

机の部分を上にたたむライティングテーブルをオーダーで作って頂きたいのですがいかがでしょうか。
できれば椅子も同じ感じで可能でしたら油圧式のものなどできますか。」と、とても漠然としたメールを頂たのが2007年の2月9日。うーん、とりあえず油圧式の椅子は難しいなあ、なんて思って、「椅子は難しいですが、机はプランを考えてみますので参考となるような写真などがありますか。」とお返事をしましたら、左の写真を送ってきてくださいました。

porch013油圧式なんて聞いていたから、もうてっきりカチッとしたオフィス用の机をイメージしていたので、写真を見たとたんに「ホホーン。」なんて急に柔らかい気持ちになりました。ひとまず、この写真をもとに作図します。この写真と同じサイズの家具だとすごく小さな机になってしまうので。
しかし、こういうシンプルなデザインの家具は図面では表現しきれませんね。だって図面だと何だか変な形に見えてしまいます。もっと立体的になって、色がのって、初めてこの家具の雰囲気が出てくるのです。シンプルな形ほど図面では表現しづらいのです。それでもどうにかメールで説明しながらその図面の様子をBさんには分かってもらえて、さっそく細かい部分を打ち合わせに行くことに。

いろいろとお話を聞くと、この写真のような色と折りたたむと言うことができればあとは細かい部分についての意見はありません、とのこと。
「どちらかと言うと私の希望が形になることよりも、イマイさんがどんなふうにこの家具をオリジナルで作ってきてくれるかを見るのが楽しみなんです。だから細かい部分はお任せします。」と言われてしまいました・・。ちょっとプレッシャーです・・。
おおよそのプランは図面を見ながら決めたので、後は細かいディティールはこちらで考えましょう。角を丸めすぎればフニャフニャした印象になってしまうし、ただ角がとがっているとこの家具の雰囲気と合わないし・・。そのあたりは作りながらのバランスです。
そして、まずは塗装前の状態まで順調にできあがりました。
続いてペンキ塗り。うちではペンキ塗りはあまり行ないません。別にペンキはダメとかそういうわけではありません。良い雰囲気に仕上げることができるし、色も豊富なので家具の幅が広がります。ただ、オイル仕上げが好きなのであまりペンキを使う機会がなかったというだけのことです。
ただ、機会が少なかったと言うことは、ノウハウも少ないのです。外壁塗装をしている私の弟に頼むのも、忙しい時期なのでなかなか都合が合わないので、以前自宅の壁塗りの時に弟に教わった方法で塗ってみましょう。まずは、ホームセンターに行って、色見本の写真をパチリ。こんなところで写真を撮ってペンキの品定めをしていると周りから見ればちょっと怪しいですね。そりゃあ、万引きチェックしているおばさんにも目につけられてしまいます。(別に何か言われたわけではありませんよ。)
そして、その写真をBさんにメールで送ります。Bさんが選んでもらった色を再びホームセンターに買いに行きます。
Bさんが選んだ色は「ライトブルー」。カタログの切抜きに一番近い色です。ハケ塗りだけだとおそらくハケ跡が汚くなってしまうと思ったので、小さめのローラー(弟の経験上、このローラーもできるだけ細い方がネタ(ペンキのことです。)を伸ばしやすく使いやすいのです。)を使って広い面を塗り、角の部分だけ刷毛を使って塗っていきます。自分で言うのもなんですが、結構きれいですよ。でも塗ってみるとちょっと水色が強いなあって感じです。完全に乾いた感じはまた違いますね。ちょうどペンキも切れてしまったので(1缶で足りると思ったのですが、足りずに何度もホームセンターへ・・。)もう一缶を買って、こちらには緑を混ぜました。いい感じです。いいね、いいねなんて調子に乗って塗っていたら、今度はちょっと緑が強くなった気がします。「でも、このくらいにしておいてもっと使い込むと良い感じになるのではないかな。」なんて思い、この色で仕上げることにしました。ちょうどBさんから椅子の座面に張ってほしいと言うちょっと薄手の布も届き、完成。可愛いですね。
さて、納品です。Bさんには気に入ってもらえるでしょうか・・・。
「わぁ、かわいい。」一目見てとても喜んでくださいました。「布の雰囲気とも良く合っていますね。」喜んでもらえて何よりです。
納品後、「実は、前もって言っておけば良かったんですが、まだ塗ってほしいものがあるんです。」と今回の仕上がりを気に入ってもらって追加のオーダーを頂きました。
今度はこげ茶色の椅子をクリーム色とレモン色、レモン色と水色のストライプに塗り替えるんです。大変そうだけれど面白そうなお仕事です。

スカイブルーのペンキ塗装のライティングデスクとチェア

左右の小さな引き出しが、補強の腕になる引き出しです。


スカイブルーのペンキ塗装のライティングデスクとチェア

蝶番には厚めのミシン蝶番。


スカイブルーのペンキ塗装のライティングデスクとチェア

この天板を開く時に指を掛けるツマミがポイント。補強となる腕との高さをうまく調整していて、天板を開いた時にこのツマミが引き出しに引っかかるようにしています。


スカイブルーのペンキ塗装のライティングデスクとチェア

椅子の側面の印象。


スカイブルーのペンキ塗装のライティングデスクとチェア

椅子の座面の生地は、Bさんが気に入ったものを購入してお送りくださいました。


スカイブルーのペンキ塗装のライティングデスクとチェア

こちらは椅子を組んでいる時の様子。


スカイブルーのペンキ塗装のライティングデスクとチェア

ライティングデスクの塗装前の様子。シナ材とアルダー材で組んでいるので、とても明るい印象です。

スカイブルーのペンキ塗装のライティングデスクと椅子

価格:470,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は25,000円から)

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