オーダー製作例

toyohashi-kawamura-009

優しさに包まれたなら

豊橋 K様

design: Kさん
planning: daisuke imai
producer: kazunaga watanabe
painting: haraki tosou

マントルピースのような白いテレビボード
リビングルームの一角にどっしりとした印象。リビングからもキッチンからも良く見えるように、5角形になっているのです。
「ひとつお聞きしたいのですが、御社のHPを見てオーダー家具に興味を持ったのですが、オーダー家具を製作してもらうには神奈川県に住んでいないとだめでしょうか。直接採寸するとHPに書いてあったので他県では製作して頂けないのでしょうか。」
と言う質問を頂きました。
どちらにお住まいか書かれていなかったので、ひとまず今まで私たちが家具を製作させていただいた皆さんの地域についてお話しさせて頂きました。神奈川県内や近県の皆様はもちろん、福島県のマンションにお住まいの皆さんに家具を作らせて頂いたことや、軽井沢のFさんにキッチンを作らせて頂いたことなど・・。
だから、遠くても問題なくできます、と。
実は今までは、遠くにお住まいのお客様からのご依頼はお断りさせて頂いていたんです。家具は作って渡したら、「ハイ、お終い。」と言うわけではなくて、皆さんのところに届けてからがお付き合いの始まりだと思っていますので、そのお付き合いが遠距離だとなかなか大変だと思っていたからです。でもね、徐々に遠方にお住まいの皆様からお話を頂く機会が増えて、何となく作る機会も増えていったら、意外と何でもないことなのかもしれない、と思えるようになったのです。お近くにお住まいの方に比べると、打ち合わせに行くにも費用が掛かるし、納品の時は交通費も掛かるし、それに伴って私たちの人件費も掛かってしまう。でも、そういうリスク(と言うのかな。)があっても、私たちの家具が必要だと思ってくださる皆さんがいるのなら、作らないよりは作るほうが良いよねって思えるようになったのです。
だから、今回のKさんのご質問にも「できますよ。」とお答えしたのです。
そうしましたら、Kさんからお返事が届きました。Kさんは愛知県にお住まいで、私たちのホームページを見ていて惹かれた家具があったのだそうです。それが、10年ほど前に製作させていただいたマントルピースのようなテレビボードでした。
うん、愛知県なら以前家具を作らせて頂いた世田谷のTさんが、しばらく引っ越すことになって名古屋まで家具の移動を手伝ったことがありました。あの時、思っていたよりも近い距離に感じたのを思い出しました。
それに、この形のテレビボードは、なかなか作って頂けるところはないですものね、ふとあの時の大変さを思い出しました。
そのようなわけで、さっそくKさんのプランを作ってみました。マントルピースのような形で、テレビが入る構造。きっとレコーダーなどもあるだろうから、そのあたりも含んで考えて・・。
何度かプランをやり取りをさせて頂いて。その間に頂いたのが、冒頭の優しいお便りでした。

マントルピースのような白いテレビボード
こちらが正面から見た様子。とても大きいですね。下地にアルダー材やアユース材、シナ合板を使ってこのデザインを整形し、再度にウレタン塗装で白くコーティングしているのですが。ウレタンを拭くことで角が少しまろやかになって、これだけ大きなボードでも優しい印象になるのです。

この絵を見たら、ああ、もうあの家具がきっと大好きなんだなと一目で分かります。お便りに書かれていたご要望を元にさらにプランを良い形に変えていって、ようやくひとつの形ができあがりました。
さて、採寸です。今回難しそうな部分は、家具は壁に固定しないけれど、壁にぐるりと回っている腰板の化粧とモールがピタッと納まるような細工をしなければならない。それをきちんと採寸しないと納まりが悪くなっちゃうのですが、何しろ採寸漏れがあってちょっともう一度、と言うわけにはいかないので、少し緊張しながら、豊橋の駅に降りたのです。大きなおうちのリビングの一角に案内して頂きました。
Kさんは私と同年代の方でしたので、イメージしているものも考え方も近く、お話もスムーズでしたので打合せは簡単に終わりました。基本的に、「細かい部分はもうイマイさんにお任せします。」と言われておりましたので、細かい納まりの部分や聞いておかなければいけない部分についてをきちんと打ち合わせて、それから腰壁部分を採寸。
うーん、ちょっと壁の変形がありますね。置き家具できれいに納まるかな・・。とちょっと不安な部分も抱えながら、それから頂いたお土産を抱えながら、Kさんに見送られて帰宅。
新幹線は早いね。

マントルピースのような白いテレビボード
そして、こちらが、扉を開けた時の様子。 扉は開けたら、そのままボード内部に収納できるようになっています。ただ、専用の金物を使うので、全部は閉まらないのですが。 内部には、テレビとレコーダーやチューナーがしまえるようになっています。扉が少し出っ張ってしまう分、テレビも手前に引き出せた方が見やすい、ということになりまして、スライドテーブルの上にテレビが乗っております。

プランの細かい部分を修正して、さらに腰壁のところと壁の変形している部分についての納まりをイメージして、どうにかきれいに納まりそうだ、と言えるプランが完成。
よし、製作です。
今回は、新人の渡辺君が担当。まだここに着て1年も経ってないので、時々ビックリすることもしますが、彼にはセンスの良いところが見られます。作らせてみましょう。
いろいろ試行錯誤し、行きつ戻りつしながらも、完成。きれいにできています。
よし、あとは塗師の原木さんに白く塗って頂いて完成です。
そして、完成したのは良いのですが、取り付けは相変わらず不安を抱えたままです。うまく納まると良いな・・。
当日、夜明け前に出発した頃は雲行きが怪しく、掛川あたりではバチバチ言うくらいの雨でしたが、浜名湖を抜けると急に青空が。良かったと思ったのもつかの間、Kさんのお宅につく頃は、気温はぐんぐん上がり、太陽をさえぎる雲はどこかに行ってしまって、それはもう大変な暑さになってしまいました。もともと、変形した壁に合わせる加工は、バルコニーを使わせてもらって作業をする予定で考えていたので、暑さは覚悟していましたが、すごいね。何だか、体の中の水が全部出て行ってしまいそう。それでも、屋外でブルブルと工具を振り回しながら作業できたおかげで、壁に留めることをしなくてもきれいに納まりました。
フゥ、ひと安心です。
その後、お昼ご飯を頂いて、予定よりも早く無事会社に戻って来れたのでした。

マントルピースのような白いテレビボード
取付後にKさんが暮れた優しい葉書。

優しく温かいお便りが届きました。
「先日は素敵な家具をありがとうございました。
暑い中での作業で、本当に大変だったと思います。皆様のおかげで思ったとおり(以上!)のテレビボードになりました。
狭い部屋なのに不思議なくらい圧迫感がなく、家族みんな素敵だと言ってくれました。
本当に今井さんにお願いしてよかったなぁ、と思います。
大切に使っていきたいと思います。
また、愛知県からと言うことで、断られることを覚悟していたのですが、快く引き受けて頂き本当に感謝しています。 まだまだ暑い日が続きますのでお体に気をつけて頑張って下さい。本当にありがとうございました。」

マントルピースのような白いテレビボード
細部の様子その1。 側面も収納ができるような扉になっています。ただ、この扉まで装飾を施すと、大変時間が掛かるので、ここはシンプルな飾りで。
マントルピースのような白いテレビボード
装飾的な部分は一番打合せが難しいのですが、それは、頼んでくださったKさんも同じ。おおよそのラインを説明して、あとは任せて頂きました。印象としては、あまりゴテゴテした感じにしないと言うように考えました。
マントルピースのような白いテレビボード
側面の収納を開けるとこのような感じ。 こちらは極力目立たないようにしたかったので、押すと扉が開くプッシュ式。

マントルピースのような白いテレビボード
俯瞰した様子。 写真には写っていませんが、このテレビボードの上方に元々壁についているシンプルなブラケットがあるのですが、それも少し印象よくしたい、ということで、装飾面をつけた板を貼らせて頂きました。 またこの壁の奥の角に見える白い棒。これは、配線を隠すモールですが、こちらも木で作りました。
テレビボード
価格:630,000(製作費,塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は45,000円から取付施工費は35,000円から

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