木の家

「アルダーの食器棚と壁面収納のオーダー」

江ノ島 K様

design:Kさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:gaku suzuki
painting:gaku suzuki

アルダーのテーブルとキッチン面材交換でプチリフォーム

こちらが表面材を交換する前のキッチンの様子。今まで少し固い印象だったこの場所は、アルダーやカバの色によって温かくなったのでした。

そもそもKさんが私たちを訪ねてくださるきっかけを作ってくださったのは、「その日まで」の辻堂のSさん。
Sさんは、もうその日を迎えて、とても魅力的なお料理教室「kissako」をあのキッチンで開かれているのですが、Kさんの家具のお話ははじまったばかり。さてどんなふうになりますでしょうか。
もともと、Sさんと幼稚園に通うお子さんがご縁で知り合ったというKさん。
「私はどうもパソコンが苦手で・・」ということで、お電話を頂いたのでした。
ここから、距離もそれほど遠くないし、Sさんから私たちのことは聞いておられるだろうからと思って、まずはお話を伺いに出かけたのでした。
片瀬山をぐんぐん上った気持の良いところにKさんのご自宅がありました。ご両親が建てたその家は、今では珍しい板張りの内装に、コルク敷きの床。だいぶ、年数も経って、壁は日焼けし、コルクも色褪せている具合でした。

アルダーのテーブルとキッチン面材交換でプチリフォーム

そして、こちらが表面材を交換したキッチン。上の写真と比べると、印象が大きく変わったのが分かりますね。

そしてご挨拶。
まずは、どのようなことを検討されているかをお聞きしますと・・。
ダイニングテーブルがほしいということでした。そして、そのダイニングテーブル、ちょっと変わっていてこのダイニングの中央にどんと座っている大きな食器棚に沿って作りたいということ。(写真撮り忘れました・・、残念。)その食器棚は、キッチンメーカーさんの食器棚なのですが、このダイニングの部屋の真ん中になぜか壁に対して斜めに置かれているのです。この家の建築当時からこのレイアウトのままで、ちょっと使いにくいなあと感じながら、小さなダイニングテーブルを使っていらっしゃったのだそうです。

アルダーのテーブルとキッチン面材交換でプチリフォーム

こちらが壁に寄せた食器棚と連続するようにと追加したキャビネットの一部で、テレビボードになっているのです。

じゃあ、この変形したレイアウトに合わせて、L型のテーブルを食器棚に添わせるように作ろうか、それとも細長いテーブルを2台作って、用途に応じてL型に並べたり、時にはくっつけて普通の大きさのダイニングテーブルとして使おうか・・。そんなとても悩ましいテーブルのレイアウトをKさんとあれこれあれこれと話し合ったのでした。しかし結論は出ずに、もう一つ考えていたリビングに置かれたカップボードについてのご相談になりました。

アルダーのテーブルとキッチン面材交換でプチリフォーム

そのテレビボードの様子その2。壁にあったガス栓は、冬場寒くなるこのキッチンで、ガスファンヒーターがすぐに使えるように、この部分は収納を作らずに、天板だけが上を渡るような格好に。

こちらもキッチンメーカーさんの食器棚なのですが、なぜかリビングに飾り棚としておかれておりました。
さて、どうしようか・・。いろいろ悩んでお話をするうちに、「ここには本棚がほしいかな。」というKさんのご意見。
ふむふむ。本棚を作ってさらにこのカップボードをいかす方法は・・。
ということで思い切って、カップボードであることをやめにして、本棚とくっつけた収納にすることに。その場所も配置換えして、今まで中途半端だった位置をダイニングから良く見える位置に、本棚兼飾り棚とカップも見えないように大きな板の扉にしたキャビネットと言う大きな家具を作ることにしたのでした。

アルダーのテーブルとキッチン面材交換でプチリフォーム

この引き出しの引手。一番手間が掛かる加工なのですが、どうしてもこの形が良いのです、ということで、この食器棚とリビングの本棚も統一してこのデザインに。

「表面の素材を変えるっているアイデアはとても素敵。」とKさんがおっしゃってくださったように、カップボードはとても魅力的な収納に変わることになったのです。
そのアイデアが浮かんだら、良い案が次々と浮かびます。もしかしたら、このダイニングの真ん中にある大きな食器棚も動かせるのではないか・・。そして、この食器棚をいかして、使いやすい背の低い食器棚を壁沿いに作ったらどうだろうか、良いね、良いね、とお話しはどんどん大きく膨らみます。

アルダーのテーブルとキッチン面材交換でプチリフォーム

ブラウンガラスを入れたカップボード部分。側面のグレーの化粧板はキッチンメーカーの食器棚の名残ですね。

でも、そのおかげで、ダイニングテーブルは自由に作りやすい形を考えることができたのです。当初の目標は叶いましたね、Kさん。
その頃には、Kさんにも、まだ工事始まっていないにもかかわらず、この変化が目に見えるようでして、「それならイマイさん、キッチンの表面材も変えることってできるのかしら。」と。で、思いきってキッチンまで手を加えることにしたのです。
さあ、これは楽しみです。

アルダーのテーブルとキッチン面材交換でプチリフォーム

ブラウンガラスを入れた框扉はアルダーの無垢材を使って、突板の部分はカバ材を使っています。アルダーの突板がなかなか手に入らないので。

今回は、けっこう大掛かりになりそうでしたので、数回に分けて工事を行うことに。まずは、真ん中の食器棚が簡単に動かせるものなのかどうかを試して、リビングのカップボードを改装することに。
すると、意外とあっけなく大きなダイニングの真ん中の食器棚は動いたのでした。きっと床に固定されているって、この家に住み始めて14年間ずっとそう思っていたKさんもビックリ。置かれていただけだったのですね。食器棚が重くて、床がコルクだったから少し沈んで、固定されているようにがっしりと動かなかったのでした。
動かすのがすんなりいったので、リビングの方もすんなり動かせて順調順調。
続いての工事で、その動かした大きな食器棚に合わせて採寸し、製作した追加のパーツを設置して、壁に沿った大きなL型の食器棚の完成です。一部をテレビボード的に作り込んで、ダイニングでもテレビが見られるようにしました。

アルダーのテーブルとキッチン面材交換でプチリフォーム

テーブルは、柔らかく優しい印象に。天板はうすく見えるように縁のあたりでテーパーをつけて。 脚と幕板の関わりも、フラットにすることで、陰影の少ない優しい印象を出せました。

続いて雅一番大変だと予想していたキッチンの表面材の交換。やはり大変でした。錆びて動きがとても悪くなっていたスライドレールを修理して、扉の蝶番も悪い部分は変えて、耐震ラッチも追加して、今までは少し前に人気があった重厚なダークブラウン色の扉を明るいカバの扉に変えて、雰囲気ががらりと変わったのでした。
Kさん、とてもビックリ。「ここまで変わるのですね。」
イメージが大きく変わるって知っていた私もビックリ。「ここまで変わるのだなあ。」

アルダーのテーブルとキッチン面材交換でプチリフォーム

角のアールも良い感じです。

そして、最後は、ダイニングテーブルの納品。テーブルはKさんが好きな形をそのまま表しました。
すこし柔らかな曲線のある印象に。
こうしてすべての工事が無事完了。ちょうどこのころは年末。これで気持ち良く年を越すことができそうです。

アルダーのテーブルとキッチン面材交換でプチリフォーム

そして、最後にこちらがリビングの本棚とカップボードだった家具。カップボードだった家具は、中を見せないようにガラスの扉から大きな板の扉に変更。板の色が明るいことと、Kさんのリビングの天井が高いこともあって、軽やかな家具になりました。ちなみに下方に写っているコンセントは、色を悩んで黒にすることに。

その後、何度かKさんのお宅を訪ねて、追加のお仕事を頂いたり、細かいパーツをつけたりさせて頂いて、そのあとにお茶を頂いていた時。
「実は、イマイさんに家具を作ってもらってから、うちで良いことばかりが続くんですよ。」とニッコリ。
実は待望の2番目のお子さんを授かったそうで、そのほかにも良いことがいろいろあったとのこと。ホクホク顔ですね、Kさん。
これからのここでの暮らしがまた新たな楽しみですね、このたびはありがとうございました。

アルダーのラウンドテーブル

価格:270,000円(制作費・塗装費)

アルダーの本棚

価格:240,000円(制作費・塗装費)

本棚の隣の扉と前板交換

価格:90,000円(制作費・塗装費)

既存ダイニング収納のリメイク

価格:380,000円(制作費・塗装費)

システムキッチンの面材交換

価格:170,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は45,000円から、取付施工費は90,000円から)

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