窓のそばから見守る人

「タモのテレビボードのオーダー」

平塚 H様

design:Hさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:gaku suzuki
painting:gaku suzuki

タモを白く塗装して仕上げた格子のあるテレビボード

テレビボードの全体の印象。

「テレビ台をオーダーで作成していただけるところを探しています。仕上がりのイメージはどんなものが我が家に合うのか自分なりの答えが出ていませんが、形について以下の要望があります。
①リビングに置きますが南側が全部ガラス窓のため、転倒しないTV台が必要です。
②TVの左右にステレオのスピーカー(BOSE社の縦型)も置きますが。同様に転倒しても後ろ側倒れないように工夫してもらいたい。
現在のテレビはブラウン管ですが40型程度のテレビを購入する予定です。
建築家の持っている図面などがありますので設置場所の寸法などは必要があればFAX致します。
引っ越し以来、ずっとテレビの置き方がスッキリとせず、いつかはオーダーで、と思いながらずいぶん経ちました。
ブラウン管テレビが使えなくなるので、何とかしなくては?と本気で考えるようになり、ネットで探して御社を見つけた次第です。
市販のローボード型ではテレビが倒れた時は、ガラス窓が割れてしまうので、安定の良いボードに万が一の場合の壁なるものがついているのが 私のイメージですが、反対にどんなのが良いのか提案していただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。」
なるほど、そこで考えたのが窓際に置くと言うことでしたので、テレビボードの背面にパネルを立てると言うプランでした。そうすればスピーカーもそのパネルに固定できるし、南窓から入ってくる太陽光でテレビが見づらくなることもないかなと思ったのでした。また、テレビ台が倒れにくいように、奥行も深くしてきちんと自立するようなサイズにしたのです。
さっそくその形をお送りすると、Hさんに気に入って頂けて、ご主人と、それからHさんのお宅を設計されたと言う建築士さんが一緒に私たちのところにいらしてくださることになりました。
聞くと、ご新居を建てられてから8年間、ずっとテレビボードをどうしようかと悩んでいて、気がつくともうこんなに時間が経っていたのだそうです。いろいろと悩まれたのですねなんて思っていて、それよりも不思議だったのは、8年も経つのに建築士さんが家具1台のために、一緒に親身になってきてくださる姿勢が素晴らしいなあなんて思っていたのです。でも、Hさんご夫婦とその建築士さんのやり取りを聞いていると、「ここはこれでいいの?どうする?」「こうすればいいんじゃない。」とHさんのほうが年上に見えるのにとても、フランクと言うか親しげと言うか、とても砕けた言い方に、うーん、不思議な関係なのだなあと言うのがとても印象的だったのでした。
でもまあ、建築士さんにお墨付きを頂いたので、製作させて頂くことに。
だけれどその前に採寸です。
置くだけの家具でも、できる限り作り始める前に現地を見ておいて、運ぶのに問題はないか、とか、部屋の雰囲気とあうか、とか細かい部分を確認しておきたいのです。
到着したお宅は、外壁に銅を葺いた珍しい作りで、玄関からリビングに抜けると気持ち良いくらいに抜けた空間のリビングでした。さすが建築士さんが考えると気分が良いね、と思っていろいろとお話を聞いていると、その建築士さんは奥様の弟さんで奥様もはじめてのオーダー家具だから、分からないことを言われると不安だからと一緒に来てくださったのだそうです。
そういうことだったのですね。
なんだかあのやり取りを聞いていて驚いておりましたので。
現地を確認して、特に問題なくさっそく製作に入りました。
今回の課題は、パネル内に配線を通して、テレビまわりをスッキリ見せることとBOSEのスピーカーをうまくてレビボードに取り付けることでした。どちらもうまくいき、タモも表情の良いものが手に入って、程なく完成。
設置はご主人と、ケーブルをああして、こうしてと取り回して完成です。
8年待った甲斐がありましたと、奥様にそう言って頂けたことが一番の幸いなのでした。

タモを白く塗装して仕上げた格子のあるテレビボード

機器にあわせた棚の配置をしています。BDレコーダー、ケーブルテレビのチューナー、オーディオのコンポがコンパクトにしまえるようにしました。その配線がすべてパネル内に入ります。


タモを白く塗装して仕上げた格子のあるテレビボード

ルーバー扉を閉じた時の印象。今回はスッキリ見せるために、このルーバー扉も、引き出しもプッシュ式の蝶番とスライドレールを使っています。プッシュ式のスライドレールは、なかなか使いやすくて良いのです。


タモを白く塗装して仕上げた格子のあるテレビボード

その引き出しの様子。


スピーカーの壁掛け金物

頭を悩ませたのが、BOSEのスピーカーのどういうふうに壁に掛けるか・・。 このスピーカーが旧タイプのもので現行の壁掛け金物が適合しないと分ったのです。どうする・・。


専用のブラケットを自作

いろいろ悩んだのですが、思い切ってパーツを特注。いつもキッチンのカウンターでお世話になっている高橋製作所さんにお願いして、壁掛け金物をオーダー。これできれいに納まりました。

タモの格子扉のあるテレビボード

価格:380,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は20,000円から)

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