色が呼ぶ暮らしのいろ

「カウンター下収納のオーダー」

横浜 H様

design:Hさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:yuubokukousha
painting:yasukazu kanai

対面カウンターのリフォームとカウンター下収納

対面カウンターはハッチの枠に合わせて、カットしました。こうして見ると最初からこのカウンターだったように見えますね。

以前、継続してお仕事をさせて頂いていた施設があります。丘の上に立つ根岸森林公園内の一角にある馬の博物館です。ここの収蔵品を整理する棚をずっと作らせて頂いていたのでした。
まだ父も元気に現場作業をこなしていて(今は、ゆっくりするために私に一任してくれて引退したわりには、自分の住む町の仕事で忙しいのですが。)、私も20代で若々しく、取付の合間には、森林公園でお弁当を食べたりして。
懐かしいな、Hさんのお宅に向かう道でそう思い出していたのでした。
もう10年以上も前のことになります。

対面カウンターのリフォームとカウンター下収納

収納部分フルオープンの様子。

そのようなことを考えながら、Hさんのお宅に到着。築10年になるくらいのHさんのマンションの建具やカウンターなどはダークブラウン。少し落ち着いたアンティーク調の色がよく使われていたの時期でもあります。
Hさんがここに入居したのは、このマンションが立ってしばらく時間が経ってからのことだったそうです。その時にフローリングを張り替えて、Hさんの好きなチェリーの色を少しずつ増やしていったのだそうです。
そうですね、と周りを見回すと家具蔵さんのチェリーの家具がたくさんあります。今座っている椅子もテーブルも、ソファも。それだけお好きな樹なのですね。

対面カウンターのリフォームとカウンター下収納

ハッチの枠も元々はダークブラウンの建材でした。ここだけその色が残ると、印象がまとまらないと思いまして、アイボリーに塗装して壁と同じ印象にしました。

そのようなわけで、チェリーを使って家具を作ることに。そして、どういった家具でどう使っていきたいのか、Hさんのお話と、お部屋の状況からいろいろと考えていきます。
Hさんに最初にご相談頂いたのは、メールではなくお電話だったので、まだこの時はどんなご要望が具体的に決まっていなかったのでした。

対面カウンターのリフォームとカウンター下収納

カウンターをこの壁の角いっぱいまで持ってきたので、廊下からダイニングに入ってくる時に角にぶつかると痛いかな、ということで、ここだけ10Rに丸めています。あまり丸すぎると、また印象が変わっちゃうので。

いろいろとお話をお聞きすると、、まだお子さんが小さくていたずらっ子なこと、お母様のお世話もあり、ご自身のお仕事もあって、なかなか家事に専念する時間が持てないこと。だから、使いやすい収納を対面カウンターのところに作りたい、ということだったのです。

対面カウンターのリフォームとカウンター下収納

ノートパソコン収納部。

で、お話しをしながら、スケッチを描きながら、その場であれこれ考えるのですが、どうにも奥行が足りません。Hさんが一番にしまいたいって思っているファイルケースが、今の対面カウンターの奥行だとはいらないのです。カウンターよりも収納が出っ張っちゃうと、きちんと作ったっていう印象が薄れがちだし、奥行の違和感を出させないようにわざと高さを低く作るという案も、Hさんの暮らしには会わないし・・。

対面カウンターのリフォームとカウンター下収納

奥にコンセントを増設しています。

そうして考えたのが、対面カウンターごと作ってしまおう、と言うことでした。反れながら奥行を幾らでも調整できるし、ダークブラウンのカウンターにダークブラウンの収納だと重々しくなってしまうから、チェリーでまとめ直すこともできるし。
と言うことで、以前に行ったことのある方法で、既存の対面カウンターを壊すことなく、新しくカウンターをつけることに。
そうなると収納の自由度も増えてきます。

対面カウンターのリフォームとカウンター下収納

引っ張り出すと、手前のフタ(下に向かって開く扉)がぱたんと倒れて、スライドテーブルとフラットになります。

私が気になっていたのは、ファイルケースをしまうことも大切ですが、カウンターの上で出っ放しになって、配線がごちゃっとしていた通信機器たちでした。以前に何度かほかのお客様のお宅でも提案させて頂いたように、今はネット回線は無線でつなげるので、無線LANだけあれば、ルーターやアダプターなどはしまっちゃっても良いのです。閉まっておいた方が静電気でホコリがつくことも少ないし。
それに合わせて、奥様が家事の合間にちょっとパソコンができるようなスペースも作ったり、リビングからアクセスしやすい位置にお薬などを入れる引き出しを設けたり、と元々家具が好きなHさん。お話が膨らんでいきます。そうして、ひとつのアイデアにまとまったところで、今度は私たちのショールームを見て頂くことに。

対面カウンターのリフォームとカウンター下収納

ここが通信機器収納。一般的には、2台の機器と2台のアダプターがあるお宅が多いのですね。これをしまうだけでもカウンターの上がとてもすっきり。

「先日は、お打合せ有難うございました。
奥様やお嬢様のおかげで我が家のイタズラっ子も大人しく遊んでいられて私たちがビックリでした。
時間も予定通りで母の帰宅時間の1時間前に帰宅できました。
海老名PAも堪能で来て、プチドライブ気分でした。
頂いたポケモンの車のおもちゃは、ここ数日寝付くときに右手に握って寝るほどのお気に入りになりました。有難うございました。
自然豊かで、新幹線の通過にはビックリいたしましたが素敵なショールームですね。
「創作」を仕事にされている方って、きっと心豊かな方ばかりなんだろうなと思いました。
主人は、日々PCと睨めっこで会議三昧なのでクリエーターに憧れるみたいです。工房まで見学させていただき有難うございました。

対面カウンターのリフォームとカウンター下収納

当初は、プリンタをしまう予定でしたが、今のところはまだ用意がないということで、奥様のパソコンをここにしまって、上のスライドテーブルはご主人のパソコンがしまわれております。

そうして形もまとまりいよいよ設置です。残念ながら私は予定が別に入ってしまっていて、取付に参加することはできませんでしたが、現場の対面ハッチに合わせて、カウンターを加工して、それから収納を設置して、時間はだいぶ掛かったようですがきれいに納まったと、主任の村上君から連絡を受けて、ひと安心。カウンターの施工がかなり大変だったと思うのですが、ご苦労様でした。

対面カウンターのリフォームとカウンター下収納

最初に計画していたファイルボックスがギリギリに入る大きさにしています。もう少し奥行を深くしてしまうと、ダイニングスペースが狭くなってしまうということで、この寸法に。

こうして、Hさんの好きな木の色で、リビングとダイニングがまとまりました。

「おはようございます。
先日は、有難うございました。
お天気にも恵まれて、無事納品頂き感謝しております。
思った以上に室内の雰囲気も変わり、主人と満足しております。
早速、細々としたものを収納してスッキリいたしました。
りんご、お荷物になってしまいませんでしたでしょうか。不恰好ですが蜜入りできっと甘いだろうと思って、思い立ってお渡ししてしまいました・・・(笑)
実は、今度は先日お話ししましたように、リビングの壁面を整えたいと思っているのです。また考えがまとまりましたらご相談させてくださいね。」
少しずつHさんの暮らしの彩りがより豊かになっていきます。

対面カウンターごと化粧したカウンター下収納

価格:500,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は12,000円から、取付施工費は40,000円から)

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