オーダー製作例

ウォールナット材を使って既存の引き戸を化粧する

縞々模様

南麻布 M様

design:Mさん
planning:daisuke imai
producer:tsuyoshi kawaguchi
painting:haraki tosou

以前に、ベンチを作らせて頂いた南麻布のMさんからご連絡を頂いたのです。
「今度、部屋を移ることになって、リフォームをするのですが、そこにフロストガラスの引き戸を入れるのですが、そのガラスの装飾をお願いしたいのです。」と言うお話でした。
Mさんは海外の建具などを扱っていて、そのお部屋を時々ショールーム的に使えたらと言うこともあって、自社の建具を入れたかったのだそうです。
その建具は、突き板が接着された細いアルミフレームが厚い合わせガラスを取り囲むようにしてできているデザインのもの。そのままでもとてもモダンできれいなのですが、今まで住んでいた部屋にあった格子の建具の印象がとても気に入っていて、その格子をぜひこの建具に取り入れたいと言うことでした。
うーん、とても難しそうです。
元の建具はかなり厚い材でしっかりと組まれたものですが、今回作るものは、フレームの片面につけるものですので、厚みが出せず、強度が不足しています。接着できればどうにかしっかりとなりそうですが、接着できる面積がかなり限られていて、面でなく、線でもなく、点で接着していくのです。うまく行くのだろうか・・。
その後、建具がコンテナで運ばれてくる納期や、うちの仕事が忙しくなってしまったことなどで、しばらく間が空き、その間も「うーん、どういうふうに作ろう。」と心の片隅で不安になりながら、いよいよ製作が始まったのでした。縦格子と横格子はお互いに欠き込んで欠いた部分をはめ合わせていきます。通称「相欠き」という方法です。接着面積が増えるのと、お互いがかみ合うので強度が出せます。ただ、この欠き取りの工程が単純なだけに間違いやすく、製作を担当した河口君も緊張気味でしたが、無事に加工は完了。続いての難問は、色です。
いつも使っているブラックウォールナットと違い、ヨーロッパの方で使われているウォールナットは、どちらかと言うと明るめの色で、日本のくるみの色と、ヨーロッパのチークの色を足して2で割ったような色合い。私たちの材木屋さんでは、明るめのウォールナットが入らなかったので、塗装でその色を表現することに。一度漂白してから、着色をして、アルミフレームに巻かれているウォールナットの突き板の色に合わせます。うーんなかなか難しいね。
さて、一番の難問が接着です。
いきなりいろんな接着剤を現地で試すのはとても怖かったので、事前に試しておきました。強力な両面テープを使うのが良いかと思いましたが、一度貼ったら修正できないのが問題だし・・、木と金属が接着できるゼリー状の接着剤は一番接着力が確実だと思っていたのですが、塗布面がツルッとしているからなのか、何故かまったく接着力がなく・・。
結果として、シリコンを使うことに。これだと硬化するまでのオープンタイムがかなり取れるのと、接着力が何しろ強かったので。あとは段取り良く施工ができるかどうか・・。
と、かなり心配な部分がありましたが、色も良く、作りもしっかりとなり、良い雰囲気にまとまりました。
これでひと安心です。

既存の建具にウォールナット材で化粧を施す
ウォールナットの格子戸黒いハンドルの印象。

既存の建具にウォールナット材で化粧を施す
リビングから見た印象。

既存の建具にウォールナット材で化粧を施す
ダイニングからは反対側になるので、ガラス越しに見えます。

費用については、お問い合わせくださいませ。
ちょっと関わりのありそうな家具たち