オーダー製作例

アルダーの子供用デスクや本棚

心通う家具

横浜 K様

design:Kさん
planning:daisuke imai
producer:gaku suzuki
painting:gaku suzuki

アルダーの子供用デスクや本棚
別々の家具が寄り合わせてあるように見えないように、まとまった一つの家具に見えるように考えたのでした。

お子さんがだんだんと大きくなって、お絵かきをするようになってきたのだそうです。
絵を描いたり、字を書いたり、使うのならずっと使える良いものを使わせたいと、Kさんは思っていたのでした。
そこで、メールを頂いたのです。メールに添付されていたスケッチにはとても小さな机が2台、それから、本棚や片付けができるようにと引き出し。それらの家具を組み合わせて一つの家具のようにリビングの顔にしたい、というご相談だったのでした。
もう、そのスケッチでほぼできあがりの形が見えておりましたので、私はその形を作った場合はどのくらいの費用になるか、この場合はどんな素材を使ったらよいかをご説明させて頂いたのでした。
しばらくしましたら、Kさん、「まずはどのような素材があるか、またどんな家具を作られているのかを拝見させてもらえますか。」と言うことでいらしてくださることに。

アルダーの子供用デスクや本棚
ここは、本棚とお絵描きの道具をしまったりする引き出し。下はごちゃごちゃっとしまえるような引き戸。この引き戸は、反りを抑えるためにアルダーの無垢材と合板を重ねた作りにしています。

二人の元気なお子さんを連れて、Kさんと奥様がいらっしゃいました。
今回使おうと考えているアルダー材はこのような感じです、と、作って日の浅いブレッドケースをお見せして、使う混むとどう色が変化していくかを時間が経ったスツールをお見せして、(赤みが抜けて黄色みが増して明るくなっていくのです。)必ず小さな節が入ること、そして、またそれが良い表情になること、そういった素材の説明をさせて頂き、引き出しにはこういったスライドレールを使う予定です、とか、机は強度不足にならないようにこういう組み方をします、とか、そのプランに対しての細かい説明をさせて頂きました。
奥様はにこやかに、ご主人は気持ちが外に出てこないような表情でお話を聞いてくださいます。

アルダーの子供用デスクや本棚
引き出しはいつもの手掛け。

そこで、私は一つ思っていたことを打ち明けたのでした。
私たちが家具を考える時、なるべくその使う人のイメージを形にしようと心掛けます。もちろん、「家具については全く素人なので・・。」と皆さんおっしゃいますので、構造上無理なところや、とても印象が悪くなってしまうところは、いろいろとご提案をさせて頂いております。
今回のKさんの家具については、とてもシンプルにまとまっていたので、この形はとてもきちんとおとなしく納まってくれるという印象があったのですが、本棚や机や引き出したちを並べて一つの家具として見立てた時に、まとまって見えるかな、それなりに見えるかもね・・、と少し曖昧な印象を持っていたのです。でも、どうすればよいかはまだ私の頭の中でもモヤッとしておりました。
この打合せの中で、時々頂くご主人の意見と聞いているうちに、モヤッとしていたものが何となく形になって、それで思い切って打ち明けたのでした。
この家具は、お子さんが大きくなるまでのしばらくはこのリビングの顔になるのです。いつかはそれぞれの部屋で使われる家具でも今はひとまとまりの家具なのです。
その時に考えていたのが、もっとリビングでひとまとまりのある形にしっくりとさせたいということでした。

アルダーの子供用デスクや本棚
引き戸の引手もシンプルな船底引手。私たちが船底引手にする時は、市販の引手を使わずに、同じ無垢材から削って作っております。だから、違和感なくきれいに溶け込みます。

そして、考えたのが、それぞれの家具の天板を1つにつなげてしまうことでした。
やはり天板は1枚でスゥッと木目が通っていると気持ちが良いものです。それを、Kさんにお話させて頂いたのでした。
すると、にわかにご主人の表情が柔和になりました。
私が考えたのは、天板を1枚で作らせて頂いて、もし、将来それぞれの家具を別々に使うことになった場合のために天板は外せるようにしておくのです。
そして、小さな机はそのまま使えるので、本棚の部分と引き出しの部分とで天板を切り分けて、各々を使えたら良いかなと思ったのでした。
机の部分は書き物をしている時に天板が頭にぶつからないように、ちょっと窪ませて、それがきっと良い印象になるかなと思ったのでした。

アルダーの子供用デスクや本棚
机は高さ40cm。本当にちびっ子サイズです。いつか自分たちの丈に合わなくなった時でも、「昔はここで絵を描いていたね。」って思えるシンプルでどんなふうにも使える形です。

(使い方を変えようと思った時に、わざわざ私たちが顔を出して、天板を預かって切り分けなければいけない、ということに違和感を感じるかなと思って、意見を伝えるのを躊躇していたのです。だって、そうなると何だか、また頼まなければいけないみたいで気軽に別々の家具として使えないんじゃないかって、思ってしまうとちょっと寂しいかなって思ったのです。でも、結局その心配は必要ありませんでした。私たちとKさんの関係がもっと身近になれば、そういった相談ももっと気軽にしてくれるはずということに気がついたのでした。)

アルダーの子供用デスクや本棚
座るのは、昔大工さんに作って頂いたと言う、シンプルでしっかりしたかわいい椅子。この椅子のように年月とともに良い色になっていくのが楽しみです。

「私は、イマイさんのそういう意見が聞きたかったのです。」とにこやかにご主人。
「おそらくこの形のまま作って頂くこともできるのだと思っておりました。でもこの形が本当に私たちにとってベストなのか、使いやすいのか、美しいのか、それが私たちでは分からなくって。そういうふうにただ作ってくれるだけのところではなくて、良い方向へと向かわせてもらえるような人にお願いしたかったのです。」と。
帰りには、奥様よりもご主人のほうがにこやかな顔をしてここを出られたのでした。
自分たちが作る家具は、その人の暮らしに溶け込む形でなければいけないのです。自分たちの形ではなく、その人の形を的確に表現できなくてはいけないのです。
全ての気持ちが私たちを高みへと導いてくれますね。
毎日きちんと頑張っていくのです。

アルダーの本棚と子どもデスク
価格:400,000(製作費,塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は10,000円から
ちょっと関わりのありそうな家具たち

オーダー家具のある暮らし