約束

「ナラのテレビボードのオーダー」

茅ケ崎 M様

design:Mさん
planning:daisuke imai
producer:tsuyoshi kawaguchi
painting:daisuke imai

スリットの入ったテレビボード

形はシンプルなので、それがとてもストイックな印象を与えます。

「お世話になります、わたくし茅ヶ崎のMと申します。
突然のメール失礼致します。
テレビボードの製作をお願いしたくメールしました。大凡のイメージを書きましたので添付致します。
以前某家具店で、雰囲気の良いテレビボードを見つけたのですが、サイズが希望に合わない為ご相談させて頂きます。
お忙しいところ恐れ入りますがよろしくお願い致します。」
と言うメールと共に、1枚の添付ファイルがありました。うん、なかなかシンプルな形です。
それほど手間が掛からずに製作ができそうです。
概算金額をお知らせしましたら、Mさんがご検討されているご予算で進めることができそうでして、こちらに来て頂けることになりました。
いらしてくださったMさん。長身のご主人と優しそうな奥様。ご主人が何となく微笑んでいるように見えました。
ご挨拶をしたあとに、細かい部分についての打ち合わせを行います。細かい部分を聞いていくとだんだんと手が込んでくる形に変わっていきます。その分ある程度のコストも上がってしまうのですが、Mさんにとっては念願の形でしたので、Mさんの望む形がだんだんとまとまっていきました。
そうして、ひとつの形がまとまって、打ち合わせが終わった時に、「イマイさん、覚えていらっしゃいますでしょうか。」とMさん。
「?っ・・」
思い出せませんでした。
そのあといろいろとお話を聞かせて頂くと、Mさんがご新居を建てている時に、一枚の小さなカウンターに配線の穴を開けてもらいに来たことがあるのだそうです。
「いやあ、あの時はお世話になりました。大工さんだときれいに穴を開けられないって言われてしまったので、それでイマイさんを訪ねたのですよ。」
「そうでしたか。それで、うちのスタッフが穴開け加工を担当したのでしたね。」
「いや、イマイさんがやってくれたんですよ。(笑)」
「おお、そうでしたか。忘れてしまっておりました・・、すみません。(笑)」
あの時に、穴あけが終わったあとに少し雑談をしたのだそうです。(覚えていない・・。)
そして、Mさんは、ああここなら良い家具を作ってくれそうだ、と思ってくださったのだそうで、「次に家具を作るときが来たら、必ずイマイさんを訪ねますからね。」と約束してくださっていたのでした。(覚えていない・・、すみません。)
何だかとても嬉しいです。そんなに思われているなんて。本当にうれしいことです。
そういうわけで、Mさんの熱い思いと、私たちの気持ちが詰まったすてきな形ができあがりました。

スリットの入ったテレビボード

ご新居を建てる時に壁にレリーフになるようにタンボアを施工したのだそうです。それがうまくフィットするようなテレビボードのデザインです。


スリットの入ったテレビボード

オープンの部分にはAV機器が収納されます。


スリットの入ったテレビボード

レリーフ部分の書き込みと配線穴、そしてそれを塞ぐフタ。


スリットの入ったテレビボード

打ち合わせシート。

ナラ柾目のテレビボード

価格:300,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は10,000円から)

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