炎を囲んで

「リビングボードのオーダー」

二宮 K様

design:Kさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:all staff
painting:all staff

オークの対面カウンター収納とL型デスク

ダイニング全景。手前がリビングになります。ダイニングとリビングの境に一番上の写真のような暖炉があるのです。

相模川よりも西の方へ行く機会は少ないのです。どちらかと言うと、東が北か、それよりは、神奈川を越えた西か。秦野や小田原辺りにお住いのお客様からご相談を受けることが少ないのは、何故なのだろうって、時々思っていたのです。

オークの対面カウンター収納とL型デスク

アメリカンチェリーのダイニングテーブルから、対面カウンター収納を望む。

Kさんは、久しぶりに県西地域にご新居を建築される方でした。場所は二宮。少し走れば、海まで辿り着く小高い丘陵地帯でした。現地に向かう途中、賑やかな平塚、どこか懐かく優しい空気の流れている大磯、そこからしばらく静かな道を行くと辿り着くすこし賑やかな二宮。寒川を南下して工業地域を走り抜けた自分にとっては、走るにしたがって気持ちがおおらかになっていくよう。
そして、山を駆け上がっていくとあらわれる静かな住宅街。そこに木をふんだんに使った家。それがKさんのおうち。

オークの対面カウンター収納とL型デスク

暖炉越しにダイニングを望む。対面カウンター収納とデスクの関わりかたが面白いですね。

この家具がこの形に至るまではご主人が私のそばでいろいろ考えてくださって、隣で奥様がにこりとしながら、ご主人の様子を見つめる。そのように考えている時のご主人は、どこか少年のような面持でした。
最初は、奥様のキッチンを作りたいって言う気持ちから始まった家具のお話は、そこからいろいろ広がり、キッチンを作る以上に魅力の多い、施工の大変な(笑)家具たちになっていったのです。

チェリーのベンチとダイニングテーブル

こちらがシンプルなベンチと起きたばかりのお嬢ちゃん。

で、具体的にどんな感じになっていったかと言いますと、キッチンを囲うように作る対面カウンターと一体になったカップボードは、大工さんが壁をボードで塞いでしまう前に、カウンター用の材だけ先に加工して現場に納品し、あとから家具部分を施工していくという分業になったり、キッチンのシステムキッチンの側面を隠すサイドパネルは、キッチンとキッチンとダイニングの空間を仕切る面格子の間の隙に取り付けるのですが、うすくしなければいけないパネルの中に給湯機のスイッチを組み込んだりと、なかなかどうして大変な納まりだったのでした。
でも、その間も施工を担当された茅ヶ崎加賀妻工務店さんの大きな声で笑う現場監督さんやきちっとした納まりで仕上げてくださる大工さんのおかげで、そして、少年のようなまなざしで、家具のできあがりを楽しみにしてくださっているKさんの気持ちの応援もあってスムーズに仕事が運んだのでした。

オークの対面カウンター収納とL型デスク

対面カウンタ意の最上部はカップボードになっています。

最初の工事で、キッチンの対面カウンターまわりの家具と、それにつながるデスクを兼ねた収納を作らせて頂きました。それと合わせてリビング側にもサイドボードのような収納と、そしてテレビボードと大きな4台の家具を作らせて頂いたのでした。ありがとうございました。
それから、しばらくしてご新居が引き渡されて間もなくまたご連絡を頂いたのでした。

オークの対面カウンター収納とL型デスク

その扉は下に向かって開く扉になっています。

「イマイさん、実は、ダイニングテーブルもいろいろと探しているのだけれど、いいものが見つからなくて。イマイさんのところでまた作って頂きたいなって思ってお電話したのです。」
と、うれしいお便りでした。

オークの対面カウンター収納とL型デスク

対面カウンター収納とデスクの関わりの部分。椅子が入っているところがちょうどデスクになっていて、その右の扉を開けると機能的な収納になっています。

じゃあ、どんなテーブルが良いのかなって、さっそくKさんがいらして下さって打ち合わせをしてみると、とてもシンプルなテーブルを希望されていたのでした。今まで、いろいろな形の複雑さがあったから、ちょっと気持ちが抜けてしまいました。(笑)
「でも実際探してみると、こういうシンプルな形がなかなかないのですよ。」と、打ち合わせで使っている私たちのテーブルを眺めながら、そう教えてくださったのでした。
なるほど、そうなのですね。

オークの対面カウンター収納とL型デスク

それは、大きな扉と引き出しと言う構成です。どんなふうになっているのかと言うと・・。

ということで、お引越しをされてしばらく時間が経ってしまった頃に納品。最初の家具たちはナラ材でまとめたのですが、テーブルはアメリカンチェリー。
とても良い印象です。これでようやく家具がひと揃いですね。

オークの対面カウンター収納とL型デスク

ノートパソコンがしまえるスペースとプリンタを収納して置けるスライドテーブルがあります。 扉は右に向かって開くようにしておいて、机に座ったまま、プリンタが使えるようにしています。

と、思っていたのですが、またしばらくすると聞き馴染みのKさんの声。
「イマイさん、実はまた相談がありまして。」と。うれしいお便りです。

格子扉のあるAV機器収納とCD用飾り棚

こちらはテレビボードとその上に浮いているCD棚。

「今度はね、ベンチを探しているのですが、やっぱり良いものが見つからなくて。平塚に良さそうなベンチが売られていたのですが、実際はちょっと違って。」
ということで、テーブルと同じアメリカンチェリーでシンプルなベンチを作らせて頂きました。
よし、ようやくこれでひと揃いですね。

格子扉のあるAV機器収納

必要な機器がきちんとしまえるように設計致しました。

「お世話になっております。
とても美しい家具を作って頂き、主人もとても喜んでいます。
その家具たちのおかげで家の印象がずっと素敵になったと思います。
本当にありがとうございました。」
と奥様からもお便りを頂き、ひと段落。
これからの暮らしが楽しみですね。

オークのシンプルなサイドボード

そのテレビボードの反対面にあるリビング収納。こちらは書類や細かいものがしまえるようになっていて、しょっちゅう開け閉めしない戸棚ですので、ソファが手前に置かれるレイアウト。

と、今度は奥様。
「兄夫婦の家がもうすぐ始まりそうなので、間もなくイマイさんにご連絡がいくと思いますよ。その時はよろしくお願いしますね。」
と、うれしいお便りは続きます。

オークの対面カウンター収納とL型デスク

リビングの暖炉でごちそうしてくださった、Kさん手作りのピザ。これから、暖炉の中のオープンに入って、出てきた時が一番上の写真のようにこんがりと膨らんだピザとご主人の笑顔。

ナラのL型対面カウンター収納とデスク

価格:670,000円(制作費・塗装費)

ソファ後ろのナラのサイドボード

価格:310,000円(制作費・塗装費)

格子のテレビボードとCD吊棚

価格:300,000円(制作費・塗装費)

チェリーのダイニングテーブル

価格:250,000円(制作費・塗装費)

チェリーのベンチ

価格:150,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は40,000円から、取付施工費は80,000円から)

ちょっと関わりのありそうな家具たち