だいたんな流れ

「タモのダイニング収納とつながった食器棚のオーダー」

阿佐ヶ谷 M様

design: Mさん/daisuke imai
planning: daisuke imai
producer: masakane murakami
painting: Kさん

キッチンとダイニングをつなぐタモのバックカウンターと吊戸棚

キッチンから眺めた全体の印象。

「初めまして。杉並区のMと申します。
対面型キッチンの背後の食器棚と、その横に続くリビングボードを検討しておりまして、検索サイトやブログから御社のホームページを見つけ、これだ!と思いメールさせていただきました。新築でまだ間取りを詰めている段階ですが食器棚は大体幅180cm程度、リビングボードは幅270cm程度を想定しています。家の引き渡しは今年末の予定です。
GW中に寒川までいく予定があるので、よろしければショールームにおじゃましてみたいのですが、連休中の休日で営業されている日はありますでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。」
と、Mさんからご相談を頂きました。

キッチンとダイニングをつなぐタモのバックカウンターと吊戸棚

手前は炊飯器やポットを置くスライドテーブル。ステンレスの取っ手がついている引き出しは、食器をメインにしまうということで、ガチャガチャしないように、ソフトクローズのスライドレールを使っています。その奥の手掛けになっている引き出しは、ダイニング側で多目的に使う引き出しということで、通常のスライドレール。このように混在した使い方でも、きれいに整えることができます。

その後いつ見に来られるかを何度かやり取りさせて頂きましたが、小さなお子さんがいらっしゃってなかなか来るタイミングが見つからず、まずはメールである程度のやり取りをさせて頂くことに。たしかに小さなお子さんを連れて電車に乗ってここまで来るのはなかなか大変だったりします。特に私たちの工房があるこの寒川町は、神奈川の真ん中あたりに位置するのに単線の電車なので、慣れると心地良いスピードなのですが、ゆったりして時間がなかなか掛かってしまうのです。

家具のイメージスケッチ

Mさんが作ってくださったイメージファイル。とても分かりやすい!

そこでさっそくMさんが作ったイメージを元に、こちらで製作可能な形に図面を作り、その形を作った場合の金額をお知らせします。

キッチンとダイニングをつなぐタモのバックカウンターと吊戸棚

こちらはダイニング側から見た様子。タモの流れるような木目の引き戸が印象的になりました。

それを見て頂いてMさんからご意見を伺います。少し予算を越える形になってしまいましたので細かい部分を調整させて頂きながら、途中でようやくいらして下さるタイミングができたり、私が今のお住まいにお伺いしてなぜか少しウトウトしながらお話を伺うタイミングができたり、(ウトウトしてすみませんでした・・。)そんなふうにしながらおおよそ形がまとまったところで、ご依頼頂けることに。ありがとうございます。
ちょうどそのタイミングで現場のほうで電気の打ち合わせ(*)があるということで、今回家電のスライドテーブルなどがあるので、施工会社さんとMさんの打ち合わせに参加させて頂くことに。
*電気の打ち合わせは、お部屋ごとにコンセントの数を確認したり、コンセントやスイッチの使いやすい高さを決めたりするために、上棟後少しして、大工工事の半ば頃に行う現場が多いです。

キッチンとダイニングをつなぐタモのバックカウンターと吊戸棚

吊り戸棚の印象。よく使う部分の扉にはガラスをつけてカップボードのようにして、収納として使うことを主に考えた丈夫の扉はいろいろと隠せるようにタモの板の扉です。

もう一度あらためて現場を見に来るようだと、お引き渡し直後の家具の設置に間に合わなくなりそうなので、現場はまだ石膏ボードの施工中でしたが、石膏ボードの厚みを見越して現調し採寸します。
そして、いよいよ製作。

キッチンとダイニングをつなぐタモのバックカウンターと吊戸棚

KUMAさんのつくしツマミ。

今回使う素材はタモ材。
これは当初、コストなどを考えて私からの提案でタモ材にしていたのですが、いろいろと打ち合わせを重ねていくうちに、
「素材ですが、その後相談しましてタモでお願いしようかと思います。
ダイニングテーブルをナラ、床がチーク、さらにキッチン側のタイルをわりと個性的なものにしたのでナラでまとめたほうがまとまるのではないかと私は思ったのですが、夫がやはりタモの木目が通った表情が気に入っていて、どこかで使いたいと思っていたところ、こちらの「両手ですくった水を見ているような」のYさんの製作例を見て、「取り寄せる板次第だろうけどこんなダイナミックな流れが出たらいいな」とのこと。
めったにないことですので、チャレンジしてみようかと思いました。どうぞよろしくお願いいたします。」ということで、タモ材に決定したのです。

キッチンとダイニングをつなぐタモのバックカウンターと吊戸棚

そのツマミと、アトリエヨシダさんで用意してもらったハンマードグラス。槌で打ったような表情ということで、「ハンマード」。そして、ガラスを押さえる縁材を5mmの幅で作って、正面から飾りのように見せる仕上げが私たちの最近のお気に入り。

そして、ツマミはKUMA鍛鉄工房さん、ガラスはアトリエヨシダさんといつもの温かみのある組み合わせで家具はできあがりました。

キッチンとダイニングをつなぐタモのバックカウンターと吊戸棚

引戸の引手は、最近のお気に入りの30mm角。30mm角の四角い材を25mm角で浅く掘って、角はルータービットのそのままの丸みを残すと可愛らしく仕上がるのです。

施工当日は、ご主人が半日お仕事を休んでくださってお昼過ぎから開始。午前中すぐれなかったお天気が回復してきて寒さはありましたが、どうにか夜遅くにはならず日が暮れた直後に設置完了。良かった。
ご主人にもとても気に入ってもらえて、ホッとひと安心。
今まで細かく奥様と打ち合わせたこともあり、お仕事で出掛けられていた奥様に会えなかったのは残念ではありますが、まずは完了です。
また機会を作ってお邪魔させて頂きますね。

キッチンとダイニングをつなぐタモのバックカウンターと吊戸棚

手前の狭く開いているスペースは、パソコンがしまえるようなオープンスペース。ダイニングテーブルを置いた時にテーブルの延長のように使えたらいいなと思っております。

その後、奥様からお便りを頂きました。
「昨日はありがとうございました。仕事が遅くなってしまい、お目にかかれず失礼しました。
待望の取り付けに立ち会えず残念でしたが、写真をみながらわくわくしておりました。
(Facebookも拝見しました、素敵な写真を載せていただいて嬉しいです)
今日新居に見に行くのが楽しみです。お近くにお越しの際にまた是非お立ち寄りいただければと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。」

キッチンからダイニングへ続くタモの背面収納と吊戸棚

価格:860,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は20,000円から、取付施工費は60,000円から)

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