オーダー製作例

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター

懐かしくも新たな気持ちで

浦和 K様

design:Kさん
planning:daisuke imai
producer:kouhei kobayashi
painting:kouhei kobayashi

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター
リビングから見たキッチンの様子。茅ヶ崎のKさんの間取りをひっくり返したようなこの空間のレイアウトがどこか懐かしいのでした。

私たちが現在の木製オーダーキッチンを作るきっかけを与えてくださったのが、茅ヶ崎のKさんと言うお客様でした。
海の近く、ソラの近く」のKさんです。
2005年のことでしたので今から11年前のことです。当時はまだオーダーキッチンと言う言葉も定着していないし、木でキッチンを作るっていうことはイレギュラーなことだと思っておりました。
とてもスタイリッシュに気とステンレスを使ってキッチンを作る作家さんもいらっしゃいましたが、私たちには縁がないことと思っておりました。
何故なら、キッチンはキッチンだと思っていたからです。
キッチンが家具だよって今ならそう言えるのですが、当時はキッチンは家に最初から備わっているもの、すなわち「設備」と言うものと思っておりました。
組み込まれる機器のことも全く知らないし、水を使う場所で木を用いる仕事なんて、どちらかと言うと遠回りしていたくらいです。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター
キッチンバックパネルの印象。今回のサイドパネルとバックパネルにナラの節アリ材を使っています。木目の良く通った斑のあるきれいなナラ材とはまた違ったとても味わい深い表情です。

それが、その茅ヶ崎のKさん、ある日突然(私が留守の時に)ショールームにやってきて、キッチンを作ってくれる家具屋さんを探しているのですって、まだ現役で頑張っていた父に相談したのでした。
それがもうあと1ヶ月で新居の工事が始まってしまうのだそうで、あとから聞いた話では、お願いしていた家具屋さんに急にキャンセルさせられてしまったのだそうです。
それは大変なことだと思いましたが、未経験の私たちにきちんとしたものができるのか確信もないまま、「お手伝いできることはお引受け致します。」と、父はどこかためらう部分もあったのでしょうけれど、このまま見過ごすのはいけないと思ったのだそうです。
当時の私たちスタッフは、「あら、また社長が難題持ってきたね・・。」と言う感じでした。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター
バルコニー側から見た様子。バックパネルとサイドパネルをステンレスカウンターから少し立ち上げるデザインは、茅ヶ崎のKさんのスタイルをそのまま受け継いでいます。

それからKさんのお引き渡しまでは大変でしたね。未経験なものでひたすら勉強。機器についての勉強。キッチンの素材選びの勉強。ステンレスカウンターなんてどうするんだ・・。現場でのアクシデント・・。いろいろありましたが、Kさんも工務店さんもとても親身になってくださって、みんなで作り上げた最初にキッチンと私は今でもうれしく思っております。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター
シンクもオーソドックスな形。あの頃と変わったのは、四隅のアールを20Rにしたことでしょうか。

当時、(今は削除してしまったようですが)このKさんの家作りの記録が、ネットでとても評価されて、日本全国いろいろな人たちがこのブログを見ていたのです。
いろんな雑誌に取り上げられたり、テレビのCMにもリビングでロケが行なわれたり、それは大変に賑わいでした。
そのブログや雑誌を見た皆さんが、「Kさんのようなキッチンを作りたいのです。」と私たちの声を掛けてくださった皆様。
その皆様に支えられて、今こうしてキッチンを作るメーカーのひとつとしてここに居ることができるのです。
本当にありがたいことです。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター
食器洗浄機はミーレの45cmのタイプ。
節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター
食器洗浄機の扉を全開にしたところ。

そして、そのKさんの高校時代のご友人(だったかな)で、Kさんのブログにもちょくちょく名前が出ていたKさん。私もそのブログをよく読んでいたので、変わったニックネームの人だってずっと思っていたのです。
その人からメールを頂けるとは思ってもいませんでした。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター
こちらは、最初のお問い合わせでKさんから頂いていたスケッチ。

「こんにちは。初めてメールさせていただきます、Kと申します。
茅ケ崎のKさんの友人です。Kさんのおうちでキッチンを見て、一緒に料理をしたりして、使わせていただいていたので、家を新築する時があったら是非イマイさんのキッチンを・・・とひそかに思っておりました。
このたび、土地を購入し、建築家さんと契約をしたところです。さいたま市ということで、だいぶ距離があるところの土地を購入したので、今回イマイさんのキッチンをオーダーできるのかどうかといったご相談です。
プランもまだ全く決まってな状態ですが10月には完成を目標にかかげています。
前回の打ち合わせではキッチンをイマイさんで、という話を建築家さんにさせていただきました。
もちろんOKだったのですが、さいたま市なので、まず、距離的にOKなのか、もしOKであればどんな進め方になるのか、打合せなどは?といった話になりました。
予算もまだ未確定ですが、予算的には余裕のある感じではなく若干厳しいものもありそうなので、そこらへんもご相談したいところです。
オーダーキッチンならば、Kさんのキッチンのようなステンレストップの木張りにとても憧れています。
もしさいたま市でも可能であれば、だいたいの寸法をご連絡し、どのくらいの予算でできあがるのか、その予算でいけそうなのか検討させていただきたいと思っています。
よろしくお願いいたします。 」

これほどうれしいメールはありませんでした。

茅ヶ崎のKさんはお仕事の関係であのお家はしばらくの間貸してしまって、海外でご活躍されているのでこのKさんのお話を聞いたらどう感じてもらえるかな。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター
ガスコンロは、リンナイのデリシア。

Kさんとのやり取りはどこか懐かしくとてもうれしいものでした。
プランは、当時の茅ヶ崎のKさんのプランに近い形で、今回はバックカウンターも一緒に作らせて頂けることに。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター
こちらはバックカウンターの扉の中の様子。内部は掃除がしやすいようにポリエステル化粧板を使いました。

いつも思うことなのですが、私は皆さんから見ると専門家のようです。
こういう言い方は変なのですが、自宅は普通のマンションなので(今のところは)、またキッチンもマンションの購入決定時期が遅かったため、仕様変更できないとても標準的なシステムキッチン。引き出しの使い勝手などに不便があったり、構造が弱い部分もありますが、14年経つ今も大きく壊れることなく使えております。料理は時間のできた週末に手の込んでいないものを作るくらいですし、洗いものはそれほど嫌いではありませんが、食器洗浄機も使ったことない。
自分自身にとってはいまだオーダーキッチンは未経験なのですが、今まで皆さんのキッチンを作らせて頂いた中で学んだいろいろなことを自分の中で混ぜ合わせて自分らしく、みなさんらしい形であるように提示しながら仕事をしてきました。
でも、「プロの目から見て、ここはどう思われますか。」って聞かれちゃうと、照れますね。
こんな自分がプロフェッショナルなのかなって。
まだまだ思い至らない点は本当に数多くありますが、使っていってくださる皆さんが後ろから見守ってくださっていることが分かるのが大きな支えであり、プロって思っていいんだって自信につながっております。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター
引き出しの様子、その1。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター
引き出しの様子、その2。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター
引き出しの様子、その3。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター
引き出しの様子、その4。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター
引き出しの様子、その5。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター
引き出しの様子、その6。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター
引き出しの様子、その7。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター
引き出しの様子、その8。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター
引き出しの様子、その9。

Kさんとのやり取りの中でも、いろいろな相談をされました。家具の構造上のことではなく、キッチンの使い勝手のことについて。きっとそれはKさん自身が知っていることだと思うのですが、私がすべきことはそれに気づかせてあげることなのだと、打ち合わせをしていると思うのです。それができることがプロなのかなって何となく思うのです。
引き出しを胴のように使ったら良いのか、食器洗浄機は自分の立つ位置のどちらが良いのか、キッチンとバックカウンターとの間の距離はどのくらいが良いのか、きっといつもの感覚では分かっているけれど、それを新しい暮らしにどういうスケールで組み込んでいくのか、そういう分かっていることをきちんとあらためて知って頂くことで、使いやすい形に成っていくのではないかと思っております。
こうして考えた形は、特に何か大きな特徴があるという形ではないのですが、Kさんにとってしっくりくる形となったのです。

そして、それがきちんと納まるように現地でKさんと設計士さんと工務店さんとで打ち合わせです。
新築でさらに2階がキッチンとなるといろいろな問題が起きやすく、今回の現場でも配管の取り回しがちょっと複雑になりそうで、床を転がす形で配管することになり、最下段の引き出しは奥行を小さくして配管が通せるような構造にすることになりました。でも、問題はここだけ。あとはすんなり納まりそうです。
今回の現場では、他の業者さんとの関わりが少ない、ということで、工事の最後のほう(クリーニングが入る前後)に施工させて頂くことになりました。

そして、施工当日。最初にご相談頂いていたのは2月の寒い頃でした。そしてこの日も1月と言う冬の真っただ中。
少し前の天気予報から心配していたのですが、浦和のほうは空気がたまりやすいからなのか、他よりも湿気などの影響を受けるようでして、先日降った雪がここではまだたくさん残っていたのです。
会社のある神奈川ではだいぶ溶けていたので、ちょっとビックリ。その雪の影響かほかの業者さんの工事もかなり立て込んでいて、さてどうしよう・・。
と、ちょっと不安な面持ちでいたのを察してくれたのがか、工務店さんに電気屋さんにと業者さんが気を使ってくださって、雪が残る庭からバルコニーに揚げる道を開けてくださって、どうにか無事搬入完了。
工場で一度仮組みしているので、搬入さえ無事に終われば、現場で組み上げるのは慣れた手つきです。
こうして無事に設置を終えて、Kさんのキッチンは完了したのでした。

「土曜日は遠路遥々ありがとうございました。
キッチンのお手入れ方法、そしてダイニングテーブルの修理までしていただき、本当にありがとうございました。
ブログも早速拝見させていただきました。
とても素敵に写真をとってくださり嬉しい限りです。本当に念願かなってのキッチンなので、愛着が日に日に増していく日々です。
また今後新居に家具が必要になった際は、イマイさんに絶対お願いしようと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします<m(__)m>
それではまだまだ寒い日が続きます。体調にお気を付けください。
それでは今回は本当にありがとうございました。
連絡遅くなり申し訳ありません。」

そう、ダイニングテーブルは、DIY好きな茅ヶ崎のKさんのご主人からプレゼントされたものだそうで。天板の裏を見ると、当時私がアドバイスした通りにきちんと組み立てられていました。ただ、その脚のネジが緩んでしまっていたようで、今回しっかり止めることで無事解決。こうしてみんな住む場所が違ってもいつまでもつながっていられることはとてもありがたいことなのです。

キッチン仕上
天板 ステンレスヘアライン
扉・前板 ナラ板目突板練り付け
本体外側 ナラ板目突板練り付け/ナラ節アリ無垢材
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
塗装 ワトコオイル塗装「ナチュラル」
バックカウンター仕上
天板 ナラ板目無垢材
扉・前板 ナラ板目突板練り付け
本体外側 ナラ板目突板練り付け
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
塗装 ワトコオイル塗装「ナチュラル」
ペニンシュラタイプのキッチン
価格:790,000(製作費・塗装費のみ、設備機器は別途)
壁付けのバックカウンター
価格:420,000(製作費・塗装費のみ、設備機器は別途)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は50,000円から取付施工費は120,000円から
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