籐の扉の玄関収納

2023.08.07

先日ショールーム入り口の下駄箱入れの交換をしました。

当初の、ナラ材柾目のものは奥行き浅めのものでしたので、大きいスリッパやサンダルを入れても余裕のある中の奥行き31cmのものに交換することにしました。

中身を出して、取り外して、位置を出し、
天板を取り付けます。
天板はタモ材板目のもの。実は、以前お客様から、「表情が好みではない。」ということで、倉庫で出番を待っていた板なのです。ここでお見本としてやっていくことになりました。これからここでよろしくね。

中は掃除がしやすいように化粧板を使っています。色は締まって見えるように淡いグレーにしたのですが、汚れも目立ちにくいですし、よかったと思います。

籐のシートは水に浸しておいて、柔らかくしてから加工していくそうです。

この時点でもうすでに涼やかですね。このシートは四ツ目編みという種類のものだそうです。

続いて、籐の扉がついていきますよ。
工房で籐担当になっているワタナベ君。
今回のデザインは、表面に丸芯を回しているもの。留め加工のものは(画像検索をする限りですが)あまり見ないので、興味のある方はぜひ見にいらしてください。きれいですよ。

扉の蝶番を取り付けるタケイシさん。
インパクトを使いこなしてて、かっこいいですね。(個人的にドライバーを使っている人の正逆転の切り替えをしているところが好きです。)

一枚目の扉をつけるヒロセ君。
「今度平日休みいただいてもいいですか。子どもが夏休みで帰ってくるので、空港に迎えに行きたくて。」


全ての扉がついて、最終調整するワタナベ君。
「籐の家具って、韓国の家具に多いらしいですよ。日本より寒い国のイメージあるんですけど、なんで籐の家具が特徴なんですかね。」
と、お話ししながらの作業。いいですね、夏休みですね。
扉を付ける作業の後は片付けるだけですから、みんなリラックスしてくるのでしょう。
前職で手術室にいた時も、閉創の時は、先生もお話したりしていたなと思い出しました。

籐の家具で気になるのは、中身の見え具合だと思います。
白く光が反射をするものを入れれば目立つかもしれませんが、それ以外では、よほど強い光が当たらなければあまり目立つことはないと思います。

こうしてみんなで取り付けた籐の扉の玄関収納。興味のある方はぜひ見にいらしてくださいね。

上品な

2023.08.04

昨日は、浦和から電車に乗り継いでYさんがクルミを使って食器棚を作るご相談にいらしてくださったのですが、その打ち合わせが終わっていろいろとお話をしている時、「イマイさんの家具は、今ではどうやって探したかはっきり覚えていないのですけれど、アイアンのある形とかが好きで、そういう形を探していた時にイマイさんのこのテーブルが目に留まって、アイアンだけではなくていろいろと上品に感じたのですよね。このテーブルの木の脚も見ていて何というか美しいです。」とおっしゃってくださいました。

上品に見えるのですね、なかなか自分では気が付かなかったのですが、使いやすくきれいな形にしたいという思いが、そういう表現となっていたのですね。うれしい言葉でした。

ちゃくちゃく

2023.08.04

いろいろと試行錯誤しながら頑張ってもやはり仕事に波はあるものでして、つい先日まで、「次のお話がまとまらないと少し手が止まってしまいそうで・・。」とか、「タケイシさんも材料が入るまで手が空いてしまいそうなので、現場に一緒に連れていきますね・・。」とか、手が止まってしまいそうという言葉が私を追い詰めるのでしたが、先週になって、急にいろいろと動き出してきて、反対にみんなの両手にあふれてしまうくらいのボリュームが手渡されたのでした。

そこで、みなさんの納期を確認しながら、それではこちらの仕事から始めよう、ここは私が受け持とう、なんてみんなでやりくりするのです。

仕事をするということはそういうことなのだろうと思っているんです。

それを必要とする人がいて、それを作り出す人がいて、その事が成されるために頑張る。そしてきちんとおいしいものが食べられる日々を過ごせる。毎日をきちんと過ごせることが一番清々しくて心地よい。

いろいろな喜怒哀楽がありながらみんなで一生懸命に取り組んでおります。

チェリーの家具たち

2023.08.04

いよいよ茅ヶ崎のSさんの設置工事が始まりました。施工はKさんからオーダー頂いたキッチンの制作の時にお付き合いが始まった久保田工務店さん。

そして、設計はMA設計室の福原さん。いつもの福原さんの細かい納まりですので、そのニュアンスを汲み取りつつ取り付けていきます。でも今回の家具たちはまだ序の口で、メインはクロス屋さんと左官屋さんが壁を仕上げた後に取り付けるキッチンと背面の食器棚です。

お盆が明けたら、再びやってくる予定です。

ネコと暮らすSさんの壁面収納のお話を掲載

2023.08.03

ネコが楽しむタモ板目を使ったリビング壁面収納で寝そべるはっちゃん

きちんと挨拶する場面では顔を出して「にゃあ。」と言い、みんなにはきちんとすり寄って挨拶していたとても紳士なはっちゃんでしたが、私にはあまり懐いてくれなかったなあ。

猫と建築社」さんからお話を頂いた、彼とSさんが過ごすリビングに作らせて頂いた家具のお話を掲載しました。

Sさんご家族と猫の暮らす壁面収納を制作して:スタッフノガミ君の制作日記

2023.08.03

ネコを眺めるハウスの屋根の様子

少し前に『建築知識』という雑誌に自分が担当した家具が掲載されました。

その家具は壁一面に納める猫ちゃんの為の大きな家具でした。

僕らが造らせて頂く家具はすべてオーダーですので、それぞれの家具にひとつ以上は見せ場といえるポイントがあります。

ポイントといってもそれはデザインであったり、お客様のこだわりであったり様々です。

例えば、分かれている扉でも木目が全て繋がっていて俯瞰でみると美しい家具であったり、量販店では見られない特殊な収納や加工であったりします。

頂いた図面を読み解いていくと、S様の家具はどこを切り取ってもその家具の主役になれるほどのポイントばかりでした。

写真を見て頂けたらわかると思いますが、色々な仕掛けが詰まっているとても大きな家具でした。

ネコスロープとそれを眺めるハウス、奥ははっちゃんのハウス

僕たちの会社では図面をもらったらまずある程度目を通してから社長と打合わせをします。(社長が全ての図面を書いています)

打合せでは家具の詳細や設置する場所の様子、細かい収まりを聞いて造り方などを相談します。

打合せが終わると自分の作業台に戻り「木取表」というものを書きます。

僕らの会社でいう「木取表」とは家具図面とは別の分解図のようなものです。

具体的にはパネルや扉、引出しなどをどういう構造や材料で作るかを書いたり、突板ベニヤの切り分け方などを書きます。

製作担当者が家具のパーツを必要な材料・作り方・組立て方法・運搬、搬入方法・設置の仕方などを考えながら書いていきます。

家具をパズルに例えると、そのパズルのピースを考えていく作業です。

ちなみに木取表を書いている他の家具屋さんはあまり多くないようです。

僕らはの会社はオーダーメイドですので基本的には同じ物は造りません。

ですが数年後に家具のメンテナンスで伺う事もありますし、ありがたいことに過去の製作事例を参考に注文して下さる方もいます。

ですので僕らは製作前の準備として、材料のロスを無くすため、製作の詳細をデータとして残しておく為に木取表を書いています。

まず考え方としてこの家具を5ブロックに分けました。

「階段型収納」「小屋ベンチ」「スロープ」「下の段の収納部分」そして「登り棒」という感じです。

色々な要素が詰まっていて大きな家具ですから全部を一気に考えてしまうと難しく思えますが、ジョイント部分だけ決めておいてそれぞれを造るというふうにすると簡単に考えられます。

シンプルに考えられると作業スピードもあがりますしミスをするリスクも減らせます。

難しく思える時こそ視点を変えてシンプルにすることが大切です。

ところで家具の造り方というのは正解がなく、セオリーのやり方や昔ながらの加工方法はもちろんありますが場合によってはそのやり方は不便であったりします。

ましてや僕らが作っている家具は既製品にないオーダー家具ですので、初めて生まれる形もあります。

従来のやり方が合わないこともしばしばあります。

そういった時は今までやってきた方法をバージョンアップさせることもあればやった事のない、見た事のないその時に思いついた加工方法をやる事もよくあります。

ですので「ひらめき」や「アイデア」が家具造りで必要な事のひとつだったりします。

作り手のアイデア次第では難しい加工も簡単に、時間のかかる作業も短く出来たりします。

今回の家具でいうとスロープの坂道と踊り場のジョイント部分がまさにそのパターンでした。

壁から水平に出ている踊り場の板に角度のついた登り坂と下り坂の板がジョイントされています。

もちろん猫ちゃんが通るのでジョイント部分は頑丈でなければなりません。

接着剤を入れて圧着したいところです。

圧着するには固定しながら締めつけるクランプをいう道具を使いますが、直線的にしか締め付けられません。

角度がついているものを締め付けようとするとずれていってしまいます。

そこで当初はクランプを使わずに接着する方法としてジョイント部分を蟻溝加工にしようかと考えていました。

蟻溝加工とはジョイント部分の凹凸を△と▽にする昔からある加工方法で入れてしまえば抜けにくい特徴があります。

ですが加工が難しく時間がかかる為、他に良い方法がないか悩んでいました。

もちろん蟻溝加工がダメな訳ではありませんが、限られた時間の中で他にも特殊な加工が多い家具でしたから少しでも時短を狙いたいところです。

そこでちょうど工場の手伝いに来てもらっていた同期の小林くんに相談してみました。

すると蟻溝加工でなく通し溝にして凹凸の中に材料同士を引っ張る金具を入れたらどうか、という良いアイデアをだしてくれました。

これにすれば蟻溝加工より早く加工出来て、クランプと同じように圧着する力を加えながら接着剤で固定することが出来ます。

先程、家具造りにアイデアは必要とか偉そうに書いてしまいましたが今回のアイデアは人の知恵を借りました(笑)

いいんです。人脈も家具造りに大切なことです!

とにかく他にも色々な仕掛けがありますから、それぞれに工夫を凝らして造った家具です。

あとは猫ちゃんが気に入って遊んでくれるかが心配でしたが、後日にちゃんと遊んでくれていると聞いてとても安心しました。

猫と建築社さんのInstagramで動画がアップされています。

よかったら覗いてみてください。

梅シロップ

2023.08.02

今年2回目の梅シロップが出来上がりました。

1キロずつ分けて冷凍してあるので、あと3回くらいは楽しめそうです。

お世話になっているKさんが毎年たくさんくださるのでとてもありがたいのです。

夕方、瓶に移す作業をしていると色合いが美しかったので撮りました。

暑いのは苦手ですが、こんなにきれいな色合いを見せてくれる陽射しは、ありがたいなと思うのです。

本の落下防止バー

2023.08.01

先日納品したKさんの1回の書籍棚。頭よりも上の棚板には、地震の時でも本が不用意に落ちてこないような落下防止の工夫をしてもらえますか、とKさんから言われていたので、小口のナラ無垢材を少し立ち上がりをつけた形で作ったのですが、「少しぼってり見えてしまうことと、もし可能ならその落下防止のものが本の出し入れの時に邪魔にならないように取り外しできるようにできたらうれしいのですが。」と言われて、追加加工して納品した棚板。

オーダーキッチンやオーダー家具というのはその都度初めて作り出す形が多いので、なかなか現物で表せない部分もあるため、その表せない部分をきちんと説明できるようにすることが私の務めでもあるのですが、その表現しきれていなかったようでKさんすみません。

そこで今回は、ステンレスパイプをまげてこの字型のパーツを作り、棚板にそれより大きなパイプの埋め込んでそこに差し込む形にしました。

棚板に開けた穴に差し込むだけでも良いのですが、抜き差ししているうちに堅木でもだんだんと穴のふちが崩れていくかもしれないので、念のための予防です。

こうして、あらためてKさんにとって使いやすい形にすることができました。

水撒き

2023.07.30

暑い日が続いていますね。旗竿地で日陰の我が家、苔がグランドカバーになっている庭でさえ茶色くなってしまうほどの連日の暑さですから、毎日夕方水撒きしていかないとすべてが枯れてしまいそうで心配になります。

先日、早く帰宅したダイスケさんが水撒きをしてくれました。

以前は17時頃涼しい風が吹き始めていた気がするのですが、今は18時から19時の間にしています。

写真1枚目が東側、2枚目が西側玄関です。

そう、ご覧の通りもじゃもじゃです、笑。でもこの感じ好きなのです。

水撒きしていると、カナヘビの赤ちゃんが走って行ったり、ダンゴムシもクモもタニシもメダカもヤモリもみんな一緒にいる感じ。

そして、水撒きの後は、風がさらに涼やかに感じて気持ちがいいです。

この風を、ここにいる生き物たちと共有できていたらうれしいなと日々思うのです。

再び大磯へ

2023.07.29

テントラインさんからお声掛け頂き、作らせて頂いたチェリーのペニンシュラキッチンと背面食器棚。

今日はそのリノベーション工事が完了しての検査の日でした。

緑の小道も気持ちは涼やかになりますが、なにしろ暑いですね。現地に到着するころにはシャツの色が半分くらい変わってしまうくらいでしたがとても心地よくキッチンをお引き渡すことができました。

今回は、クライアントのTさんがご自身で用意されていたミーレの食洗機とIHヒーターとオーブンをうまく組み込めるようにというところからやり取りを重ねてこの形が生まれました。

約1か月前に設置工事に伺った時から早くも良い色に変わり始めております。

まずは、最初に使うときの諸注意だけご説明して、あとは徐々にこちらに荷物を運びこむのだということで、こちらでの暮らしが始まったタイミングで、実際に汚れ始めるステンレスのやチェリーの表面のお手入れの方法などをご説明しにお伺いしますね。

良い日でした、ありがとうございました。

まるごと桃タルト

2023.07.28

ハル「今日用事ないんだよね。なんか作ろうかな。この桃使っていいの?」という朝の会話。

夕方帰宅すると、「まるごと桃タルト」が出来上がっていました。

「ダマンド食べれないから(ナッツアレルギーなので。)下はチーズタルトにして。

中はカスタードじゃなくて紅茶クリームにしてみた。ゼラチンなかったから寒天でナパージュしたの。種をきれいにくり抜くのって難しいね。」

私はこんなお菓子作ったことないのですが…。味も後味すっきりでおいしい、すごい。

普段からお菓子作りが好きで動画などよく見ているのですが、

cottaのレシピを見ていたら出てきて作りたくなったとのことでした。

「うちセルクルないじゃん。牛乳パック切ってアルミホイル巻いて作ってやってみたらできたよ。」と話していて、私なら道具がそろわない時点でやる気が失せるのですが、作ってまでやるなんて、意欲が素晴らしいなと感心してしまいました。

親バカ投稿失礼しました。

夏休みですね。

風通しよく

2023.07.28

ショールームの下足入れが風通し良い形になりましたが、なにしろ通り抜けるのは熱風ですが、そういえば昨夕はヒグラシが鳴いていましたっけ。

チェリーのテレビボードの打ち合わせに

2023.07.27

風がうたう」のSさんのところに小さなテーブルとチェアを作らせて頂いてから2年半が経っていましたね。

ずっと使えるものを考えていて、とうれしいメールを頂いていて、ようやく形がまとまったので、久しぶりにお邪魔してきました。

このあたり、お客様であり、学校の先生であるKさんからのお声掛けで、10年前にとある小学校で授業をさせてもらったのです。

あの子たちがもう22歳かあ。

よかったらその時のお話を。昔のブログなので、リンク切れなどありますが・・。

前にも読んだよ、イマイさん、という方は読み飛ばしてくださいね(笑)

2013年11月19日「自由な手たち木工教室、現る

2013年12月7日「図工の授業3回目

2014年1月22日「ビバ、ものづくり!その3

2014年2月18日「ビバ、ものづくり!最終章

「こんにちは、Sさん。ご無沙汰しております。」

皆さんお元気そうです。

Sさんとわが家は家を建てたのがどちらも加賀妻さんで、ちょうど近い時期に建てたものですので家作りのお話でいろいろと意見交換をしていたのは懐かしい思い出です。

今日は会えませんでしたが、お孫さんもだいぶ大きくなったのではないかしら。

テレビボードのお話がまとまったところで、テーブルの写真を撮らせて頂きました。テーブルも椅子もカウンターも5年経って深い飴色になっておりました。

ちょっとざらつくところ、黒く鉄焼けしたところはお手入れの方法をお伝えして、次回納品にお伺いする時にはあわせてメンテナンスもしてみますね。

遠距離

2023.07.26

最近は湘南地域でのキッチンや家具制作が多いと書きましたが、反対に少し遠い距離に住まわれる皆さんからキッチンや家具のオーダーを頂くことも多くなってきました。

この先も茨城県や静岡県や長野県の軽井沢といったちょっと車だと遠い距離までキッチンを作らせて頂く予定です。

愛知県や滋賀県、もっと遠く大阪府などからお声掛け頂くこともあるのですが、作ることはできても何かあった時に「今から行きます!」というのは遠いよなあと思ってしまうのです。

家具はいつか壊れるものだと思っていますので、そうなった時でもきちんとお付き合いできる形をとりたいなあと思うとなかなか遠方にお住いの皆様の気持ちにお答えすることが難しかったりします。

先日も修理ではないのですが、今度引っ越すので作ってもらった家具を移設したいのです、と藤沢のFさんから相談を受けて、確認に伺ってきました。

さいわい、お引っ越し先は近距離でしたので移動はできるのですが、違う構造のお部屋に置くことになるので、一度お預かりして加工する必要がありそうです。

そういう工夫も遠距離だと難しくなってしまうなあと思いながら、ご相談いただく住所を見ては悩むこの頃です。でも、遠距離近距離関わらず、いつでも皆さん気軽にご応募くださいね。

オーダーキッチンのカタログをいつでもお送りしておりますので。

「キッチンカタログプレゼント」

https://www.freehandimai.com/?page_id=64

実現できなかったキッチン

2023.07.26

だいぶ前に「イマイさん、すみませんが実現できませんでした・・。」と平成さんに言われてしまったこのキッチン。お料理教室の先生だったかな、実現したらとても楽しそうだったのですが、なかなか予算が厳しくて、こうして紙の中だけでできあがった形でした。

このところ家を建てるコストがたいへん上がってきているので、建てたいという思いのとおりに実現することが難しくなっているようです。私たちのようなところにもその波が来ておりまして悩ましいところです。

先日も、キッチンを作らせて頂く予定のMさんから、「新居の内容を削減してもコスト増は抑えられなくて・・。」と、電話の向こうでとても心苦しそうにお話されて、キッチン制作のお話が無くなってしまいました。

私たちとしては残念ではありますが、Mさんとしてはいろいろな方向を見ることができた結果、自分たちが今望む形というものをしっかり把握することができたことはよかったのだと思います。

何よりも楽しんで家を作ってゆけることが一番ですので、楽しくいきましょう。

灯明台

2023.07.24

武相荘のレストランの入り口で、錆で膨らんだ姿を目にしてからダイスケさんとふたりして心奪われたしまったこの灯明台。

似ているものがあるのかなとか、作れるのかしら、とかしばらく悩んだのですが、奮発して我が家に迎えることにしました。

真ん中の枠が約6㎝ほどしかないので、使える器が限られるのですが、ひび割れてしまった山本さんの桧垣模様の織部焼の湯飲みの底にダイスケさんに穴あけしてもらい、植木鉢にして朝顔の残月を植えてみました。苗に対して鉢が小さめなのでちゃんと育つかしら。

今度山本さんに合うサイズの植木鉢を相談させてもらおうと思います。

夏の楽しみができました。

新しい素材を使って

2023.07.21

ただいま設計士さんのご自宅になる渋谷のとても趣のある古いマンションのリノベーションに関わらせて頂いていて、キッチンの制作を依頼頂いております。

今回はネオリスというセラミック素材を初めて使ってキッチンを作っているのですが、側面もこのセラミックになるので、どのように組み上げていくか試行錯誤ですね。

オーダーで作るということは形に柔軟に対応できることが大きなメリットなのでしょうけれど、実現するまですごくすごく悩むんです。

以前、福原さんのお仕事で制作したYさんのキッチン「影ゆらゆら」の時もビコストーンという初めて使う天板に戸惑いながらの制作でした。表面と小口の取り合いや面取りの具合など図面では分からない部分ってたくさんあって、初めて使う素材は制作に手を動かす以上に思い悩む時間が多かったりします。

ひとまずここまで形になりまして、もう少ししたら取付ですね。

夏お猪口

2023.07.20

「イマイさんならこのくらいの大きさがないと足りないのではないですか。」と飯高さんに進められて手に取ったお猪口は、さわやかな風が吹いているような表情で、赤閻魔がよりまろやかに感じてしまう。

ここ最近は、以前武相荘で手に取った中村一也さんのたいへん涼やかなショットグラスでお酒を頂いておりましたが、季節を楽しく呑むという風情も良いのだなあ、とようやく気付き始めたお年頃。

以前キッチンを作らせて頂いた「木々が挨拶してくる」の武蔵小金井のMさんは当時、「よく出かけることが好きで、その土地に着いたら気に入ったお猪口を一つ手に入れてくるのです。」って言っていたけれど、その楽しさがなんとなく分かってきたのでした。Mさんは確か私より若かったのですが、いろいろと教えて頂くことが多かったお客様でした。そんなことを思い出しながらお酒を飲むのです。

そっと美しいものを置く場所

2023.07.20

Sさんのキッチンは変形したペニンシュラキッチンなのですが、そのリビング側のかたち。

当初は、空間を設計している福原さんのうちに作ったキッチンカウンターのようにオープンの棚に下に扉をつけるというお話で進めていました。その後、扉は引き出しに形を変えたのですが、「このオープンスペースは下の引き出しのようにかっちり収納として見せるのではなくて、きれいな形の、例えば編みカゴや(あられ組した)木箱のようなものに普段使いのものをしまっておきたいのです。」というお話が出たのです。

カゴは良さそうでしたが、木箱のほうにお話が進んだ時に、おそらくきれいだけれど重くなってしまうことやレールを見せないようする細工を考えていくとなかなか大変になりそうだと思い、カゴのような木箱がそっと置かれているようなイメージ(箱同士が離れて置かれている感じ)で作ることになったのでした。

器。使うもの。しまうもの。

2023.07.20

先日、日用美さんに出品されている 飯高幸作さんの器を購入してきたのです。
新しく器が増えたということは、
毎日使う器、時々使う器、しまう場所を変えなくてはいけないですね。

今回のテーマは「ご飯茶碗を夏仕様に」でしたので、食器棚の1番上の引き出しのご飯茶碗を今までのものから入れ替えました。


1枚目の写真が変更前、2枚目が変更後です。我が家の食器棚は奥行き深めの65cm引き出し内寸52cmでこの容量です。

夏茶碗と調べてみると、「冷めやすいように口が広く開いて厚みも薄い。」とありましたが、今回は見た目のデザインと色味から選びました。
使ってみて、お米大好きチイに感想を聞いてみると、「前のより厚みと手触りがあるから、ご飯茶碗が熱くなくてずっと持っていられる。」とのことでした。
一般的ではなのかもしれないのですが(笑)、それぞれの感じ方で、その時の気分でお茶碗を変えて使っていくのもよいなと思いました。
今までのお茶碗は、食器棚上部の引き戸の1番下に置きました。ここなら子供たちが変えたい時にやりやすいと思います。


過ごし方も使うものも、暮らしは変わってゆくものですので、それに合わせていける収納が使いやすさに繋がるのかなと思っています。
器が増えて、食卓の時間が楽しくなりそうです。

この家に暮らし始めて5年目の我が家。

当初からここに入る器も変わりました。それに合わせて棚板の高さも変わりました。

結婚当初に実家から分けてもらった器。

今まで買いそろえたきた器。

いただきものの器。

割れてしまったお気に入りのものもあったので、生き残った器というのでしょうか。

どれもそれぞれ思い出のある大切な器。

これからも、季節や気分に合わせて、しまう場所を変えていきながら、暮らしていきます。

デクトンとホワイトオークのアイランドキッチン

2023.07.18

本日は、先日設置工事が終わった三郷のKさんのお引き渡しでした。

三郷までの道のりはなんだかとても混んでいて、とても暑いのでした。車の中はエアコンをつけていても汗がじんわり出てくる陽気で、気持ちは明るく体は湿っぽくです。

現地に到着すると、Kさんも設計のシキナミさんもまたはじめてお目にかかる皆さんもすでにいらっしゃっていて(すみません、私の到着が一番一番遅かったようで・・)。

「では、お時間になりましたので、お引き渡しを始めたいと思います。」とおもむろにとてもお若い方がこうお話しだしました。聞くと、住まい工房ナルシマさんでは息子さんが社長として跡を継がれたそうでその若社長さんなのでした。何とも若くて頼もしい。

ナルシマさんのお引き渡しは、きちんとしたセレモニーになっていて、「では、Kさんこちらに立たれて、テープカットを。」と金色のはさみがきちんと出てきまして、Kさん美術館の館長さんでもありますので、「いやあ、普段はテープカットしてもらう機会のほうがあったのに、自分がカットするなんてね。」と照れ笑い。

無事にカットが終わると、室内で思い出を振り返りながら皆さんでご挨拶。

「では、シキナミさんの前にイマイさんもご参加くださっているのでおひとつご挨拶を頂けますでしょうか。」突然振られてしまってしどろもどろでお話させて頂きまして。

そのあとに、シキナミさんがKさんと出会ったきっかけをお話してくださり、Kさんもこの家の思いやナルシマさんシキナミさんへの思いをお話してくださいました。

そうか、こういう思いがあって建った家なのだなあ、とそう思って見回してみるとよりその思いが分かる空間でした。

でも、今回のこの形はやはりシキナミさんが考えるだけあって、Kさんの好みを汲み取ったとても独特の形になりました。Kさん「そんなに料理はしないけれどねえ。」と言いながらも、きちんと形についてのご意見をくださいましたので、きっとお料理が好きなはず。一升瓶が置けるニッチの様子も次回見てみたいなあ。

今日はちょっと追加の加工の依頼を頂いたので、1階の書斎の棚板を引き取るためにお伺いしたのですが、こういう素敵な時間に立ち会えたのはうれしいことでした。

次回その棚板を持ってくるときは、どのように使っているかが拝見できるので楽しみなのであります。

日用美さんへ

2023.07.16

以前は、相模川を渡って西側というと出かける機会が少なかったのですが、最近、湘南で暮らすみなさんが増えてきたためか、平塚、大磯、二宮と仕事で訪れる機会が増えてきて、きちんと手が加えられた古さが数多く残されていることを知る機会が増えておりました。

こういう町は素敵だなあと思っていたところに、飯高さんのインスタグラムを見ていたら、この週末に初めて神奈川での個展を開くという話を目にして、三年振りですね、アキコと二人で会いに出かけたのでした。

場所は、二宮の「日用美」さん。

「こんにちは、(だいすきな)飯高さん!」だいすきは言葉にできませんでしたが、いつもの変わらない笑顔で迎えてくださってうれしいです。

どんどん活動が広がっていって遠い人になってしまうのでは、なんて言う思いはどこかに飛んでいきましたね。やはり作品にはその人柄が現れるというのを体現している人なのだなあと、話してみてあらためてその優しさを感じたのでありました。

お人柄といえば、日用美のオーナーの浅川さんご夫妻。初めてお会いするのに、どこか懐かしく感じられて、すべてを快く受け止めてくださるお話の仕草にとても心地よい時間を過ごさせてもらったのでした。

人が人を呼んで素敵な縁が生まれるってこういうことだよね、とあらためて勉強になったとてもうれしい時間だったのです。

ありがとうございました。