木のキッチン・家具 梅雨に気をつけること

2020.08.08

梅雨が長かったですよね。その間、洗面所の扉が閉じると擦ってしまうなとは思っていたのです。
擦るということは木が湿気を吸って膨らんでいるということはわかっていたのですが、木が湿気を吸っているということは、カビが生える可能性があるということをうっかり忘れてしまっていたのです。気づいた時には扉の内側に現れていました、カビ君たちが。
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現れてもちゃんとケアをしていけば大丈夫。
まず固く絞った雑巾でカビを拭き取ります。
その後除菌アルコールスプレーを吹きかけきれいな布で拭き取ります。
次に蜜蝋ワックスを塗り込みます。スキンケアと同じですね。
ただ気付いた時にはすぐケアしましょう。放っておくと根が深くなってシミのようになってしまう場合もあります。
人のお肌と一緒です。
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どういう状態になったらカビが生えるかは分かったので、これからは扉が擦り始めて雨が続いていたら湿ったタオルも乾きづらいだろうから使わない間は別のところに干しておくとか対策を考えようと思います。
擦っていた扉も梅雨明けと共に擦らなくなりました。かわいい。木って素直です。
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「え、無垢材の扉ってタオル掛けているところカビ生えるの?!そんなのイヤだ。」という方もいらっしゃると思います。
そういうご心配がある方はウレタン塗装をすればオイル塗装よりも塗膜が強いので、カビは映えづらいと思います。
どういう素材でも使っていて、何もお手入れしないで永遠に使い始めのきれいなままのものはないと思っています。
(すごいなとは思いますが、材料を聞いてもわからないものはなんだか居心地が悪いです。)
自分の暮らしにあっていて付き合っていけるものがよいな、信じられるなと思う今日この頃なのです。

新しいものを作る

2020.08.07

今日でCreemaさんでの木製雑貨のご注文は夏季休業に入らせていただきました。8/17から再開しますのでよろしくお願い致します。
そして、その時には新しい作品をご紹介できるように準備を進めています。
制作を担当しているのはヒロセ君。積極的に動いてくれて頼もしいのです。
お楽しみに!

Tさんのキッチン

2020.08.05

先日キッチンのリフォームが完了したTさんのところへお伺いしておりました。
日々の暮らしがさりげなく感じられるように時間が経っているように見えるTさんが住まい。
マンションの1階なのですが、リビングの大きな窓から見える緑、リビングのゆっくりと年が経た印象と天井とキッチンをタモでまとめた新鮮な空間の対比、というか混ざっていく感じがとても気持ち良い。
「もうね、私たち二人だから、使う食器も限られてきたりしてね。だからこの機会に使わないものは淋しいけれど手放しました。
それでも、キッチンの上にいろいろ並べちゃったりしてね。そうすると、娘が帰ってきたりしたときに、「こういうキッチンの場合は上に並べないのよ。」なんて言われたりしてね。それでも、すっきりして見えますし、作業スペースが以前よりも広くなったから、お料理の時がとても良いのです。」
とうれしそうに奥様がお話してくださいました。

ラバロックとホワイトオークの印象

2020.08.05

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Sさんのキッチンが仮り組みまで進みました。今月下旬にいよいよ納品です。ラバロックは自然な石の印象に見えるように仕上げてやさしい印象に。ホワイトオークはその名前ほどホワイトではないのですが、この木地の状態だとかなり白く映ります。
ここからオイルで仕上げていくのです。
今回はSさんご自身で塗装されるので、食器洗浄機やガスコンロが入って塗りにくくなってしまう部分はあらかじめこちらで塗装しておきます。その部分を見ると結構濃く色が入り、導管もはっきり見えますね。
仕上がりの印象はまだここではイメージしづらいかもしれませんが、落ち着いたキッチンになっていくはず。楽しみです。

親子で焼売づくり

2020.08.05

1ブログ
今日はお休みの日でした。夏休みに入って部活がお休みのハルと3人でIKEAへドライブ。(まだ夏休みじゃないチイは学校へ。)
リクエストのかわいい鏡を購入して、私とダイスケさんはキッチンやお部屋の収納のお勉強。
実はIKEAに来るのは約10年ぶり。(笑)キッチン周りの収納を考えられているお客様から時々お話を聞く機会はあったので、「知らないです~。」は良くないですものね。よい機会となりました。
そして夜は、おとうさんのリクエストの焼売づくり。たくさんおいしくできました。
そんな休日なのでした。

今日のスケッチ

2020.08.02

今日は打ち合わせに2組のお客様がいらしてくださいました。
ありがとうございました。
キッチンと、本棚と。
キッチンを検討されているNさんは、ちょうど来月からやはり同じくキッチンの制作に取り掛からせて頂くKさんと同じ設計事務所さん、工務店さん。
同じ風が流れてきたのかな。
午後にいらしてくださったHさんは本棚のような整理棚。
お話ししていくと、あっこれかなって思える言葉が見つかることがあります。
Hさんとのお話もそうでした。
その魔法の言葉が見つかると、糸玉がほぐれるようにイメージが言葉になってあふれます。
おかけで良い形が見つかりました。
形が実現できたらいいなあ。
楽しみです。

静岡へ

2020.08.01

今日はお休みをいただきました。
このところありがたいことに週末に打ち合わせなどの予定をいただくことが増え続いたので、平日の今日に振替です。
そして、時間がある時に少しお話を進めておきたいという平成建設のデザインアトリエさんにダイスケさんが打ち合わせをしに行くということで気をつけながら同行させていただきました。
デザインアトリエさんに4年ほど前に取付させていただいたクルミの柾目張りと4㎜の厚みのステンレスを使ったキッチンの様子も拝見させていただきました。納品時よりも濃くいい色に変化していました。納品したキッチンの様子が見られるとうれしいですね。ありがとうございました。
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その後は、せっかく静岡まで来たし近くだということで、お気に入りの場所「クレマチスの丘」へ。
神秘さや不思議さに目を見はる感性のことをセンス・オブ・ワンダーと言うそうで、「センス・オブ・ワンダー もうひとつの庭」というイベントが開催されていました。小さい生き物や草花に目を向けることで日常生活の見え方が変わる感覚が好きで、どんなに忙しくてもその時間は作っていきたいなと思っています。それをこうして表現していけるなんてとてもすてきなことだなと思いました。DSC_6562DSC_6565DSC_6579DSC_6573
美しいものたちの姿に心癒されました。すてきな時間をありがとうございました。

おにぎりコミュニケーション

2020.07.26

夜一緒に夕食を食べられてご飯が余った時はおとうさんがおにぎりを作ってくれる時があります。
これが朝ごはん派のチイとおとうさんの朝ごはんになります。
おとうさん「チイ~、おにぎりの中身、ツナ?おかか?こんぶ~?」
チイ「こんぶ~。」
というこのふたりだけのやりとりが微笑ましくて好きです。
一方、JKになったハルとおとうさんはよくホラー映画を見ています。
チイは怖いのは苦手で、私は途中で疲れちゃって見ていられないので。
このふたりだけのやりとりは眉をひそめて見守っていますが。(笑)
娘二人が年頃になってきて家族みんなでリビングで過ごす時間が減ってきていますが、こういうコミュニケーションがあればお仕事で家に不在なことが多いおとうさんでも大丈夫なのではないかなと思っています。
写真の時は本当に一口分しか残らなかったので、飯高さんのお猪口にのせてお顔をつけたおにぎりになりました。

タモのダイニングテーブルとテレビボードの納品

2020.07.24

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この前設置が終わったキッチンと隣に並ぶダイニングテーブルの納品。
テーブルはタモで作っています。
最近C面取りで仕上げるのが好きになってしまって、先日納品したGさんのテーブルや今度設置する七里ガ浜のNさんもそういう仕上げにしています。
東戸塚のSさんの家具もそうでしたね。
風がうたう
懐かしいけれど、カチっとした表情になるから良いです。
今日はみんなお休みでカイ君だけがお休みを振り替えて作業をしてくれています。そこで納品は久しぶりにアキコと。
子供たちが生まれるまでは二人でちょこちょこと来てましたね。

内田さんもいらっしゃって、納品を手伝ってくださいました。
すみません、いつもありがとうございます。
とても良い印象に納まりました。

そう、テレビボードも持ってきたのですが、これはずっと工房で展示してあったもの。
いつ頃作ったか忘れちゃったけれど、今は島根で頑張っているテライ君が作ったんじゃなかったかなあ。
今ではテレビも置かなくなってしまって少し寂しそうにしていたところ、Oさんが使ってくださるということになり、扉のないオープンな形だったので、そこに格子の扉をつけて、両端の引き出しにも格子の意匠で合わせて納品。
すてきな場所に置かせてもらうことができました。

感染防止対策について

2020.07.23

私たちが行なっているコロナウィルスの感染防止対策についてきちんとお伝えしていませんでした。
お互いに「やっているだろう。」「大丈夫だろう。」の憶測だけでは、不安に感じるお客様もいらっしゃるかもしれませんのでお知らせさせていただきます。
①ソーシャルディスタンスの確保
ショールームでの打ち合わせは1日2組まで、午前中1組午後1組と限定して調整して受け付けております。
それ以上の同時入店はお断りしております。来店前にご確認をお願い致します。
②従業員及び来客時の保健衛生対策の徹底
・スタッフ全員マスクをして従事しております。お客様のご来店時にもマスク着用のご協力をお願い致します。
・入口にアルコール消毒液を置いてあります。入店時に消毒のご協力をよろしくお願い致します。
・従業員には体調不良時の出社は控えてもらっています。お客様も来店の予約時に体調不良の場合には来店をご遠慮いただき打合せ日時を再調整させて頂ければと思います。
③共有物の衛生管理・換気の徹底
・展示物・打合せ使用サンプル等の消毒。
*今までお子様用のおもちゃは消毒して使用しておりましたが、心配なため、感染が終息する間まで片付けさせて頂くことにしました。お子様連れの場合には、お気に入りのおもちゃなど持参して頂ければと思います。
・窓を開けて常時換気をしております。雨天時・暑い時には、窓を閉めますが、エアコンをつけて、空気清浄機をつけて対応していきます。
・トイレは今まで通り使い捨てのペーパータオルを使用しております。
・打合せ中のお飲み物は共通の食器の使用を避けるため市販のペットボトルのお茶かコーヒーをお渡ししております。
万が一弊社内に感染が発生した場合には利用者の方々に情報提供をしていきます。
この先更なる対策が必要になる場合には順次対応していきたいと思います。
これからも皆様のご協力をよろしくお願い致します。

少し離れた町まで

2020.07.20

「他県への移動はなるべくお控えください。」と言われているなかですが、ありがたいことにお声を掛けてくださる皆さんがいらっしゃって、先日は長野県でキッチンのリノベーションを行なうということで、そして本日は山梨県で新築を建てるというお話を頂いて、静かにお伺いしてきたのでした。
とてもありがたいことです。
かえりみち、ふと思い出して猿橋を見てまいりました。
いつ見ても不思議な造形で見ているとワクワクしますね。平日のこの時期ということもあって、ひっそりとした様子で聞こえるのは下方の水の流れる様子だけ。
懐かしいなあ。
まだアキコと結婚する前だったかな、ここに来たのは。
まだ、ケータイもスマートフォンもなくって、文字電話で二人やり取りしてた頃だね。
文字電話知ってるかなあ、みんな知らないだろうなあ。
まわりで誰も持っていなかったもの。
懐かしいなあ。

タモのペニンシュラキッチンと食器カウンターと電話台

2020.07.18

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マンションのキッチンをリフォームさせて頂くことになりまして、今までついていたキッチンの上の吊戸棚を取り払い、大きな食器棚も取り払ってすっきりとした印象のキッチンにすることができました。
最近は大柄の材を使うことが多く、今回はとても良い表情の板を使うことができました。

「今までため込んでしまったものたちは残念だけれどもうそれほど使わないし。主人と二人だから使う食器も決まってきてしまうの。」とにこやかに奥様。
良く見せて頂くと、使い込んだキッチンの下に大きなシミが。
「だいぶ前から漏れていたようなのよ。」とどうやら水栓のシャワーホースから水がジワリと浸みだしていたようです。
さいわい1階でしたので水漏れで大ごとにはならなかったのですが、こういうことがやはりあるのだなあと勉強になります。
私たちが作らせて頂いたキッチンでも経過4年で水栓のシャワーホースの水が浸みだしたことが一度ありましたので。

今回、内装工事を担当してくださったのは、kotiの伊藤さん。いよいよ伊藤さん自身でリフォーム会社を立ち上げてくださったので、これからいろいろと相談に載って頂けそうでうれしいのです。
その一緒にさせてもらう最初のお仕事が今回のTさんのリフォーム。
伊藤さんとのきっかけも最初はお客様としてキッチンを作らせて頂いたことがきっかけですので、とても仕事がしやすくて助かります。
このあとも2件のお客様のリフォームのご相談をさせて頂いてます。
仕事がしやすい環境が在るということにたいへん感謝しております。
よいかたちを届けられるように頑張っていきます。

木のトレイを買いました。

2020.07.18

今までマンションで階段がない生活でしたので、トレイを使って運ぶ暮らしをしていませんでした。
引っ越してから家族でトレイが欲しいねという話になりました。
家具屋ですから、「おとうさんに時間がある時に作ってもらおうか。」と言うと、
チイ「木じゃないやつの方がいいな。」
おい、家具屋姫。(笑)
ということで雑貨屋さんに出掛けた時に色々探していたのです。
「これかわいい!」と見つけたのはリサ・ラーソンさんの絵が描かれたトレイ。
「ぶーネコにゃんにゃんの赤いのいいね。」ということで、この赤いトレイになりました。
我が家ではずっとこの猫の絵を「ぶーネコにゃんにゃん」と呼んでいたのですが「マイキー」という名前があったのですね。
今まで知りませんでした。

私「チイちゃん、このトレイ木製なんだよ。プラスチックみたいに見えるけど。」
チイ「え!ほんと?」
私「うすい木を重ねて圧着させてあるんだよ。白樺の樹だって。裏を見ると木目だし、ふちをよく見ると何層にもなっているでしょう。」
チイ「へ~、すごい!」

同じ木製でもうちでは絶対に作れない形なので使っていておとうさんも気になりませんね。
うちの技術で作るともっと厚みが出て重くなるから子供には使いづらいものになってしまうだろうし。
同じ材料でも技術で叶う形は違うのだなと改めて勉強になります。
大切に使っていこうと思います。

すみっこ

2020.07.16

庭の隅っこが良い感じにもじゃもじゃになってきたね。
シダとドクダミとあとは何だろう。
私もアキコの髪の毛も良い感じにもじゃもじゃになってきました。
湿気てるんだね。

KUMA鍛鉄工房さんへ

2020.07.15

横浜のKさんに、「ペニンシュラキッチンのガスコンロの奥にはオイルガードをつけたいのです。」とご相談を頂いておりました。
私たちのキッチンにはこのオイルガードというものをつけないことが多いのです。
ここにガラスの板が立ったり、アルミのレールが付いたりする印象が異質に感じてしまいまして。
でも、今回のKさんのオイルガードは鉄とガラスで瀟洒な印象に。
この形なら良い雰囲気にまとまりそうです。
そこで今回は、いつも独特の表情のハンドルを作って頂いているKUMAさんに制作をお願いすることにしたのです。
で、さっそくKUMAさんのアトリエに。
11年ぶりの来訪。うれしい。
あの時一緒に来たカワグチ君とスズキ君はとっくに独立しちゃって福岡と山梨で頑張っているので、今日はアキコとです。
KUMAさんあの時と変わらないいつもの穏やかな物腰で、いろいろと相談に乗ってくださいました。
「鉄が錆びていく様子はすてきなものなのです。」
「錆びると危なくなるのは肉厚の細いパイプだったりするのですが、こうして鉄の塊が錆びていくのに危ないことはあまりなくて、美しいですよ。」
私は経年劣化という言葉があまり好きではなくて、経年変化と呼んでいるのですが、錆って劣化だと思ってどこか遠くに感じていたのです。錆びてもろくなる、怪我をする、汚れるなどなど・・。
でも、今日、アトリエの前に立ってチャイムを鳴らす時にそのチャイムの上にあるKUMAさんの表札が見事に静かにきれいに錆びていたのです。
先ほどの言葉を聞いた時に、その表札が思い出されて妙にしっくりきて、今まで遠くに感じていたものが今すぐ触れたい距離になったのでした。もちろん、汚れるでしょうし、ざらつきは出てきます。
でも、静かに均一に茶色くなっていく様が美しく見えてしまったのです。
へぇ。
感覚って不思議です。

タモ板目の表情が良いアイランドキッチン

2020.07.12

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こういう大きな柄の突板を使うと、とても色や表情の豊かな仕上がりになりますね。
細かいメンテナンス作業をするために日暮里のFさんのところにお伺いしました。
このあたりは、どこか懐かしい町並みで、祖父母の住んでいた文京区あたりを思い起こさせるのです。
Fさんのご新居は築年数の古い小さなエレベーターのある集合住宅で、そこをFさんらしい古く良いものを取り入れて暮らしているすてきな空間でした。
そこに食洗機の調整に伺ったのですが、床にはいつくばって作業をしていると、どことなく祖父母の家のような香りが漂ってきました。
具体的に言うと、祖父母の家は大きなお仏壇があって毎日お線香を欠かしていなかったので、お線香に匂いと、祖父が吸う煙草のにおいと、祖母が漬けるぬか漬けの匂いがほどよく混ざり合って、特にあのお香の香りがするとふっと懐かしい、祖父母の家の丸いちゃぶ台が思い起こされるのです。
当然Fさんのうちには煙草もないし、お香も焚いていらっしゃらなかった。
なんだろう。
町の空気かな。この集合住宅のエントランスで準備をしている時もご年配の方々と若い方々が入り混じって和やかに往来を行きかっていました。
怪しまれないように、「こんにちは。」と通りがかる人にお声掛けすると、皆さん快く挨拶してくれて。
町の空気が和んでいるのですね。

くるみの部屋

2020.07.11

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Iさんから追加で頼まれていた扉の取付と、前回残念ながら取付できなかった洗面台の化粧板をつけにお邪魔してきました。
前回、クルミ材を使った食器棚を作らせて頂いて、それに合わせてリビングから見た印象も整えられたら良いなということで、クロスで仕上がっているキッチンの側面と背面にクルミの板を取り付けて、私たちの作るペニンシュラキッチンのような印象を作ったのでした。
食器棚は食器棚で細かい加工があったり扉に反り止めの金物をつけたりと、作るのは大変ではあるのですが、工房で加工ができるので、私たちのリズムで家具作りを行なうことができます。
今回のように壁にクルミを取り付けるような造作になると、現場ので作業量がとても多くなり、また、作業を始めてみないと読めない部分もあったりして、工房で作るのとは大きく違う緊張感があるのです。
特に今回はバックパネルとサイドパネルを留で納めるということ、キッチン側も少しクルミを張り込むので、その部分をどう仕上げるのか、私も事前に現地を見ながらあれこれイメージしていたし、制作を担当したノガミ君もあれこれイメージしながら現場で作業しやすいように製作を進めていってくれます。
それでもどうにも読めない部分はあったりするのですが、そういうことがあってもとてもきれいに納めることができました。
特に留め加工部はとてもきれいに納まりました。
昨日伺った時点でこの湿気の多さでも問題なく納まっていましたし、食器棚の扉が見た感じ大きく伸びたりもしていませんでした。
(多少伸びているのでしょうけれど、ヨコ目なので使い勝手に支障が出るような動きにはなっていなかったので良かったです。)
私の自宅の洗面台の扉は拝み部分もうこすり始めているし、トイレの戸も少し錠のストライク部分に擦り始めているのに、Iさんのところではそういうことが出ていないのが幸いでした。
でも、そのうち木の動きは出てくると思いますので、使いづらい部分などが出てきたらおっしゃってくださいね。
そして、もう1点がこうしてキッチンの周りに木製パネルを取り付けると、そのしまい方で気になってくるのが巾木です。
今回のIさんのところの巾木は白いものでしたので、クルミ材で囲われるとかえって目立ってしまう。
そこで巾木もクルミで覆うことにしたのですが、最近のシステムキッチンは一番下まで引き出しになっているフロアコンテナタイプが多いので、その被せた巾木の厚みでコンテナが開かなくなってしまう可能性があったのでした。私はそこまで想定できていなくて、現場でノガミ君たちがきれいに納めてくれたおかげで、コンテナがクルミの巾木にあたることなく使えるようにできたのでした。

そして、こうしてキッチンにパネルがついて、食器棚が設置されると、システムキッチンの吊戸棚の表情が気になってくる。
私もそこまではイメージできていなくて、その小さな吊戸棚の扉も今回クルミ材に交換したのでした。

そして、ちょっと大変だったのが、洗面台の造作。
前回、引き出しの前板をクルミ材に交換して、水ハネで汚れやすい鏡部分もクルミを貼りたい、と言われていたのですが、いざ付けようとしたら水栓器具にあたって入らなかったのでした。
ギリギリ入るかなあ、ともくろんでいたのですが、全然入らないようでした。
そこで、今日あらためて道具を持ち込んで、洗面台を一部解体して、洗面台の下に潜り込んで、水栓器具を外して、無事クルミ材を鏡部分に張ることができたのでした。

これで、Iさんの必要なものがひと通りに揃いましたね。
またいつでもお声掛けくださいね、Iさん。

真鍮のハンドルを磨く。

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今のお家に暮らし始めて1年2ヶ月が経ちました。ドアに使ったHORIさんの真鍮のハンドルがいい感じにくすんだ色になってきました。
先日見学に来てくださった設計士さんも「いい色になっていますね。」と言ってくださいましたが、
親世代の人には、「こんなにくすんじゃって。ピカールで磨かないと。」と言われてしまう真鍮、面白いですね。
コロナウィルスの感染防止対策でアルコールを吹き付けて拭き取っとたりしているので普通の経年変化よりくすんでしまっているのかもしれませんが、こんな色見になります。
経年変化が楽しめるということで選んだ真鍮でしたが、銅を含むため、ステンレスと比べると殺菌作用があるようです。
家のすべてのハンドルがくすんでしまうと、どういう具合にいい色に変わっているのかがわからなくなってしまったので、一か所トイレのドアのハンドルだけ磨いてみることにしました。
ピカールをつけてペーパーが真っ黒になりながら磨く作業は見た目にもわかりやすくて楽しいです。
ピカピカのハンドルも可愛いですね。
いつの日か緑青が出ているハンドルとピカピカのハンドルを一緒に見られる日が楽しみなのです。

チェリーのリビングボードたち

2020.07.04

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草加のKさんのところを出たあとは、先日取り付けさせて頂いた調布のKさんから本棚の棚板の追加を頼まれていたので、ちょっと寄らせて頂きました。
おぉ、スケッチと同じ納まりだ。
あらためて感動。

棚板を測らせて頂いて、写真を撮らせて頂いた後にお茶を入れてくださいました。
「イマイさんに決める前にも数件家具屋さんに御見積をお願いしたのです。ある程度細かい提案をしてくださる家具屋さんもいらっしゃったのですが、どこか違って・・。なんだろうなあ。」と奥様。
「それって一体感なのだと思います。」とご主人。
なるほど。
「うん、他の家具屋さんもこういう子の字のレイアウトを提示してくれたのですが、ある程度決まった形が置かれているだけの印象がして、こうしたまとまりが伝わってこなかったのです。」
なるほどー。
「だから、私たちがイメージできない部分もきちんと見せてくれたイマイさんの提案や、他のお客様とのやり取りの様子がウェブで見られたことで、もうイマイさんにお願いしようって二人で決めたのです。」
ああ、これはうれしいお茶の時間でした。
また、何かあればいつでも呼んでくださいね、Kさん。
ありがとうございました。

スパイスニッチのあるペニンシュラキッチン

2020.07.04

写真は先日作業を終えた時の様子。

先日、雨風強まる朝に草加のKさんのキッチンの取付を行なっていたのでした。
あの時は、階段からのかなり困難な搬入を想定していたので、雨はイヤだなあと考えていたのですが、私たちの普段の行いが良いからか搬入の時だけ雨がやんで、(風は髪の毛逆立っちゃうくらい強かったのですが)無事に搬入できて設置も終えることができたのでした。
そして、今日はそのKさんの施主検査ということで、そのタイミングに合わせてオイル塗装の方法をお伝えするために朝からお邪魔させて頂きました。
「イマイさん、今日は朝から職人さんが作業されているので、塗装はやり方だけご説明頂ければ大丈夫です。」とKさん。
奥を見ると食器棚の設置をされている職人さんが黙々と作業されていました。
「おはようございます。」と挨拶だけしまして、さっそくKさんに塗装の方法を伝えて、施主検査までにはここを出なくちゃと思っておりましたら、「イマイさん、こんにちは。坪原です。」と職人さん。
??
「あっ、坪原木工です。」
「えっ、ツボさん?」
お、おぉ、まさかお互い工房から遠く離れたこの場所で、お会いできるとは思わなかった。しかも初対面。
45歳のおじさんは43歳のおじさんに会えてそれはもうドキドキしておりました。
ツボさんというと、もう20年以上前でしょうか。
父が陣頭指揮を執っていた頃にマンションのリフォームの仕事がありまして、そこの建具を作ってもらうのに坪原木工さんにお願いしたのでした。
その頃はツボさんの親父さんと私の父とでいろいろやり取りしていただけなので、私自身はお付き合いがなく、工事の時に建具の吊り込みを素晴らしい精度とスピードで仕上げていったという思い出だけが残っていて。
そのあともツボさんは厚木、私は寒川ということで、いろいろな話は入ってくるのですが、会う機会はなく一度電話でお話したきり。
話ばかりいろいろ耳にするので、私の中では何だかあこがれのような感じになっていて、いつかお会いしたいなあと思いながらあっという間に20年が過ぎていたのでした。
まさかKさんのご自宅でばったり会うとは・・。
何だか文通相手に初めて会うような新鮮な気持ちだったのです。(文通したことはないのですが)
いやあ、朝からうれしい。
と、そのようなやり取りで少し話し込んでしまって、「すごい偶然ですねぇ。」なんて話を合わせてくださったKさんをちょっとばかりお待たせしてしまいましてすみません・・。
そのあとは無事に塗装方法をお伝えして、今度お引渡が終わった時に実際に作業されるということで頑張ってください。
次はお引越しの後にその塗装の仕上がりの確認と写真を撮らせて頂きにお邪魔しますね。
こじんまりしたプライベートがほどよく保たれた集合住宅はKさんが時間をかけて見つけたすてきな住まいですので、仕上がりが楽しみなのです。

紫蘇ジュース

2020.07.04

出来上がったばかりの梅ジュースがもうなくなりそうなので、スーパーの野菜売り場で売っていた紫蘇を見つけジュースを作ってみることにしました。
「しそジュースって、アリエッティみたいだね。」と言う長女ハルに手伝ってもらいました。
(私はそのシーンを覚えていませんでしたが…。)
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茎から葉を取り熱湯に入れて茹で、
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葉が緑になったら取り出し、
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砂糖を入れて煮詰め、レモン汁を入れて冷やすというレシピで初挑戦です。
茹でると葉が紫から緑色に変わり、お湯は透明から濃い紫色になり、レモン汁で鮮やかな紫になる、色の変化が実験をしているようで、「なんか魔女っぽ~い。」とハルも楽しめたようです。簡単ですし、もっと小さい時から作ってあげていればよかったなと思いました。
保存容器は、ワインや日本酒などできれいな瓶を取っておき、それに入れてみました。
色も形もバラバラですが、この季節、ガラス瓶の涼しげな見た目は爽やかな印象になるのでいいですね。
味は、紫蘇というとふりかけのゆかりみたいな酸っぱい味を思い出してしまいますが、酸味はなくて、すっとした甘さの和菓子のような味です。炭酸水で割って飲んでいます。

本当のことを言うと、今年の梅ジュースを失敗したのです。
作って2週間くらいしたら泡立ち始めてしまい、「ええええ!」と困っていたら、失敗した時の対処法を掲載してくださっている方がいて助かりました。実を取り出し静かに煮詰めて保存容器に入れました。DSC_6425
緑色の瓶が梅シロップ、青色とKoushaさんのドレッシング瓶が紫蘇シロップです。
そんなことがあったので、娘たちが梅ジュースを飲んでいる姿を見ていても「失敗したんだよね。」と気になっていたのです。
味は美味しいのですけどね。(笑)
そんな不純な動機でしたが、良い経験になりました。
我が家の夏越しメニューがひとつ増えたお話でした

小さな家具たち

2020.07.03

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その頃、ノガミ君、カイ君、ヒロセ君の3人は杉並のGさんの現場に残りの家具の設置工事に。
(今日はワタナベ君だけが工房で作業をしております。)
先日はキッチンの設置がメインで今日は食器棚や洗面台の設置工事。
ずいぶんともの言いたげな洗面台たちの写真を撮ってきたのはカイ君でしょうか。

森のなか

2020.07.03

ご縁があって軽井沢まで出掛けておりました。
いつもは遠方のお客様へは何かあった時にすぐに対応できなかったりとメンテナンスが行き届かない部分も出てきそうなので、なるべく地元のメーカーさんにご依頼頂ければと思っているのですが、最初にセラミックカウンターのデクトンの意匠についてのご相談を頂いてそのお話にお応えしているうちに、お話の流れでありがたいことにキッチンを作らせて頂けることになりまして、今日はその設置場所の確認と、リノベーションを担当される地元の工務店さんにご挨拶をしてきたのでした。
このあたりは夏の時期は工事を控えなければいけないこともあって、まず前期で家の傷んだ部分を改築し、後期でキッチンを設置するということで、私たちは今度は9月に真っ黒なキッチンを持ってお伺いする予定です。
デクトン、運んでいる途中に割れないといいのだけれど、少し心配でございます。
軽井沢と言えば、「au soleil」のFさん、「山の春」のOさんがいらっしゃいましたね。
懐かしいです。
あの頃は圏央道がなかったのですが、本日こうして出掛けてみると、だいぶ車で行き来しやすくなって、2時間半くらいで到着するのですね。これからはこのあたりにお住いの皆さんにも家具作りをしていける距離になるそうだな、なんて考えておりました。

5ミリのステンレスカウンターとナラ板目ランダム張りキッチン

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Oさんの現場に残りの作業を終えるために伺ってきました。
もうすぐで天板の養生も外れますが、もう美しいです。
内田さんとあれこれ悩みながら決めた形をOさんにこうして気に入ってもらえて実現したキッチン。
きっとね、掃除はしづらいです。いや、掃除はしやすいかもしれませんが、隅にゴミが少しだけたまりやすいかもしれません、Oさん。
でもこの形は美しいなあ。
もうすぐでお引渡です。
素材を変えたダイニングテーブルと、私たちの展示室で長年時間を一緒にしてきたテレビボードも梅雨が明ける頃にはここに置かれます。
またその時を楽しみにしているのです。