一緒に暮らそう

2017.04.13

「ナラ板目のリビング壁面収納デスクのオーダー」

荒川 W様

design:Wさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:hideaki kawakami
painting:yasukazu kanai

8年前に作った家具を移設して新居にリフォーム

テレビボード全体の様子。向かって右の扉が8年前に製作した格子扉。

今(2016年)から8年前にリビングや洗面室の家具を作らせて頂いたWさんから、大変久しぶりにお電話頂いたのです。
今まで住んでいたところからお引越しすることになって、その新しい住まいに今まで使っていた家具たちを持っていきたいのだということでした。
そしてその新しい住まいが、同じマンション内の別のお部屋なのだそうです。
なるほど、面白そうなお話ですね。
そして、しばらくしましてからあらためてメールを頂いたのです。

レコードプレイヤーを置くスライドテーブル

形状は変えましたが構造は一緒。レコードプレーヤーをスライドして引き出せるテーブルです。

「お久しぶりです。荒川区の若井です。お元気ですか?
この間御連絡してから、だいぶ経ってしまい申し訳ございません。
先日お話しした通り、今回マンションを6階から1階に移ることになりました。
そこで今までの家具を持っていきたいのですが、いくつか相談があります。
洗面所の収納は、転居先に梁があってサイズが合わず、残念ながら置いて行くことになりそうです。。
残念ですが、もし何か良いアイデアがあれば教えてください。」

8年前に作った家具を移設して新居にリフォーム

一番下は引き出しになっていて、CDが入るようになっています。

いろいろな事情があって、住まいを移られる皆さんには何度かご相談頂いたことがあります。
愛着があるし、せっかく自分たちのために作ってもらった家具だから一緒に連れてゆきたいのです、と。
たしかにその気持ち、分かります。
皆さんと一緒に家具を考えている時って、本当にみんなワクワクして、目をキラキラさせて考えてくれます。
そうしてできあがった家具はまるであたらしい家族のように迎えてくださるのです。
一緒に連れていきたいですよね。
でも、その時に2つの方法があることをみなさんにお伝えしています。

8年前に作った家具を移設して新居にリフォーム

こちらはリビング。なるべく元の家具を生かした形で、家具をリフォームしております。

ひとつは、思いのとおりに連れていく方法。ただ、新しい住まいにそのまま家具を持ち込んで納まることはなかなかないのです。
一度その家具を外したら私たちの工房まで持ち帰って、新しい住まいの設置場所を確認させて頂いてから、その寸法に合わせて、再設計し、部材を追加して設置します。
きちんと設置しますので、昔の面影を残した形で使い続けることができるのですが、現地を確認したり、引越し前に家具を取り外して、引っ越し後に取付に行くタイミングなどいろいろと限られてしまうことがあったり、費用が大きく掛かってしまうこともあるので、必ずしも持ってゆけないこともあります。

8年前に作った家具を移設して新居にリフォーム

8年前の「ずっと前から」と製作例の生地と見比べてみてくださいね。この部分はキッチンの手元を隠すような間仕切りの役割をしています。そして、L型のそれぞれの直線が交わる部分がなかなかシビアな作りにしていまして、壁のできあがり寸法がはっきりしない状態での採寸でしたので、施工が大変なのでした。

もう一つは、そのまま家具を残して新しい住まいに移る方法。
これは皆さんからお話を聞いてなるほど、と思ったのですが、せっかく使った家具だけれどその場所にあった形にしたのだからその場所に置いてゆく、ということで、家具がついたまま状態で、新しい住まい手の方を探すと、とても良い確率だったり、とても良い条件だったりした状態で、新しい住まいに移ることができることが多いのだそうです。
「イマイさんの家具がついていたおかげで、今度は要られる方はとても気に入ってくださって。」と、お客様から聞いて、なるほどこういう形があるのだなあと勉強になったのです。

8年前に作った家具を移設して新居にリフォーム

上のオープン棚が新たに作った部分で、下の引き戸収納が8年前の部分。

その2つのお話をWさんにさせて頂いてたうえで、Wさんは6階から1階というとても近距離でのお引越しになること、ずっと使い続けて深い愛着を持っていたこと、を考えて、ご新居に持っていく形にしたのです。
そうして、Wさんのリフォームが始まりました。

まずは、洗面室についていた吊戸棚は残念ですがそのまま残す形にして、リビングのL型の家具だけを新しいリビングに持っていくことにしました。
その前に1階に移るにあたって、リフォームの内容のご相談から始まりました。
でも、今回は私たちがリフォームに携わるのではなく、家具の製作のみです。
しかし、Wさんがそのリフォーム会社さんに不安な点を持っていたので、それでまずはそのあたりをイマイさんに聞いてみたい、ということになったのです。
このマンションの1階ですが、コンクリートの床に直張りのフローリングで、クッション性のある柔らかめのフローリングで、さらに床暖房が入っているそうなのです。
その影響なのか、床がものすごく波打ってしまっているのです。木の床がなんでこんなにフニャフニャしているの?

8年前に作った家具を移設して新居にリフォーム

この小さな開き扉の収納は新たに作った部分。まだ色が淡いのです。

湿気と床暖房が入っているため床を固定できない部分がある影響なのだろう、ということがリフォームの打ち合わせの進めるうえで分かったのですが、その改善する方法があいまいで、「大丈夫ですよ。問題なく施工しますので。」という明確な答えのないままお話を進められそうな感じがしたのだそうです。
そのほかの部分もWさんから話を進めないと、良い提案が出てこないそうで、「○○のようにしたいのですが。」というと、「ええ、できますよ。」というできるかできないかの答えがもらえるだけで、「○○するならばこうしたほうが良いです。」とか「代わりにこういう形にしてこう見せる方法もありますよ。」というようなキャッチボールがなくって、自分の提案が通るのはうれしいのだけれどそれで全体としてよい部屋になるのかだんだん分からなくなってきちゃって、イマイさんどうしましょう‥。

うーん、どうしましょう。

ということでさらに詳しくWさんの新居でしたいことをお聞きしながらお話をしていくのですが、やっぱりそのリフォーム業者さんはやめたほうが良さそうな印象。
その話の中で、もう1件の業者さんに訪ねたお話ががありました。
そちらの業者さんは、床材のお話だけ進めていた業者さんのようで、その方から良いリフォーム業者さんをちょっとだけ紹介してもらっていたのだそうです。それでも、もうどこにお願いすることが良いのか自分で判断しきれなくなっちゃって、どうしよう、ということになっていたのです。話を聞くとその2件目の業者さんは対応も丁寧で、返答に対してもきちんとした根拠をもって答えて頂いているようでした。それで、そこにお願いしたほうが良いのか、それとも今井さんのほうでお付き合いのある方がいらっしゃったら、その方のほうが良いのかも、と話をしていくうちにだんだんと迷ってしまって。
そこで、まずはお話だけでもしてみてはどうですかと、私のお付き合いのある設計士さんをご紹介したのです。
それは、いつもお世話になっているスタジオコンボさんです。
電話だけだと伝わりにくい部分もあるので、ここから茂呂さんのところまでが比較的近い距離だという意こともあったので、見に来て下さったりもしたのですが、やっぱり設計士さんに依頼する、ということがWさんにとっては大ごとのように感じてしまったようで、スタジオコンボの茂呂さんのような気さくな方でも、「イマイさん、私やっぱり建築家さんにお願いするほどのことじゃないのに申し訳なくて。ごめんなさい。」ということで、床の波打ちに対する良い工法についてなど茂呂さんから良い話が出たのですが、最終的には2件目のリフォーム業者さんが施工することに決まりました。
「いいんです、いいんです、イマイさん。また何かあればいつでも声掛けてもらえれば。」と茂呂さんにはそう言って頂けたので、このあと実は茂呂さんに活躍してくださるお仕事が幾たびも出てくるのですが、それはまた別のところでお話ししましょう。

こうして、リフォーム業者さんも決まって、間取りも決まって、工事が始まりました。
私たちも工事に合わせて家具の加工をしなければいけなかったので、まずは今お住まいのところから、家具を引き取りに伺います。
取り付けたのはもちろん自分たちなのですが、8年経っちゃうと、どこからビスを止めたか分からない部分もあったりして、少し苦労しながら解体完了。
その後しばらくして大工さんの作業がひと段落したところで、設置場所を採寸。
いよいよ、新しい場所に合うように、追加加工を始めます。
できるだけ今までと同じようなレイアウトで使いたいのですが、間取り自体が、現在のリビングと新しいリビングでは反転してしまっていて。その場所に合わせて、さらにWさんのご要望に合わせて、リビングの家具をうまくリビングボードとテレビボードの切り分けます。

またオーダーキッチンとの納まりもあって(当初キッチンのお話も出ていたのですが、今回は他社様のキッチンになってしまいました。残念!)、どうリビングボードを納めるかが今回の工事の要になります。
床の波打ちは取れても、不陸は残るでしょうし、L型になるとその床の歪みが大きく影響してくるかもしれなくて、うまくいくかが心配だったのです。

そして、無事に内装工事が終わった頃に、家具の設置工事に入らせて頂きます。テレビボードは比較的すんなりと納まったのですが、リビングボードは壁が躯体壁ということもあってやはり歪みが出ていて苦労しましたが、どうにかきれいに設置できました。
新しい部分はまだ色が淡いままで、今までの家具の部分は色濃く日焼けしています。
これが、しばらくするとうまく馴染んで、そうなった時が本当のWさんの家具になった時なのではないかな、と楽しみにしているのです。

ナラ板目のテレビボードの新規製作

価格:530,000円(制作費・塗装費)

ナラ板目のリビングボードの追加加工

価格:500,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は30,000円から、取付施工費は80,000円から)

収納棚を足しました

2017.04.09

1年前に娘たちと作った学習机。進学して色々と物が増えてきて、引き出しや机の上が物でいっぱいになり、結局ダイニングテーブルに持ってきて勉強をする日々になってしまうことが多くなりました。そこで、収納棚を作り足すことに。
今回はスピードが求められていたので、おとうさん作成、無塗装で(笑)。家具屋姫ならではの待遇ですよね。
このありがたさに気付くのは親の立場になった時なのでしょうね、きっと。

途中経過

2017.04.07

2017040710120170407103途中経過の写真です。なかなか細かい作業が大変で、これからようやくレコードプレーヤーのほうに取り掛かれる段取りとなりました。

さくらの前で会いましょう。

2017.04.07

20170407002201704070052017040700420170407006201704070032017040700720170407008「もしご都合が合えばなのですが、さくらが咲いてる時期に来て頂けたらキッチンからさくらを見て頂けるので、そのころにいらっしゃいませんか。」

お引越しが終わってそろそろご挨拶にお伺いしようかなと思って、Sさんにご連絡しましたら、うれしいお返事を頂いたのです。
山手の桜はきれいですものね。
そして、約束の今日。
例年ならもう少し花が開いていて頃だと思うのですが、今年は変わったお天気続きでしたので、満開には3日ほど早い頃でしょうか。
キッチンに案内して頂くと、「本当だ。」さくらが見えました。

「すてきな借景なのですよ。」
「うん、そうですね。前回、キッチンの状況を確認するために現場を見に来る時にこのあたりを歩いたのです。すてきな場所がたくさんありました。」
「そうなのです。私たちもここに来てから歩いてみると、住宅街の中や路地の先や思いがけないところに素敵なお店があって。それも閉じている日よりも開いている日のほうが少なくて、ちょっと不思議な場所に入り込んだみたい。」
「いい場所です。」
「今週末もここに人が集まってくれるのです。お花見しようって。」

お嬢さんの保育園もはじまったばかり、奥様も間もなくここから仕事に戻る暮らしが始まって、新しい暮らしが始まるぞって言うワクワクした空気であふれておりました。

入学式

2017.04.05

今日は、次女始業式、午後から長女入学式でした。
在校生有志の合唱団のすてきな歌声で、ちょっと不安な気持ちが和らぐ、よい入学式でした。よかったね。
スタッフのみんな、お休みをありがとう。

Sさんこんにちは。

2017.04.05

20170405002先日、食器棚を作らせて頂いたSさんが声をかけてくださいまして、お引越しされてから、と考えていたリビング家具についてのお話がいよいよ始まることに。
車に乗って出かけると相変わらずすぐに眠くなってしまいますので、電車に乗って出かけようと思い、駅に向かって歩いていると、こちらをじっと見て、しばらくすると「イマイさん。」と声をかけてくださる人が。
「?」
思わずじーっと見つめてしまうのですが、この学生時代の友人にそっくりに見えるひとがどなたか思い出せなくて、(もし友人だとしたら、なんで彼がここにいるのだろう・・。)何て思っていたら、「イマイさん、Uです。」と。
そうでした!Uさんです。どこか髪型が違って雰囲気が違って見えてしまったのですが、ただいま家具を作らせてもらっているのに、顔を思い出せないなんて・・。
15年以上前に家具を作らせて頂いたお客様でも、顔を見るといつでも作った家具と名前を思い出せるぞって自信があったのに、Uさんすみません。大変失礼致しました・・。
そして、温かな春の午後の中Sさんの家に到着。
「まだ片付いていなくて・・。」という室内ですが、Sさんの色がよく出たお部屋になっておりました。
ここからどんなリビングにしていきましょう。
あれこれ、悩んでひとつの形にたどり着きましたが、帰りの電車でもうひとつの形があるかもしれない、と悩み始めてしまいました。
もう少し考えてみてSさんにお伝えしてみよう。

お母さんのテーブル作り その2

2017.04.02

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先週に引き続き、Sさんのテーブル作りの続きの作業が始まりました。今日は脚の組み立てと塗装。
今日で終わらせるのは難しいかな、と思っていましたが、
「磨くの好きなんです。つるつるになっていくのが楽しくて。」「もう腕がプルプルしちゃいますよ。」と言いながら、全部のパーツを午前中に磨き上げ、そして、夕方には脚も組み上げ、膨らみ始めたお腹を抱えながらの作業とは思えないくらい、素晴らしいお仕事ぶりでした。
本当にお疲れさまでした。
その間に打ち合わせにいらしたKさんご夫婦の奥様も大きいお腹をかばいながら、階段を上がっていらしてくださいました。(階段、、すみません。)皆さんそうなのですが、これから始まる新しい暮らしのお手伝いを私たちにさせていただけるなんて、ありがたいことだなとしみじみ感じてしまいました。
オイルの匂いが落ち着いたら、お渡ししますね。

引き出しのメンテナンス

2017.04.01

5年前にリビングダイニングの家具を作らせて頂いた十条のYさん。
引き出しの調子が悪い部分が出てきたということで、メンテナンスにお伺いしてきました。
あの時お子さん一人だったのに、もう3人のちびっ子が居て、大変賑やかな部屋のなか。
ただいまキッチンを作らせて頂いている池袋のKさんのリフォームの設計をされているスタジオコンボの茂呂さんと知り合ったのも、このYさんとのお仕事がきっかけでした。
懐かしい友人に会えたような空気で寒さも和らいだのです。
帰りは、すぐ近くに祖父母のお墓があるお寺さんに立ち寄らせて頂いてお参りしてきたのでした。
何かね、みんなが近いんだよね。

コンソールの脚

2017.03.30

先日の曲面の箱の下にこの脚がつく予定なのです。
よいバランス。

ナラとステンレスの食器棚

2017.03.30

20170330002201703300032017033000420170330005だんだんと気持ちもポカポカする陽気になってきましたので、朝から明るく「おはよう。」と外ネコに声を掛けたのですが、いつもと変わらず「ノァー(はやくごはんくれよう)。」と言いながらゴロゴロそのあたりを転げまわるばかりでしたが、どこか毛並みがもっさり落ち着いてきたのは、やはり春だからでしょうか。
昨晩から外で出掛けていたアイも私が自転車で会社に辿り着いたのを見かけると、すかさず駆け寄ってきてくれましたが、「ニャーアー(ごはんくれよう。)」と言って、ご飯を食べ終わるとさっさとショールームの陽だまりで目をつむってしまいました。
春ですね。
つれない仕草の彼らを寒川に残し、世田谷のOさんのご新居にカイ君とナカガワ君とで、食器棚とテレビボードの取付に行ってきました。
ステンレストップ、KUMAさんのロートアイアンのハンドルなど他にはない味のある雰囲気にまとまりました。
また、今回はOさんとのお話の中で、面白い試みをさせて頂くことになったのは、吊戸棚内部は白い化粧板ではなく、濃いグレーの化粧板を使ったこと。
扉を開けた時にしか分からない引き締まった印象でとても美しい形になったのです。

あぁ、テレビボードの写真を撮り忘れてしまったなあ・・。

コンソールたち

2017.03.29

2017033000220170330003少し変わった形の家具を作っております。まずは加工が難しそうな玄関用のコンソールから。下地の箱を組み上げたら、上から仕上げ材を張っていくのです。

お母さんのテーブル作り その1

2017.03.26

冷たい雨の日曜日の今日。
工房の中では、Sさんが半年前からの計画されていたお子様のテーブル作りが行われていました。
妊娠中の大きくなり始めたお腹を気遣いながらの作業でしたが、予定よりもスムーズに作業が進んだのは、Sさんがこの半年の間にホームセンターで電動ドライバーを購入してDIYを楽しみながら予習をして準備をしていた成果ですね。
この調子でまた来週も頑張りましょう!

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ご褒美ディナー

2017.03.26

長女の卒業式の翌日はお誕生日ということで、食べたいものを聞くと、「ideeさんの所に行きたい。」というリクエスト。
スタッフの食事会、家族のお誕生会などで、お世話になっている寒川町のフランス家庭料理店です。
ご主人の美味しいお食事と、奥様のおもてなしで、お腹も心も満たされて、「また明日から頑張ろう。」と思えるお気に入りのレストラン。娘にもそれが伝わっていたのかな。
ごちそうさまでした。幸せな時間をありがとうございました。
フランス家庭料理レストランidee

前菜
スープ
ワイン煮デザート

卒業式でした。

2017.03.22

とても気持ちの良い日で、みな晴れ晴れした表情でした。

ナラ節アリの突板を使った食器棚

2017.03.21

201703210032017032100220170321004節アリのナラの突板を使って食器棚を作らせて頂きました。雨がしんみり降り続く中の取付でしたが、取付後のお母さんとお嬢さんの表情で気持ちはとても晴れやかなのでした。
帰りに、「イマイさんちょっと待ってね。」と言ってIさんが用意してくださったのは、手づくりのお菓子でした。
「娘がイマイさんが来たら渡すんだってマカロンを作ったの。ちょっと焼きすぎちゃったけれどよかったら食べてくださいな。」と温かいお土産まで頂きました。
うれしいねぇ、小1のお嬢さんからプレゼントを頂けるなんてなかなかないことですもの。

再び

2017.03.18

パーツ自体の強度はある日今度は大丈夫と思って、ナラの試作を組み上げました。表情も当初の表情を崩さずにここまで来れてホッとひと安心。と思っていた、十字の交点で板が裂けた‥。
予想以上の負荷が掛かるようで、ようやく終わりが見えていたのですがもう一度出発し直しとなりました。
良い形はすぐにはあらわれてくれないようです。

あたたかな線

2017.03.17

13年前に漫画家さんのデスクを作らせて頂いたことがありました。
あの時は、今まで知らなかった仕事の中身を知ることができてとても楽しい経験でした。
その机を見て、今回も漫画家さんからのご相談を頂いたのです。
うれしいつながりです。
人の仕事場を見させて頂くことってとてもワクワクするのです。特にクリエイティブな作業場って宝物であふれているようです。
そういう魅力的な場所を拝見させて頂いて、打ち合わせをさせて頂きました。
「だんだんね、考えていると楽しくなってきちゃって。」とスケッチを見せてくださいました。
すごいなあ。
何気なく描かれているいるようですが、そこにあるかのような温かさが出るのは、すごいなあ。

実現できるように頑張ります。

針葉樹合板を使ったセパレートキッチン

2017.03.15

2017031500220170315003おもしろいキッチンを作らせて頂きました。おもしろいと言ってよいのかな。針葉樹合板という材を使ったキッチンです。当初考えていたFさんのイメージよりももっとラフというのでしょうか、削ぎ落したというのでしょうか、とてもソリッドな印象というのでしょうか、そういうキッチンになりました。
このキッチンを見ていると、最初にFさんがこちらにいらして下さった時の様子がよく思い出されます。

・・・打ち合わせは奥様がいろいろとお話されて、物静かな印象のご主人は、時折言葉を選んでコメントしてくださる、という印象を持っていたのですが、帰り際に奥様がひと言。
「イマイさん、もし良かったら主人の車を見ていってください。」
「?」
そうして階下の駐車場まで降りていくと、とても魅力的なワーゲンバスが。いろんなところがほどよくといってよいのか、傷んで味のある表情になっております。
そして、にこやかにお話を始めるご主人。・・・

初めはどちらかというとこの素材を使うのを躊躇していたのは私でした。ガサガサになったり、匂いがしたり、そういったことはないのかな・・。
今まで使ったことがなかったので、まずはサンプルを取り寄せてウレタン塗装とオイル塗装でサンプルを作って確認。Fさんにも見て頂いて、この仕上がりで良いかをあらためて確認。
それでこの形ができあがりました。
なるほど、これはFさんのキッチンです。

あとは、Fさんが塗装をして完成。

節アリナラ材を使ったキッチンと背面収納(食器棚)

2017.03.13

20170313002今日は小平のFさんのところまでキッチンと食器棚の設置に行っておりました。
戸建て住宅の2階ということで、屋内からの搬入が難しいため、4人で出掛けて、雨が降らないうちに大きなキャビネットや天板を上手く階上に揚げられて、二手に分かれて作業ができるように先に食器吊戸棚だけ取り付けたところで、あとはカナイ君、ノガミ君、ナカガワ君の3人に作業を任せて、先に会社に戻ってきたのでした。
あとは事前に工務店さんと段取りしていたので、スムーズに終わるかなと思っていたのですが、夜遅くになっても今回の製作をメインに担当したノガミ君からの連絡がない・・。
どうしたかな・・、と思っていたら、連絡が。
やはり築年数が経っているお住まいということで、床の不陸がキッチン設置の際に大きく影響してきてしまって、水平出しに大きく時間が掛かってしまったようでした。
でも、「最後にきちんとFさんに確認して頂いて、とても喜んで頂けました。」という報告が聞けてホッとひと安心。
みんなお疲れさまでした。
明後日は、国分寺のFさんのキッチンの残工事。
年度末ということで、少しバタバタとしておりますが、みんなで頑張って進んでいきます。

ナラ柾のデスク

2017.03.11

20170311002「リビングで電子工作をしたいのですが、散らかってしまうと良くないので、さっと片づけられるようにライティングデスクのようにしたいのです。」と、Wさんからご相談を頂いていたデスク。本日ようやく納品。
電子工作ってなんだろう・・、ってずっと思っていたのです。
今日の取付が終わって、どんな工作をするのでしょうか、ってお尋ねしたら見せてくださったのが、真空管のアンプ。
これは楽しそう。
ここでハンダ付けしたりして、来客があった時は差ササッと閉まって天板を閉めちゃうと見えなくなるのが良いのです。とうれしそうにお話してくださいました。
これから、機材をしまう棚を考えたり、はんだ付けするスペースにアルミ板を貼ったりと、Wさんのカスタマイズが始まります。
家具というよりもワークデスクですね。
左側のデスクは、お兄ちゃんが大きくなったら、ここで勉強する机になるのです。
二人並んで座る未来は楽しそうです。

ちょっと作業が残ってしまったので、次回、機会があったらその工作の様子を拝見させて頂こうかな。

Nさんのナラのキッチンと再会

2017.03.09

2017030900220170309003久しぶりにNさんにお会いしてきました。
ここ最近、Nさんのお友達で先日キッチンを設置したHさん、1年ちょっと前にキッチンを設置したOさん、ただいまプランを練っている最中のKさんととてもうれしいつながりが続いておりまして、ぜひまた会いに行こう、と思い立ったのでした。
ご自宅で不定期で開いている教室があったりして、みんなでこのキッチンを囲んで使ってくださることが多いとのこと。そのご縁で皆さんとも知り合えたのです。
もっともっと気分よく使ってもらえるようにちょっとくたびれたところを点検して、1か所湿気がこもりやすい引き出しも修理して使いやすくすることに。
こういうお付き合いができるというのはうれしいなあ。

また引き出しをきれいにしたらお伺いします。
お楽しみに。

なかなか居ないと言ってくださった。

2017.03.08

やはり声が大きいシキナミさんがお昼過ぎにいらして下さいました。
今計画している大きな住宅のキッチンの相談にいらしてくださったのです。

「イマイさんのような家具屋さんってなかなか居なんですよ。
家具作家さんはキッチンは設備だっていうことでなかなか踏み込んでくださらないし、オーダーキッチンメーカーさんはメーカーさんの色が出てきてしまってフィットする時は良いのですが、あと少し細かいところに手が届きにくい時があったりして、どっちももどかしく感じちゃう時があって、家具らしいキッチンってなかなか難しくて。だから今回、このようなかたちならイマイさんに相談かなって思っていたのです。」
と朗らかに笑いながらそうおっしゃってくださいました。

いまだに自分の立ち位置がよく分からない私は、必要とされるいろいろな形に柔軟に対応できる工房でありたいとだけ思っていましたので、このように言ってもらえるのはうれしいのです。
だから、反対にイマイさんらしさがほしいって言われると困っちゃうわけで・・。
今日も、シキナミさんに「このあたりはイマイさんにお任せします。」って言われた部分がいくつかあって、さてどうしよう・・。

ウェブサイト更新

2017.03.08

ナラ柾目ホワイトオイル仕上げのキッチン今まで念願だったことのひとつ。知り合って20年以上経つ友人でもある福原さんの自宅のキッチンを作らせて頂いたこと。それを記事にしました。

20161217004平成建設さんからのご依頼で、作らせて頂いたSさんのL型のキッチン。どこか懐かしい印象を受けるのですが、まず私が最初にここに訪れて思ったのは、リスがご飯を食べて眠って、毎日を過ごす温かな巣のような場所だなと感じたのでした。

ブラックウォールナットとタモホワイトの二樹種の食器棚お料理上手でもてなし上手なMさん。クレミルの時は、手づくりのクリスマスリースを頂いたことのありましたね。そのMさんに3年ぶりにこうして会えたことがとてもうれしかったです。そのキッチンのことをようやく記事にすることができました。

もし、よろしければご覧になってください。

おいしくなあれ

2017.03.08

「タモとブラックウォールナットのセパレートタイプの食器棚のオーダー」

鶴見 M様

design:Mさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:tatsuya suzuki
painting:yasukazu kanai

ブラックウォールナットとタモホワイトの二樹種の食器棚

使いたいものが使いたい位置に置かれている、良い食器棚。

「初めまして。Mと申します。
今秋に新築のマンションへ引越しをするのですが、不動産業者紹介のデザイン会社で食器棚を見積もりしてもらったところ、今ひとつピンと来ず、いろいろとネットで探していたときに御社のページに辿り着きました。
せっかくお金を出して作るのであれば、納得のいく形にしたいのです。そういう意味では御社なら叶えられるかな?とページを拝見して思いました。
検討しているのは「北欧風の色とデザイン、炊飯器置き場は扉を持ち上げられるデザインです。ゴミ箱置き場は検討していません。(なくてもいいかな、と。。)
添付写真1枚目(モデルルームにて撮影)は備付けのキッチン。
写真2枚目はデザイン会社から提示された食器棚。(モデルルームにてこちらも撮影)。
左サイドの炊飯器置き場、また下棚の天板は人工大理石で、奥行きを通常450㎜から、500mmに変更するとさらに追加料金が発生します。
持っているスチームオーブンを置くためにはどうしても奥行き500㎜はほしいと思っています。
心配なのは、スチームオーブンの蒸気が後方上面から出るので、上棚の底が傷まないか、ということです。
何か特殊加工をした方がいいのか、通常の無垢材のオイル仕上げで大丈夫なのか…正直、素人の私にはわかりません。
アドバイスいただけますと幸いです。
またもっているカップボードの写真をも併せて送ります。これはリビングダイニング側にアクセントで置く予定です。
なので、オーダーする食器棚も同じような色合いがいいかな・・・と漠然と考えております。
なお、マンションの内覧会が8月に決定しておりますが、今からオーダーしても間に合いますでしょうか?
引渡しは9月末ですが、他の施工業者が入る関係上、引越しは10月後半を予定しています。
お忙しいとは存じますが、お時間ございますときにお返事いただけますと幸いです。
以上よろしくお願いいたします。」

ブラックウォールナットとタモホワイトの二樹種の食器棚

吊戸棚の様子。戸棚下のオープンスペースは、今回は吊戸棚と同じ奥行で深めにして作っています。

ブラックウォールナットとタモホワイトの二樹種の食器棚

カウンターの様子。今回の家具の樹種、色、デザインは、Mさんが長年ずっと使ってきたチェストに合わせているのです。少しクラシカルなデザインに2色を組み合わせた素材使い。真鍮のツマミなど、今はダイニングに置かれたそのキャビネットと同じ印象にしているので、ダイニングからキッチンがとてもまとまった印象になっているのです。

Mさんから食器棚のご相談を頂きました。拝見させて頂いたデザイン会社さんの図は、キッチンメーカーさんのキャビネットの組み合わせで展開された食器棚の図でした。サイズは一般的なモジュールの組み合わせですので、きちんと納まるようになっているのですが、その人それぞれの要望まで踏み込んだ形にはやっぱりならないのです。

みんなが同じ形を望んでいるわけではないから、一番標準的な形で作られているキャビネットが多いのです。
だから、メールで頂いたような細かな要望となると対応しづらい部分があるのでしょう。

ブラックウォールナットとタモホワイトの二樹種の食器棚

引き出しの様子、その1。

ブラックウォールナットとタモホワイトの二樹種の食器棚

引き出しの様子、その2。

ブラックウォールナットとタモホワイトの二樹種の食器棚

引き出しの様子、その3。

ブラックウォールナットとタモホワイトの二樹種の食器棚

引き出しの様子、その4。

ブラックウォールナットとタモホワイトの二樹種の食器棚

引き出しの様子、その5。

そこでさっそくより具体的にお話をお伺いして形を考えていったのです。
スチームオーブンのヘルシオを使っていて、その蒸気を逃がす形にしたいこと。食器棚設置壁面の左上に梁があること。そういう条件が重なってひとつの形が見えてきたのです。
「空いたスペースは、素人考えですがスチームオーブンの水蒸気および発生する熱を早めに逃がすためと考えています。
そのために上が空くのはもったいない、とデベロッパーからは言われましたが、毎年梅干しを漬けるので梅を干すための盆ざる(直径50センチ)を壁にかけて置きたいと思ったり、ジャムを作るときのレードルや木杓子などを吊り下げておくなどの“空間”を作りたかったためです。変でしょうか?」

全然変じゃないです。楽しみですね。
そこで私は一つ提案をさせて頂いたのです。
以前にKonaSalonの熊崎さんからのご提案で作らせて頂いた「鍋掛」や以前cafeのカウンターに作った「長押」をつけると良い雰囲気になりそうだと思ったのです。

ブラックウォールナットとタモホワイトの二樹種の食器棚

最終的には扉は付けないでオープンになった炊飯器用のスライドテーブル。

「さっそくのご回答、ありがとうございます!
また素敵なご提案もくださり、とっても参考になりました。
シンプルなのにすごくかわいいですね!
ぜひつけたい、と思いました。
それとは別に、持っているキッチンインテリアの本に載っている壁かけ(?)の中で、これいいなー、と思ったモノがありました。
写真をお送りしますのでお時間あるとで結構ですので、ご覧になっていただきご意見頂戴できればと思います。
写真ではカップがたくさんかかっていますが、もう少しキッチンのツールをかける仕様で、段の幅が広くなったものにできたらいいのかな、とか。。
また、写真の中のサイドの壁についている、上に小物が置けて、その下にフックがつけられる仕様のものもいいかな、とか。。
キッチンの食器棚とコンロの間の壁に、こういうのがあっても便利かなーと思ったりしました。
見せる収納、見えないように隠す収納をバランスよく取り入れられるといいなぁ~と思っています。」

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長押のイメージ。

そこで、何となくイメージが頭の中に浮かびましたので、それを絵に描いてMさんにお送りしたのです。

「昨日は、お見積り、図面、スケッチなど、お送りくださり、ありがとうございます!
迅速に対応くださって、なんだか恐縮するとともに、うれしく思いました。
夫はスケッチを見て、かなり感動しており、我が家の今井さまへの信頼がどんどん厚くなっております^^
そして、さっそくすべて拝見させていただきました。
まず左側の吊戸棚を外してくださったことで、見た目の全体感がスッキリしますね。
こうして図面にしていただくとすごくわかりやすいなーと思いました。
またその空いたスペースにつける長押し!
すっごくシンプルかつ機能的に使えそうでいいですね。とっても気に入りました。
季節によって飾るものを変えても素敵だな~と勝手に思ったりしてワクワクします。
あとは実際の木目や色で雰囲気も変わるかな、と思うので材料や色のお打合せが楽しみです。」

とうれしいお返事を頂いたのです。

ブラックウォールナットとタモホワイトの二樹種の食器棚

みんなでつぶやいているように見えるカウンターの上。

こうして、形がまとまってできあがった食器棚。実はそのあとなかなか都合がつかなくて、取付の時も参加できず、その後もなかなかお会いする機会がなかったのでした。
そして、納品から2年半後、お便りをいただきました。
「フリーハンド イマイ 今井大輔さま
初夏の日差しが心地よい季節となりました。
いかがお過ごしでしょうか。
時折、フェイスブックで今井さんのお仕事を拝見しています。
相変わらず、今井さんの作られる家具に憧れつつ、なかなか次のものに着手できないでいます。
さて、そんなご相談なども兼ねて、我が家へご招待でも、と思いご連絡致しました。
招待というほど、大したおもてなしもできませんが、今の住まいに入居してから、
作っていただいたキッチンの家具の写真などを撮りたいとおっしゃっていましたので、
遅ればせながら、ご都合をお伺いしたかったのです。
お忙しいと思いますので、ご都合つく頃などをお知らせいただければと存じます。
6月の最終週あたりか7月くらいになるでしょうか?
またお時間ございます時にご連絡くださいね。
それではお返事楽しみにお待ちしています。」

タモの長押

長押、その1。

タモの長押

長押、その2。

やっとお伺いできそうです。うれしいなあ。
そして、このメールから半年後の冬に差し掛かった頃、ようやくMさんご夫婦と、食器棚と再会。3年ぶりでしょうかね。
うれしいなあ。

「イマイさん!来て下さってありがとうございます。食器棚は大満足です。どこも不具合なくきちんと使えていますし、とても使いやすくてありがとうございます。」と奥様からうれしい言葉を頂きました。
使い込まれた食器棚は、Mさんらしさがそこかしこにあふれております。
「おいしくなあれ。」って食器棚の中のみんながMさんの背中に向かってつぶやいているのが聞こえそうなくらい賑やかな食器棚。

「さあ、イマイさん、ここに座ってくださいね。」
ご挨拶と点検を終えた後、写真を撮らせて頂いてから、Mさんに促されて食卓へ。
「準備ができるまでは、あなたがお話相手よ。」とご主人を促します。
そうあらためて言われちゃうとかしこまっちゃうのですが、ご主人もとてもユニークな方ですので、お話をしているとあっと居間に時間が過ぎていく。
その時間を見計らって、奥様が手際よくお料理を運んでくださいます。
おぉ、ここはレストランだろうか。
美味しいものほどすぐに忘れてしまうもので、ふたを開けるとホクホクになった丸ごとの玉ねぎや、ほろほろになった具合の良いお肉や、・・とそれしか思い出せないのですが、(すみません・・。)大変おいしい料理をおなかいっぱい頂いて、家具の点検しに来たのに最後は街道までお見送りまでして頂くという大変すばらしいおもてなしを頂いてしまって、ありがたいことです。

タモとブラックウォールナットの食器棚

価格:570,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は15,000円から、取付施工費は30,000円から)