ハンドメイド

Category : オーダー家具・オーダーキッチン制作事例, 食器棚のオーダー

2017年12月21日

「ナラ節アリ材とステンレスの食器棚のオーダー」

墨田 N様

design:Nさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:yasukazu kanai
painting:yasukazu kanai

節アリナラ材とステンレスの食器棚

食器棚全景。

以前に一度だけ、2000店以上のお店が2日間に渡って開かれるとても大きなクラフト市に出店したことがあります。
出店するほうも準備がなかなか大変で、見に来る皆さんもいろんなお店があるから大変だったのだと思います。人通りはたくさんあるのですが多くの人は歩きながら見ていく感じできちんと立ち止まってみてくださる方々は、いつもの市よりはかえって少ないように思えたのでした。
なかなか手に取ってみてくれる人が少ないねぇ、なんて言いながらアキコと二人で心もとなしにしておりましたら、ふと向こうからしっかりした足取りの女性が一人やってきたのでした。
いろいろと私たちの小物を見ていってくださって、「ありがとうございます。」とお声かけしましたら、「イマイさんのウェブサイトを以前から拝見させて頂いておりました。実は今食器棚を考えているのです。」とおもむろに家具の相談を始めてくださったのでした。

節アリナラ材とステンレスの食器棚

リビングから見たところ。

思わず、うれしさに大きく笑みがこぼれたのですが、今日は打ち合わせでお見せできる木々たちも道具たちも持ち合わせておらず、往来から時々声をかけてくださる人もいらっしゃったものですから、後日あらためてメールでご連絡くださいね。と伝えさせて頂いて、アキコと二人顔を見合わせて喜んだのでした。
やっぱり見ていてくれる人がいるってうれしいものだなあ、と。

節アリナラ材とステンレスの食器棚

ナラ材の印象。

クラフト市を終えてしばらくしました頃に、メールが届きました。
Nさんからです。
食器棚の細かいご要望を携えてこちらにいらしてくださることになりました。ありがとうございます。

「こんにちは、Nさん。先日はブースにお立ち寄りくださいましてありがとうございました。」
今日はご主人と二人でいらしてくださいました。
先日マルシェでお会いした雰囲気は、どこかふんわりと物腰柔らかな印象だったなあと思っていたのですが、実際にお会いしてこうしてお話してみるときちんとしたイメージを持っていて、その形に向かってしっかりと話を進めていくキビキビとした刀のでした。どちらかというとご主人のほうがふんわりとした印象で、そのお二人のやり取りがとても楽しいのでした。
そうして、Nさんの思い描くナラ材を使った少しラフな印象でまとめていくことになり、形もまとまったところで一度現地を確認させていただくことにしました。

節アリナラ材とステンレスの食器棚

天板はステンレスバイブレーション仕上げ。

平井の駅から川沿いにてくてくと歩いていくとたどり着くマンション。都内でも下町に近いのでしょうか。どこか喧騒から離れた物静かでよいところです。
「お邪魔致します。」そういって上がらせて頂くと、奥様はお仕事で出掛けられているそうで、足にギプスをはめたご主人が少し大変そうに迎えてくださいました。
「実は休暇中に足を折ってしまいまして、そうしたら妻が看護師ですのでかえってなかなかストイックでして自分の面倒は自分で見なさいって感じで・・。」と苦笑い。
「ああ、私もそうです。分かります。」と、本日一緒に採寸に同行してくれたアキコをちらっと見ながら私も苦笑い。
アキコも元々看護師ですので自分にもストイックなのですが、私が風邪を引いたりしても「自分できちんと直してね。」ということでなかなか甘えは許してくれないのであります。(笑)

節アリナラ材とステンレスの食器棚

今回は、コの字になったスペースに食器棚を設置したのですが、左右に隙間をなるべく作らない形で製作してみました。壁の寸法も歪みもないように思えたのでほんの少しの逃げ寸法で作ったのですが、製作、取付を行なったカナイ君から、「結構ギリギリでした。」との報告。箱になると、1mmの誤差でも対角で大きく膨らんでくることがあったりして、それでもそうにか納められるような工夫は事前にしておきました安心しておりましたが、やはりなかなか難しいところですね。

手早く二人で採寸をして、奥様がイメージされていた仕上がりの色のもととなっているテーブルや床の色を確認させて頂いて、ご主人に負担をかけないうちに戻ってまいりました。
「早く良くなってくださいね。」

節アリナラ材とステンレスの食器棚

ちょっと広めのスライドテーブルには、炊飯器とトースター。


節アリナラ材とステンレスの食器棚

スライドテーブルの天板面には汚れても掃除しやすいようにステンレスを貼りました。

これで、寸法も色もまとまりましたのでいよいよ製作開始です。
ナラの節アリ材はこのところよく使われる素材です。表情は良いのですがなかなか癖があって、挽いてみないと、削ってみないと材の悪い部分が分からなかったりするので、無駄が出てしまうことが多い素材でもあります。
削ってみると思っていた以上に割れが深くて、使っていると乾燥の具合でもっと割れが進んでそりも出てきそうな材があったり、あまりに節の状態が悪くて大きく欠落してしまったり。
どちらかというともともとはじかれてしまっていた材でもありますので癖は大きいです。それが良い表情となるわけですので、そういわれてみると扱いづらさはあっても確かに豊かな表情で、ほかにはない柄になるものばかりで、このような材は使えないよ、と言われて育った私たちでもすてきな表情をしているね、と思えてしまうのですから、ものの見方は変容するわけですね。

節アリナラ材とステンレスの食器棚

引き出しの様子、その1。


節アリナラ材とステンレスの食器棚

引き出しの様子、その2。


節アリナラ材とステンレスの食器棚

吊戸棚の内部の様子。

その癖のある材を使って、食器棚をくみ上げていきます。
天板はステンレスでハンドルもステンレス。こうしてストイックな印象の食器棚ができあがりました。

完成、設置後にあらためてアキコと二人でNさんを訪ねます。
やっぱりマルシェで初めてお会いしたので、アキコもあらためてお礼を言いたいということで。
すると、今度はすっかり足が良くなったご主人と奥様の間には小さな赤ちゃんが。
新しい暮らしが始まりますね。
その中に私たちが作る家具を取り入れてくださってありがとうございました。
アキコと二人ホクホクした気持ちで帰路に就いたのでした。

節アリナラ材とステンレスの食器棚

このHailoのダストボックスが使いやすそうで、小さなスペースで収納できて、フタの開閉もスムーズで魅力的なのでした。


節アリナラ材とステンレスの食器棚

1か所だけ引き出しの上部を切り取ったような形状にしていて、手前のものは上から取り出しやすく奥のものは引き出して取りやすくしています。

ナラ節アリ材とステンレスの食器棚

価格:550,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は25,000円から、取付施工費は40,000円から)

きもちの距離

Category : オーダー家具・オーダーキッチン制作事例, 食器棚のオーダー

「タモ板目のセパレートタイプの食器棚のオーダー」

志木 I様

design:Iさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:hideaki kawakami
painting:yasukazu kanai

タモとステンレスと真鍮の食器棚

リビングからキッチンを見た時の印象。

紙に描いた食器棚」のHさんのタモの食器棚はやはりとてもやさしい印象で、その写真を見て、志木にご新居を建てられるIさんから、ご相談をいただいたのでした。

「はじめまして、Iと申します。
新築物件を購入し、これから工務店さんにお願いして洗面所等の追加工事を行っていただいた後、入居予定となっており、食器棚についてもキッチンスペースにサイズが合ったものを購入したいと考えおります。
工務店さんから他の家具屋さんをご紹介いただき、見積も出していただいている状況ですが御社の食器棚をインターネットで拝見し、是非、御社にお願いしたいと考えております。
イメージは王禅寺のH様と同じものをイメージしています。
入居は10月末頃です。吊戸棚の無垢板の木目が繋がっているところが非常に魅力的に感じています。
是非、一度見積をお願い致します。
何卒よろしくお願い致します。」

と丁寧なメールを頂きまして、さっそくHさんのかたちをもとにIさんの間取りに合わせたサイズで図面を作成し、どのくらいの費用が掛かるかをお知らせしたのでした。

タモとステンレスと真鍮の食器棚

ハンドルはHORIの真鍮磨き仕上げのハンドル。クリア塗装仕上げと違って、研磨して鏡面に仕上げてあるので、使っていると輝きが鈍くなってくるのが大きな魅力です。

よく、大まかで良いので金額が知りたいです、というご相談を頂くことがあるのですが、私たちが作る家具の場合は、その家具を作るために使う材料とその形を作るためにかかる日数を考えて費用を計算しています。ですので、食器棚を作るとおおよそいくらになるか、という漠然とした目安は出しにくかったりするものでして、今回のIさんのように「○○さんの形」というような具体的な形状が決まっているほうが目安として考えやすかったりします。
使う人も作る人も、まずはその一つの形をベースにいろいろと話を進めていけますので。

タモとステンレスと真鍮の食器棚

天板はトップの見ステンレスのヘアライン仕上げで、小口はタモを見せる形で仕上げています。

そのようなわけで、今回はHさんの形をベースにIさんらしさを組み入れていくのです。
おおよそ形がまとまったところで、一度私たちのところにいらしてくださることに。
埼玉からはるばるこの小さな工房までいらしてくださるなんて、とてもありがたいことです。

タモとステンレスと真鍮の食器棚

トースターを乗せるスライドテーブル。今回工夫したのは、いつものようにスライドレールを使わない点。吊桟の形でテーブルを吊っているのですが、これがなかなか滑りが良くて使い勝手が良いのです。私が入社当時はスライドレールを使うことも少なくてこの形が一般的だったのです。懐かしいなあ。

「こんにちは。」
いらしてくださったお二人はまだお若い。
「はじめまして、イマイと申します。どうぞお掛けください。」
ということでさっそくお話を始めます。
今まで打ち合わせをしてきたのはご主人。今回主にお話を進めるのはやはりご主人。
普通はキッチン周りの家具となる場合は、奥様がメインにお話をされる場合が多いのですが、Iさんの奥様はにこやかにご主人のお話を横で聞いていて、ご主人の質問にも優しくうなずくしぐさがとても愛らしいのでした。
対照的にご主人はキッチンに対して明確な意見を持っていらっしゃって、そこに奥様の希望を組み込んでいくお話しぶり。
はい、もうしっかり作らせて頂きます、と思わせてくださるくらい、ピシッとした印象なのでした。

タモとステンレスと真鍮の食器棚

スライドテーブルの下はちょっと深めの引き出し。どんなふうに使っているかと思いましたら、木の器がまとめてしまわれておりました。

それから何度かやり取りを重ねて、いよいよご新居も引き渡しとなり、設置場所の寸法を測らせて頂いて製作に取り掛かる段取りに。
このときにちょっとだけ注意深く考えておけば、あとで大変なことにならずに済んだのですが・・。

タモとステンレスと真鍮の食器棚

さらにその下は、ステンレスのバスケットに根菜を入れています。バスケットは以前は白い樹脂巻きのタイプを使っておりましたが、樹脂がはがれることもあったりして、今はもっと頑丈に使えるステンレスのバスケットを採用しています。 バスケットを受けるレールは同じタモ材で作っています。

家具製作は順調に進みまして、最初のご相談から4か月弱でようやく納品の段取りとなりました。
このところは、打ち合わせや設計のほうで慌しくなってきていまして、私が取付工事に出掛ける機会も減ってきていまして、今回もみんなに取付を頼んだのです。
みんなももうしっかりと頼もしいものですので、私の望むような納まりできちんと設置してくれますので、安心しているのです。
今回のIさんの取付も特に現場でのコンセントの細工などもないので、それほど複雑な取付にはならないかなと思っておりました。
当日も、距離があったのでその分遅くなったのでしょうけれど、夜になってみんなは無事に作業を終えて戻ってきましたので、(では、後日時間ができたらご挨拶に伺おう。)と思っていたのです。

タモとステンレスと真鍮の食器棚

吊戸棚の扉の下にはオープン棚。よく使うし、きれいに見せたいし、という茶器が並びます。

ところが、翌朝にIさんからメールを頂きました。
食器棚はきれいにできていて、設置もきちんとされていてとても満足ということだったのですが、食器棚と壁の隙間を埋めるのにシリコンを使うのですが、その時の処理が良くなかったようで、シリコン自体はきれいに充填されたのですが、養生のために張ったマスキングテープをはがす際に壁紙を引っ張ってしまって少し汚れてしまっていたのだそうです。
翌朝彼らに聞いてみると、そういう返事が返ってきました。うーん、もっと早く言ってほしかったなあ・・。
詳しく聞くと、壁紙がビニルクロスではなく、紙でできていたそうです。
あっ、そういえば採寸した時にちょっと変わった壁だって思っていたんだ。
自分がもっと状況をみんなにきちんと事前に伝えておければよかった。Iさんに迷惑が掛かってしまうことになりましてすみません・・。

タモとステンレスと真鍮の食器棚

「吊戸棚の内部も外と同じ素材にしてください。」Iさんの強い希望で、扉を開けた内部もタモ罪で製作することにしました。内部はいつもはコストダウンとお手入れのしやすさを優先して、化粧板を使うことが多いのですが、共材で仕上げる印象はとても落ち着いていてやはり良いです。

紙でできたクロスなら当然テープを張ると毛羽だったり、引っ張られてはがれてしまうので、一番粘着の弱い青いマスキングテープを使って養生しよう、とやってみたわけですが、それでも壁紙のジョイント部分はかなり弱くてテープに引っ張られてしまったのだそうです。
そこで、ボンドを薄く塗ってはがれかけた部分を再接着して施工を終えたのですが、やはり違和感が出てしまったのを、Iさんにお伝えせずに戻ってきてしまったということで。Iさんすみませんでした。
それであらためてこの壁紙を貼りなおして、修理させて頂くことに。
クロスの張替は、いつもお世話になっているイズミさんに小田原から来て頂いて、きれいに貼り直して頂きました。ありがとうございました。

タモとステンレスと真鍮の食器棚

引き出しの様子、ここは、ご主人の引き出し。コーヒーを自分でゆっくり入れたいということで、その挽き方、入れ方に合わせた器具類がしまわれているのです。

タモとステンレスと真鍮の食器棚

引き出しの様子、以前に東久留米のKさんから教えて頂いた、市販のカトラリーケースをうまく活用して収納する方法。ここでは、ケユカさんのケースを使って、上段は億と手前にスライドするようにして、下にケースを敷き詰めて多段で使えるようにしているのです。

タモとステンレスと真鍮の食器棚

引き出しの様子、その下は茶碗類が入ります。

タモとステンレスと真鍮の食器棚

引き出しの様子、そしてかさばってしまうタッパーたちがきれいにしまわれます。

タモとステンレスと真鍮の食器棚

引き出しの様子、そして一番深い最下段の引き出しは木箱に入った食器や背の高いビン類がしまわれております。

最近は、この再生紙を活用した壁紙を使われる方も増えてきていらっしゃいます。
壁紙の上から自然塗料を塗布して仕上げる形が一般的なのだそうですが、無塗装のそのままの質感を選んで使われる方も多くいらっしゃいます。
そういう知識が不足していて起こってしまった今回の不具合。とても良い勉強になりました。

タモとステンレスと真鍮の食器棚

リビングから見た様子。タモの柄はメリハリが強いので好みが分かれるのですが、私はこのはっきりとした木目の流れ方が分かる様子って好きです。動きに温かみがあって。

その後、Iさんにはとてもよく思って頂けて、都内でクラフト市に参加した時もご主人がわざわざ足を運んでくださって木のお皿を気に入ってくださったり、写真撮影の時にカメラのお話でとても話が膨らんでしまいにはIさんがレンズまで購入されて、楽しそうに写真を撮り始めてくださったりと、うれしいお付き合いが続いております。とてもありがたいことです。
また、何かありましたらいつでもお声掛けください、Iさん。
距離は遠くても気持ちが近いことには変わりありません。

タモ板目のセパレートタイプの食器棚

費用につきましては、お問い合わせくださいませ。

さくらひらひら

Category : オーダー家具・オーダーキッチン制作事例, オーダーキッチン

2018年1月23日

「タモ材とマットホワイト化粧板とコーリアンのオーダーキッチン」

山手 S様

design:Sさん
planning:Sさん/daisuke imai
producer:yasykazukanai

以前に少し変わったキッチンを作らせて頂いたことがありました。「glamorous」のMさんのキッチンです。クォーツストーンとウォールナットを調色して仕上げた今まで私たちが作ったことがなかった独特のキッチンです。組み込む機器たちも初めて名前を聞く器具ばかりで、あの時は内装施工を担当されたクラフトさんがうまくサポートしてくださったおかげできれいに仕上がることができました。

鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

玄関からリビングに入るとこのような印象が目に映ります。


鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

そして、反対のバルコニー柄から見た印象。タモのダイナミックな木柄が目に飛び込んでくるのです。


鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

キッチンに入るとこのような感じ。天板もキャビネットも白、レンジフードも白。


鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

タモの塊がキッチンの手元を隠すようなデザイン。このイメージは雑誌で見たバケラッタさんが設計されてリネアタラーラさんが製作されたキッチンに影響を受けたのだそうです。

そのMさんが私たちを紹介してくださったというSさんからご相談を頂いたのです。とてもうれしいのですが、またとても難解なキッチンだとしたら‥、と少しよぎる不安。(笑)
でも、お送り頂いたファイルを拝見しますと、比較的シンプルな形で取り組みやすそうです。
見積金額をお伝えして、いろいろとお話を進めさせて頂けることに。
ありがたいご縁です。

鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

ここが奥様のデスク。

このころSさんのご家庭では赤ちゃんがまもなく生まれるというすてきな時期でしたので、その新しい暮らしに落ち着くまでお話を一度置いておくことになりました。
そうしてしばらくしました頃に、Sさんからご連絡を頂いたのです。
「いろいろと考えておりまして、実は最初のイメージとは大きく違った印象のキッチンにしたいな、と考えておりまして。」

鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

さすがにこの太さの材は見つからないので、4枚の材をプレスしてこの角材を作りました。

そう切り出して教えてくださった形が、白を基調としたキッチンでした。
そして、その白いピカピカしたキッチンの上に木の塊が載るというのです。
どちらかというと木の表情を大きく見せるキッチンを今まで多く作ってきましたので、この色や表情がどんなふうに調和していくのか私にも見えない部分がありました。

鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

キッチン側の手元の様子。キャニスターがちょうど隠れるくらいの高さの150mmの立ち上がりにしています。物を載せるカウンターとなっている部分は210mmの幅に。

私たちのキッチンを選んでくださる理由の一つにその表情です、っておっしゃってくださる方が多いのです。
使い勝手はってよく考えると、その人なりのかたちを表現できていると思うのですが、システムキッチンのほうがきっと多機能だし、あれこれチームで考えた形がそこに表現されているわけですからきっと優れたものだと思うのです。
でも、ここに来てくださる皆さんは、イマイさんらしいシンプルな表情が好きなのです。と言ってくださいます。

鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

シンクの下は分別のゴミ箱が収納されています。

イマイさんらしいのかぁ。うれしいのですが、自分自身でそれが何なのかつかめないまま皆さんとこうして一つずつものつくりを進めていて、ときどきそれで良いのだろうかって疑問に思ったりするのです。
そんな時にSさんのように白いキッチンを依頼頂くと、これは私たちでも良いのだろうか、実は化粧板ならもっとうまく表現できる人がいるのではないだろうか、と心配な気持ちがよぎったりするのです。

鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

引き出しの様子、その1。


鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

引き出しの様子、その2。


鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

引き出しの様子、その3。

でも、いろいろとSさんのお話を聞いていると、この形にたどり着くまでの過程もこうしてお話してきたら生まれたのであって、始まりから終わりまでフリーハンドイマイだったからこの形になりえたのかな、とも思ったりして一人安心するのです。
そのようなわけで、今回は少し変わった形を作らせて頂けることになりました。
頂いたSさんのイメージを基に実現可能な形に設計し直して、形が決定。不安もありますが楽しみです。頑張ってよい形にします。

鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

調味料用の引き出しは、今回はハーフェレのものを採用しました。

ご新居となるマンションは、横浜の山手。桜の季節になると壮大な桃色の世界になる根岸森林公園のそばに建つ趣のある形をした集合住宅です。設計を担当されている方も現場を監督されている方も前回のMさんと同じスタッフさんです。前回はいろいろとお世話になりました。今回もよろしくお願い致します。

鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

背面の食器棚のカウンターはタモ板目無垢材。ウレタンクリアのつや消し仕上げにしてあるので、導管が感じられる良い手触りに仕上がっています。

メゾネットをスケルトンにして、全く新しい空間を作るということで、ご実家からは距離があってなかなかこちらのほうに来られないSさんに代わって、現場を拝見させて頂きます。
こういう風に施主支給という形でキッチンの施工に入らせて頂くのは、よそ者が現場に入ってくることになると思うので、とても肩身が狭く感じてしまうことがあるのですが、監督さんはいろいろと手配をしてくださっていて、私たちが施工しやすいように段取りを組んでくれておりました。
仕事がしやすくて助かります。

鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

ちょうどコンロの向かい側あたりの食器棚のカウンターには、コーヒーマシン。


鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

そのコーヒーマシンの下は、家電収納になっています。


鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

こちらは炊飯器。蒸気が出ないタイプの炊飯器なのです。そして、この炊飯器のデザインにSさんがお仕事で関わっていらっしゃるのだそうです。

やはりね、こういうふうにうまく段取りが進んでいるところだと、各職方さんは仕事がしやすい。風通しが良く動きがスムーズな現場になります。
サイズの確認と配管位置の確認を済ませて、いよいよ製作に取り掛かるのです。

化粧板というメーカーである程度出来上がっているものを採用する場合は、木ですべてをこしらえるのと違って、ある程度できる細工に制限が出てきたりします。
どの部材を使ってどう実現するかをパズルのようにあれこれ考えながら頭の中で形を組み立てていくのです。
そして今回使うことにしたのは、ポストフォーム加工下扉材を使うことにしたのです。すべて私たちのほうで化粧板を貼っていく形よりも角に丸みを持たせることができて、柔らかい印象にすることができるからです。
その曲げ方向もちょっと頭を悩ませました。
メーカーから2種類出されているポストフォーム加工の扉材ですが、どちらを使うとより柔らかく見えるかなあ・・。

鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

家電収納の隣は調理道具がしまわれている引き出し。この引き出しの上段は、外から見えないように内引き出しにしていますので、閉めた時の印象はとてもシンプルに映ります。

結果、左右が丸みを帯びているものを採用し、手を掛けて開ける部分は私たちが新たに追加加工して、その部分を塗装して仕上げるという少し手の込んだ仕上げにすることにしたのです。
そのほうがコストは高くなってしまうかもしれませんが、印象が柔らかくなって良いですので。
そうして扉材はできあがり、カウンターはデュポン社の人工大理石コーリアンを使うことにして、シンクも同じコーリアンでできた物を使って隙間の無いシンク一体型カウンターにしています。
そこに柄のはっきりとしたタモがドシンと組み合させて完成。
とてもメリハリのあるキッチンができあがりました。
そして、その施工の日もうまくほかの職人さんとバッティングしないように、大工さんとも作業場所が被らない工程を組んでくださって、かなり大掛かりなキッチンと背面の食器棚、そして洗面台という3か所の取り付けでしたが大きな問題なく無事に施工が完了したのでした。

鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

引き出しの中の調理道具。


鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

引き出しの中の調理道具たち。


鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

キッチンの入り口近くになると、みんなが取り出しやすいようにカトラリーや食器たちにしまわれるものが変わってきます。


鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

お子さんの離乳食なども。そのうちお弁当セットに代わっていくのでしょうね。


鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

引き出しだけではなく、扉も設けています。そこにはお皿がしまわれていました。


鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

こちらはカップたち。

「Sです。
キッチンも洗面台もとても綺麗な出来で惚れ惚れしています。
そして旦那に家の中でキッチンが一番立派でずるいと言われてます。(笑)
先日の写真をMさん(王禅寺のMさん)にも見せて、すごい素敵!とのお言葉もらいました。同じイマイさん作品でも依頼者が違うと全然違う雰囲気になっておもしろいですね。
引越しして落ち着いた頃にぜひキッチンを見にいらしてください。
さくらが丁度良い時期だといいですね。根岸森林公園の桜は去年はじめて見ましたが本当に立派で綺麗でした。
馬と桜のコラボも今年は堪能できたらと思います。
それでは、またお会いできるのを楽しみにしております。」

こうして、無事にお引渡しが終わったのでした。

鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

そして、キッチン入り口にあたる部分には、背の高い収納があります。


鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

パントリーのように使えるようにと、シンプルに棚板だけが入った収納。食品に限らずストックするものなどがうまくしまわれております。

そうして、約束していた桜の季節にあらためて伺わせて頂きました。
すっかりお父さん、お母さんになっていたSさんご夫婦が経つ後ろには満開の桜が。

「今年の桜は長いですね。まだこんなに残っていて。」
「そうですね、森林公園もまだまだ見頃でした。」

鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

Sさんの提案でした。「これだ!って形の取っ手が見つからないのです。」ということで、作ることにしたのです。実際にお話を伺ってみると、とてもシンプルな取っ手。でもそれがなかなか見つからなかったのだそうです。

そういう空気はここでしか出せないし、そういうキッチンであるということが最初から最後までフリーハンドイマイだったからできたということなのかもしれませんが、それ以前にやはりSさんがこの場所を選んでこう言う空気でいられる場所にするという心の持ちようがあったから、このキッチンやこの空間がこういう形になったわけで、それでこういう空気が生まれたわけで、なんだかとてもまとまりがない文章になってしまいましたが、その形は成るべくして成ったのです、そういうことです。

鏡面ホワイトとタモを使ったモダンなキッチン

居心地よい時間。


コーリアンとクルミの洗面カウンター

こちらはコーリアンとクルミで作った洗面台。


コーリアンとクルミの洗面カウンター

中央の扉を開けると配管スペースになっていて、左は深めの2段の引き出し、一番右は、扉を開けると棚板が1枚入っているといシンプルな構成です。550mmの奥行きを採っているので、ゆったりと使うことができます。

キッチン仕上
天板 人工大理石 デュポンコーリアンシンク一体型カウンター
扉・前板 鏡面ホワイトメラミンポストフォーム加工化粧板・オリジナル手掛け加工
本体外側 ポリエステル化粧板「マットホワイト」/タモ無垢材
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」

コーリアンと白い鏡面化粧板とタモを使ったペニンシュラキッチン

価格:1,220,000円(制作費、設備機器は別途)

白い鏡面化粧板とタモのカウンターの背面食器棚

価格:790,000円(制作費・塗装費)

コーリアンとクルミの洗面化粧台

価格:300,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は60,000円から、取付施工費は170,000円から)

ウェブサイト更新

Category : 日記「自由な手たち」

2017年12月21日

タモとステンレスと真鍮の食器棚いろんなことがありましたが、とてもうれしいお付き合いが続いているタモとステンレスを使った食器棚を作らせて頂いたIさんの記事と、

アメリカンチェリーとステンレスヘアラインのL型キッチン由比ガ浜にアトリエを構えていくお手伝いをさせていただいた鎌倉のYさんのキッチン製作の記事と、

節アリナラ材とステンレスの食器棚ストイックなデザインでありながらもその人の使いやすさ、優しさが出ている墨田のNさんの食器棚の記事の3つを掲載いたしました。

どの方も楽しく、大変だった思いが詰まっております。(笑)
たのしくご覧頂ければ幸いです。

タモの食器棚

Category : 日記「自由な手たち」

20171221004Hさんのタモの食器棚も完成し、本日設置を終えてきました。
クリスマスにご新居に移られるということで、それに合わせての納品に間に合わせることができました。
今回のお仕事は、以前にクルミでキッチンや食器棚などを作らせて頂いた逗子のFさんの設計をされていたclachicの山本さんからお話を頂きまして、Hさんと知り合うことができたのでした。いろんな縁でこうしてつながりを持てることは大変ありがたいことです。

プゥ

Category : 日記「自由な手たち」, お話

チアキが小さい時に、アキコがこう言っていました。
「おとうさんはチィちゃんのことを何でプーちゃんって呼ぶの。」って。
アキコは、「プーちゃんの「プ」はプリンセスの「プ」だよ。」って伝えたそうです。
ただ、可愛らしい子にはプゥちゃんって愛称で呼んでいたのは内緒。
ハルカも小さい時はプゥちゃんて呼ばれていたし、今ではこの仔がプゥ。

ならこうし

Category : 日記「自由な手たち」

2017年12月20日

まもなく年末を迎えますね。
この工房でアイと一緒に年を越す家具たちもすこしずつ増えてまいりました。

チェリーとステンレスのキッチン

Category : 日記「自由な手たち」

2017年12月19日

いよいよHさんのキッチン。
昨日から作業が始まりました。
全容はもうすぐ。
今はここまで。

冬の贈り物

Category : 日記「自由な手たち」

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イベント「クレミル」のランチでお世話になっている鎌倉Mother`s Cafeのウスダさんから、お店のOPEN当時から人気があるという焼き菓子のギフトが届きました!
ドライフルーツのバターケーキとりんごのブラウニーです。
ケーキの封を開けた途端に濃いチョコレートの香りと、バターの甘~い香りが広がって、美味しくて、幸せな気持ちになりました。
一足早くクリスマスな気分です。ごちそうさまでした。

あたらしい日々

Category : 日記「自由な手たち」

2017年12月18日

「イマイさんのかたち、すてきですね。」そう言ってもらえることはとてもうれしいけれども、自分で何かを生み出すことはやっぱり苦手なわけで、こうして魅力的なかたちを生み出すきっかけをくださった皆さんとの出会いをありがたく思いながらその思い出を少しずつこの場所に残していってみようかな。
毎日があたらしい日々です。

アイアンとオーク

Category : 日記「自由な手たち」

2017年12月16日

20171216003ナラの追柾のような表情で張ってもらった突板を使って作ったOさんのダイニングボードとデスク。ダイニングの背面壁が躯体壁だったので、どうやら立ちが少し良くなくて、右上方の壁が膨らんでいるようでした。躯体だと左官屋さんの手塗りで仕上げますものね。多少のゆがみは出てしまうもの。でも大きな家具を取り付けるとなるとその歪みを拾って大きく隙間が開いてしまう。無理に取り付けて扉がゆがむのもいけないので、今回は水平、垂直を優先して後ろの隙間を大きくとることにして施工。後からシリコンを充填して施工完了。
ちなみに今回のようにマンションにすでに住んでいるような引き渡し後の工事になる場合は躯体壁へのビス固定は行なっていないので、うまく左右の間仕切り壁の中の下地を探したり、天井のダクトを通している梁の下地内にビスを聞かせるようにして固定するのです。(戸建て住宅や集合住宅でも本工事内においては行なっております。)そういう細かな作業をしていると、朝から始めてもあっという間に日が暮れていきます。Oさん、長い時間お邪魔しました。
書斎となる部屋には、Oさんのデスク。メラミン焼付塗装仕上げしたスチールの構造とナラ柾の組み合わせです。
私の手配が遅れてしまって今回の工事で間に合わなかったKUMAさんのハンドルが扉につけば完成。
できあがりがとても楽しみな家具になりました。

熊手作り

Category : 日記「自由な手たち」

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工房は通常営業日でしたが、私はお休みをいただいて、次女と弥生神社で行われていた熊手作りに参加してきました。
熊手と一緒に参加者全員でお祓いを受けてから、社務所で熊手のはじまりと縁起物についてのお話を聞き、宮司さんが用意してくださった和紙・植物・ドライフラワー・水引などの材料を思い思いのかたちに作っていきます。途中で宮司さん手作りのお菓子をごちそうになって。慌ただしい年末ですが、この時間を作ってよかったと思える時間でした。作品は熊手?という形になってしまいましたが(笑)楽しかったのでよいのです。
明日も14時から行われるそうです。予約は不要だそうですよ。

お絵描き日和

Category : 日記「自由な手たち」

今日は芝浦のOさんのところまで4人で出かけてしまっていて、作業場はノガミ君だけで、アイもどこかに出掛けてしまって少しひっそり。
私もこれから学校での集まりで、工房はさらにひっそり。
その前に先日Nさんと約束していたスケッチだけどうにか仕上げて。
行ってきます。
陽ざしが気持ちよい。

はじまりますね。

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2017年12月15日

すてきな日用品のお店作りが始まっています。
私たちがお手伝いするのはストック棚。今日がその設置工事でした。うーん、みんなで作っている感あふれる空間。
これから装いがカメレオンのように変わっていくのです。
皆さんがどう味付けしてくださるか楽しみです。
次回はクルミとアルダーをもってお邪魔します。きっと良い表情になるはず。

干しブドウカレー

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2017年12月13日

2017121300120171213002201712130032017121300420171213005「ちょっと変わったカレーですが、召し上がっていってください。我が家の昔からのレシピなんです。」
と、Fさんが作ってくださったのは干しブドウカレー。スパイスの後から甘みが出てきてとても美味しく、「良かったら」ということでたっぷりおかわりさせていただいたのでした。

「家全体の間取りをかんがえたりするときには、これからの家族の形や暮らし方といった先の事に目がいっていましたが、なぜかキッチンのことを考え始めると、子どものときの思い出が広がって、後ろにおいてきた時間が戻ってくる感じになっています。
そんなことで、あれこれ揺れてしまって少し不安になっていましたが、「いろいろな思いでいろいろ形を迷いながら最後に一つの形に辿り着きます」というお言葉に、その揺れている時間自体を大事に思えました。有難うございます。」
そうですね、その時間は本当に大切です。
人が前に進むには、大きな目標に向かい続ける力も必要ですが、今までいろんな人や場所や時間に頂いた大切にしておいた気持ちに後押ししてもらって前に進める力にすることも大事です。
でも、私が今でもよく覚えている台所の思い出は、いつまでも甘ったれて「シャツのボタンを閉めて。」と母に呟いたら、「もう一人でできるでしょ。」と、夕飯の支度をしている母が大きな声で怒りながら、野菜を洗っていた手の水をピシャっと顔にかけられたことかな。あぁ、いつまでも甘ったれじゃいけないんだって、その時思ったのでした。
それから、両親が不在の時に友達と二人で、千歳飴食べようとして包丁で切ろうとしたら、手が滑って指をざっくり切っちゃって、血が止まらないよう、と焦ったことかな。
それから、昔は台所に湯沸かし器があって、お湯のレバーをひねるとボゥっと大きな音がして、湯沸かし器の中に青い灯がともるのを、じぃっと見ていたこととか。
子供の時の記憶は、やっぱり今でも鮮明でそれが今も時間を形作っているっていうのが良く分かります。
上の思い出が今の私に生かされているのかどうか、良く分かりませんが・・。(笑)

「せっかくオーダーするのに隠れたところにキッチンを作るのは、と設計段階では迷いもあったのですが、母の台所も祖母の台所も独立型でしたので、ちょっと離れているところにこもっている母や祖母の気配、包丁の音、ゆっくりとどくお料理の匂い、そういう気配がよかったな、と、そういう感じを娘たちにも伝えらえるといいな、と。仕上がってみて、基地みたいな感じがして、とても気に入っています。
堂々とリビングの真ん中にあるキッチンも素敵ですが、ちょっとひっそりしているキッチンも、お台所、という感じ、特に、イマイさんの作品だからこそ、この雰囲気がでるんだと嬉しいです。
イマイさんのパンフレットを手にした日から、ずっと憧れていたキッチンが目の前にあることが、なんとなく最初、現実味がなくて、夢心地だったので、たぶん、イマイさんにも、作ってくださったコバヤシさんにもちゃんと言葉で表現できていなかったですが、いまはこんなふうにうれしさがこみあげています。」

Fさんとのキッチンのやり取りはこんなふうに楽しかったのでした。なんとなく空気が似ているというか。
今日あらためてお招き頂きまして、写真を撮らせていただき、お昼ご飯までごちそうしていただきました。
目を少し悪くされているFさん、棚下照明がちょうどまぶしい位置になってしまったということで、面白いものを作らせていただくご相談も。
これがまた楽しそうなのです。
来年になってしまいますが、楽しみにしてお待ちくださいね。
今日はありがとうございました。

お味噌作り

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「今度みんなでお味噌作りをするのですが、場所をお借りすることってできるのでしょうか?」と地元のお母さま方からお話をいただいたのです。おうちパンの様子を見て、私達のことを知ってくださったのだそうです。
打ち合わせなどで使っていない時ならどうぞどうぞということで、今日の午後は1階では家具・キッチンが、2階ではお味噌が作られていたのです。いいですね。おそらく初めてショールームが大豆と麹のいい香りで満たされました。
両親の田舎の岩手からおばあちゃんが作ったお味噌が時々送られてきたことを思い出します。色が濃くて、しょっぱくて、大豆の粒が大きくて、香りが濃かった気がします。それをつけて焼く焼きおにぎりがすごく美味しかったことを思い出しました。
みなさんとても楽しそうに作業されて、美味しくなるといいですね。
いつか「フリーハンドイマイさんで仕込んだ味噌は一味違っておいしいんだよ。」なんて言われるようになったらうれしいですね(笑)。
ご近所の方で手づくり味噌に興味のある方は代表の方を紹介しますので、ぜひお問い合わせくださいね。
私も次回は参加させていただこう!

kissakocookingへ行ってきました。

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2017年12月12日

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1日3食、台所に立つのがおっくうに感じる時もあるのに、料理教室に通いたくなる気持ちはなぜなのでしょう?家族みんな食いしん坊だからかな。
今日はお休みをいただいて、念願のKissakocooking のママクラスに参加してきました。お正月のお節料理のレッスンです。嫁いだ時に母から習ったものの、確認しても、母も作り方を変えたりしていて…。年に1度しか作らないから、「こんな感じじゃない?」と、大事なごちそうなのに曖昧になっていた部分がありました。レッスンのお陰で今年はちゃんと「ハレの日のごちそう」として準備することができそうです。 セイコ先生ありがとうございました!また次回お会いできる時を楽しみにしています!
instagram : @kissakocooking

イベント「クレミル」最終日、工房開放終了しました。

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2017年12月11日

2017121000320171210005201712100042017121000220171210001「フリーハンド」と名がつく私たちの工房。
「お客様が必要な形の家具・キッチンを作ります。」と謳って今のニーズがあると思っています。その工房が行う木工教室です、その感覚を体験できる機会にしたい思い、決まった形をつくるのではなく、皆さん自由に必要な形を作りましょう!と、なりました。
「バルミューダのトースターを購入したのですが、置きたい向きだとカウンターからはみ出てしまうので、それ専用の台が欲しくて」
「作業台が狭くなってきて、スペースを広くしたいのです。」
「こどもが生まれてから、絵本や育児書が増えて、本棚が欲しくなって。」
「来年こどもが小学生になるのですが、学習机が本当に必要かわからなくて。このミニデスクを作ってリビングに置いてみます。」
「キャットタワーを作りたいんです。」などなど。
今年も皆様それぞれ必要な形が出来上がりました。
ただ、「自由」を自由なまま実現させる為には、色々な事情が出てくることも今回実感しました。そんな状況にも関わらず、皆様「楽しかったです!ありがとうございました!」と笑顔で帰られる姿が見られて本当に良かったです。ありがとうございました。今後より良い機会になるように、皆様から頂いたご意見を次回に生かせるよう改善していきたいと思います。
年に一度、毎年12月にこのクレミルをすると決めていますので、そのタイミングで体験しに来てくださいね。
ミニキッチン・ミニデスクも次回も作れるようにしますので、今回ご参加いただけなかった方々、ご安心くださいね。
次回も皆様にお会いできる日を楽しみにしております!

漕ぎつく

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2017年12月12日

20171211002裏面に鮮やかな青の織物が写っているポストカードが届きました。
「Piece」と題された個展が開かれるのだそうです。
作家さんは工藤聖美さん。
1年半前にご自宅の玄関収納を作らせて頂いたのが懐かしく、端に添えられた文面が工藤さんらしいのでした。
「どうにか漕ぎ着けました。」
家具の納品のその後に、偶然、たしか国立新美術館に出掛けた時でしたか。作品を展示されている工藤さんにお会いできたのでした。
「また次回、個展を開かれる時はぜひお知らせ下さいね。」

その次回が今回なのでした。(本当はね、この前にも作品展があったのだけれど、イマイさんにお知らせするの忘れちゃって、あぁもう秋でいいかなって。と工藤さん。(笑))
そして、昨日午後から少しお休みを頂いて、アキコを二人で出掛けてまいりました。

こんにちは、工藤さん。
久しぶりにお会いして、いつも変わらない透き通った瞳で快活にお話される様子にたくさん元気を頂きました。
私も漕ぎ着けるかな。頑張ります。

工藤さんのすてきな緑色の作品をひとつ頂いてまいりました。ショールームでその独創的な織りかたを見ることができます。
次の作品は国展で拝見できるということです。また楽しみがひとつ増えました。

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2017年12月11日

昨日のワークショップで、Dさんが作っていただ照明。昨日霧吹きしておいたおかげで、ピンと張って気持ち良い姿になりました。
Dさん、「最初の4枚を貼っている頃はきれいに貼れていて、周りのみんなにもすてきって言われていたのですが、それから急に神のサイズが合わなくなっちゃって、その都度カットしていたらラインがよれよれになってきちゃったら、ちょっとスピードが落ちちゃって・・。」
ものを作るって言っても、私たちは機械のようにきちんと正しく同じものを毎回作れるわけではなく、その人の気持ち次第でその形の良し悪しが柔軟にというか大きく変わってくる。それは、良いことだと思っています。そういう気持ちの表れや素材の表情があるからこそ、好きになれるんだって。
だから、ものを作っていて思うのは作ることの大変さよりも、作り続けていくことの大変さのほうが大きいかなあ。
与えていると思っていても、じつは与えられていたりして、みんながみんなを実は支え合っていて、寄り添っていないように見えても寄り添っている。
だから、こうしてみんなは来てくれるし、私たちも喜んでほしいと願っている。
そういう1週間でした。
ワークショップでみんながどんなことができたかはあとでお知らせしたいと思いますが、まずは朝です。

指輪ものがたり

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2017年12月9日

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指輪=飾りの為に指にはめる輪。言葉にしてしまうとそのままなのですが、
私がここで見守らせて頂いた時間はもっと豊かなものに感じられました。
「結婚記念日なので。」と自分の好みの形を伝えながらお子様の様子を見る旦那さまとテキパキと2人分の指輪を作る奥様。
お母さんの隣で、スチールウールを濡らしながらマット仕上げを手伝うお姉ちゃんとその周りをお父さんと遊びながら行き来する妹さん。
「今度結婚することになりまして。でもしばらく指輪はプレゼントできなさそうだから、お揃いで手作りしようかなと思いまして。」
(とてもすてきな手作りのリングケースと、シルバーリングと一緒に渡すという木の指輪を見せてくださいました。彼女にはまだ内緒ということなので、写真も内緒にしますね。)
ご夫婦でとても楽しそうに仕上げ方の違う奥様の指輪を2つ作られた先日キッチンを納めさせていただいたIさん。
「主人が帰ってきたから、来れました。」と笑顔で指輪作りを楽しまれたKさん。
「わ~、かわいい!」「きれ~い!」と出来上がった指輪を見つめる皆さんはとてもうれしそう。見ていた私も思わず拍手してしまう時間です。楽しかったですね。この場所でそういう時間を提供できたことに感謝です。ご参加いただいた皆様ありがとうございました。すてきな時間をありがとうございました。そして、このワークショップを開いてくださったjardimのイシイさん。本当にありがとうございました!
明日はイベント「クレミル」最終日工房開放日です!ご予約いただいた皆様、よろしくお願い致します!

ステンレストップのタモのバックボード

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2017年12月8日

2017120800120171208003良いね。ご主人と決めた立ち上がりが雑巾摺が良い印象でまとまっています。
今月と来月とで、オーバーワークなくらいの皆さんの家具の納品時期が重なってきていて少し焦ったりするのですが、ネコたちは相変わらずいつものようにご飯を食べているし、新幹線が通るといつものように地震が起きたかのようにスタジオが揺れるし、いつものように子供たちはすやすや眠るし、いつものように陽は昇ります。
自分を見失わないように気をつけよう。

おうちパン教室の日でした

Category : 日記「自由な手たち」

2017年12月5日

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イベント「クレミル」4日目の今日は、「木のキッチンでおうちパン」第2弾!クリスマスに向けて「ツリーパンを作ろう」レッスンの日でした。「寒川町のパン教室~おうちパン~」を主宰されている藤沢まみ先生のママ繋がりの方々がご参加くださいまして、とても賑やかな会となりました。先生が事前に仕込んできたパン種をデモンストレーションで成形し、焼きあがると、いい香りがショールームに立ち込めて、私達が作った木のお皿[senkaku]に装って(ありがとうございます!)粉砂糖を振りかけると「わぁ~!」と皆さんから声が上がって…いい光景です。
「毎日ご飯を炊くようにおうちでパンを焼いてほしい。」と考案されたこのおうちパンレシピ。事前にタネさえ仕込んでおけば、クリスマスディナーにツリーパンが作れるなんて小さい子がいる家庭でも気軽に取り入れられるのでいいですよね。
お家に帰られてから実践されて、各家庭でこのすてきな光景が広がるのかと思うとまたすてきです。
なんだか幸せな気持ちになれました。ご参加された皆様、藤沢先生お疲れ様でした。
明日からの水・木・金曜日はワークショップはございませんが、手づくり市は続いていますので、手づくり通販サイトに登録されている方々の作品を近くで見られる機会です。ぜひ遊びに来てくださいね。

tw-cp03 [mocha]

Category : 木工小物と雑貨, Tableware

2017年8月3日

tw-cp03 [mocha]

あっ軽い。
それになぜか優しい口あたりなのね。

フリーハンドイマイが提案するキッチンで使って頂けたらと思いまして、私たちのお気に入りの作家さん佐久間陶子さんと一緒に器を作りました。
持ち上げた時にフワッと軽く、手にしたときにはざらっとした温かみのある土の質感が感じられて、内側は飲み物が器にしみないようにつるりとした仕上がりで、そして一番大切なのはここ。
表面の表情はどこか懐かしい土の印象を出して、内側や唇があたる部分までは口当たりよくつるっと仕上がる釉薬をかけて仕上げております。
お飲み物の色を目で味わうことは難しくなってしまいますが、コーヒーカップとして私たちは使っております。

サイズ

80φ(持ち手含めると120mm)/H75mm

No.tw-cp03[mocha]
白い土の表情と黒い釉薬の二色で仕上げたコーヒーカップです。

価格:2,530円(本体価格 2,300円)
送料:880円(800円)

※神奈川県、東京都、千葉県、埼玉県内の送料です。その他の地域は別途お見積致します。

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