すこし淋しい

2018.11.04

「今度の文化の日に自治会さんの行事のなかで吹奏楽部が演奏する機会を頂いたのですよ。」と校長先生からお知らせ頂いて、それなら聴いておきたいなあ、なんて気軽にアキコとチアキと出かけて行ったのです。
今度、部長に選ばれたってことは聞いていたのですが、自分の娘の言葉なのにどこか遠くで聞いていたようで今頃反省しています。
会場につくと、先生からひと通り挨拶があった後に、おもむろにハルカがマイクの前であいさつを始めました。
(そうか、彼女は部長だったんだ・・。)

「・・・ぜひ、お楽しみいただければ幸いです。」

「へぇ。」
なんだかうれしいけれど淋しかったのでした。
昨晩はそんなそぶりも全く見せなかったのに、いつのまにかきちんと人前で話せるようになっているんだ。
自分は彼女を毎日見ているはずなのに何も見ていなかったようで、うれしいけれど淋しかったなあ。
いつの間にか私たちとつないでいた手を放して、どこかに大きく羽ばたいていってしまうんだなあ。