鞍掛け

2018.11.16

10年ぶりでしょうかね、久しぶりに馬の博物館のお仕事を手掛けさせてもらっているのです。
収蔵棚というのは、普通の家具やキッチンと違って、すべてのスケールが大きいということをどこかで忘れていて、今さらながら体感しております。
形はシンプルなのですが、すべての動作も大きくなる。工房内もギュウギュウで、みんな肩をすぼめてすれ違い。
来週納品ということで製作もいよいよ大詰めでして、馬の鞍を掛ける部分はバスウッドを使って組んでいきます。
重くても持てるかなあ。
そして、1日で4往復走れるのかなあ。
心配事がニョロニョロと目を出し始めました。

ところで今さらですが、この二人は技術校の同期。
コバヤシ君(玄能打っている)はもともと別の家具屋さんに勤めることが内定していたのですが、そこが急に採用とやめちゃって急きょうちに来てくれたんだよね。
ここに来てからは、吸収力のはやさと勘の良さであっという間にうちの大事な担い手に。
ちょうど彼と一緒に入った新人さんがいたんですが、その彼は半年ほどでここを離れることになって、これは困ったぞ‥、と思っていた時に、コバヤシ君が「自分の同期が仕事で悩んでいるようで・・。」と話をしてくれたのです。
聞くと、その悩んでいる彼は自分の思いとは少し離れた仕事ぶりに疲れてしまっているようなのですが、世話してくれている親方の手前、自分でもどうしたらよいのか‥、って悩んでいたのだそうです。
「うちの仕事はどう思ってくれるかな・・。」とコバヤシ君に口説いてもらって、やってきたのがノガミ君です。
その時ちょっとうれしそうに、「その彼は、当時のクラスで成績が一番だった人なんですよ。」とコバヤシ君が言っていたなような。
で、当のコバヤシ君は二番だったそうで、二人とも照れくさそうだったけれど、うちはトップの二人が来てくれているのかと思うと感慨深いものがあったのでした。
今では、カナイ君と3人で製作を支える大きな柱になってくれています。

さっき聞いたら、2年ずれて入ってきたカイ君は三番だったみたい。おぉ。