経験値

2019.08.29

201908026002ちょうど1週間前から先日まで、アキコがちょっと入院していたのです。
最初はハルとチィと「せっかくだから毎晩どこにご飯を食べに行こうか。」なんて話していたのですが、結局外でご飯を食べる機会はなかったのでした。
毎日お見舞い帰りに食材を買って、3人でキッチンに立ってあれやらこれやらと話しながら作る時間が自分たちにはちょうどよかったのでしょうか。

【1日目】
夜にはアキコが食事作りは大変だろうからと作っていってくれたカレー。その前に牛乳あいす作り。
おやすみなさい。

【2日目】
朝から学校の伐採活動があってそのお手伝いをしていたら、急きょ手術が早まると連絡があっったので慌ててチィと病院に行き、あとから部活が終わったハルも合流。無事終わってアキコの顔を見たあとはお買い物して、夜はチィが作った温泉卵の乗せた牛丼とジャガイモをざっくりしたつもりが結構細かくなってしまったポテトサラダとアオサのお味噌汁。
おやすみなさい。

【3日目】
今日も朝から学校の清掃活動があり、ハルも一緒に親子で参加したあと(チィは午前中だけお友達とお出掛け)、昼はチィは肉うどんで、私は余っていたポテトサラダとばぁばが買ってきていたローストビーフが残っていたのでそれでサンドイッチ。ハルはパンをほおばって、私の帰宅前に高校見学に出掛けてしまいました。
夕方からお見舞いに行きみんなで合流したあとはお買い物して、夜はハルが修学旅行先のおばあちゃんから習ったせんべい汁を作るというので、そのお汁とマグロのお刺身。私はおせんべいだともたれちゃうので、汁だけ頂き、あとは白いご飯(陶子さんの土鍋で炊くご飯は美味しいです。)
おやすみなさい。

【4日目】
日曜日は約束通りにチィと一緒にプールでくたくた。(いつも行くのは田代運動公園)ハルは模試があって、夕方から病室で合流。アキコの元気な様子を見て、ハルもチィもうれしい顔になった後はお買い物して、夜はポトフとコールスローっぽいものと焼いたトマトとバケット、パンがちょっと苦手なチィはおこげご飯が残っていたので焼きおにぎり。
おやすみなさい。

【5日目】
ハルは午前中から部活に行ってしまって(ハルは吹奏楽部なので三年生は秋まで活動するのです。)、私は朝、工房にTさんが打ち合わせに来てくれるので、チィだけお留守番。
お昼前にTさんと一緒に自宅に戻ってきて、自宅のキッチンの様子を見て頂いた後、お昼に買っておいたおいたパンを食べた後にお見舞い。今日は買い物無しであるもので食べましょう。
ハルが部活から戻ったら、先日のせんべい汁を作った時に残った鶏もも肉と赤ワインがあったのでソテーを作って、スパゲティをすこし茹でてハムときゅうりと玉ねぎとでサラダにして、大根と長ネギと人参を買いすぎてしまったので再びそれでスープと白いご飯。
おやすみなさい。

【6日目】
今日から二学期登校日の二人を置いて、早朝から工房に出かけて取り急ぎの用事を済ませたら、アキコが午後から退院の予定だったのが早まって10時にはもう出られるということで、急きょ迎えに行き、その後子供たちの引き取り訓練に昼頃小中学校に出掛けて、午後は教育委員会で会議がありましたのでそれに出席したら、無事完了。夜ご飯はアキコと一緒にハンバーグのパスタ。
また家族みんな揃いました。
おやすみなさい。

おままごとのような楽しい気持ちの5日間だったのでした。

ちょうどその時の会議は修学旅行の話題だったのですが、ここ数年、旅行先は観光よりも体験する学習に重きをおいて、民泊というスタイルが多くなっています。
保護者にはなかなか良い印象が少ないと思われている民泊ですが、子供たちにはおおむね楽しんで受け入れられているようです。
私たちの頃は、もっぱら観光して学習するスタイルだったものですから、クラスみんなで泊まれないことや宿泊先によってはグループ活動の差が大きく出てしまうことの批判もあるのですが、体験する子供たちにとっては、いろんな道のりがあって周りのみんなと協力して、一つの出来事を達成することができること、それだけで楽しさにつながっているのではないかと思っています。

実際、今年ハルの通う中学校で以前よりも大きく力を入れたことは、自分たちがただ与えられるのではなく、与える立場になる、ということを念頭に行なう事前学習でした。
泊めてもらうご家庭で食事やお風呂や日々のお仕事といった活動を経験させてもらうだけでなく、自分たちにどのようなことができるのかを見てもらおうという試みで、各グループいろいろなことを行なったのだそうです。
ハルのグループも台所を借りて朝食を作らせてもらったそうで、とても喜んでもらえたってうれしそうでした。
これはとても素敵だなと思いました。

どんなことでもそうですが、そこにたどり着く方法はいろんな道のりがあります。簡単に済ませるには自分の中だけで片づけてしまうことが一番簡単かもしれません。
でも、周りのみんなの力を借りて同じことを成し遂げるのか否かでは、最後に得られる経験値は大きく変わると思うのです。
どんな当たり前の体験でも、周りから見れば小さくて当たり前に思える経験でも、経験したことの大きさは、自分の中でそのことにどのように取り組んだかによって、どんなにも大きく感じられるのです。
与えられるだけではなく、与える側に立って、自分たちに何ができるのかという相手への気遣いが生まれた時、やさしいコミュニケーションが生まれるはず。

私も5日間の短い時間でしたが、ずっと子供たちと居て、家のことを思ったり、アキコのことを思ったりすることが、とても楽しい日々でした。
「お仕事も学校も家のことも大変ね。」と、まわりは言ってくれるのですが、私は特に大変とは思えなくて、たいへん楽しい日々だったのです。
でも、家事は大変。アキコのことをもっとサポートしなくてはいけませんね。