いろいろな形へ

2020.08.12

ただ今夏季休暇期間中ですが、私たちは皆が取りやすいタイミングで休みを取ることにしているので、少人数で作業をする日々が続いています。
今月下旬になるとキッチンの設置工事がかなり立て込んできてだいぶ慌ただしくなる予定ですので、その追い込みで工房内はだんだんと狭くなりつつあります。

工房内は賑やかでありますが、町はこの暑さもあってか少し静かですね。
今日は隣町の茅ケ崎まで食器棚の打ち合わせに出ておりました。

Uさん、まずはこちらにいらして頂いて私たちの家具の様子を見てくださって、そこでいろいろとお話をさせて頂いたのです。
まだ漠然としたイメージしかなかった形がお話することで少しずつ形がまとまっていきます。
この時にお話しさせて頂いたことが、「食器は引き出しにしまうと使いやすいのですが、あまり積み重ねてしまうとかえって取り出しづらく感じることもあります。」ということでした。
4枚1セットになっているようなお皿だったら、4枚重ねる程度のしまい方にしておきたかったり、多く重なったお皿の一番下のお皿を使いたい時に、それを全部取り出して一番下だけ引き抜いて、という動作がストレスに感じることもあったりします。
だから、引き出しは食器をしまう引き出しは浅くして段数を増やした方が使いやすいのではないかと思うのです、というようなお話をさせて頂いたと思います。
そして、そのように考えた食器棚のプランを持参して本日お邪魔させて頂きました。
実際にお使いのキッチンを拝見させて頂くと・・。
意外と浅い引き出しだけだと納まらないものも多いのだなあとあらためて気づかされたのです。
深い引き出しをどのように使いたいか、普段使いのものはどの場所にどのようなものをしまうのか、家具を作りたいと思っている人も思いはあってもイメージしづらい部分があって、作る人は形を思い描けてもその人の暮らし方まで頭の中で思い描くことは難しかったりして、こうして目の前にある事柄で思いをきちんと共有できると、形のおのずと一つの方向へと定まっていきます。
ご主人が、「家具をこうしてあらためて考えることってなかったな。おもしろいね。」と奥様とお話していたのがマスク越しでもにこやかにされているのが分かった時、それはうれしいのです。