東の魔女に会いに行く

2020.12.29

写真は、設計士の福原さんから新築のお祝いにと井藤さんのオーバルboxをいただいたもの。いつ見ても美しい。日常的に使うものをしまいたいと思い裁縫箱として大切に使わせていただいております。
我が家にはミシンがありません。「あら?じゃあ娘さんの幼稚園とか小学校の入学グッズはどうしたの?」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。その都度実家に帰って母のミシンを借りて作っていたのです。
春から高校に進学したハル。念願のダンス部に入部し毎日練習に励んでいます。ダンス部というと発表会の衣装があるのですが、コロナ禍といっても無観客で開催されている大会があるので衣装づくりがあります。すべて手縫いでは到底期限までに間に合わないということで、当初学校のミシンを持ち帰って家で縫おうと思ったらしいのですが、ボビンケースがなくて使えず困った挙句、
「ばあばの所に行ってミシン借りてくる。」ということになりました。
母に連絡すると孫とミシンができるとあって大喜び。
休日一日使って衣装を仕上げて帰ってきました。
「これからも衣装作るときにはばあばの所に行くようにするわ。ばあばに聞きながらやったらすぐできた。」とハル。
「わからなくて困ったときは教えてあげたけど自分でちゃんとやっていたわよ。あの子はしっかりしているのね。」と母。
私は母親としては衣装づくりを教えてあげられず申し訳ない思いもおりますが、うれしそうな母の様子を見ているとミシンを持っていなかったからこの時間があったわけで正解だったのかなとも思えて、複雑な思いがあります。
私自身も祖母と過ごした時のことはいろいろ覚えています。
七五三のお仕度をしてもらったこと、里芋の煮方・銀杏の炒り方を教えてもらったこと、乾燥したお餅を挙げておかきを作ってくれたことなどなど。いつもほとんど台所にいて色々お話をしてくれました。日常的なことなのですが私の心の中には特別なものとして心に残っています。この思い出があることが心の支えの一部になっていると感じるのです。
このミシンの時間もハルと母の心に残るものになってくれたらうれしいです。(ミシンがないことを正当化しているわけではありませんよ。)