色いろいろ

2021.02.17

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どちらもナラ材です。
ひとつはお持ちのダイニングテーブルの色に合わせて濃い茶色にしたもの。
そのテーブルが導管が黒ずむくらいの色みでしたが、表面は使い込まれたからか少し色が褪せているようで赤みのない青みのある茶色でしたので、まずはワトコオイルの「ドリフトウッドカラー」で塗装します。
「ダークウォールナットカラー」よりも赤みのない茶色になるので、これで様子を見ます。
まずこれで、均一に茶色くするのですが、オイル塗装は基本的に塗ったら拭き上げて仕上げる塗装なのでそれほど濃くならないことが多いのです。
案の定、拭き上げると赤みはなくても明るめになりましたので、翌日「エボニーカラー」を塗って、というかウエスにとって擦り込んでいきます。こうすると、表面はほんのり濃くなり、導管はしっかり黒みが入ります。そして、そのまま乾燥。
3回目に「ダークウォールナットカラー」をやはり擦り込んでいきます。もう導管に色は入らないですが(入ってもほとんど変わりませんが)、表面の黒みが少し和らいで赤みが少し入るのです。
これで完成。
少しはテーブルの印象に近くなっていたらよいなあ。

そして、もう一つはホワイトオイル仕上げ。
こちらはお客様の提案で、普段使っているワトコではなくリボスのカルデットという塗料で塗ります。
ふだん使わないものだと、塗料を用意しなければいけないのですが、今回はお客様がご用意くださいました。
あらかじめサンプルを頂いていて、カルデットとクノスという2種類の色を混ぜることでその色に近い感じになるというご提案を頂いていたので端材で試してみましたが、クノスを混ぜると白みが減ってしまって。
そこでカルデットのホワイトだけを使って仕上げていきました。

個人的には、木が持つそのままの色が好きなので、あまり着色しないことが多いのですが、今回のように他の家具や部屋の空間に合わせて、色をつけて仕上げることももちろんできます。
ただ、着色の微調整がしやすいウレタン塗装と違って、オイルは塗れば染みこんでしまうので微妙な調色が難しいので、なかなかイメージにイメージと完全に合致させることが難しかったりします。
なので、あらかじめ微妙な着色は難しいということを皆さんに理解して頂いた上での着色になるのですが、クリアでしたら塗料そのままの色で木々もそのままの色で仕上がるので、もう少し気持ちが楽に塗れるのですが、着色となると上記のように試行錯誤しながらいつもやっております。

ちなみにクリアも最近塗料を変えております。
今まではワトコのナチュラルとオスモのノーマルクリアを使い分けていましたが、ノーマルクリアは高価で粘度も高いので多少塗りづらかったりします。
また、粘度が高い理由にワックスがふんだんに使われているのですが、このワックスの光沢が行き届いた様子が、化粧板みたい、と言われたこともあったりして・・。(なかなかあの光沢感を出して仕上げるのは大変だったりするのですが。)
そこでオスモの利用は少し控えて、その代わりにターナーのエシャオイルを使い始めています。
乾燥が早く、しっとりした印象がきちんと出るので、使いやすくきれいなのです。
ワトコは引き続き使っていて、こういう着色の時やクリアでも少し色濃く仕上げたい時にはワトコを使うのです。

オイル塗装は塗るのは基本的に塗って拭くというシンプルな作業なのですが、色作りや仕上がり感などを考えていくとね、やっぱり奥が深いのです。