Sさんのキッチン:カイ君の制作日記

2021.02.25

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今回は、マンションのリノベーションということなのですが、集合住宅においてはなかなかなさそうな形をしたキッチンでした。部屋の壁から壁いっぱいになったカウンターは搬入のことや使い勝手を考えて、ステンレスと木製とで分けたのだそうですが、そのフラットな感じがとてもすっきりいるのです。食器棚とキッチンキャビネットが一体になるとこういう清々しさがうまれるのですね。
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ただ、こういうフラットなデザインに反して、マンションは築年数も経っているので、床が平らではないのです。
また、今のマンションのようにコンクリートから少し浮かせて床ができている形と違うので、配管を隠ぺいする方法に制限があるのです。
今回は元のキッチンの位置から少しレイアウトを変えたこともあって、水とお湯の管がどうしても床上に出てしまう部分も出てきて、それをうまくナラ材で化粧カバーを作ったりして、違和感のない仕上げにする部分には苦労しました。
また、シンクのあるアイランドキッチンも壁付けのコンロ側キッチンも同じナラ材で仕上げていますが、よーく見るとアイランド側だけ台輪(土台となる部分)とステンレス天板の下の隙間が濃いグレーになっています。
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これはいつも私たちにキッチンの制作をお願いしてくれる内田雄介さん独特の見せ方だそうです。
ナラ材と濃いグレー色は相性がよく、台輪をグレーにすると引き締まった印象になるのですてきに映ります。
以前、ぼくも友人にナラ材のテレビボードを作った時がありまして、その時は台輪をグレーにしていたのです。(数年後に引っ越した際に処分してしまったらしいですが、せめて誰かにあげてほしかった・・・。)
今回はマンションのリフォームに合わせてこのキッチンを作らせていただくことになったのですが、リフォーム中の現場を見ただけでも楽しい構造のすてきな部屋になる予感がしました。
この空間にキッチンがどのように貢献できるか楽しみです。