Kさんの「ホームオフィス」という名の家具:スタッフ ヒロセ君の制作日記

2021.08.17

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今回担当させて頂いた家具は普段製作させて頂いている家具とは全く違う形のものでした。

1つの部屋の中に2階建の空間を作り、下の階はベッドスペース、階段を登り、上の階には大きな天板の付いたワークスペースになるというかなり大型の家具です。

壁面や天板、地板はシナ合板、それ以外はタモの無垢材を使用しています。

普段からの事ですが、まず製作する図面を渡されたら、図面から読み取れる事を解読していきます。
各部の納まり方、寸法が成立しているかどうか等を確認しながら完成した形状のイメージを頭の中で膨らませていきます。
ある程度イメージが膨らんだらようやく打ち合わせです。
打ち合わせでは細かなところや、組み方、搬入するために分割しなければならないので、どこで分割するかなどを打ち合わせていきます。

そして使う材料の本数や突板の枚数を出し製作を進めていく訳なのですが、今回の家具では20枚以上もの無垢材を使用しました。

板は反りやねじれがあるため、手押し鉋と自動鉋と言う機械を使い、ねじれや反りのない材料に1パーツづつ加工していくのですが、数えてみるとその数は120を超える数でした。

製材した全てのパーツは、剥いで柱にしたり、ほぞ加工したり、穴あけをしたりと色々な加工をするのですが、数があるので大変苦労した点になりました。

そして出来上がった物がちゃんと組み立てられるのか工場で仮組みをするのですが、きちんと組めて安心すると同時にその大きさと重さに、搬入設置できるのかとても不安にもなりました…。

設置当日は台風の影響で天候がすごく不安定な状況ではありましたが、お客様宅に到着した頃には雨も上がり、無事搬入することができました。
設置前に社長から聞いていた古い集合住宅の1階という設置場所なので、床の不陸がきっと出ているだろうから水平をとることが結構難しく時間が掛かるだろうと思っていたのですが、その相性も非常に良く、スムーズに作業が進められ無事納品する事ができました。

今回のような形はなかなか作る機会が無いとは思いますが、とても良い経験になりました。
これから先、Kさんが壁にテレビを付けて、ベッドを置いて、パソコンも置かれてワークスペースとして使用されていくこの家具の姿がどのようになるのかがとても興味深いところです。
Kさんありがとうございました。