show time

「リビングボードのオーダー」

茅ヶ崎 E様

design:Eさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:tsuyoshi kawaguchi
painting:tsuyoshi kawaguchi

シナとウォールナットのリビングボード

シナの表面からちらっと顔を出す濃いウォールナットの表情。

むかし、スズキ君とテライ君に話したことがあります。(カワグチ君が入社してくる前です。)取り付けの時は、自分たちはエンターテイナーなんだよって。そんな格好良い言葉で伝えたかどうかは忘れてしまいましたが、そんなニュアンスのことをいったような気がします。
そして現在、当時居なかったカワグチ君も含めてみんなが立派なエンターテイナーになることができていると思います。だからね、取り付けはけっこう楽しいんですよ。ずっとむかしは、みなさんに取付作業をじっと眺められているだけで何だかテストのような感じがして緊張していましたけどね。

シナとウォールナットのリビングボード

扉もチョコレートのようです。

大切なのはリズムとスピードです。
基本的に誰も立ち止まることのないように作業をしています。この立ち止まることのない様子を見ていて皆さんは楽しんでくださっているようです。
取り付けというのは、当たり前のことですが家具を設置場所に持ってきて壁に固定する。それだけのことなので作業の複雑さはあれど、工程は限られています。だからその場に居るスタッフ全員は動きの先が読みやすいのです。だから、みんな今の作業をしながら次やるべき作業をみんなが思い描いている。あの人がこうしているから、次はこうだろうと。基本的に私は全ての取付作業に出向くので、最初の取り付けの取っ掛かりは私が行いながら皆がサポートをしてくれる。もう少し進んで手分けができるくらい仕事を散らばると各自分担で作業を始める。これがポンポン進みます。ポンポン皆で進ませます。乗ってきたスピードを落としてしまうとリズムがなくなります。だからみんななるべく休まずに作業を続けます。まるでダンスです。こうなると本当に最後の作業まで止まりたくなくなります。だって楽しいんですから。(みんなは休憩をしたいかもしれませんが・・。)

シナとウォールナットのリビングボード

もちろん引き出しにもチョコレートがかかっているようです。

そうしているといつの間にかきれいに家具の取り付けが終わっているのです。そして、時間の確認。今日は3時間でした。午前9時からはじめてちょうどお昼に終了。なかなかよいペースです。
そして、終わったあとにお客さんによく言われます。「なんだか、見ていてお茶を差し上げる間もなくてすみません。」って。いいんです、いいんです。ダンスが楽しいんですから。

シナとウォールナットのリビングボード

左端はパソコンが収納されている場所です。引き出すとこのような感じでテーブルに早変わり。

ある時、一緒に作業をしていた知り合いの家具屋さんにはこう言われました。「イマイさんって、休まないんですか。すごいですね。」って。
そして、うちのこの様子を他の家具屋さんに話すと「何だか大変そうだね。」って言われるそうです。普通この世界だと、午前10時、お昼午後3時にきちんと休憩がありますからね。
でも、みんなはもう慣れちゃったから大丈夫。(なはず。)
もちろん、お昼をはさんでしまう場合でも作業は続きます。みんなもおなかが減ってきます。でもダンスはやめません。さすがにお客さんがランチを取る時は休憩をもらいますけれど、それ以外は続けますよ。遅い時は午後5時くらいがランチになる場合もあったりして。さすがにみんなその時は疲れていますが・・。
そんなに急いで正確な作業ができるのかなって思われてしまうかもしれませんが、自慢じゃありませんがうちはかなり細かい仕事をしている自信がありますよ。みんなが同じ世界の友人に話をすると「それは細かいね。」って言われるのだそうです。そうです。いい仕事しますよ。

シナとウォールナットのリビングボード

その下はプリンタ収納部分。扉を開けても邪魔にならないように170度開きのスライド蝶番を使っています。

Eさんはそれを見ていて、本当に本当に感激してくださっていました。うれしいですね。3時間の間ずっと後ろで見ていてくださったんです。
私も以前自宅に来たエアコン屋さんの取付作業を見ていたことがありましたが、あまり上手ではない取付(室内機を落っことしそうになっていたくらいです。)ということもあって、その作業を見ているのはヒヤヒヤしましたが、基本的には退屈なものでした。30本も見ればあきれしまって、早く終わらないかななんて思ってしまったものですから、3時間見守り続けると言うのはなかなかどうして大変なことです。でも、Eさんは、「見ていて楽しめました。」って言ってくれました。

よし、今日はうまく踊れましたね。

シナとウォールナットのリビングボード

収納の奥行を増やすために、この部分は家具が柱をのみ込むような構造にして、天板を端いっぱいに。ちょっとしたスペースができたので、そこは飾り棚に。

ただ、ちょっとその場では終わらない作業が残ってしまったのですが、それもすぐに会社に戻ってその日の夕方に作業を終わらせて無事家具の取り付けを終わらせることができました。
「ここまで、きちっとつけてもらえるなんて思っていませんでした。何しろ今まで家具は買ってきたものを置くだけでしたので。もっと早くに知り合えていれば最初から色を統一していろんな家具をお願いできたのに。でも今度はテレビ台をお願いしたいなって思っているんです。その時はよろしくお願い致します。」

シナとウォールナットのリビングボード

大きく開けた配線穴。

徐々に一つ一つ色を合わせていく、そういう暮らしって楽しそうです。次のご相談楽しみにお待ちしています。
そうそう、家具の紹介をしますね。
この家具の左側はパソコンデスクになっています。本当は左端にデスクを持ってきたかったのですが、左壁にダクトの点検口があって塞ぐことができませんでした。だから左端は点検口が開けられるようにスペースを確保して、その隣をデスクにしています。デスクの天板の下はキーボード用のスライドテーブルがあって、その下はプリンタが収納されています。このプリンタ収納部分の扉はno.b-153 「楽しいキッチン」金沢八景 K邸で行った折れ戸の方法を採っています。
デスクの隣は引き出しがあってその隣は可動棚の入った開き扉の収納です。そして一番右がちょっとした飾り棚です。角の柱の出の関係で飾り棚は奥行が60mmくらいしかありません。でも、ここには絵本なんかを飾って良い雰囲気になっています。
それと、この家具のポイントは2種類の材を使っていることです。正面はシナ合板「ホワイト」オイル仕上で、天板はウォールナット「ナチュラル」オイル仕上です。そして、手掛けや奥まった部分にはウォールナットを使っているのです。これはEさんのアイデアで白いシナが本当にくっきりと見えます。このコントラストのおかげでとてもシャープな印象に仕上がりました。

シナとウォールナットのリビングボード

この壁面収納に住んでいる人たち。

後日、Eさんよりお便りを頂きました。
「本日は素敵な家具をどうも有難うございました。
夕方主人から「家具はどんな感じ?」とメールが来て、「素晴らしいよ!」と返事をしました。
夜帰宅した主人は本当にビックリしていました!
家具一つでこんなに部屋の雰囲気が変わるんだねー♪、別の家みたいだね、と。
娘も大好きな本を「もっと増やせるね!」と大喜びです。
家の中で一番大事な家具なので、大切にしていきたいと思います。そしてなるべく物を収納して家具が引き立つよう、部屋を常に片付けていきたいと思っています。
今までの市販の家具とは全く違う作り付けの家具にすっかり魅せられてしまいました。
本当に良いものですね。自分の漠然とした想いを、今井さんが上手く形にしてくれたお蔭です。
そして簡単に取り付けているようで、全て緻密に計算されていて皆さんが”職人”である事に本当に驚かされました。
すっかり作業に見とれてお茶も差し上げずに失礼致しました。
スタッフの皆様にも宜しくお伝え下さいませ。」
うれしい感想ありがとうございますね。

シナとウォールナットのリビングボード

価格:450,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は15,000円から、取付施工費は30,000円から)

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