キッチンをオーダーで考える時の動線と距離について

2021.10.14

キッチンを考える時に「どのようなデザイン・収納にしたいか」を考えることも大切ですが、「部屋のどの位置にキッチンを据えるか」も重要なことです。

【以前の家から学んだこと】

結婚当初に住んだ小さなアパートは、その名の通り小さいものですから、キッチンのすぐ横に庭に出る掃き出し窓があったのです。冬は冷えましたが、この外が近いという感覚はとても素敵で便利で、その次に移り住んだマンションに入る際の大きなポイントとして考えていたのはキッチンからベランダの距離が近いこと、すぐ出られるようになっているかどうかということでした。

勝手口のあるキッチンのレイアウト
以前暮らしていたマンションのキッチン。このバルコニーにすぐ出られる勝手口がとても便利だったのです。

これは今考えても良いところだったな、と思うのです。

玄関からキッチンはすこし遠かったのですが、洗面所に入るのにキッチン側からと、廊下側からのどちらからもアクセスできて、さらにキッチンの突きあたりには勝手口のようなバルコニーへの出入り口があったのでした。

この「回遊できる動線」「外への出入り口との距離」これがのちのち自宅を建てる時の一つの指標になったのです。

【動線】

ですので、今の自宅では玄関という外からすぐにキッチンに入ることができるようにして、そのままキッチンを抜けると洗面所までたどり着けるような間取りにしたのです。

回遊性のあるキッチンのレイアウト
建てた自宅のキッチン周りのレイアウト。ドアを開けるとアイランドキッチンのように使えるレイアウトに。

キッチンはペニンシュラ型でしたが、半ばアイランドのようなレイアウトになっておりましたので、キッチンをぐるりと回遊でき、さらには洗面所からはそのまま縁側に出られるようにすることで、キッチンだけではなく、家自体回遊できるようにしました。

玄関からそのまま洗面所に行ける動線
玄関から真っすぐ洗面所まで。
洗面所から庭に出てそのまま玄関へと回れる動線
洗面所からそのまま庭に出られて、さらに外を回れば玄関にも回り込める動線。

大きくなった子供たちと一緒にキッチンに立つとどうしても通路の行き来が狭くなる。だからと言って通路を広めにすると、主にキッチンを使用する妻にとっては、キッチンとバックカウンターの距離が遠くなりすぎてしまって、後ろの食器棚から器を出し入れする際に一歩踏み出さなくてはいけなくなってしまうので、広すぎるのもかえって良くないと考えていました。

そこで、狭い場合は反対からぐるりと回れるようにし、さらにはキッチンの対面側からも調理作業ができるこのレイアウトが大変使いやすかったのでした。

キッチンのワークスペースと人の距離感
うちは家族みんな体が大きいので、ちょっと広めのワークスペースを採ったのですが、4人が揃うとこれでも狭いのです・・。

また、今の家には勝手口は無いのですが、勝手口があった頃は、調理のゴミがある程度溜まったら、収集日までは勝手口から外に出して溜めておく、という作業が大変便利でした。

そこで今回は、玄関もしくは洗面所から庭に簡単に出られるようになっているので、キッチンから屋外へのゴミ出しも不便ないレイアウトにできました。また、こうすることでキッチンのそばに大きなゴミ箱を置かなくても良くなりましたので、分別が細かい私のまちですが、キッチンには燃えるゴミ(生ゴミ)、プラスチックごみ、紙ごみの3台のゴミ箱だけを置く形にして、ビンや缶はそのまま漱いだら直接玄関に置くようにしました。

さらにはゴミ箱も数が増えるとにぎやかに見えるので、リビングには置いていないため、みんながこのキッチンにごみを捨てに来るのです。そういう時もぐるりと回ることができることの心地良さを感じております。

オーソドックスなキッチンのレイアウトとしては、ペニンシュラ型が多いと思いますが、もし、ご家族皆さんでお料理する機会が多いかな、という場合は、キッチンスペースに行き止まりを作らずに狭くてもいいので通り道があると良い快適な空間になるのではないでしょうか。

さらには近くに土間や勝手口があるとゴミの分別の他に根菜や常温の保存食などを置いておくにも良く、工夫のしやすいキッチンになるのではと思うのです。

【距離】

また、使いやすいと感じるポイントは、使う人それぞれだと思いますが、ひとつはその使う人が感じる目的までの距離が心地よいかどうかだと思うのです。

自分を中心にぐるりとキッチンが囲まれる方が使いやすいと感じる距離や、一緒にだれかと立つ場合の距離感。

キッチン以外でもそうです。

洗濯機から物干し場までが近いほうがストレスなく過ごせると感じる人もいらっしゃれば、物干し場は太陽が良く照り付ける屋上が気持ち良いので洗濯機との距離は気にしないと考える方もいらっしゃいます。

動線にしても、距離にしても、その感じ方は一般的な寸法で測れるものではないので、家作りにおいては、自分や家族皆さんの感覚がどのように近いのか違うのかをコミュニケーションという物差しで測りながら、動線や距離を決めてゆくと居心地良い空間になるのだと思っております。

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