自分のことは自分でね

2022.11.24

「イマイさんがぜんぶ形を考えるのですか!」って驚かれることがあります。

昔はね、みんなに家具の形から制作まで全部を考えてもらってゆけたら、もっと楽しく仕事が進むかもしれないって考えたことがあって、2,3組のお客様の家具を当時ここで頑張ってくれていた(今は二人とも独立しちゃいましたね)タツヤ君とガク君に頼んだりしたことはありましたが、やはり取りまとめは私がしないといけない部分もあったりしたので、今は制作はみんなに任せて、設計や現調などは私自身が行なっております。

大変ですね、と言われることもあるのですが、今となっては、それが自分で行なえないようなら家具作りを仕事にしている意味がないのではないかと思えているのです。

「みんなにもっと任せたらあなたはもっと自由に動けるようになるよ。」なんてアドバイスをもらったこともあったのですが、仕事の手を広げるってことはもっと自分の思いが届かなくなるかもしれないって思えて。

昔の2,3件を彼らに頼んだ時にもこういうことを強く思ったのです。

そうすると何のために私はこの仕事をしているのだろうって。

だからね、全部自分で考えて、自分で現地を見て、自分で写真を撮るのです。

でもね、もっとスタッフが居たら面白いかもねって思ったことがありました。

良い例えかどうか分からないのですが、私「ファイトクラブ」って映画が大好きなのです。

お話や物語の考え方も好きなのですが、あの二重人格の主人公がものすごいカリスマを持った別人格の時に、それに魅了された仲間がどんどん集まってくるのですが、ふと我に返った主人公が周りを見渡すと、そこには当然見知らぬはずの人がたくさん集まっていて、自分がどう口説いたのか分からないまま彼らが慕ってくれているっているシーンがあって、ふーんって思っていたのです。

そうしたら少し前にこんな夢を見ました。

私が朝早くに工房(と言っても夢の中の会社は大きな工場になっていました)に着くと、見知らぬ青年が数名当時のスタッフたちと談笑している。

「カナイ君、おはよう。」というと「シャチョウ、おはようございます。」と返してくれるのですが、隣に立つ青年がふと「この人誰?」ってカナイ君にこっそり聞いている。

私に見向きもせずに気づくことなくお互い楽しく談笑する人たちもちらほら。

なんかその様子を見て淋しさを感じたのですが、それよりも、私の居ないところで工房内がスタッフたちがこれほど楽しそうに過ごせるような状態にいつの間にか成っていたということにうれしくなったという夢でした。ああ、仕事を広げるためにではなくてみんなで楽しくなるために人数が増えるのならおもしろいだろうなあ、なんて夢から覚めて思ったっけ。

でも、実際はこじんまりした工房ですので、これ以上広げることも難しいわけで、今のみんなで居られることが一番のベストですから、私は今日も絵を描いたり、汗だくになって墨出ししたりするのです。

こちらのイラストは、千葉でログハウスに住んでいらっしゃるUさんのキッチン。これから打ち合わせにいらしてくださいます。どんな感じにまとまるかな。