午後からはEさんの完成見学会へ

2022.12.12

Eさんご夫婦は、お二人とも平成建設の設計士さんです。

このたびご自宅を建てられるにあたってわたしたちにキッチン制作の声をかけてくださいまして、その新居に合うキッチンを作らせて頂くことになったのですが、使用したのは針葉樹合板とエンボス調のメラミン。はたして、どういう印象のキッチンになるのだろうか、と仕上がりの細かいイメージが湧きにくい形でありましたが、なるほどこうなったのですね。

ちょうど年末に向けてのこのタイミングで完成見学会を開いておりましたところにアキコと二人でご挨拶を兼ねて少しだけお邪魔させて頂きました。

このあたりはちょっとした丘陵地帯で素晴らしい借景が望めることもあって、いろいろなところに窓があるのですが、「緑だけではなく、落葉も入り込んでくるので、それなりに掃除は大変かもしれないのですけれどね。」とうれしそうにおっしゃっていました。

トイレまで拝見させて頂いたのですが、ふと足元を見るとめずらしく窓が広がっていて、そこから地面が望める様子が見えたのです。用を足しているところが丸見えという形ではなく、足元だけが外を感じさせる印象。先日読んでいた「陰翳礼讃」に書かれていた「床に細長い掃き出し窓がついているので、軒端や木の葉からしたたり落ちる点滴が・・」という風情を思い出して、気持ちの良い家だなあとつくづく思ったのでした。

そして、ワタナベ君が制作したキッチンを拝見させてもらうと、なるほど針葉樹合板の荒々しさはどこかにうすれて床やタイルの印象と相まって、とても上品な印象に映ったのでした。

ここから蜜蝋でごしごしと丹念に磨きをかけていくと、けっこう良い良い具合の黒みが出てくるのではないかと思われます。

西洋風な面持ちなのだろうと思い込んでいたところが良い意味で裏切られた感じで、なるほどー、とたいへん勉強になった時間だったのでした。

ありがとうございました、お邪魔致しました。