アイはまぼろしのように

2023.08.07

アイは気まぐれ。

朝は7時にご飯を食べたら、みんなが出社してくる前に「にゃあ。(オレはもう行くよ。)」とドアをカリカリやって出て行ってしまう。工房が暑いのかしら。

そのまま17時の町のチャイムが鳴るかどうかのころに再び外でカリカリと。私が気付かないとドアの向こうで「にゃあお。」と呼ぶ。

「おかえり。」

「にゃあお。(ただいま。)」

ひとしきりご飯を食べると、再び「にゃあ。(オレはもう行くよ。)」

時折、タケイシさんが仕事あがりに2階に上がってくるタイミングでアイに出くわす。

「おぉ、久しぶりですね。」

「にゃお。(そうかい。)」

ご飯を買いそろえたり、一番の世話を焼いているはずのアキコは、「私なんてアイちゃんのこともう何ヶ月も見ていないよ。」と淋しそうに嘆く。

アキコにとってはアイはまぼろしのようです。

先日、猫と建築社の中村さんとメールをしていて、「ノラ猫がノラ猫で居られる場所が少なくなってしまった」というお話に触れていました。昔はもっとおおらかでいられたように思えますって。

今の在り方がいいとかダメとかではないのですが、なんとなく猫と気軽に過ごせる時間が昔はもっとあっていろいろな思い出があったなあ、と中村さんと話していて振り返っていたのです。

みんなが元気で居られればそれが一番です。